営業マネージメントの具体的方法|営業マネージャーの組織強化プロセス

営業を強化するには営業活動のマネージメントが必要不可欠です。

しかし、マネージメントのやり方がわからなかったり、マネージメントについての知識が少ないと、そもそも営業マネージャーが動けなかったりもします。

そこで今回は、営業マネージャーが組織強化する為の方法やプロセスについて解説していきたいと思います。

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営業マネージメントが必要な理由

営業マネージメントとは、営業職が目標を達成するために、目標数字やモチベーションを管理することです。

営業の仕事は明確な数字(売上)として現れるため、他の仕事とは違った特殊性を持っていると思います。

つまり、経理や総務など毎日コツコツと仕事すれば必ず結果に結びつく仕事ではなく、毎日努力をしていても売上ゼロという状態も実際あり得るのです。

このような特殊性があるのにも関わらず、営業職の場合は”売上ゼロ”という状態は仕事をしてないとみなされてしまいます。

それではなぜ一生懸命頑張っているのに”売上ゼロ”という結果があり得るのでしょうか?

その理由とは、営業現場では様々な利害関係者が絡んでいるため、個人の力だけでは限界があるからです。

例えば営業活動に関係してくる関係者とは以下のような人がいます。

主な関係者
  • 現場でセールスする営業パーソン
  • 商品を考える営業企画部
  • 営業パーソンをサポートする営業事務
  • 請求書を発行したり売上を管理する経理部
  • 部品を供給するサプライヤー
  • 製品サービスを購入するお客様

ここで挙げたのは代表的な関係者なので、製品サービスの内容やビジネスモデルによってはもっと多くなるはずです。

このようにたくさんの関係者が出てくるので、営業活動の複雑さは増していくばかりです。

そのような複雑な営業活動を管理するために求められるのが、営業マネージメントや営業管理能力になります。

営業管理するポイントとは?

複雑な営業活動を管理するためには、ある程度のコツをつかむ必要があります。

まず押さえておきたいのは、営業マネージメントをする理由についてです。

営業活動をマネージメントする理由とは、営業スタッフの目標達成を支援し、チーム全体の数字目標を達成するためです。

そのために、営業マネージメントでは5つの項目をマネジメントしてきます。

5つの項目
  1. 基礎管理
  2. 行動管理
  3. 案件管理
  4. 意欲管理
  5. 実績管理

この5つについて詳しく解説していきたいと思います。

①基礎管理とは?

基礎管理とは、営業活動するための基礎知識やスキルを管理することです。

例えば、以下のような項目が挙げられます。

  • 敬語や丁寧語、謙譲語の使い分けができるか?
  • ビジネスマナーが身についているか?
  • 正しい名刺交換ができるか?
  • 要点を押さえたコミュニケーションができているか?

これはつまり、「営業活動する上で絶対に必要な基礎要件を身につけているか?」ということを管理するのです。

新入社員や中途社員はもちろんですが、ベテラン社員もチェックする体制が必要だと思います。

仕事に慣れたベテラン社員は、基礎部分を適当にこなしていることが多いので、注意が必要です。

これができていない人は、そもそも営業現場に出てはいけないスタッフなので、漏れないように管理しましょう。

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➁行動管理とは?

行動管理とは、営業スタッフごとの行動を管理するということです。

管理する行動には以下のようなものが挙げられます。

  • 営業リストの作成方法
  • テレアポの件数
  • アポイントの獲得率
  • 商談数
  • 受注数
  • 失注数
  • 販売した製品サービスの種類

管理すべき指標は会社毎に変わってくると思いますが、とにかく会社にとって重要な指標を管理するのが良いと思います。

これはKPI(Key Performance Indicator)とも呼ばれていて、事業を運営する上での重要指標と言えるでしょう。

また、出来る限り詳細に数字管理することをお勧めします。

営業スタッフを横並びに見た時、定量的な数字を見ることで新たな気付きがあるかもしれません。

そのためには徹底的な行動管理が必要なのです。

➂案件管理とは?

案件管理とは、見込み案件を管理することです。

見込案件は営業パーソンが個人的に管理していると思いますが、それ以外にも会社として案件管理する必要があります。

見込み案件の詳しい管理方法については下の記事を確認して欲しいですが、新規見込みや既存顧客を問わず、案件を管理するということは、目標達成に近づくための絶対条件だと思います。

どれだけ正確に見込み案件が管理できているかで結果は変わってきます。

なので、営業マネージャーであれば絶対に管理すべき項目だと言えます。

④意欲管理とは?

意欲管理は、とても難しいと思います。

むしろ人材マネージメントの中で一番難しいと言えるのではないでしょうか。

「意欲」とは営業スタッフのモチベーション管理を意味しています。

仕事に対する考え方は人それぞれなので、全員のモチベーションを高いレベルに引き上げることは難しいと思いますが、それでも仕事には意欲的に取り組んでもらわなければいけません。

自分が担当する営業チームのスタッフ全員が最高のパフォーマンスを出せるようにバックアップするのも営業マネージャーの仕事なのです。

モチベーション管理については下の記事をご覧ください。

➄実績管理とは?

実績管理とは、原則的には売上実績のことを指します。

ただし、会社によっては「粗利実績」を重視したり、「純利益」を重視するケースもあるでしょう。

なので会社によって管理する実績は変わってくると思います。

他にも、様々な実績値があると思います。

  • 新規開拓件数
  • 既存顧客の活性化率
  • インバウンドからの受注率
  • アウトバウンドからの開拓数

実績管理も会社によって様々だと思うので、ビジネスモデルに合った最適な数値を管理してみてください。

営業部のマネージャーは、組織全体のパフォーマンスを上げること、そして、個人の数字目標を達成させるために動きます。

すべてを営業マンに任せるのではなく、結果が出ない問題を一緒に解決できるようマネージメントしていくのです。

そのためには、営業スタッフに強い目標達成意識を持たせることが絶対必要なのです。

マネージメントの考え方

マネージメントは、”経営管理”という意味を持つ言葉です。

経営管理とは、組織の目標を設定し、その目標達成のために経営資源を効率的に活用し、リスク管理等を実施することになります。

マネージメントの考え方は、アメリカの経営学者 ピーター・F・ドラッカーが生み出した概念と言われています。

そのため、ピーター・F・ドラッカーは、マネジメントの父と呼ばれていて、彼の著書「マネジメント」は、世界中でベストセラーになっています。

もしまだ読んでないのであれば、絶対に読むことをお勧めします。

ピーター・ドラッカー「マネジメント」
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ピーター・F・ドラッカーが提唱するマネジメントには、大きく分けて5つのポイントがあります。

5つのポイント
  1. 目標を設定する能力
  2. 組織化する能力
  3. コミュニケーション能力
  4. 評価測定能力
  5. 問題解決能力

目標を設定する能力とは、目標に対して深く向き合い、具体的に設定する能力のことを言います。

これは組織が目指すべきゴール地点みたいなものなので、設定を間違うと大変なことになります。

組織化する能力とは、人を束ねて、組織化するマネジメント力のことです。

これはリーダーシップと言われるケースもありますが、「統率力」と言った方が正確かもしれません。

リーダーシップについて知りたい場合には、下の記事をご覧ください。

コミュニケーション能力とは、成果を上げるための、チーム内における高いコミュニケーション能力のことです。

営業現場におけるコミュニケーションとは少しニュアンスが違うので注意してください。

評価測定能力とは、人を測定して評価するマネジメント能力です。

これが1番マネージャーらしい仕事かもしれませんね。

人を評価する時にはポイントがあるので、詳しくはドラッカーの著書をご覧ください。

そして、問題解決能力とは、問題を見極めて、適切に処置する力を表現しています。

マネージャーは、マネージメント力の高い仕事をするために、このようなマネジメント戦略を学ぶ必要があります。

これはとても奥深い話なので、ここで語り尽くすことはできません。

なので、ぜひピーター・F・ドラッカーの著書「マネジメント」を読んでみてください。

ピーター・ドラッカー「マネジメント」
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営業マネージャーの役割

営業マネージャーは、営業メンバーのマネジメントを行いますが、求められることは多岐にわたります。

  • チーム全体の数字管理
  • 営業職個人の数字管理
  • モチベーション管理

などをすることで、個人成績を上げ、チーム全体の数字を上げ、最終的には会社全体の業績を押し上げることを目指していきます。

そのため、営業マネージャーという役職は、会社の経営幹部であることを自覚する必要があります。

会社の売上を担う立場なので、経営理念やビジョン、そして経営戦略など、会社全体の方向性をきちんと理解しておくべきなのです。

その上で、組織全体の最適化、そしてチームの最大化を考えて動く必要があります。

ただ、ここで注意して欲しいのは、闇雲に組織を拡大させないことです。

「売上の最大化を目指す為には、組織の最大化を目指す!」と単純に考える人がいますが、これは経営的な観点ではとても危険な行為だと言わざるを得ません。

組織の最大化を目指すことは、同時に固定費を上げることに繋がっていきます。

日本の法制度では、一度採用した人員を簡単に解雇することができないので、もし不測の事態が起こった場合、抱えている人件費が大きな足かせになる可能性があります。

なので、出来る限り身軽な状態で経営した方が良いのです。

それでは、どうすれば組織の最大化を目指すことができるのでしょうか?

その答えはアウトソーシングを活用することにあります。

アウトソーシングとは、「業務を外部に委託すること」を意味する言葉です。

アウトソーシングできる業務はほぼ全ての業務なので、もちろん営業活動もアウトソーシングすることができます。

もしアウトソーシングに興味があれば、下の記事をご覧ください。

良いマネージャーになるには優秀な営業スタッフに依存するのではなく、役割や責任を明確にしチーム全体を底上げするように管理していくことが大事なのです。

プレイングマネージャーという働き方もある

営業職と同様に数字を持ちながら、管理職としても活躍するプレイングマネージャーという人がいます。

そのような人は、

  • プレイヤーとしての業務
  • 管理職としてのマネージメント業務

の双方を担っている貴重な人材です。

そのため、プレイングマネージャーは、絶妙なバランス感覚が求められる仕事だと言われています。

とても難しい働き方ですが、伸びている組織には優秀なプレイングマネージャーがいるケースが多いはずです。

一般的に「優秀なマネージャー」と言われる人は、無理に部下をコントロールしようとせず、適切なサポートに専念しています。

すると、部下は「信頼されている」と感じ、自分から率先して動くようになるのです。

プレイングマネージャーを上手く活用すれば、組織を飛躍的に成長させることができるので、積極的に活用すべき仕組みだと思います。

中小企業に多い役職なので、気になる人は下の記事をご覧ください。

組織強化の具体的な施策

営業組織を強化するためには、いくつかの具体的な施策があります。

例えば社内研修を実施することです。

強化研修は、ほとんどの企業が実践している方法ですが、成果を上げるための原理・原則を学ぶことができます。

売れる営業マンになるための、アプローチから商談、クロージングまでの総合力の強化、又はスーパー営業マンから学ぶ営業手法など、営業パーソンが生産性を上げる為の研修内容が盛り沢山です。

しかし会社内に研修コーチとなる人材がいないのであれば、外部のコンサルティング(コンサル)を導入するという方法もあります。

コンサルティングは、営業職へのテコ入れよりも、営業組織に対して、より効率的・効果的な営業組織の構築を目標として業務改善することができます。

しかし、コンサルタントを入れる場合、注意して欲しいことがあります。

それは、必ずマーケティングとセットで考えることです。

セールスのコンサルタントといえば、教えてくれるのは営業ノウハウや営業テクニックの話になってきます。

しかし、机上の空論である営業テクニックだけを学んでも全く意味がありません。

本質的には”マーケティングノウハウ”と”セールスノウハウ”がセットなっていなければ全く意味が無いのです。

もう少し具体的にお伝えすると、

  • 見込み顧客を集客すること(=マーケティングノウハウ)
  • 集客した見込み顧客をクロージングすること(=セールスノウハウ)

がセットになっていなければ、営業活動は完結しないのです。

なので、営業コンサルタントを採用する場合には、その人に「マーケティングノウハウがあるのか?」というポイントも同時に確認しましょう。

もしマーケティングノウハウを持っていないということであれば、そのコンサルタントに依頼する価値はありません。

会社内にいるトップセールスから営業ノウハウを共有してもらった方がマシだと思います。

チームビルディングを行う

営業組織を強化する場合、チーム力の向上も目指さなければいけません。

営業活動は属人化しやすい傾向にありますが、そのような仕組みでは組織全体の底上げにつながりません。

これはあくまでも一般論ですが、優秀な営業パーソンのノウハウは社内共有されていないケースが多いと思います。

なぜか分かりませんが、経営者は会社内に優秀なトップセールスがいるのに、そのセールスノウハウを共有して底上げに繋げようという発想があまり無いようです。

このような経営者は、会社内に優秀なセールスパーソンがいるのに、なぜか外部のコンサルタントに研修依頼をしてしまうのです。

そんな時には少し冷静になって欲しいと思います。

あなたの会社の中にも、きっと「トップセールス」と呼ばれる優秀な営業パーソンがいるはずです。

そのような優秀な人材が身近にいるのに、そのリソースを使わず放置しておくのは「宝の持ち腐れ」と言わざるを得ません。

そんなことをしていては遠回りになるので、下策とまでは言いませんが、決して良策とは言えません。

なので、まずはチーム力向上の取り組みとして、優秀な営業マンのナレッジを社内共有していきましょう。

その為にはCRMやSFAなどのツール導入が必要不可欠と言えるでしょう。

このようなツールを導入して、営業活動を定量化していくのです。

そこで蓄積したデータを基にして、定期的な営業会議を開きます。

営業チーム全員で、「どうすればトップセールスのようなパフォーマンスを発揮できるのか?」という糸口を探してみてください。

こうすることで、チームビルディングが実現していくはずです。

チームビルディングとは、目標達成のためにチームのメンバーが主体的に行動して、協力し合う組織づくりの手法をいいます。

チームビルディングは、成功するための組織づくりとして欠かすことができないので、ぜひ参考にしてみてください。

すごい会議
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目標設定の具体例

営業戦略において、目標設定が重要であることはこれまで解説してきた通りです。

目標設定の具体例には様々なものがありますが、有名なものでは目標管理シートがあります。

目標管理シートとは、達成率をもとにして、営業活動の進み具合を可視化したものです。

例えば、あなたの6月度の目標数字が売上150万円だったとします。

6月の日数は30日なので、「150万円÷30日=5万円」という数字が出てきます。

ということは、毎日5万円の売り上げがなければ、営業活動の進捗が良くないと判断されるのです。

目標までの道のりが曖昧だと動きが鈍くなってしまうので、目標達成するまでの道筋を明確にすることが大切なのです。

そうすることで業務効率化が実現でき、最短距離で成果を上げることができるはずです。

特に新卒社員は手探りな状態がしばらく続くはずなので、自ら目標設計シートを作成して、自分が進むべき道筋を描いていきましょう。

そして、少しずつ目標達成できるようになると、大きな目標達成に近づいてきます。

無理な目標ではなく、頑張れば到達できる目標を確実に押さえていくことで、自分に自信もつくはずです。

もし営業目標の達成方法がわからない場合、下の記事をご覧ください。

まとめ

営業のマネジメントは多くの会社で属人的、かつ感覚的に行われていると思います。

しかし、営業職というのは全てを数字に落とし込むことができる仕事なので、実はとても管理しやすい職種だと言えます。

ここで得た情報を参考にして、自社に合った営業管理のやり方を見つけてください。




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