営業職であれば、絶対に”提案力”が求められるはずです。
ただ、提案力を強化するのは決して簡単な話ではないですよね。
そこで今回は、営業職の必須スキルと言われている「提案力」にフォーカスしたいと思います。
コンサルティング営業には提案力が必須
提案力という話題なので、まずは”コンサルティング営業”について触れなければいけません。
コンサルティング営業は就職&転職市場でも人気の職種ですよね。
有名企業で言えばアクセンチュア、ボストンコンサルティング(BCG)、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、ドリームインキュベーター…など、数多くのコンサルティング会社が存在しています。
そもそもコンサルタント職も営業職の一種なのですが、クライアントが抱えている課題や悩みに対するソリューションを提供している職業です。
なので当たり前ですが、顧客ニーズをヒアリングした上で、その問題が解決できるソリューションを提供しなければいけません。
このような観点で見ると、コンサルティングという仕事は”バックオフィス”や”技術職”とは無関係に思えますが、実はそんなことありません。
例えば技術職の人は、お客様から要件をヒアリングし、問題があれば最適解(ソリューション)を提案しますよね。
バックオフィスの人も社長から指示されたことが非効率であれば、それに対する改善提案をしたりします。
なのでビジネスパーソンであれば、絶対に”提案力”を身に付けて損することなど無いのです。
コンサルタントはきつい仕事
一般的な営業職と同様に、コンサル営業でも”顧客第一主義”を掲げることは変わりありません。
場合によってはハンズオンで貢献しながら、顧客の課題解決をサポートするのですが、その仕事内容はかなりハードできついと言われています。
その反面、所属会社への貢献度はとても大きい(=売上金額がとてつもなく大きい)ので、やりがいは十分でしょう。
例えば大手企業のコンサルティング案件であれば、売上1億円を超えるのは日常茶飯事で、案件によっては数十億円の規模になることもザラです。
この売上や実績が給与にも反映されるので、頑張れば頑張るほど稼げる仕事だと言われています。
特に外資系コンサルタント会社になれば、一般的な営業マンでも年収1000万を超えるのが当たり前なので、それがモチベーションアップにも繋がっているようです。
このようなコンサルティング営業に興味がある人は、下の記事もご覧ください。
提案力とは”自己PR”である
コンサルタント営業で実績を上げつつ、顧客満足度を向上させていくためには営業職としての総合力が求められます。
例えば、クライアントとのコミュニケーションをスムーズに進める力は必要最低限ですが、ヒアリングした内容からソリューションを考える知識や経験も求められます。
それに加えて、クライアントが納得するような高い次元の提案力も求められるので、一般的なセールスマンでは到底務まらない仕事がコンサルティング営業だと言われています。
このようなスキルはコンサルタントになってから習得しようとしても時間が掛かるので、事前に読書をしたり勉強して、「提案力とは何なのか?」をしっかり理解しておきましょう。
コンサルティング営業における”提案力”とは、クライアントが抱えている課題に対するソリューションを自分なりに考えて、そのロジックをわかりやすく具体的に、かつ体系的に説明することです。
たとえ同じ課題だったとしても、クライアントによって状況は大きく異なるので、案件によって提案内容は変わってくるはずです。
しかし、どのようなソリューションをするにせよ、提案内容にワクワクしてもらえなければ意味がありません。
そういった意味で、提案力は「自己PRみたいなもの」だと言われています。
自己PRは面接や異業種交流会などで実施されていますが、初対面の人に対して自分自身をアピールする時に使われています。
コンサル営業はたとえ良いソリューションが思いついたとしても、その内容をクライアントが理解してくれなければ、その提案は採用されません。
そのような観点で考えた場合、提案力とは自己PRに似ていると考えられるのです。
提案力の強化方法とは?
コンサルタントとしての営業力を成長させるためには、提案力の強化が欠かせません。
それでは、一体どのようなやり方をすれば提案力を強化できるのでしょうか?
ここでは提案力の強化方法について解説していきたいと思います。
提案力は漠然と営業しているだけでは育たない能力なので、きちんと目的をもって取り組んでいくことが重要になります。
最も単純で効果的だと言われているのは”社員研修”を活用するやり方です。
提案力とは、ヒアリング能力や企画力、プレゼンテーションスキルなど色々な能力やスキルに加え、個性や独自性を組み合わせて生み出されます。
その基本的な理論や考え方、具体的な事例のケーススタディーなどを学ぶことは、提案力を伸ばす上でとても効果的だと言われています。
また、いくら知識を付けたとしても実践的に身につけなければ、ビジネスで活用することはできません。
その為に実施すべきなのはロールプレイングです。
コンサルタントとして経験年数が浅い人は、クライアントの立場を理解できていないことが良くあります。
営業マンとしての立場だけでなく、お客様側の立場をロープレで経験しておけば、「どんな提案なら心に響くのか?」という本質的な部分が理解できるはずです。
ここまで実践的なやり方をご紹介してきましたが、提案力を強化する方法は他にもあります。
それは営業の”事前準備”をしっかり行うことです。
お客様に対して提案する為には、クライアントが抱える“現在の課題点”をきちんと把握しなければいけません。
それを探し出すことに加えて、その解決策(アイデア)をアウトプットしていくのですが、その内容を提案書(企画書)に落とし込むのです。
そして何度も何度もイメージトレーニングして、プレゼンのクオリティを高めていきましょう。
実はこの一連の流れこそが、最も提案力が強化できる方法だと言われています。
つまり「インプットしたものをアウトプットする」という当たり前の話なのですが、人間はどうしてもラクしたい生き物なので、近道や攻略法を探してしまいます。
しかし実際には泥臭い努力が必要なので、楽することばかり考えないようにしましょう。
コミュニケーション能力がキモ
提案力を強化する方法とは、クライアントが抱える“現在の課題点”を正確に把握することだと解説しました。
この源泉となる能力はコミュニケーションスキルです。
営業現場におけるコミュニケーションとは、会話する能力や語彙力の多さ、ジェスチャーやツールなどを通して意思疎通するスキルのことを指すわけではありません。
雑談をしたり世間話するコミュニケーション能力も重要なのですが、もっと重要なのは「顧客の課題や悩みをヒアリング(引き出す)する能力」です。
普通の雑談みたいに感じさせておきながら、セールスする上で重要な顧客情報を聞き出せれば、クライアントも驚くような提案ができるようになるでしょう。
逆にコミュニケーション能力が低いと、クライアントの求めていることがわからず、提案が的外れなものになりがちです。
クライアントは「課題解決できるソリューション」をコンサルタントに求めるので、余計なものがたくさんあったり、不足している提案を快く思ってくれません。
提案力を向上させるためには、コミュニケーション能力という名の”ヒアリングスキル”を育み、「クライアントが一体何を求めているのか?」を具体的に把握できるようにすることが大切だと思います。
社内の営業力アップに繋がる
ここまで解説してきた提案力を強化することは、最終的に営業力をつけることに繋がっていきます。
営業マンが”クライアント第一”に考えるのは、結局はクライアントの課題を正しく聴き取り、ニーズを理解して、的を射たソリューションを提案することと同じことなのです。
相手の期待に応える提案をすれば、それが結果的に契約数の増加や売上アップにつながっていきます。
つまり、提案力を向上させることは“営業力を強化する上で欠かせない”ことなのだと経営者(ビジネスリーダー)は認識しておくべきでしょう。
いつも行っている社員研修の内容を見直したり、提案力を理論的&実践的に身に付けられる機会を作ることも重要だと思います。
また、提案力強化のために自己研鑽を奨励する制度を整えることも効果的です。
例えばビジネス書の購買を後押しする施策や、資格取得を支援する制度などが挙げられます。
もしそのような制度がなかったとしても、自己研鑽することは必要なので、有名なビジネス書くらいは読んでおきましょう。
会社が用意する福利厚生に応えながら、営業マン自身もプロフェッショナル人材になることを目指して日々精進することが肝心です。
ただ与えられた機会を活かすだけでなく、自ら率先してトレーニングしていきましょう。
同僚と自主的にミーティングを開いて、互いの営業ノウハウを伝えあったり、成功事例を共有しあうのも良いと思います。
提案力を身につけるのは、一朝一夕に成し得る話ではないので、継続的な努力が求められます。
しかしその努力が営業実績につながった暁には、自身の成績も上がり、成長した実感も得られるようになるはずです。