営業マンなら誰でも「売上をアップさせたい!」と思っているはずです。
ただ売上を増やすことは簡単ではないので、全てのセールスパーソンの悩みの種になっているはずです。
そこで今回は、売上アップさせる為のコツや売上目標の設定方法について解説したいと思います。
もっと頑張りたいセールスパーソンは是非ご覧ください!
目次
売上をアップさせるコツはあるの?
営業マンや事業責任者、経営者にとって、会社の売上をアップさせることは職務として課せられる重要な課題だと思います。
実際の現場では、具体的な売上目標(ノルマ)を設定して営業するのですが、決められた目標通りに予算達成することは意外と難しいものですよね。
短時間で簡単に売上アップすることができる便利な方法があれば良いのですが、そのやり方を知らない人が多いので、現場で働く営業パーソンにとっては悩みの種でしょう。
実際には「売上をアップさせるためのコツ」は存在しているのですが、必ずアップできる絶対的な法則は存在していないので、お店や会社独自の取り組みが必要となります。
売上アップにはマーケティングが欠かせない
アパレルやスーパーなどの業種業態や、各中小企業が置かれている環境によっても、適切な対処方法は異なってきます。
個人事業として営業しているお店や飲食店、日用品を販売する小売店でも売上をアップさせるコツはあるのです。
その代表例が”ランチェスター戦略”だと思います。
この内容を端的にお伝えすると、中小ベンチャー企業が「大企業に勝てる法則」をロジカルに解説してくれるのがランチェスター戦略だと言えます。
規模の小さい会社ほど効果が実感できる戦略なので、もし気になる人はぜひ市販されている書籍を読んでみてください。
独自に行う取り組みが、売上向上の切り札になる場合もあるので、それが競合他社との明確な差別化要因にもなり得ます。
その為、同じような商品を販売しているお店や企業の成功事例を研究することが、売上アップにつながることもあるのです。
ライバル店がどのような方法でセールスしているかを具体的に調査することによって、まだ競合が実施していないマーケティング施策を発見できるかもしれません。
ここまで読み進めた人は理解できたかも知れませんが、売上目標を達成する第一歩はマーケティング活動から始まるのです。
まずはこの部分を押さえましょう!
売上アップさせる要は”営業職”である
先程、売上アップさせる第一歩はマーケティング活動であることを解説しました。
マーケティングが成功すれば見込顧客を集めることができますが、それだけで売上はアップしません。
つまり、お客様が購入する意思を示してくれないと、実際の売上には反映されないということです。
特にBtoB営業ではその傾向が顕著になりますが、営業マンがクロージングできなければ、いつまで経っても受注(成約)に至ることはありません。
つまり、実務的な売上アップのキーマンになるのが営業職なのです。
営業マンの売上管理が必要
営業マンによって個々の能力や働き方は違ってきます。
なので一般的には、
- 優秀な営業マン:20%
- 普通の営業マン:60%
- ダメ営業マン:20%
という割合になると言われています。
これは
- パレートの法則
- 80:20の法則
- ばらつきの法則
と呼ばれるものですが、ほぼ全ての事象に当てはまる素晴らしい法則だと思います。
例えば、蟻の中でもきちんと働くアリの割合は20%だと言われていて、残りの80%は全く働かず、サボってばかりいるそうです。
会社組織でも全く一緒で、会社を支えている「稼げる営業パーソン」は全体の2割だと言われているのです。
そのような法則があるなら、「自然に身を委ねる経営が良いのではないか?」と勘違いする人がいますが、各営業マンの自主性に100%委ねてしまうと、営業組織は崩壊すると言われています。
その理由は明確で、本来人間というものは”ラクしたがる堕落性を持っている”からです。
よって営業組織では売上目標や進捗を徹底的に管理していかないと、絶対に良い結果を残すことはできないのです。
売上アップを実現するためには、個々の営業マンがどれだけの成果を上げているのか、正確に把握することも大切だということです。
売上目標を達成するために
簡単に達成できる売上アップ手法もあれば、目標達成まで長い時間がかかるケースもあります。
それではこの両者の違いは一体何なのでしょうか?
それは、”見込顧客の数”が関係してきます。
このように聞くと、見込顧客の数とは”新規見込客の数”と思ってしまうかも知れませんが、実際には”既存客の見込数”も含めた話になります。
既存顧客といっても、追加発注があったり、アップセル&クロスセルできたり、契約更新が発生するなど、たくさんのビジネスチャンスが存在しています。
例えば、今月100万円の売上目標があった場合、一般的な法人営業では「新規顧客:既存顧客=20:80」の売上割合になることが理想的だと言われています。
なので、営業成績がリセットされる月初の段階で、売上目標(100万円)を達成するための見込客をノートに書き出してみましょう。
その見込み顧客で130%以上(=130万円以上)になれば目標達成できる可能性が高いといえます。
逆にその数字が100%以下(=100万円以下)しか無いのであれば、目標達成は難しいというより、むしろ目標未達になる可能性が濃厚だといえます。
このような場合に、その不足分を補うため、ある程度目星をつけた既存顧客にニーズ喚起を行ったり、新規開拓営業をするしかありませんが、とにかく未達成になることが想定できたなら、まだ挽回できるはずです。
状況に応じて柔軟に対処して、不足分を早めに補うようにしましょう。
売上アップさせる接客術
売上アップを実現するためには、セールス担当者の接客術も重要な要素になってきます。
これは当たり前の話ですが、同じ商品を販売する場合でも”接客技術が優れている店員”が対応した方が、成約する可能性は高まりますよね。
といっても、売るのが上手いトップセールスだけに依存する訳にもいきません。
一人に依存した属人的な仕組みでは、その人が病欠したり、離職した瞬間に大幅な売上ダウンを見舞う羽目になります。
よって、経営リスクを分散させるという観点からも、できる限り優秀なセールスマンを多く生み出す必要があるのです。
セールストークで売上アップさせる
営業パーソンによって接客技術には差が出てきますが、所属している販売員の接客技術が向上すれば、設定した売上目標も達成しやすくなります。
その為には、果たしてどうすれば良いのでしょうか?
それは営業活動をデータ化し、そのセールススキルを平準化していくことです。
これが何を意味してるのかと言うと、「営業活動の仕組み化」を意味しているのです。
売れている店(支店や営業所含む)には優秀な販売員が在籍しているはずなので、まずは個人売上のパフォーマンスが高いお店を分析するところから始めていきましょう。
売上が高い販売員には共通した特徴が見られるはずなので、その営業パーソンに対してセールスノウハウのヒアリングを実施します。
- なぜそんなに新規受注が多いのか?
- なぜ顧客あたりの単価が高いのか?
- なぜテレコールのアポイント率が高いのか?
など、営業の秘訣(ノウハウ)といえることを細かく聞いていきましょう。
そのようなヒアリングをする中で気づくことがあります。
それは、多くの優秀な販売員はセールストークが優れているという点です。
一般的にセールストークとは「伝える力」を意味しています。
例えば自動車を売るセールスマンの場合には、「この自動車が他社製品よりもどのように優れているのか?」「この自動車はなぜ魅力的なのか?」ということを言語化して伝える能力のことをいいます。
これを実現する為には、
- 自社製品の徹底分析
- 競合製品の調査
- トークスクリプトの作成
- FAQの作成
が必要不可欠になると思います。
「結論から話して相手の興味関心を引く技術」など細かい営業スキルはたくさんありますが、最終的には”経験値”が重要になるので、成功体験の多いトップセールスからそのノウハウを盗みましょう。
とはいえ、トップセールスが自分のセールスノウハウを簡単に渡してくれるとは思えません。
その理由は単純明快で、社内にライバルを作ることになるからです。
自分の売れるセールスノウハウを共有することは、社内に営業スキルがアップしたライバル達をたくさん作ることに繋がります。
なので、「セールスノウハウを共有して欲しい!」とお願いしても、基本的には拒否されたり、本音を話してくれないはずです。
あからさまに拒否されなかったとしても、全てを教えてくれなかったり、嘘をつかれる可能性もあるということです。
なので、それを仕組みでカバーするやり方を構築しなければいけません。
具体的には以下のようなイメージです。
- 営業ノウハウを提供してくれた人に報奨金を出す
- 役立つ営業ノウハウを提供してくれた人を社内表彰する
- 営業ノウハウ提供者は優先して出世させる
この他にも、社内選抜したトップセールス同士でチーム戦を行わせるというやり方もあります。
そのやり方は以下の通りです。
- トップセールスA、トップセールスB、トップセールスCを社内から選抜する。
- その三人は、チームA、チームB、チームCのリーダーとなる。
- チームメンバーは会社内から5名づつ選抜(チームA、チームB、チームCで合計15名)する。
- トップセールスAはチームAを指導、トップセールスBはチームBを指導、トップセールスCはチームCを指導する。この指導の中には、自分のセールスノウハウの共有も含まれる。
- 半年間競った結果、最も売上実績の高かったチームに次の新規事業を任せる。
- チームリーダーであるトップセールスは新規事業部の責任者、または 子会社の社長に任命する。
このようなインセンティブをつけた施策であれば、トップセールスもノウハウの共有をしやすいですし、どのやり方が一番効果的(=汎用性がある)かを実証することもできます。
会社にとっても一石二鳥の施策なので、ぜひお試しください。
売上アップはアイデア次第
商品サービスの魅力や特徴などをお客様にわかりやすく伝えることができたとしても、それは直球勝負でしかありません。
ビジネスとは競合他社との勝負なので、直球だけでなく変化球も多用していかなければ売上目標を達成し続けることはできないでしょう。
この時に必要なものが”アイデア”です。
たとえ同じような製品サービスだったとしても、
- 売り方(戦術)を変えたり
- プライシングを工夫してみたり
- 他製品と一緒にパッケージ販売してみたり
アイデア次第で色々な売り方ができます。
実は、このように少し見せ方を変えるだけで、爆発的に売上アップする事例は後を絶ちません。
例えばある調味料メーカーでは、中身を変えずにパッケージだけを変えて売上爆増を実現させたというケースもあります。
もっとシンプルな施策には、商品のネーミングを変更しただけで売り上げが激増したケースもあって、単なる缶コーヒーだったとしても「朝専用 ワンダモーニングショット」というネーミングにしただけでヒット商品になった事例もあります。
もちろん「会社員は朝一に缶コーヒーを飲む人が多い」というマーケティングに基づいた商品企画だったのですが、これは売上アップの好例だと思います。
他にも、一見すると普通のハサミですが、5枚刃を搭載している「刻みのりを簡単につくれるハサミ」という商品がありました。
この5枚刃によって簡単に刻み海苔が作れたのですが、そもそも刻みのりを切るために新たなハサミを買う人は少なく、わずかしか売れないお荷物商品でした。
それを「レシートや領収書を一度切るだけで細片に裁断できる」という商品にリブランディングしたのです。
具体的には、製品そのものは変えずに、名前だけ「秘密を守りきります!」というネーミングに変えて、手のひらサイズのハサミ型シュレッダーとして売り出したところ、累計100万本を突破する大ヒット商品へと大化けしました。
個人情報保護法が全面施行された関係もあって、企業だけでなく、一般家庭でも個人情報の取り扱い意識が高まっていたニーズを見事に捉えたのです。
もし原価率が低い商材であれば、フリーミアム戦略を取ることも良いでしょう。
例えば「無料サンプルの配布」や「無料の試食提供」などが代表的な例だと思います。
顧客に商品の魅力を説明するためにはトークスキルが重要なのは勿論ですが、ちょっとした匙加減だけでも売上アップは実現できるのです。
売上目標の設定方法
売上目標を達成するには、達成できるような目標を設定することも重要です。
かといって、設定する売上目標が低すぎると無意味になりますし、逆に売上目標が高すぎるのも売上アップの妨げになることがあります。
人間は目の前に達成することが不可能な壁があると、モチベーションが下がってしまう生き物なのです。
なので、達成可能な目標を設定することが大切なのですが、そう簡単に達成できる数字ではなく、ある程度努力して、少し背伸びすると達成できるような目標にしましょう。
この時の目安は、前年同月比110%~120%くらいが適当だと思います。
売上目標の根拠を提示する
多くの成果を残しているトップ営業マンとそれ以外のセールスパーソンの違いを見極めることで、売上アップのために必要なことがハッキリと見えてきます。
それは目標数字への意識についてです。
自分が達成すべき目標数値があったとして、「それを達成する為に必要なKPIがきちんと把握できているのか?」という話になります。
- 見込顧客の数
- 訪問営業の数
- テレアポ営業の数
- リスト作成の数
できる営業マンはこのような数字をきちんと把握できているケースが高いですが、未達の常連者ほど行き当たりばったりのセールス活動をしているので、KPIの把握どころか達成するイメージすら描けていないのです。
これを「仕事だからちゃんとやれ!」と命令することもできますが、営業マン自身が腑に落ちていないと、決して最高のパフォーマンスを発揮することはできません。
なので、”目標数字を設定する意味”から丁寧に説明することが必要になります。
例えば、今月の目標数字が売上1,000万円だった場合、「なぜ1,000万円なのか?」ということを経営者がきちんと営業メンバーに説明するのです。
まず1,000万円と設定した理由は「先月の売上が950万円だったので、それよりも上を目指した…」などを説明します。
その上で、「先月の売上は950万円、原価+販管費は月800万円で、営業利益は150万円だったが、今月は集客強化の一環で広告宣伝費を200万円増やすので、950万円よりも50万円高い1,000万円を目標にした」と具体的に説明すれば、最低でも1,000万円という売上を作らなければ会社が月次赤字になることが理解できるはずです。
また、詳細な説明をすることで仕事に対する取り組み方が変わってくるはずですし、当事者意識が芽生えるので、個人の責任感も大きくなるはずです。
これをせずに、「売上目標は1,000万円なので、みんなで頑張って達成しましょう!」とシンプルに伝えるのでは、営業部のモチベーションに雲泥の差が出てしまうのです。
この辺りの伝え方については、経営者や事業責任者の人が注意すべき点といえるでしょう。
目標達成には”営業戦略”が重要
会社全体の売上目標を達成するためには、営業マン一人が頑張っても意味がありません。
フロントに立つ営業パーソンは勿論ですが、バックオフィス業務の人達とも連携しなければいけないということです。
会社で働く人達が一丸となって努力すれば、たとえ売上目標に達することができなくても、きっと大きな成長が見込めるはずです。
その為には営業会議を開催して、営業に関する戦略&戦術を意思決定していきましょう。
このようにすることで、統一感のある営業戦略が実現できます。
営業会議を行う場合には、会議に参加する人が独自のアイデアを持ち寄って効果的な営業戦略を決定していくことも重要なポイントです。
実際に営業を担当しているメンバーが会議に参加することで、営業現場のリアルな意見を戦略決定に活かすことができます。
売り上げアップするためにやるべきこと
まず結論から申し上げると、売上アップを実現するためにすべきことは「効果的なセールスとプロモーション活動」です。
どちらか一方が欠けても売上目標を達成することは困難になるので、両方を上手く融合させながら実施する必要があります。
つまり、営業活動という言葉の中には「セールス×マーケティング」の要素が詰まっていることになります。
営業ナレッジを共有する
企業の規模によっても適切な取り組み方法は異なりますが、中小企業の場合には営業マン一人一人の具体的な行動によって、売上が大きく変化する可能性があります。
特に営業担当者が10人以下の規模が小さい会社では、その影響は甚大でしょう。
それはある意味では経営リスクといえるものなので、全体的な営業力の底上げが必要になってきます。
その為には人材育成が避けて通れません。
社内外の研修を実施したり、ロールプレイングを実施するのは勿論ですが、一番効果的なやり方は、先ほど解説したようにトップセールスのノウハウを社内共有することです。
どんなに偉い著名な研修家を外部から招いたところで、自分達のビジネスモデルや商材に合っているとは限りませんし、研修費用をドブに捨てることにもなりかねません。
しかし、社内にいるトップセールスのノウハウは、他営業パーソンの参考にもなるので、再現性が高いはずです。
「どうすれば効率的に営業ナレッジを蓄積できるか?」ということを常日頃から考えていきましょう。