「売れている営業マンの秘密が知りたい!」と考えてる人は多いと思います。
そこで今回は、トップセールスが実践するセールストークやその中身を徹底的に解説していきたいと思います。
クロージングスキルを強化したい営業職の人は必見です。
目次
セールストークとは?
セールストークは「営業トーク」「販売トーク」といわれることもありますが、営業パーソンが自分の販売している商品サービスを購入してもらう為の会話テクニックを指します。
営業とはお客様の課題を解決する行為なので、顧客の役に立つためには、最終的にセールスへ繋げなければいけません。
提供している商品サービスを顧客に販売するためには、商品に興味をもってもらえるような営業トークで、上手に商材の特徴&強みを説明する必要があります。
お客様に興味を持ってもらうためには、以下のような疑問点をクリアしていきましょう。
- 商品サービスにどんな魅力があるのか?
- 競合他社の製品と比べてどんな強みがあるのか?
- なぜ自分にこの商材を提案しているのか?
営業トークは、臨機応変に対応していくことも重要なので、商談する相手によって話し方を柔軟に変えながら、少しでも興味を持ってもらえる話し方にする必要があります。
そしてセールストークを上手く着地させる為に、あらかじめ決められたトークスクリプトも準備しておきましょう。
これは頭の中で構築しても大丈夫ですが、言いたいことは「スタート(営業開始)からゴール(受注)」までの道筋を立てておくということです。
その基本となるトークスクリプトを、状況にあわせて柔軟に変化させることで、幅広いニーズの見込み顧客に対応できるようになります。
実際にトップ営業マンとして活躍している人の中には、こうした営業トークを巧みに使いこなしている人が大勢います。
人を惹きつけることができるような話術で商品の特徴を説明できれば、十分な魅力が相手に伝わるはずです。
これを自然体でこなせるのが、トップセールスの特徴なのです。
フロントトークを意識しよう!
フロントトークとは、クロージングに至るまでのセールストークを指します。
しかし、なんでもかんでも「フロントトーク」と言うのではなく、フロントトークには「受注するための土台づくり」というニュアンスが含まれているのです。
なのでフロントトークでは、とにかく顧客ニーズのヒアリングを重視します。
そしてそのニーズに合わせたストーリーを組み立てて、最終的に商材を当てていくのです。
そうすれば顧客ニーズに合った製品サービスが提案できるので、クロージングでは高い確率で受注に至ります。
クロージングに至るまでの雑談や世間話も含めて、すべて受注するための布石として考えるのがフロントトークの考え方です。
一分の隙もなく、無駄な雑談がないセールストークは、とても美しい営業活動を実現するはずです。
セールストークは場面で変える
セールストークを向上させるためには、場の空気を読むことです。
重要になるのは、話す場所や相手によって、トーク内容を巧みに変化させる営業スキルです。
商談する相手だけではなく、商談をするシチュエーション…
例えば、
- 会議室なのか?
- ホテルのロビーなのか?
- 喫茶店なのか?
という場所や、
- 複数人が相手なのか?
- 決裁者は同席しているのか?
- 何回目の商談なのか?
などのシチュエーションによっても、セールストークは変化していきます。
つまり、たとえセールストークの雛形があっても、いつもその通りにすればOKという単純な話ではないのです。
例えば、高額な商品を少量販売する場合と、低額な商品を大量販売する場合とでは、セールストークのポイントが真逆になってきます。
あらかじめ提案する商品の特徴をおおまかに記したトークスクリプトがあったとしても、状況に応じてスクリプトの内容を微妙に変化させるような技術が求められるのです。
有名なセールストークのテクニック
優れたセールストークを実践するために役立つ技術として有名なのが「応酬話法」です。
この話し方のコツは、対話の流れの中で、相手の質問にそって話を進めていくという部分にあります。
商談の中には、相手が必ず聞いてくるような典型的な質問があるので、それに対する想定問答集(FAQ)をあらかじめ用意しておくことで、自分の思っているような有利な方向に話を進めることができます。
また「切り返しトーク」というテクニックも知っておくべきテクニックです。
相手がセールストークに対してネガティブな意見を言ってきたときに、それに対して論理的なトークを即座に返すことを「切り返しトーク」といいます。
しかし、お客様に真正面から反論することは良くないので、自然に商品をアピールするための会話に切り返すイメージのトークスキルになります。
トークスクリプトを作るコツ
セールストークを向上させるためには、あらかじめ会話の基礎となるようなトークスクリプトを作っておくのが効果的だと思います。
販売している商品の魅力を顧客にわかりやすく、かつ簡潔に伝えることが営業パーソンの仕事です。
それを実現させるのがトークスクリプトなのです。
そこにスクリプトを作る重要な意味があります。
電話営業で商品の売り込みをする営業マンなどには、こうした会話技術が特に必要になります。
テレアポや電話営業をする場合には、商品の魅力を短時間、かつ簡潔に説明することが求められます。
そのためのトークスクリプト作りで欠かせないのが「5W1H」という考え方です。
トークスクリプトには「5W1H」を活用する
「5W1H」とは、英語単語6つをまとめたものです。
- who(誰が)
- when(いつ)
- where(どこで)
- what(何を)
- why(どのような理由で)
- how(どのようになったのか)
これはもともと欧米の新聞記者が、ニュース原稿を書くときに使用した記事作成のルールなのですが、このルールに従うことで、記事を読んでいる人にもニュースがわかりやすく伝わるというメリットがあります。
もちろんこの技術はセールストークにも応用することができます。
販売している商材が、
- 誰のために
- どのようなときに
- どのような場所で
- どのようにして役に立つのか
ということを順序よく説明していくことで、相手に話したい情報の趣旨が明確に伝わるからです。
「5W1H」を活用すれば必要な情報を過不足なく効率的に伝えることができるのです。
トップ営業マンのセールストーク
できない営業マンと優秀な営業マンの差は、セールストークにも大きく関係しています。
営業トークに課題感がある人は、ぜひ下の記事もご覧ください。
優秀な営業マンは自分の営業スタイルに合った優れたセールストークを持っています。
ただ単に会話が上手いというだけでなく、より綿密に練られた営業トークを使っているのが優秀な営業マンの特徴です。
それは販売する商品の魅力を一方的に伝えるのではなくて、「相手に契約してもらう」という最終目的に向かって作られたトークスクリプトなのです。
完璧なセールストークとは?
完璧な商談とは、設定したゴールに向かって一直線に進む(※下図の赤矢印)ようなものです。
しかし、実際の営業では所々で「質問」や「抵抗」が出てくるので、営業マンの思った通りにいかず、回り道ばかりになるのが当たり前です。
それでも設定した最終目的地に向かって上手に軌道修正し、できる限りの最短距離でゴールを目指していきます。
これが現実の営業現場なのです。
この時に定めるゴールとは「契約」や「受注」であったり、時には「製品仕様の承諾」「次回のアポイント」だったりもします。
その目的達成の為の筋書き(=道筋)をあらかじめイメージしておき、商談を通して発生する出来事を、上手くセールストークに組み込んでいくのです。
完璧なセールストークを作るコツ
どんなシチュエーションにも対応できるような、「魔法のセールストーク」を作ることは現実的にできません。
しかし、完璧なセールストークの雛形を作ることはできます。
そのひな形を活用して、完璧なセールストークに近づけていくのです。
例えば、商談相手が聞いてくる簡単な質問ひとつでも、そこから最終ゴールに辿り着くための貴重なマイルストーンにすることができます。
ここで重要なことは、回答に対して「Yes(承諾)」を丁寧にとっていくことです。
お客様からの質問に対して回答し、一つづつ「Yes」を取っていかないと、最後の着地部分で抵抗されることになります。
例えば以下のようなイメージです。
上記の例では「日本株ファンド」という、一見するとネガティブに思える市場をポジティブな方向にもっていくセールストークが展開されています。
いきなり「日本株ファンドに興味ありませんか?」と聞くのではなく、まずは顧客の心理を日本株について肯定的な方向にもっていかなければいけません。
そのために重要なのか「Yes(承諾)」を取ることなのです。
このように、能力が高い営業マンのセールストークには一切の無駄がなく、雑談ネタや世間話すらもゴールに向かう為の伏線(マイルストーン)にされています。
例えば「料金が高い!」という抵抗が出そうな顧客に対しては、雑談の最中に「最近、原材料価格が上がっていて弊社も大変なんですよ~」というアンカリングしておきます。
そうしておけばお客様の深層心理には「原料価格が上がってるから、卸価格も上がるんだろうなぁ」というアンカリングがなされます。
これが商談の最後にする”料金提示”への伏線に繋がっていくのです。
顧客は「原材料価格が上がっている」という情報を雑談の中で知っているので、多少高い金額でも納得感が出てしまいます。
この話題を最初に振っていなければ、バイアスがかかって無いので「料金が高い!」という抵抗が出る結果になるでしょう。
このようにトップセールスの商談には随所に仕掛けが施されており、
- なぜこのタイミングでその話題を振ったのか?
- なぜあの時に全て回答しなかったのか?
- なぜ競合他社の製品をあえて褒めたのか?
- なぜデメリットとリスクを無駄に強調したのか?
など普通の営業マンでは到底理解できない部分がありますが、それらは全て計算されているシナリオのごく一部にすぎません。
聞いている相手は自分でも無意識のうちに設定されたゴールまで誘導されるので、あまり実感がなくクロージングされてしまいます。
このように、周到に計算された雛形スクリプトに従って、優れたセールストークを実践しているのが一流の営業マンなのです。
代表的なトークスクリプトの例
ビジネス話法としてのセールストークを確立するには、トークスクリプトが重要になることは前述した通りです。
ここで紹介するセールストークのパーツを、あなたのセールストークに組み込んで、お客様から信頼されるオリジナルのトークスクリプト作りに活かしてください。
トークスクリプトの例①
「この商品は価格以上の価値がある」というのは代表的なセールストークの一つです。
これは相手に「価格が高い」と言われたときに、切り返しトークとして活用できるはずです。
トークスクリプトの例②
「品質にこだわって製造している」というのも代表的なセールストークです。
原材料費が高いので、その分価格も高くなっているということを相手にわかりやすく伝えることができます。
トークスクリプトの例③
「他社製品と比べて優れている」というのも代表的なセールストークです。
どの商品を購入すべきか迷っている顧客に対し、具体的な事例をあげて商品の魅力を伝えることができます。
トークスクリプトの例④
「アフターケアがしっかりしている」というのも良く使われるセールストークです。
商品を購入した後も、しっかりとメンテナンスをしている会社を探している顧客には魅力的なトークだと思います。
トークスクリプトの例➄
「セール期間中に購入すれば通常よりも安く購入できる」というのもセールストークとしてはよく使用されるものです。
主にクロージングトークとして利用されていますが、経済的メリットを訴求することができるトークです。
購入しようか迷っている見込み顧客に対して、決断を促す効果があります。
トークスクリプトの例⑥
「●●社も利用している」というのも代表的なセールストークです。
その会社に承諾を得た上で、利用実績として伝えるトークスクリプトです。
特に大手企業の社名などを出せば効果は抜群で、相手を「何か凄そうだな!」という気持ちにさせることができます。
トークスクリプトの例➆
「ラスト1点です」というのも代表的なセールストークです。
人は限られたものにプレミア価値を見出すので、本能的に欲しくなってしまいます。
ただし嘘をつくことは良くないので、あくまでも本当に「ラスト1点」という時に使うようにしましょう。
まとめ
ここまで売れるセールストークについて解説してきました。
トップセールスを目指す上では必ず必要になるのが「売れるセールストーク」だと思います。
これは一朝一夕で出来上がるものではないので、時間をかけながら少しずつ構築していきましょう。
ぜひ自分なりの営業スタイルを確立する参考記事にしてください。