営業マンであれば、「どうすれば売り込みを成功させることができるのか?」と常に悩んでいることでしょう。
そこで今回は、売り込みやセールスを成功させるコツや、売上アップをさせる為の営業方法について解説していきたいと思います。
目次
「売り込み」とは?
売り込みとは、一般的にセールスを意味する言葉です。
営業マンであれば誰でも売り込みをした経験があると思うので、その難しさを実感していることでしょう。
「売り込み」といわれる行為の特徴は、顧客ニーズを無視しながらセールスすることにあります。
本来はお客様の「この商品サービスが欲しい!」という想いがあってこそ取引は成立するはずですが、売り込みの場合には顧客ニーズが無くても「この製品をオススメします!」とセールスマンから一方的に提案していくのです。
その為、売り込みの電話営業や飛び込み営業をすると、話す前から冷たくあしらわれたり、邪険にされることが多いのです。
このようになってしまう理由は、売り込み行為やセールスが世間的に「押し売り」的な印象があるので、あまり良い印象を持たれていない為です。
しかしながら、個人や企業は常に何らかの商品サービスを購入し、それらを利用しているので、購買ニーズが全く無い訳ではありません。
もしかしたら、購買するきっかけになったのは、販売スタッフや営業マンからの商品提案だったかもしれません。
とはいえモノ余りの時代では「自分が欲しいタイミングで買います」という人が増えているのも事実なので、積極的に売り込むことはもはや時代遅れなのかもしれません。
「売り込み」が起こる理由
NPOなどの非営利法人を除くと、会社や個人事業主は営利を目的として活動しています。
事業を行って生み出された利益は、社会や社員に分配されることで経済は循環しています。
つまり、営業職の人、フリーランス、個人事業主、経営者にとって、ビジネスの目的とは「会社の売上利益をあげること」になります。
事業法人は売り上げという活動の源泉がなければ、企業経営を続けることができないので、その売上利益を作るために、継続的な「売り込み」が必要なのです。
実際、会社を立ち上げたばかりの個人事業主やフリーランスの人が、「売り込み」が嫌だからと何もアクションしなかった場合、売り上げが立たずに事業存続が難しくなってしまいます。
そう考えると、「売り込み」とは事業を行っていくうえで必要なことの1つだということがわかります。
売り込みしない方がいいの?
昔からある営業スタイルは、企業にテレアポ営業したり、訪問営業で相手先に出向いて商談する売り込み方法です。
しかし、このようなセールス手法は「迷惑行為」「業務妨害」といわれる時代なので、極力避けるべき売り込み方法といえます。
現代のセールスでは、ただやみくもに売り込みすることは間違った営業方法なのです。
相手に嫌われるかも知れない「迷惑な売り込み行為」をしなくても、商品をアピールするための広告宣伝の方法はたくさんあります。
新聞、雑誌、TVCM、街頭ポスター、ホームページ、メルマガ、ブログ、SNS、YouTubeなど、時代とともに広告手法も変化してきました。
TVや新聞などの広告宣伝は「受ける or 受けない」を消費者が決められるので、ストレスを感じることがありませんが、売り込みの場合には少々事情が違います。
売り込みは「迷惑行為」と思われる時代
売り込みの方法は大きく2種類に大別されます。
- 電話営業(テレアポ営業含む)
- 飛び込み営業(訪問営業含む)
どちらの営業手法を選んでも同じですが、相手は対応する時間を割かなければいけません。
営業マン自身は仕事なので勧誘するのが当たり前ですが、勝手に飛び込んできて、その対応をさせられる人にとってはたまったものじゃありません。
その人にもやるべき仕事があるので、その業務を中断してまで飛び込み営業に対応しなければいけないストレスは相当大きいはずです。
また飛び込み営業する側の営業マンも事前リサーチをほとんどせず、「数打てば当たる」と場当たり的な考えで営業するので、お互い時間&労力の無駄使いといえるでしょう。
- 今日はノルマがあるから100件電話をしよう。
- 反響が1件でもあればラッキーだろう…
という軽い感覚で電話されても、相手にとっては迷惑極まりないのです。
売り込みメールは効果的?
新規開拓をするときに、売り込みメールが効果的に働く場合があります。
例えば、過去に名刺交換した人に対してBccで一斉メールを送信するやり方は、何かしらの接点があるので問題ない営業行為だと言えます。
もちろん以前に名刺交換している人(=知っている人)からのメールなので、スパムメールには当たりません。
しかし、注意しなければいけないのは問い合わせフォームへの送信メールです。
これは「フォーム営業」と呼ばれている営業スタイルなのですが、企業のホームページにある問い合わせフォームから営業メールを送るやり方になります。
このやり方は相手からオプトイン(広告メールを送信する前に許可を取ること)が取れていないので、不特定多数に対して営業メールを送るスパムと同じになってしまいます。
送っている側は「一件ぐらいスパムメールを送っても問題ないでしょう!」くらいの軽い気持ちかもしれませんが、そんな気持ちの企業が100件、1,000件いたらどうでしょうか?
自分のメールボックスに対して、1日1,000件のスパムメールが送られてきたら、誰だって怒りますよね?
つまりフォーム営業とは、本質的(=ビジネスマナーとして)にやってはいけない営業行為なのです。
これをサービス化して提供している企業もありますが、個人的には全くオススメしていません。
とはいえ、一定の効果があるのは確かなので、どうしてもフォーム営業がしたいという場合には、月一回ぐらいは実施しても問題ないと思います。
この「問題ない」というのは道徳的な話ではなく、クレームが発生しにくいという意味になります。
自分から仕掛けてクレームを発生させることは、決して健全な営業行為とは言えません。
もしあなたが営業パーソンなら、このあたりに十分注意しましょう。
メール営業は件名が重要
一般的なメール営業する場合、最大のポイントとも言えるのは「件名」です。
メール営業では件名こそが命であり、キー・サクセス・ファクターになります。
このメール件名だけで、成否の8割が決まるといっても過言ではありません。
例えばGmailなどのメール件名では、「件名は本文を要約する」というイメージになりますが、広告として送る電子メールでは「クリックして開封される」ことに100%注力する必要があります。
よって、要約することは一切考えなくても良いです。
とはいえ、嘘を記載すると詐欺メールの類と一緒にされてしまうので、その辺りは十分注意するようにしましょう。
新規見込みへのメール営業
過去に名刺交換をした相手でも、期間が空いてしまうとほぼ初対面という状態になってしまいます。
このような新規見込みにメール営業をする場合には、関係性が薄いためやり方を工夫する必要があります。
そのようなケースでは、営業のハードルが高くなっているので、その警戒心を解くために「自分は何者で、何のために連絡したのか?」をメール冒頭で分かりやすく記載する必要があります。
例えば以下のような例文になります。
- 例)貴社ホームページを拝見してご連絡いたしました。
- 例)同じ業種業態での導入実績が多い為、誠に勝手ながらご案内させていただきます。
このように「Why(なぜ)」がクリアできるフレーズがないと、その後のメール文を読んでもらうことはできません。
最近ではスパムメールが多くなっているので、メール開封すらされないというケースも増えています。
そのような背景もあって、かなり練った戦略が無ければ現代のメール営業は上手くいかないのです。
メール文面は短くする
メール文面の長さにも気を使うようにしましょう。
メール営業の目的は契約を獲ることではなく、見込み客を抽出することです。
よって、
- サービスに興味がある
- 利用料金の確認がしたい
- とりあえず資料だけ欲しい
くらいの返信がもらえるだけで大成功なのです。
なので、このように思ってもらえるようなメール内容にすることが大切です。
しかし、長々と長文メールを記載してしまうと、読み手がストレスを感じてしまうので、全部読まれることがありません。
メール内容は、常に自分目線ではなく相手目線で書くことが重要なのです。
メールで「弊社の製品はここが自慢です!」と列挙されても、読む側にはピンときません。
よって、メールでのファーストアプローチは以下のような内容にまとめましょう。
ご担当者様
お世話になります。
▲▲株式会社の××(名前)と申します。
誠に勝手ながら、弊社の●●をご案内したくメール致しました。
※ホームページを拝見してご連絡いたしました。
●●とは業界No.1のシェアを誇るITツールで、
これまで大手企業など1,000社に導入された実績があります。
●●の特徴は以下の通りです。
- 初期費用0円
- 無料で始められる
- 100名以下のチームに最適
「もっと業務効率化したい!」「残業時間を減らしたい!」場合にはぜひご返信ください。
※サービス資料をお送りさせて頂きます。
ご検討をどうぞよろしくお願い致します。
(署名)
上手に売り込みをするコツ
商品を売り込むときに、できる限り効率的なセールス活動を心掛けたいものです。
果たして上手な売り込みの仕方にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、心理学を活用して顧客を誘導し、営業を成功させるコツを解説していきたいと思います。
お客様に選択させる
人間には「心理的リアクタンス」というものがあります。
リアクタンスとは「抵抗」という意味です。
人は自由や選択肢を奪われそうになったり、他人に何かを強制されそうになると、それがたとえ良い話であったとしても抵抗してしまう特性を持っています。
つまりそれがどんなに良い商品であっても、強引で一方的な売り込みだと相手は買う気が起きないのです。
しかしその特性を反対方向に活かすことによって、売り込みを成功させることができます。
人は自分が納得して選んだことや、自分で気づき、見つけた発見からは、スムーズに行動を起こします。
つまり、顧客側に選択肢を持たせるのです。
そうすればお客様には「売り込みされている!」という印象を持たれずに済みます。
そのためにはある程度、顧客ニーズについてのヒアリングが必要です。
ヒアリングをする過程で、顧客自身に自分の課題を発見してもらうのです。
そうすれば売込みの誘導はほぼ成功です。
あとは営業パーソンが提案をし、顧客が同意するだけです。
顧客目線での対応と誘導が、売り込み成功の秘訣といえるでしょう。
営業のビジネススキームを作る
ここまでセールスについてのコツやノウハウを解説してきましたが、売込みを成功させる為には、全ての営業スタッフが実践できるようなビジネススキームを構築する必要があります。
一部のトップセールスだけが実践できるスキームではなく、今日入社した新入社員でも通用するようなビジネススキームを構築するのです。
その為に大切なことが集客業務です。
従来のアウトバウンド営業では、不特定多数を相手にする営業活動なので、自社の評判を下げてしまうケースが多々ありました。
特に新卒社員などは、営業の勝手がわからずお客様からクレームを受けてしまうこともあります。
しかも人材不足という状況が拍車を掛けて、そもそも「アウトバウンド営業をしたい!」という営業マンも少なくなってきました。
そこで近年は強引な営業手法で商材を売るのではなく、見込み顧客からの問い合わせを増やし、購買につなげていくインバウンド営業が盛んに行われています。
インバウンド営業とは、インターネットやSNSの普及によって、多くの企業で実際されるようになった営業スタイルです。
これまでの広告宣伝といえば、テレビや新聞などのマスメディアが中心でしたが、その広告費用は高額で、とても中小企業が払えるものではありませんでした。
そんな中、インターネットはマス広告を安価に出稿できる仕組みなので、中小企業でも積極的な広告宣伝ができるようになったのです。
インバウンド営業は、自社製品に興味を示している見込み客を対象にセールスしていくので、受動的ながら受注に至る確率が高い営業方法だと言われています。
おすすめのインバウンド営業
インバウンド営業のやり方はたくさんありますが、大きく分けると下の2種類に分かれると思います。
- Webマーケティング(=オンライン営業)
- 代理店展開(=オフライン営業)
Webマーケティングに取り組んでいる企業は多いと思いますが、一応説明するとSEOを中心としたインターネットでの集客を意味しています。
24時間365日働いてくれるインターネットが集客支援してくれるので、営業パーソンにとってはとても心強い味方になると思います。
これはインターネットを使うやり方なので、オンライン営業と位置づけることができます。
それに対して、人海戦術ともいえる代理店展開はオフライン営業ということができるでしょう。
これもWebマーケティングと同じくインバウンド営業の一種になります。
しかし一言に「代理店」と言っても、そのやり方は色々あって、ここで語り尽くすのは難しいほどです。
なので、代理店展開について詳しく知りたい場合には、下の記事をご覧ください。
色々な代理店手法がありますが、その中でもリファラル営業というやり方をご紹介したいと思います。
リファラル営業とは紹介営業を意味する言葉で、一般的な新規開拓手法として広く知られています。
代理店スキームの中では「紹介店」とか「取次店」と言われることが多いスキームになります。
特に保険や不動産業界で多様されている営業スタイルでしたが、リファラル営業プラットフォームができたおかげで様々な業種業態で活用されるようになってきました。
リスティング広告などのweb集客サービスと比較して、安価に始めることができるのでコストパフォーマンスが良いことが特徴です。
また、ITリテラシーが低かったり、社内にweb担当者がいない会社にも理解しやすく、使いやすいことが特徴的です。
まとめ
「売り込み」と言われているセールス手法は、もはや旧態依然の営業スタイルなのかもしれません。
インバウンド営業では、顧客からの信頼を得ることとパートナーシップを育むことに重点がおかれ、売り手が優位に立ったり、強引な押し売り行為がありません。
永続的な事業を目指すのであれば、「売り込まなくても顧客から選ばれる」という仕組みが営業戦略上のカギになることでしょう。
そのような営業スタイルを確立することで、営業活動は自動化していくのです。