営業職の仕事といえば”新規開拓営業”ですよね。
新規開拓のやり方は様々ですが、その中でも古くから実施されている営業スタイルが「飛び込み営業」です。
しかし飛び込み営業するのは、
- 難しそう
- なんとなく怖い
- 大変そう
と感じますよね。
そんな飛び込み営業に対する苦手意識を克服するノウハウやコツについて、この記事では解説していきたいと思います。
目次
飛び込み営業は新人の登竜門
飛び込み営業はセールスの基本やコツが学べるので、新人営業に向いている営業手法だと言われています。
確かに、飛び込み営業をベテラン営業マンはやりたがらないので、営業未経験である新人向きの仕事だと言えるでしょう。
新人営業マンはセールスの基本やテクニック、ビジネスマナーなどを入社研修で学びますが、それだけで全てを身に付けることはできません。
やはり営業という仕事は、ある程度の実践経験が必要なのです。
その不足分や営業スキルを身に付けるための実践方法として、飛び込み営業はぴったりのやり方だと言えるでしょう。
ビジネスマナーや基礎が学べる
新人営業が学ぶべき基本項目には、「身だしなみ」や「営業マナー」があります。
先程お伝えした通り、これらの基本事項を新人研修で学ぶこともできますが、どうしても実践経験が足りなくなるので、その部分を補うために飛び込み営業は実施されているという側面があります。
飛び込み営業であれば、お客様に怒られながら、つまり文字通り「真剣勝負」で学べますが、社内の研修であれば、営業マナーができていなくても注意される程度で済みます。
しかし飛び込み営業(本番)の場合、営業マナーができていなければ、
- 話を聞かない
- 無視する
- 相手にしない
などの行動をお客様は取るので、自分のミスがすぐお客様の行動に直結することになります。
このミス(=失敗)を教訓にしながら、コツコツとPDCAを回していけば、確実に成長することができます。
よって、飛び込み営業に限らず、新入社員であればどんどん”失敗”することが大切なのです。
これは非常に重要なポイントなので、下の記事も参考にしてください。
このような理由から、新卒社員が入社する毎年4月には、東京の主要駅で名刺交換を求めてくる新人営業が大量に出没しています。
これもある意味では飛び込み営業と一緒なので、営業の練習だと言えるでしょう。
飛び込みには『営業のコツ』がいっぱい
飛び込み営業は「営業テクニック」を学ぶ為の良い機会になり得ます。
新人は経験値がない為、「商談や打ち合わせで何を話せばいいか分からない…」というケースが多いですよね。
そんな時に飛込み営業は役立ちます。
飛び込み営業は「ある程度のアプローチ件数が必要な営業スタイル」だと言えるので、戦略云々よりもとにかく行動する大切さを学べるでしょう。
これによって、「アプローチ数と商談数が増えていき、それに比例して見込顧客の数も増えていく…」というセールス方程式が理解できるようになります。
また営業トークの重要性にも気付くことができます。
せっかく出会えた見込み客とまともに話すことができなければ、自分の準備不足を嘆くことになります。
このような経験をたくさんすることで、営業のコツが徐々に理解できていき、トップセールスを目指せるような上手な飛び込み営業へと繋がっていくのです。
また、話す内容だけでなく、出会いのきっかけやタイミングなど、トップ営業マンにとって大切な要素は飛び込み営業で身に付けることができます。
飛び込み営業は辛い経験かもしれませんが、「辛い分だけ急激に成長できる」と言っても過言ではありません。
特に「自分で考えて結果を出す」というサイクルを繰り返すと、急成長できる可能性があるので、愚直に頑張りましょう!
飛び込み営業は成長するきっかけになる
飛び込み営業が「苦手」「嫌い」という人は多いと思いますが、人間は壁を乗り越えると大きく成長できると言われています。
壁は最初だけではなく、人生の岐路で度々登場しますが、その壁は『乗り越えられる可能性のある人』の前にしか出てきません。
例えばあなたの目の前に「オリンピックで金メダルを取る」という課題は出てきませんよね。
この課題が目の前に出てくる人とは、日本を代表するトップアスリートだけだと思います。
そしてそのトップアスリートは「金メダルを取れるかもしれない…」という可能性を秘めているので、目の前にそのような課題が出てくるのです。
このように、目の前に出てくる課題とは『全て乗り越えられる可能性がある』ので、120%努力するべきでしょう。
そして壁を乗り越えるときには、ぜひ先輩や同僚のアドバイスを素直に聞いてみてください。
なぜなら、先輩達も同じように壁を乗り越えてきているので、成功する為のアドバイスが貰えるからです。
もしローラー営業やドブ板営業で苦労した経験や、失敗した経験などを聞くことができれば、少なからず勇気が出るはずです。
独自理論だけで成功できれば良いですが、それが難しい場合、周りの意見を素直に聞くことも大事だと思います。
先輩やライバルの話を聞けば、意外とあっさり解決できる問題はたくさんあります。
特に同じような状況を経験した人のアドバイスは大変参考になるので、まずはそのような人からのアドバイスを聞いてみましょう。
苦手と感じる原因は「罪悪感」
飛び込み営業とは、事前に相手とのアポイントメントを約束することなく、突然訪問して商品説明をする営業スタイルをいいます。
時には長時間居座ってセールスしたり、強引に契約締結することもあるでしょう。
そのような背景から、「飛込み営業は相手の都合に関係なく押し売りするやり方」といった先入観を持っている人は多いと思います。
このような理由から、飛び込み営業をすること自体に『なんとなく後ろめたい気持ち』を抱いてしまうことがあるのです。
そうなると下のような疑問や罪悪感にとらわれるようになってしまいます。
飛び込み営業は、相手が欲しくもないものを無理矢理に押し売りしているのではないか?
実はこうした罪悪感が、「飛び込み営業は苦手」だと感じてしまう原因になっていることが多いのです。
営業マンがこうした罪悪感を持ってしまうと、表情や態度から自信の無さが相手に伝わり、かえって警戒心を持たれることになりかねません。
このような状態になると飛び込み営業は絶対に上手くいかないので注意が必要です。
苦手を克服するマインドセット
飛び込み営業に罪悪感を持ってしまう人は、それを克服するマインドセットが必要となるでしょう。
マインドセットとは、何かを判断したり行動したりするときに必要な『基本となる考え方』をいいます。
具体的には、「営業とは何なのか?」を考え直すきっかけになるということです。
営業とは、「お客様に商品を売りつける」のではなく、「お客様が必要としているものを提案して、課題を解決する」という考え方に切り替えるのです。
×:お客様に商材を売りつけること
◎:お客様の課題を解決すること
世の中では、日々便利なものや新しいものが次々と生み出されていますが、消費者がそれらすべてを把握するのは不可能だと思います。
また、地方に住んでいる人やなかなか外出できない高齢者にとって、商品を見せて説明し、必要性を説く営業マンは大切な情報源です。
その為のきっかけとなり得るのが”飛び込み営業”なのです。
たとえ契約獲得に至らなかったとしても、お客様と良いコミュニケーションがとれていれば、次の機会に契約または購入してもらえる可能性もあります。
- こんな商品が欲しかった!
- 来てくれて助かった!
- 提案してくれてありがとう!
上記のような「感謝の気持ち」を持ってくれるお客様は必ずどこかにいます。
そうしたお客さまに確実に商品を届けられるよう、営業スタッフは日頃から努力を怠らず、自信を持って飛び込み営業する姿勢が求められるのです。
個人宅への飛び込み営業は要注意
法人と違って、個人宅への飛び込み営業は「迷惑行為」と言われることが多いです。
もちろん個人宅に飛び込み営業すること自体に違法性はありませんので、必要であれば実施するのも良いでしょう。
とはいえ、しつこい飛び込み営業には大きなリスクが伴うので、できる限り止めておいた方が無難だと思います。
門前払いになるだけなら良いのですが、警察に通報されると大変面倒なことになりますし、もし警察が来て連行されるようなことになれば、所属している会社にも迷惑をかけるでしょう。
そのようなことがないように、飛び込み営業が「うざい」と思われる前に自制する必要があるのです。
絶対に迷惑行為をしない
例えば、個人宅で何度もインターホンを押すというのは、迷惑行為になります。
新卒営業であれば知らないかもしれませんが、インターホンを押すのは一度だけにすることが基本的なビジネスマナーです。
さらに、同じ日に何回も訪問することは避けた方がいいでしょう。
飛び込み営業でインターホンを鳴らしたときに、もしかしたら家の中には人がいたかもしれません。
もし敢えてインターホンを無視したのであれば、訪問営業を避けていると考えて間違いありません。
そんな個人宅にもう一度行っても迷惑に思われるだけです。
飛び込み営業が迷惑行為にならない為にも、何度も押し掛けることは止めておいた方が無難でしょう。
飛び込み営業はもはや”時代遅れ”
お客様が玄関口に出てくると、そのまま居座ろうとする営業マンがいますが、そのような強引なやり方は通報されるリスクがあるので絶対にやめましょう。
もし飛び込み営業で話を聞いてもらえないと思ったら、潔く引き下がるのが賢明です。
そこで強引に話をしても、どうせ成果に結び付きませんし、相手を不快な思いをさせてしまいます。
相手に「うざい」と思われるような行為があると、町内会の回覧板に注意喚起の文章が載るかもしれないので、会社としてもリスクが高いです。
そうなると、その町内での営業活動がNGになってしまうので、大きな痛手を負うことになりかねません。
何にせよ、飛び込み営業は現代的な営業スタイルではなく、時代遅れなやり方だと思います。
いまどき足を使う飛び込み営業をやりたがる新人営業マンはいませんし、「自宅には来ないで欲しい」と思っている人が大半なはずです。
需要がありそうな個人宅だけに絞れば、うざく思われる可能性は低くなりますが、基本的に「飛び込み営業は迷惑行為」だと認識して、相手を不快にさせない営業活動を心掛けましょう。
インターホンで話を聞いてもらうコツ
あなたの商材(製品サービス)を欲しがっている見込顧客はどこにいるかわかりません。
そのため、飛び込み営業では一軒一軒しらみつぶしに訪問していく『ローラー営業』が効果的だと言われています。
そんな飛び込み営業で最初の難関になるのは、「インターホン」ですよね。
ここで相手に出て来てもらえなければ、その先の営業活動はできませんので、まずは玄関を開けて話を聞いてもらうための工夫をしましょう。
この時のコツは、インターホン越しで詳細な目的&内容を話さないことです。
お客さまが商品を買うときには、品物の良さや価格だけでなく、営業マンの人間性も判断材料にしていることが多いです。
インターホン越しに人間性は伝わりませんので、「どうすれば出てきてくれるか?」だけにまず注力しましょう。
インターホン営業のノウハウ
インターホン越しにセールスする時には、商品の値段比較など細かい話をするのは避けた方が無難ですが、事前にトークスクリプトを用意しておくと上手くいきやすいはずです。
このように、インターホン越しでは「玄関口に出た方がいいかな?」という雰囲気にさせることが大切なのです。
「こちらの町内を担当している」というのは、「自分はこのエリアを飛び込み営業している営業マンです」というニュアンスなので、それをお客様が「ウチの担当なのかな?」と勘違いしてくれればしめたものです。
もし有名な商品名や会社名なら、それを伝えておけば相手の警戒心が多少なりとも和らぎますし、1分という目安の時間があると「ちょっとなら出てもいいかな…」という気持ちにさせやすいです。
もちろん玄関口に出てきた人と、本当に「1分以内に話さなければいけない」というわけではありません。
「嘘も方便」という言葉もある通り、相手が承諾しているのであれば5分でも10分でも話してOKです。
もちろん人によって対応は異なるので、打率100%のやり方ではありませんが、飛び込み営業では「ちょっと出てみよう」という気持ちを引き出すことが重要なのです。
飛び込み営業については下の記事でも解説していますので、もし良ければご覧ください。
飛び込み営業でNGなこと
飛び込み営業でやっていけないことは「嘘をつく」ことです。
まれに「宅配です」とか「町内の者です」といった完全な嘘を告げて玄関を開けさせる悪質なケースもありますが、警察に通報されたり会社にクレームが入ったりするので絶対にやめましょう。
それだけでなく、その地域で悪い評判が立ち、営業活動ができなくなってしまう可能性もあります。
自分が担当する地域の人たちを敵に回すメリットは何一つありません。
相手を味方にするのか敵にするかは、営業マンの言動次第と言えるでしょう。