代理店戦略を立てる場合、誰もが「必ず成功するノウハウが欲しい!」と思うことでしょう。
しかし代理店戦略はケースバイケースなので、汎用性のある完璧な攻略法など世の中には存在しません。
そこで今回は、代理店戦略に役立つノウハウをご提供したいと考えています。
この記事で学んだノウハウを活用して、ぜひ代理店展開を成功させましょう!
目次
代理店ビジネスは儲かるの?
まず結論から言ってしまいますが、代理店ビジネスはとても儲かると言われています。
このようになる理由は明確で、「規模の経済」が実現できるからです。
例えば、下記の①➁ではどちらか儲かる(利益が出る)でしょうか?
会社①:従業員10人、営業スタッフ5人で、営業一人当たり月200万円の粗利を出した場合
会社➁:従業員1,000人、営業スタッフ500人で、営業一人当たり月200万円の粗利を出した場合
とても簡単な問題ですが、もちろん会社➁の方が儲かります。
これは「規模の経済」と言って、同じような条件であれば「規模が大きい方が儲かりやすい」という経済理論になります。
なぜかと言えば、
- 事務所家賃
- 福利厚生費
- 水道光熱費
など企業経営でかかる一人当たりコストは、規模が大きいほど薄まっていくからです。
薄まったコストの分だけ、利益が多くなるというロジックとなるのです。
ただし規模の経済にも弱点があります。
それは「事業規模に比例して、人件費も多くなってしまう」ということです。
つまり会社①の場合よりも、会社➁の方が人件費は多くなるのですが、その弱点を克服する施策が代理店展開なのです。
代理店戦略では、どれだけ販売代理店を増やしたとしても、人件費が上がることなく、オフバランスの経営が実現していきます。
上記をまとめると、例えば会社➁のパターンだった場合、「営業スタッフ500人の人件費がゼロ円」の状態になることを意味しています。
もちろん損益計算書(PL)としてはもう少し複雑になりますが、シンプルな考え方だとそういうことになります。
なので、代理店展開はとても儲かるビジネスだと言えるのです。
代理店戦略の立て方は?
代理店制度を構築する場合、まず先に”代理店戦略”を立てる必要があります。
代理店戦略では傘下代理店に委託する業務内容から決めていきましょう!
例えば以下のようなイメージです。
- 見込み顧客を紹介するだけでOK
- 商談セッティングまで依頼する
- 契約手続きまでお願いする
- 顧客フォローまでしてもらう
- 二次代理店の開拓までお願いする
どこまでを代理店に依頼するかは、代理店本部(メーカー)として迷う部分ですよね。
全ての代理店に同じ業務をしてもらうのが理想的ですが、最初から全てが思い通りになるとは限りません。
特に代理店側の営業力が弱くて、「全然売れない…」という代理店もきっと出てきます。
とはいえ、やる気さえあればサポート次第で売れる代理店に変化する可能性は十分あるので、途中で諦めてはいけません。
最初の頃は「代理店の数」が集まらないと販売総数を増やすことができないので、たとえ弱小代理店であっても貴重な戦力となるはずです。
報酬条件が重要
代理店に任せる業務内容はもちろんですが、その他の重要事項として「代理店に支払う販売手数料(インセンティブ)をいくらにするか?」ということも決めなければいけません。
この報酬額の決め方はとても難しいのですが、基本的な考え方としては「業務内容に応じて報酬金額を決める」というので良いと思います。
例えば、営業部隊を100人揃えている代理店と、1人で運営している代理店では固定費が全然違いますよね。
あと見込み客の取次だけをやっている代理店と、契約手続きまでしっかりやってくれる代理店では業務負担が全く違います。
なので、これらの要素を加味して複合的に提示しなければ、条件の折り合いがつかないと思います。
さらに頑張っている代理店には、インセンティブを付与して還元することも重要です。
販売代理店は良くも悪くも浮気症なので、モチベーションを維持してもらうための戦略が必要なのです。
そのような代理店のカンフル剤になり得るのがボーナスインセンティブだと思います。
代理店開拓はどうやる?
代理店展開する場合は、販売代理店を開拓しなければいけません。
このやり方は様々ですが、大きく分けた場合は下の2種類に分類されます。
- アウトバウンド営業
- インバウンド営業
この二つについて詳しく解説していきたいと思います。
アウトバウンド営業とは?
アウトバウンド営業とは、代理店見込みであるターゲットに対して、直接アプローチする方法をいいます。
このようなやり方であれば、実力のある代理店に直接提案することができます。
しかし、有力な販売代理店は、口説き落とすのに相当な時間がかかってしまいます。
商材を取り扱う大きなメリットがないと、代理店契約を結ぶことは難しいかもしれません。
しかし、ある程度規模の大きい代理店を開拓するやり方として、アウトバウンド営業はとても効果的な方法だと思います。
インバウンド営業とは?
インバウンド営業は代理店開拓する上で、最も一般的なやり方だと思います。
限られた営業リソースの中で、最大の効果を求めるためにはインバウンドマーケティングが欠かせません。
インバウンドマーケティングについては、下の記事にまとめているのでぜひご覧ください。
どのようなやり方を選択するにせよ、重要なことは「見込客が自動的に入ってくる仕組み」を構築することです。
今回の例で言えば、「代理店希望者からの問い合わせがたくさん入ってくる」ことを意味しています。
そのために活用すべきものは代理店募集サイトでしょう。
代理店募集サイトとは、販売代理店などの求人広告を掲載できるサイトのことです。
つまりwebサイトで代理店希望者を公募して、不特定多数の代理店希望者を集めるのです。
これはリクナビやマイナビなどの求人サイトと同じような感覚になるので、自分で求職者を探すよりも全然手間が掛かりません。
他にも、「代理店希望者を人から紹介してもらう」というやり方もあります。
このやり方は「紹介営業(=リファラル営業)」と言われており、様々な企業が活用しています。
紹介営業を支援するリファラル営業サイトも登場しているので、比較的簡単に実施できると思います。
気になる人は一度チェックしてみると良いでしょう。
代理店の販売戦略を一緒に考える
「代理店がどうやって販売するのか?」については、基本的には代理店側に任せることになります。
代理店ごとに得意な販売スタイルがあるでしょうし、やり方を押し付けれると、代理店側が反発する恐れもあります。
ただ重要なことは「どのような営業スタイルを代理店が選択したとしても、それを支援するべき」ということです。
例えば、代理店の販売戦略で一番多いのは、テレマーケティングだと思います。
このテレマーケティングをきっかけにして電話営業したり、アポイントを取って、訪問営業でクロージングしていくのです。
この時に「ウチはテレマーケティングを推奨していませんから…」と言うのではなく、テレコールのスクリプトを提供したり、FAQを提供したりすれば、代理店はもっと売りやすくなるはずです。
他にも、「訪問販売に注力したい!」という販売代理店がいるなら、一緒に営業同行することも効果的だと思います。
取り組みがまだ浅い段階では、売り方のコツが理解できない代理店も散見されます。
なぜそのようになってしまうのかと言うと、「まだ成功体験がないから」です。
つまり、「こうすれば売れる!」というシナリオを自分の中で描けていないので、結果的に営業スタイルが固まらないのです。
ただ、代理店側も「営業の初心者」というわけではないので、売れる営業スタイルを実践して見せれば、ある程度のコツが掴めるはずです。
そう考えた場合、営業同行して実践することが一番効率的かもしれません。
Web販売は注意が必要
現代ではインターネットを使ったセールスが欠かせませんが、「代理店がインターネットで販売する」となると、少し厄介な話になってきます。
代理店本部が傘下代理店に求めていることは「商材を売ってくれること」だと思いますが、そのやり方は限定的で、基本的にはテレアポや訪問営業など人海戦術を使ったセールスをイメージしているはずです。
つまり、インターネットを使ったセールスなのであれば、代理店本部が予算を用意すればすぐに実践できてしまうので、わざわざ代理店にやってもらう必要がないということです。
逆にこれを許容してしまうと、代理店本部の直販部隊と販売代理店がバッティングすることにもなるので、とても厄介な事になります。
なので、原則的に代理店側にwebマーケティングの許可を与えることは避けた方が無難だと思います。
基本的には「直販営業が売っているエリア内に、傘下代理店が入ってこないように調整する」というのがセオリーですが、「webマーケティングは代理店の販促支援にもなる」という考え方もあります。
つまり自分たちは関東圏だけの問い合わせを担当し、他エリアの問い合わせは、傘下の地域代理店に案件を流してしまうということです。
このようなやり方であれば、「代理店の営業支援」という文脈になるので、きっと販売代理店も喜んでくれるはずです。
代理店の支援方法
前述したような代理店支援&サポートは、代理店展開の中でも最も重要な業務となります。
代理店施策は戦略的に行うことが大事なので、まず代理店を育成するために、セミナーや研修会を開きましょう。
このような機会を設ければ、商品知識が学べるだけでなく、営業で必要なノウハウも一緒に学ぶことができます。
もしこのような代理店研修会を実施するのであれば、必ず講師はトップセールスにやらせましょう!
やっぱり普通のセールスパーソンとトップセールスでは、持っている経験値や営業ノウハウが全く違います。
もちろんプレゼンスキルも違うので、販売代理店の理解度が必然的に違ってくるはずです。
代理店の動かし方
代理店の営業活動をサポートする方法としては、先ほど解説した同行営業などがあります。
営業同行では代理店が商品知識を学びつつ、営業テクニックも見れるので”一石二鳥”だと思います。
最終的には代理店だけで営業をするように移行していきますが、初期段階で同行するのが効果的なサポートになることでしょう。
他にも、報奨金(インセンティブ)を出すというやり方があります。
もちろん現金で渡す必要はありませんが、売上に応じて何か貰えるモノがあると、営業マンのやる気が違ってくるはずです。
例えば売上成績が良かった人を年に一度イベントで表彰して、トロフィーを贈ったりするとモチベーションアップに繋がるかもしれません。
このようなサポートは代理店との関係構築にも役立ちます。
代理店は気に入らなければ、すぐに別の商材を販売してしまうので、サポート体制が楔(アンカー)の役割りになるのです。
代理店を活用するメリット
代理店を活用するメリットは、ズバり「販路拡大」です。
代理店には固有の販路(顧客や取引先)があるので、「その販路を有効活用しよう!」というのが代理店展開の主旨になります。
特に有力な代理店の販路には、長年かけて作り上げてきた良質な顧客基盤があるので、そのような顧客を抱えている代理店へ商品を持っていけば、それだけで売れる可能性が高まるのです。
このような販路をゼロから開拓するのは大変ですし、信頼構築から始めるので、どうしても成果まで時間がかかります。
それであれば代理店を活用してしまった方が効率的だと思います。
「売れる商材はあっても、販売する人員が不足している…」というケースが、最も代理店展開が成功しやすいパターンだと思っています。
このようなケースでは、代理店が拡販することで一気に急成長することもあるでしょう。
そこまで大きな期待をしないとしても、直販だけで販売するより時間効率が良くなるのは明らかです。
また、「代理店戦略は固定費を増やさずに販路拡大できる」と言うメリットもあります。
営業社員を雇えば、それだけでも大きな人件費(コスト)になりますが、頭数を揃えたからといって、売上が伸びるとは限りませんよね。
そこまでリスクを抱えるのであれば、最初から代理店に任せてしまう方が賢明でしょう。
確実に「売れる」とわかってから、固定費をかけて直販部隊を増やしても遅くはないのです。
それまでは代理店に任せた方が、経営リスクを少なくして、販売力を強化できるメリットの両方を享受できるので、もし人件費に悩んでいるようであれば、代理店展開することをおすすめします。
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