営業職という仕事に就いているのであれば、誰もが「営業力をアップさせたい!」と思っていることでしょう。
それでは、どうやって営業スキルを強化すれば良いのでしょうか?
この記事では営業力をアップさせる為に必要な要素について、又そのトレーニング方法について解説していきたいと思います。
目次
そもそも”営業力”とは?
「営業力」という言葉は様々な捉え方ができますが、基本的には「売上目標を達成する力」と解釈することができます。
売上を達成するためには、1つの能力だけではなく複合的な能力が必要になりますよね。
スキル、マインド、知識、運、テクニックなどが複雑に組み合わさり、それぞれの能力が必要な場面で発揮されるのです。
その為、自分の得意なスキルを伸ばしつつ、まだ習得して無い技術は努力して学ぶ必要が出てきます。
もし営業力をアップすることができれば、社内外の評価が上がっていくので、結果的に給与や年収アップにも繋がるはずです。
営業ではマインドが大切
営業力は「スキル」や「能力」などに注目されがちですが、どのような「マインド(心構え)を持つのか?」という点も重要になります。
たとえ優秀なスキル&能力を持っていたとしても、マインドが不十分では「営業力が高い」と評価されません。
例えば、営業職で最も重要な”目標達成”についてもそうです。
ビジネスにおけるマインドには、最後までやり遂げる責任感や常に笑顔を心がける前向きな気持ちといったことも含まれます。
その為、ノルマを達成する底力や粘り強さなどもマインドに関係してくるのです。
つまり「自分なら絶対にできる!」と信じ込むマインドセットこそが、営業パーソンに求められる心構えだと言えます。
このような強い気持ちが無ければ、決してトップセールスになることはできないでしょう。
営業力を底上げする
営業力とは「個々人の力」を指す場合と「会社自体の力」を指す場合がありますが、会社自体の営業力を構成しているのは個人の営業力なので、もし会社全体の営業力をアップさせたいのであれば、一人一人のセールススキルを向上させる必要があるでしょう。
トップセールスだけの営業力が高くても、なかなか会社全体の営業部門を強化することはできません。
つまり、売上とは会社組織を団体(チーム)として見た時の数字なのです。
そこで大切なのは社員全員の営業力を底上げすることです。
その為には一人一人のビジネスパーソンとしての価値を上げることが必要です。
それでは「営業職における価値」とは一体何なのでしょうか?
それは、お客様に対する「ソリューション能力」だと考えています。
ソリューション能力は「顧客の課題解決力」と言い換えることができるので、つまりお客様の悩みや課題、問題点を解決できる能力のことを指します。
この能力が高ければ高いほど、相対的に「営業職としての価値は高い」と言えるはずです。
この価値を高めるやり方は様々だと思いますが、
- 会社がバックアップしたり
- 営業研修を実施したり
- ロールプレイングを実施する
など営業スタッフを常に刺激していきましょう。
実績を出した営業員には一定の基準でインセンティブ報酬を与える制度を作って、進んで自己研鑽させる仕組みを構築するのも良いと思います。
経営者(社長)には営業力が必須
企業のトップ営業は経営者(社長)や事業責任者などの役職者だと思います。
特にその傾向は中小企業で顕著になっており、経営者という立場であれば、絶対に営業力が必要だと思います。
会社規模が小さい場合には、社長や経営陣が自ら率先してセールスしなければ会社が持ちません。
つまり経営者に営業力がなければ、策定した事業計画を達成することができず、組織を発展させることができないのです。
そういった意味では、経営者の営業力次第で会社の業績も左右されると言っても過言ではありません。
営業部門の出身で、豊富な営業ノウハウがあれば良いのですが、そうでなければアウトソーシングも検討してみましょう。
優秀な営業マンを自ら育成することは理想的ですが、苦手な部分をイヤイヤやっても時間とコストの無駄だと思います。
経営者は営業の他にも、
- マネジメント
- 契約交渉
- 戦略立案
- マーケティング
- 販売チャネルの構築
- パートナー開拓
- 資金調達
- 人材採用 etc.
など仕事が山積みです。
経営者にはやるべき仕事がたくさんあるので、適材適所で業務を見直しながらリソースを再分配しましょう。
営業ができないと経営リスクになる
営業に関する知識は経営者に必要なノウハウなので、ある程度は努力して学ぶようにしましょう。
全くセールスを知らない経営者では、会社の舵取りも上手くできないはずです。
また、「営業のことは現場の営業スタッフに任せていれば大丈夫…」といったスタンスでは、いずれ経営サイドと現場の営業マンとの間に意見の食い違いが発生するはずです。
ひどい状態では、両者が対立してしまうこともあるので注意しましょう。
例えば以下のようなイメージです。
- なかなか生産性が上がらないが、ちゃんと営業しているのか?
- テレアポと訪問数をもっと増やせば売上アップできるはず…
- 営業現場をわかってないくせに口出ししないで欲しい…
- 営業力が無い人(経営者)から指示を受けたくない…
できる営業マンほどプライドが高いので、下手に指示を出してしまうと、このような摩擦が起こるのですが、もしこのようなトラブルが起きて優秀なトップセールスが抜けてしまうと、それだけで経営危機になってしまうかもしれません。
これは大きな経営リスクになり得るので、早めに対処することをオススメします。
だからこそ経営者にとって「最も重要な資質の一つが営業力」と言っても過言ではないのです。
もしあなたが経営者や事業責任者、又はそれらの役職者を目指すのであれば、「営業力を強化することは絶対に必要だ」と心得ましょう。
営業力を構成する5要素とは?
営業力はいくつもの要素が組み合わさっているのですが、大きくは5つの要素に分けられると考えています。
もし優秀な営業マンを探しているのであれば、以下の項目を満たす人材を採用してみていかがでしょうか。
- 企画力
- 提案力
- 情報収集力
- 交渉力
- 行動力
この5要素について、それぞれ解説していきたいと思います。
その1:企画力とは?
企画力とは、お客様に提案する内容を企画立案して、価値創造する力です。
成長している会社には、「必ず企画力のある人材がいる」と言われるほど重要なスキルなのですが、企画力には資料作成する力やデザイン力(見せる力)も含まれます。
つまり、いかに顧客の味方になって、業務内容をイメージできるかが重要になるのです。
この「顧客の味方」とは、お客様目線に立つことを意味しています。
まるでお客様の会社の社員になったかのように具体的なイメージをして、将来的なビジョンを一緒に共有するのです。
もしこれができればお客様はワクワクするはずです。
その2:提案力とは?
提案力とは、顧客や取引先に対してサービス提供する時に発揮される力です。
提案内容を正確かつ効果的に伝えるためには、コミュニケーション能力も必要になります。
コミュニケーション能力とは、「顧客ニーズ」を聞き出して理解するスキルのことです。
決して雑談力や世間話で相手を楽しませるようなことではありません。
詳しくは下の記事をご覧ください。
営業活動においては、自分の提案や考えをただ述べるだけでは全くもって不十分なので、まずは提案内容を相手に説明した上で、それに納得してもらえるだけの説得力を身につけましょう。
営業力がある人は「話がうまい」と良く言われるのですが、そのような能力はプレゼン時に応用できる技術だと思います。
その3:情報収集力とは?
情報収集力は、インターネットの普及によって容易になりました。
現代社会では、見込顧客の多くがインターネットを活用して情報収集するので、もはや相見積もりが当たり前だと言えます。
このような状況は、営業マンにとって”逆風”としか言えませんが、それは時代の流れだと思って受け入れましょう。
情報が民主化したことに伴い、営業マン以上の知識を持つ顧客も存在しており、営業マンも常に新しい情報を吸収しながら分析することが求められます。
しかしインターネットには虚偽情報も紛れ込んでくる為、何が嘘で何が真実かを見極められることが大切です。
そのためにはたくさんの本を読んだり、有識者の意見を聞くべきだと思いますが、それと合わせて異業種交流会へ参加してみるのもオススメです。
名刺交換会には様々な業種・業態の人が参加するので、情報収集の場としてはピッタリだと思います。
その4:交渉力とは?
交渉力は、利害関係が生まれるビジネスにおいて重要な役割を果たします。
商談においては、できるだけ有利な状態で交渉したいと誰もが考えるのですが、ビジネスはそんなに簡単ではありません。
ただ一方的に自社の主張だけを突き通せるわけがありませんよね。
交渉相手と高いレベルで駆け引きすることによって、良い落としどころが見つかるのです。
提案力や交渉力のためにはコミュニケーション能力が関わってくるので、もし営業力を身につけたい場合にはコミュニケーション能力を高めましょう。
その5:行動力とは?
行動力とは考えを実現する力です。
トップセールスと呼ばれる人達は「とにかく行動力がすごい」と言われますよね。
例えば顧客から「提示価格よりも5%値引きしてくれたら今すぐ契約するよ」と言われた時、ダメ営業マンは「いや~、私一人では判断できないので一旦社内に戻ってから確認します。」と回答します。
しかし優秀な営業マンはその場で即座に計算して、「ちゃんと利益が出る(=儲かる)!」と判断できればその場でとりあえず契約手続きをやってしまい、あとで社内調整します。
これこそまさに「経営者目線」のセールスだと言えるでしょう。
実は経営者が求めている人材というのは、このような「経営者目線」を持った社員なので、個人的にはこのような動きをどんどんするべきだと思っています。
もし実現できなかったとしても謝罪すれば済む話ですし、最悪のケースでも死ぬような事態にはなりません。
このようなやり方を見ていると、「あいつは強引なやり方で実績を上げている…」と陰口を叩く人も出てきますが、残念ながら営業職は「実績が全て」と言える仕事なのです。
もしトップセールスを目指すのであれば、普通の人間が躊躇してしまうような、ある程度のクレイジーさも必要なのです。
営業力強化のトレーニング方法
営業力はトレーニングによって強化できるのですが、むしろ訓練(=努力)しないと営業力は伸ばせないでしょう。
一般的なトレーニング方法としては、営業研修を実施したり、ロールプレイングをすることですよね。
大手企業では独自の研修施設を持っているかもしれませんが、新入社員の頃には営業力強化の教育しっかりやってあげることがおすすめです。
そのような基本を身につけることによって、確実にその後ステップアップしていきます。
逆に基本を飛ばして提案力&交渉力を身につけようとしても、決して期待したほどの成果は得られません。
つまりこれは勉強もビジネスも同じだということです。
ここでは営業力を強化するためのやり方について解説していきたいと思います。
①ビジネスマナーを学ぶ
新人営業マンの頃に営業の基礎をつけさせることで、その後の成長を促進させることができます。
営業力強化のためには、営業時の服装や話し方といった基本的なビジネスマナーを身につけることも重要なことです。
例えば、
- 営業職はどういった服装すべきか?
- どんな髪型がお客様に好まれるか?
- 名刺入れなどのアイテムはどうすべきか?
など細かいことですが、これらは全て営業戦略に関わってきます。
このあたりについて解説していくと長くなってしまうので、詳しくは下の記事をご覧ください。
➁営業ロープレを本番通りに行う
営業におけるロールプレイングは、従業員が新規顧客や取引先といった役割を演じてセールス練習することですが、必ず本番さながらの製品提案や販売業務、クロージング、サービス導入までを実施しましょう。
中途半端なロープレでは何も身につかないだけでなく、単なる時間の無駄になってしまうので、それだけは絶対に避けなければいけません。
ロープレを行うことで営業活動を遂行する為に必要なコミュニケーション能力や、対応力といった力量をチェックしながら、不足している技術を身につけることができるので、とにかく本気で取り組みましょう。
また、幾度となく失敗を繰り返すことで、自分に不足しているスキルなどを把握することもできます。
ロープレは実践的な営業練習のため、トークスキルの向上も期待できますが、ロープレはあくまでも練習にすぎないので、やはり実際の営業経験がある程度は必要だと思います。
現場での失敗や経験が将来の糧になるので、失敗をおそれずに挑戦する姿勢を持ちましょう。
➂市販されているビジネス書を読む
「営業」というジャンルにかかわらず、たくさんのビジネス書が出版されているので、それらの本を読むことも大切です。
中には内容の薄いビジネス書もありますが、大半の書籍があなたにメリットをもたらしてくれるはずですが、ビジネス書を選ぶ時のポイントは以下の通りとなります。
- 著者の経歴をチェックする
- 目次をチェックする
- 口コミや評価を参考にする
ビジネス本を選ぶ時、一番ポイントになることは「著者の経歴」です。
ビジネス書を読む目的とは、時間を短縮して知識を得ることです。
つまり実際に著者自身の経験を記した本であれば有益なのですが、コンサルタントが書いた机上の空論では無価値なケースが多いということです。
やはり実体験に基づいた失敗談ほど有益なものはありません。
そのような体験が多く書かれている本は、とても大きなメリットをあなたにもたらしてくれるはずです。
その内容を把握するために見るべきポイントが「目次」です。
本の目次を見れば、ある程度内容が推測できるので、必ず目次をチェックしてみましょう。
そして最後にAmazonなどの口コミや評価を参考にしてみます。
口コミや評価は賛否両論だと思うので、決してそれを参考にするのではありません。
重要なことは「自分が欲している情報を提供している本なのか?」ということを確認するのです。
これらのポイントを押さえて、人生を変えるような良い書籍に巡り会ってください。
一応、編集部オススメの書籍をご紹介しておくので、もし良ければ読んでみましょう。
営業支援サービスも活用しよう!
「営業力を強化する!」という観点で考えた場合、営業活動をアウトソーシングすることもアリだと思います。
営業のアウトソーシングサービスには様々な種類があるのですが、販路拡大&新規開拓などのセールスをアウトソーシングできるので、ニーズに応じて様々な使い分けができるでしょう。
営業支援サービスを利用することで、営業に関する様々なプロセスを合理化できるので、もし営業を強化したい場合にはオススメできますが、ここでは代表的な営業支援サービスをご紹介していきたいと思います。
- 営業代行
- WEB集客
- リファラル営業
営業代行サービスとは?
営業代行は、その名の通りアポイント獲得を代行したり、フィールドセールスやインサイドセールスを代行してくれるサービスとなります。
実際に人が動いて営業代行するサービスなので、1人アサインするのに月60万円~100万円ほどの「固定費+成功報酬」が一般的です。
外注費としては少しお高めなので、BtoB商材(法人向けビジネス)でなければ採算が合わないかもしれません。
営業代行サービスについて詳しくは知りたい場合は、下の記事をご覧ください。
WEB集客とは?
WEB集客は、SEOを中心としたGoogleなどの検索エンジン対策と、PPC広告を中心としたインターネット広告を駆使して見込顧客を集めるやり方です。
最近ではSNSを活用したwebマーケティングが主流になっており、「共感を集める」ことに軸足が移されつつありますが、どのようなやり方でも一般的には「費用対効果が良い」と言われています。
インターネットに特化した広告代理店もいるので、そこに丸投げすることもできますが、毎月100万円以上の広告予算が捻出できなければ代理店側が儲からないので、あまり相手にされないでしょう。
なので、webマーケティングを実施する場合には、毎月100万円~300万円くらいの予算が必要になると思います。
リファラル営業とは?
リファラル営業とは、紹介営業を意味する言葉なので、営業職の人には馴染み深いかも知れません。
そもそもリファーラル(referral)とは「紹介」「推薦」を意味する言葉なので、「人から紹介を受ける」ことを指しています。
このリファラルをセールスに活用したのが「紹介営業」だといわれています。
不動産業界や保険業界などで多く活用されているリファラル営業ですが、この紹介営業を支援するリファラル営業プラットフォームも登場しているので、もし新規見込を増やしたいのであればピッタリだと思います。
営業支援のITクラウドツール
ITツールは社内の業務効率化を図ってくれるので、営業現場の課題や問題を解決するきっかけを作ってくれます。
その為、効率的な営業活動をする為には欠かせないモノだと言えます。
しかし様々なサービスがリリースされているので、色々と迷ってしまいますよね。
ただ、大枠では2種類に分けられるので、ここではその2つについて触れておきたいと思います。
- SFA(Sales Force Automation)
- CRM(Customer Relationship Management)
SFAとは?
SFA(Sales Force Automation)はクラウド型の営業支援ツールであり、営業活動の可視化や共有などができます。
SFAには営業管理、営業分析、事務作業などを効率化する機能が実装されており、使い方がわからないお客様に対しては、基本設定やトレーニングを行うといったサービスもあります。(※別料金のケースが多いです。)
アフターフォロー専門のカスタマーサクセスという部署もあるほどです。
CRMとは?
SFAと並んで利用されているITツールがCRM(Customer Relationship Management)です。
実際にはSFAとCRMの一体型ツールが多いのですが、それぞれに特化したサービスも存在しています。
CRMは「顧客管理システム」を意味する言葉で、顧客情報の最適なデータ化をおこない管理を実施します。
顧客の管理を適切に行うことによって、顧客満足度の上昇につなげることが目的の一つとなっているのです。
もしSFAやCRMなどの営業支援ツールについて詳しく知りたい場合には、下の記事にまとめているのでご覧ください。
まとめ
ここまで「営業力」というテーマについて解説してきました。
営業力とは様々なスキルが入り混じった言葉なので、かなり抽象的に聞こえると思いますが、最も重要なことは「顧客主体」でセールスするということです。
多くの営業マンは「自分主体」のセールスを行っているので、お客様にとって「単なる押し売り」でしかありません。
そのような営業マンは嫌われてしまうので、スタンスを改めるべきでしょう。
とにかく念頭に置いて欲しいのは「顧客主体でセールスをする」というのと「お客様の課題を解決するソリューションを提供する」という2軸です。
この軸さえブラさなければ、いずれあなたもトップセールスになれるはずです。