
李健熙(イ・ゴンヒ)は、サムスングループ(SUMSUNG)の創業者である父・李秉喆から経営を引き継いだ2代目社長です。
グループの中核となっているサムスン電子は、日本の三洋電機と合弁企業を作ったことで、その技術を習得して急成長しました。
この辺りの詳しい経緯は分かりませんが、李秉喆、李健熙共に日本の大学(早稲田大学)へ留学していたことが関係するのかもしれません。
とにかく、世界を代表する電気メーカーに育てただけでなく、韓国最大の財閥を築いた経営手腕には疑いの余地がないので、今回は李健熙のビジネス名言集をご紹介したいと思います。
李健熙(イ・ゴンヒ)の名言集まとめ
タイムカードなんて押さなくていい。
タイムカードなんて無くしてしまえ。
これは1993年の名言ですが、職場だろうが家だろうが、とにかく「仕事のことを考えろ!」というのを伝えているストイックな名言です。
李健熙は「働く場所を会社だけに限定することはない」という考え方なので、ある意味ではブラック企業とも言えますが、この考え方はとても経営者っぽいですよね。
6ヶ月間徹夜して働いた後、6ヶ月間遊んでもいい。
遊ぶならとことん遊びなさい。
これは「極限までメリハリをつける」ことを推奨している名言です。
何事も中途半端にせず、全力で取り組むことが大事なのだと思います。
妻と子供以外は全て変えなさい。
これは李健熙の名言の中でも一番有名な言葉だと思います。
「自分を変えたい!」と思うのであれば、本当に全て変えるくらいの気概で取り組まなければ、それを実現することはできないそうです。
自己満足せず、危機意識で再武装しなければならない。
これは『常に向上心を持つこと』を推奨している名言です。
「再武装」という表現は、李健熙がバチバチの武闘派であることを匂わせていますw
風が強く吹けば吹くほど、凧は高く上がる。
凧が高く上がるためには、向かい風が必要です。
その向かい風が強ければ強いほど、凧は高く上がりますよね。
この名言の通り「逆境(危機)こそがチャンスである」と李健熙は語っています。
過去の成功に酔いしれて、現在の心地よさに安住したら、トップの座は他人の手に落ちるだろう。
ビジネス環境は常に変化していくので、前進し続けなければいけません。
現状維持は”衰退”を意味するので十分注意しましょう。
市場は広く、チャンスは開かれている。
これは非常に前向きで良い言葉ですよね。
この言葉は『見るだけで勇気がもらえる名言』だと思います。
時代の流れにそぐわない考え方や制度、慣行を断ち切ろう。
これは変化する重要性について語った名言です。
既にあるものが正しいとは限らないので、李健熙は「時代遅れなモノはためらうことなく捨てろ」と語っています。
優れた人材がサムスンを去っても構わない。
どうぞ自由に去ってほしい。
これは1990年の言葉ですが、李健熙は「韓国全体が発展すれば良い」と考えていたので、優秀な人材を囲い込もうとはしないそうです。
優秀な人材はサムスンを去った後、きっとどこかの企業で活躍したり独立起業するので、「どちらにしても韓国経済にとってメリットがある」と考えたようです。
変化の主導権を握るには、市場と技術の限界を突破しなければならない。
李健熙は創造的なクリエイターなので、よくApple創業者のスティーブ・ジョブズと比較されたりします。
しかしジョブズは猟奇的とも言えるような人物だったので、一般的には「狂人」と認識されています。
ジョブズの名言集は下の記事をご覧ください。
製品が消費者の心をつかむ時間は平均0.6秒だ。
李健熙は「一瞬でお客様を虜にできなければ、遅かれ早かれサムスンは負ける」と考えていたそうです。
「石橋を叩いて渡れ」と言うが、なぜ石橋を叩くのか。
私は木の橋であっても、「橋があれば渡れ」と言いたい。
危険を承知で先陣を切ってこそ、チャンスを先取りできるのだ。
李健熙は早稲田大学に留学していたので、日本のことわざにも詳しいようですね。
ことわざの名言集は下の記事をご覧ください。
贅肉が多いと格闘では不利だ。
大企業だったとしても「余分な贅肉がたくさんついていれば、戦いでは勝てない」と李健熙は語っています。
竹は中身が空っぽだが、節があるため強い。
この名言と同じように、「竹には節があるから折れない」ということを自然から学んだのが、スズキ会長の鈴木修です。
企業も同じように、節がたくさんある組織は強くなるそうです。
鈴木修の名言集は下の記事をご覧ください。
どの国で作るか(made in)は、今や意味がない。
誰が作るか(made by)が重要な時代なのだ。
日本人は未だに「メイド・イン・ジャパンには魅力がある」と信じていますよね。
しかしそれは幻想でしかありません。
実際に「アジアの電気メーカー」といえば世界的にはサムスン電子やLG電子が常識で、各国の家電売り場でもサムスンやAQUA(アクア)など、日本メーカー以外の製品が並んでいます。
しかし歴史を辿ると、サムスンもAQUA(アクア)も日本の三洋電機が起点となっているのは、なんとも皮肉ですよね。
日本人はこの現実を受け入れるべきでしょう。
悪事でなければ、どんどん冒険しなさい。
これは挑戦する勇気をくれる名言だと思います。
恐れず勇気を持ってチャレンジしましょう!
21世紀に花を咲かせるのは医療産業だ。
李健熙は「製造業が稼げるのは半導体で最後になるだろう」と語っている一方で、「これからは医療産業の時代だ」と語っています。
これは1997年の名言なのですが、とんでもない先見性ですよね。
人類はコロナパンデミックで理解したはずですが、確かにこれからは『人類vsウイルス&病原菌』の戦いになるでしょう。
一歩でも先を行こう。
全ての勝負は、わずか1歩の差で決まるのだから。
たった1歩だったとしても、毎日積み重ねれば365歩です。
少しずつでも良いので、毎日努力し続けましょう。
経営者は自分の仕事の半分以上を、人材を探し、人材を育てるために捧げなければならない。
企業は「人」で成り立っているので、やる気のある人材を探し出し、優秀な人材に磨き上げることが大切だと言われています。
その上で適材適所に配置することが、経営者には求められるそうです。
同じことをダイキン工業を世界ナンバーワンの空調企業に育て上げた井上紀之CEOも言っていたので、下の名言集もご覧ください。
何もせずに失敗しない人より、何かをやって失敗した人の方が、ずっと有能だ。
失敗はその人を成長させてくれますが、同じく『失敗すること』を推奨していたのが発明王のエジソンです。
エジソンの名言集は下の記事をご覧ください。
ミスを犯したからといって罰を与えてはいけない。
仕事でしくじるのは罪ではないからだ。
李健熙は「信賞必罰」ではなく「信賞必賞」を心掛けているそうです。
「信賞必罰」とは、功績ある者は必ず称賛し、罪過ある者は必ず罰すること。賞罰を厳格にすること。
会長も社員も、同じ人権を持っている。
職位や階級は組織を動かすための仕組みであり、偉そうに権威を振りかざすためではない。
本当の”権威”とは、誰もが一目置くほどの知識や能力を備えていても、他人の人権を尊重し、謙虚であることで育まれるそうです。
5%の人は、リーダーの言葉を聞いただけで信じる。
しかし95%の人は、実際の行動を見て初めて信じる。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という有名な名言があります。
これは連合国軍司令長官「山本五十六」の言葉なのですが、その真意を知りたい人は下の記事をご覧ください。
月を指差して「あの月を見ろ」と叫んでいるのに、月ではなく、指先を見てはいないだろうか。
これは本質を見抜く重要性について語った名言です。
ほとんどの人は物事の本質を見間違えているそうです。
「経営とは何か?」と問われたら、「見えないものを見ることだ。」と答えよう。
企業経営においてはリターンを追い求めるので、常にリスクを背負うことになります。
このリスクは目に見えない”不確実性の塊”なので、それをできる限りクリアに見抜く人が「一流の経営者」と呼ばれるのです。
一旦仕事を任せたら、それに見合う権限を与え、我慢して待たなければならない。
これは権限委譲について語った名言です。
経営者であれば誰もが悩む問題ですが、その一方でリクルートのような起業家気質の高い会社も存在しています。
その違いを知りたい人は、リクルート創業者である江副浩正の名言集をご覧ください。
自分の強みと弱みを冷静に捉え、弱みを捨てて、強みに力量を集中させるべきだ。
これは人材でも事業でも同じです。
強みと言える得意分野に集中すれば、その人はプロフェッショナルになれるはずです。
事業も「この部分が強い」と言えるところだけに集中すれば、そこで圧倒的な1位になれます。
これはランチェスター戦略と呼ばれていて、中小ベンチャー企業が勝つための法則なので、ビジネスパーソンは理解しておきましょう。

他者を顧みずにパイを独り占めすれば、一時的には得をしたように思えるが、長期的には全てを失うことになる。
事業とは「プロダクトを創造し、マーケットを創造し、顧客を創造する」ことなので、他者がいなければ『マーケットの創造力(拡大力)』が一馬力になってしまいます。
それでは時間がかかりすぎるので、ビジネスを成長させるためには「ライバルと一緒にマーケットを創造する」という考え方が必要だと思います。
どんなスポーツでも守備は基本だが、勝負を決めるのは攻撃である。
守っているだけでは、絶対に勝つことができません。
やはりアクティブに攻めることが重要なのだと思います。
準備不足、安易な考え、軽率な行動、が失敗の3要素と言える。
これから独立起業する人、新規事業を立ち上げる人は、この名言を覚えておきましょう!
企業経営は「1+1=2」ではなく、少なくとも5にはしなければならない。
単純な足し算なのであれば、「わざわざ組織でやる必要がない」と李健熙は語っています。
渋柿もじっくり干せば甘柿になる。
ただし「渋柿を甘くするには、たゆまね努力が必要」だと李健熙は語っています。
エンジンになる人物はいつも「私ならどうするか?」を考える。
これは当事者意識について語った名言です。
当事者意識がある人は、問題の本質を掘り下げて、自分に落とし込むことができるので、自然と問題解決能力も高まっていくそうです。
これができない人は、残念ですが『単なる組織の歯車』になってしまうそうです。
人材を育てるだけでは駄目だ。
リンゴの木を植えなければならない。
これは人材育成に関する名言です。
経営者や人事責任者は、この金言を心に刻んでおきましょう!
天才的な才能を持って生まれた選手でも、努力なしには勝利できない。
成功者と呼ばれる人達でも、陰ながら多大なる努力をしています。
プロアスリートたちの名言集は下の記事をご覧ください。