
「セールスレップ」という言葉を聞いたことがあっても、その役割や意味を正確に理解している人は少ないと思います。
そこで今回は、セールスレップと営業代行、代理店との違いや、気になる報酬制度についても触れていきたいと思います。
目次
セールスレップの意味とは?
セールスレップとは、「セールス・レプリゼンタティブ」を略した言葉です。
もしこの言葉を直訳した場合、以下のようになります。
- セールス=営業
- レプリゼンタティブ=代表者 or 代理人
つまり、営業プロフェッショナルとして販売支援してくれる人が「セールスレップ」と呼ばれているのです。
日本におけるセールスレップは販売のみに注力することなく、トータルで売上向上を狙う仕組みなのです。
- 営業戦略の策定
- 商品サービスへの開発支援
- 事業に対するアドバイス
- マーケティング戦略の策定
- 営業スタッフの育成 etc.
一般的には事業法人がセールスレップとして活躍していますが、これからの時代は個人がエンパワーメントされる時代なので、個人事業主のセールスレップが増えていくことが予想されます。
その場合には、その人自身が持つ営業スキルによって、セールスレップの良し悪しが左右されることになります。
セールスレップと営業代行の違いとは?
セールスレップと似た言葉に「営業代行」があります。
この2つは両方ともほぼ同じ意味なので、ここでは営業代行について掘り下げていくことにしましょう。
営業代行の業務内容とは?
そもそも営業代行とは「営業プロセスを代行するサービス」のことをいいますが、単に販売することだけを目的にしていないので、営業活動においての一連の業務や全ての作業を代行することが一般的です。
一昔前までは、自社内に直販営業を抱えてセールスするのが当たり前でしたが、最近では営業を外部にアウトソーシング(業務委託)することも当たり前になってきました。
つまり苦手な部分を頑張るよりも、「営業を得意としている会社に業務委託してしまった方が効率が良い」という考え方が徐々に浸透してきたのです。
営業代行では、営業活動に関するマーケティング業務もやってくれるので「どうすれば商品が売れるのか?」を一緒に納品してくれます。
つまり、売れる仕組みも一緒に納品してくれるのです。
営業が苦手な人からしたら、このようなサービスはとても頼もしい味方になるはずです。
営業代行業者は、テレアポを実施したり訪問営業をしてくれますが、それ以外にもWebによる集客まで提案してくれるケースもあります。
営業スタッフの育成という観点から「営業同行」してくれるケースもあるので、苦手意識を持って取り組むよりも、さっさとアウトソーシングしてしまった方が良い結果になるのは明らかです。
さらに、受注した既存客とのコミュニケーションや、フォローアップ営業の仕方などもレクチャーしてくれます。
営業現場では”新規開拓営業”よりも”既存顧客のフォローアップ営業”の方が売上に貢献しやすいので、この部分をサポートしてくれるのはとても心強いはずです。
セールスレップと販売代理店の違い
セールスレップと似た言葉に「販売代理店」というものがあります。
しかし、この2つは全く異質のものになります。
そこで、ここでは代理店制度について詳しく解説していきたいと思います。
販売代理店とは?
販売代理店とは、顧客と売主の間に入り商品を販売する個人・法人のことをいいます。
正確に記載すると、「特定のメーカーや企業などの為に、その代理人として商品の販売をすること」です。
商品の開発者をメーカーとした場合、そのメーカーと販売代理店は代理店契約を結んで、代理店の名義で商品の売買をするのです。
代理店はその販売報酬として「代理店マージン(手数料)」を受け取ることになりますが、それは商品代金に上乗せされたり、メーカーが粗利を削ったり色々なケースがあります。
そのような背景もあって、販売代理店は自分が頑張って売れば売るほど儲かるのです。
なので「どうやって売上を伸ばすか?」ということを積極的に考えるようになります。
ただし、販促ツールや資料などが代理店本部(メーカー)から供給されるケースが多いので、そのルールの中で営業活動をしていきます。
さらに代理店本部が営業活動に対して制約を設けるケースもあるので、決して何でも自由に営業できるというわけでもありません。
代理店制度を活用するメリットとは?
世の中に代理店制度を活用している会社はたくさんありますが、各社が代理店展開する理由は一体何なのでしょうか?
それはお客様にとってメリットが大きいからです。
例えばメーカーA、メーカーB、メーカーCのコピー機を取り扱っている販売代理店がいたとします。
この代理店はお客様に対して、様々なメーカーの製品を横軸で提案できますが、メーカーAの直販営業であれば自社製品のコピー機しか提案できません。
このような提案は、お客様にとって最適なコピー機を選ぶことができるので、大きなメリットだと言えます。
このようにメーカーA、メーカーB、メーカーC…と横軸で商材提案できるのが代理店の価値であり、本質的に顧客が求めていることなのです。
しかし中には「専属代理店」という仕組みもあるので、ある特定1社の商材しか扱えないという契約形態も存在します。
セールスレップの報酬額
セールスレップの報酬は大きく分けると、
- 固定報酬
- 成果報酬
の2種類に分けることができます。
この両方が存在しているケースもありますが、各報酬形態について詳しく解説していきたいと思います。
固定報酬とは?
固定報酬については、各業者によって報酬内容が異なるので一概には何とも言えません。
しかし、共通していることは報酬額が定額であるということです。
例えば、月の固定報酬が30万円ということであれば、基本的には毎月30万円の支払いが発生することになります。
その理由は、営業活動が短期的な施策にはなりにくいからです。
営業活動とは「1ヶ月だけ」「今月だけ」とスポットで依頼するようなものではありません。
短くても半年や1年間という長期間でアウトソーシングするはずです。
そのように考えた場合、最低でも180万円(30万円×6ヶ月間)くらいの予算組が必要でしょう。
とはいえ1ヶ月単位、もしくは固定報酬が2万円程度で契約できるセールスレップも存在しますので、ぜひ自分に合う低料金の業者を探してみてください。
成果報酬とは?
成果報酬とは受注(契約)したタイミングで支払われる報酬のことをいいます。
成果報酬では「所定の成果に達した場合のみ報酬支払いが発生する」という仕組みなので、クライアント側のリスクが少ないことが特徴的です。
契約(受注)時のみに報酬支払が発生する、完全成功報酬(完全成果報酬)という仕組みもあります。
この仕組みであれば、クライアント側のリスクがゼロになるので、もし完全成功報酬でやってくれる業者がいるのであれば積極的に依頼しておきましょう。
成果報酬の金額は各社まちまちですが、ある程度の相場感があります。
それは「売上金額の50%以上」ということです。
これを基準とした場合、「売上100万円の場合には50万円が成果報酬」ということになります。
これだけ聞くと「結構高いな…」と感じるかも知れませんが、営業コストをセールスレップ側が先出しするイメージなので、報酬額は高額になるのが一般的なのです。
ストック報酬(継続報酬)もある
様々な報酬形態がありますが、その中でもストック収入という仕組みが最も特徴的だと思います。
ストック型の報酬形態とは、一度獲得した案件の代理店マージンが永続的に支払われる仕組みのことをいいます。
例えば、ウォーターサーバーなどの月額サービスが代表的だといえます。
ウォーターサーバーを契約したエンドユーザーは、毎月数千円の利用料金を支払うことになりますが、この契約が存続する限り販売代理店には料金の数パーセントが永続的に支払われたりします。
このような仕組みがストック型報酬と言われますが、営業コスト1回に対して、代理店マージンが継続的に支払われ続けるので、費用対コストが高いと言われています。
なのでセールスレップ業者にとって、ストックビジネスはとても魅力的に映るのです。
セールスレップ業者は複数のストック収入を得ることによって、経営を安定化させていると言われています。
セールスレップを募集する方法
セールスレップを探すには、自社ホームページなどで「営業パートナーを募集しています!」と記載する方法もありますが、それだけで応募してくれる業者は少ないでしょう。
なので、まずはセールスレップ業者のホームページから積極的に問い合わせをするのが賢明です。
まずはGoogleなどの検索エンジンを活用して、
- セールスレップ
- 営業代行
- 営業支援サービス
などと検索してみてください。
ただ、これだと対象範囲が広すぎるので、さらに絞り込んで検索してみましょう。
中には個人(個人事業主)で営業代行してくれるフリーランスも増えてきていますので、ぜひ広い視野で販売パートナーを探してみてください。
条件や要望をまとめておこう!
セールスレップを探す場合には、あらかじめ自分達の条件や要望をまとめておきましょう。
問い合わせする毎に条件や要望を変えてしまうと、正確な比較ができないので後々面倒なことになってきます。
その為にも、あらかじめ条件や要望をまとめておくことが大切なのです。
代理店募集サイトなどを利用する
営業支援してくれる外部パートナーを探すのは結構手間の掛かる作業なので、募集サイトを利用するという方法もオススメです。
最近では営業系のクラウドソーシングサービスが出ていますので、様々な個人・法人の人脈を活用した営業支援も期待することができます。
そのようなサービスは、リファラル営業サイトと呼ばれているので、一度確認してみても良いでしょう。
他にも、webではなくてリアルでセールスレップを探す方法もあります。
例えば、展示会に出展してアピールしていれば、「ぜひ御社の商材を販売させて欲しい!」という企業が出てくるかも知れません。
もしあなたの製品サービスに興味を持ってくれた人が出てくれば、しめたものです。
ポイントは、とにかく外部パートナーとの接触機会を増やすことなので、ビジネスチャンスを最大化させるように心掛けてみてください。