
近年「営業女子を採用したい!」という企業が増えています。
これは女性営業のポテンシャルを良く理解しているからなのですが、なぜ営業女子はそんなにも人気なのでしょうか。
果たして、男性営業マンと大きな違いなどあるのでしょうか。
この記事では、普段セールスを受けることが多い『営業シークさの編集長(WEBX Inc.社長)』が、営業を受ける側の目線に立って解説したいと思います。
これから営業女性として就職を控えている人や、成績が伸び悩んでいる営業女子、営業レディをマネジメントしている管理職などはぜひご覧ください。
目次
女性営業が増えている
営業職といえば「男性の仕事」というイメージが定着していましたが、2000年代に入ってから女性の社会進出が急速に進み、今では『営業女子』という言葉も一般化しました。
これは単純に『労働力不足を補う為』だけではなく、ある特定商材においては『女性営業の方が適している』という側面も関係しているはずです。
例えば、保険営業や化粧品販売などでは、多くのセールスウーマンが活躍していますよね。
保険営業では『リスクに関する話』や『センシティブな話』をするので女性の方が安心できますし、化粧品に関してはお客様が女性なので、同じく販売する側も女性の方が話しやすいのです。
このように『女性ならではの強み』が活かせる職場が増えてきたことも、女性営業が増加する要因の一つになっているのだと思います。
なぜ営業女子は売れるのか?
営業職の男女比で見た場合、やはりまだ男性の方が多いと思いますが、『トップセールス』と呼ばれる人達を見回してみると、意外にも女性のセールスレディーが多いことに気付きます。
一昔前までは『トップセールス=男性』というイメージが強かったですが、今ではメチャクチャ売っている女性営業がたくさんいるのです。
これから営業職として就職する場合には、「なぜ営業女子は売れるのか?」という話題はとても興味深いはずです。
男性・女性といった性別で、「なぜそれほど差が出るのか?」と疑問に感じるはずです。
まず押さえて欲しいのは、営業パーソンには『なるべく断られる理由を少なくする』というのが求められることです。
例えば以下のような営業パーソンであれば、どちらの方を好印象に感じるでしょうか?
- 金髪の営業マン or 黒髪の営業マン
- ロン毛の営業マン or 短髪の営業マン
- デニムを履いた営業マン or スーツの営業マン
- ピアスをした営業マン or 真面目そうな営業マン
- 汚れた靴の営業マン or 綺麗な靴の営業マン
この答えはとても簡単ですよね。
人間は第一印象で『人となり』を判断してしまうので、見た目はとても重要なのです。
これは実際にあった話なのですが、私の勤めていた会社には営業インターン(大学生)が数人いました。
その中の一人は『茶髪&ピアス』にスーツという格好だったので、正直営業マンとしては違和感のある見た目でセールスをしていました。
他のインターン生は次々に受注が取れていたのですが、茶髪&ピアスのインターン生は6か月間も新規受注が取れなかったのです。
これは順当な結果でしたが、どうやら本人は気づいてなかった様子だったので「明日から黒髪にして、ピアスも外しておいで」とアドバイスしたところ、すぐに新規受注が一件取れました。
これは当たり前の話なのですが、営業慣れしていないインター生にとっては的確なアドバイスだったようです。
このような現象は『メラビアンの法則』と呼ばれているので、詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
茶髪&ピアスの営業マンでは、その見た目がすでにマイナススタートなので、「この人とは取引したくない…」と思われてしまいます。
つまり既に断られる理由が一つ出来ているのです。
さらに「言葉遣いが下品」とか「見た目が不潔」「押し売りばかりする」などの要素が積み重なっていけば、結果的に「いらないです!」と言われて失注するハメになります。
これは人間心理の特徴と言えますが、マイナススタートした場合「他にも欠点があるのではないか?」と粗探しを始めてしまうのです。
つまり減点方式になっていくのです。
しかし、プラススタートした場合には減点方式にならないため、その後の営業活動がスムーズに進んでいきます。
前書きが長くなりましたが、実は営業女子は常にプラススタートから始められることが特徴的です。
これは先入観とも言えますが、一般的な女性のイメージと言えば以下のような感じだと思います。
- 男性よりも穏やか
- 母性が強いので優しい
- 押し売りしない安心感
- 言葉遣いが丁寧
- コミュニケーションが上手
- 気配りができて親切
このような特徴があるので、男性の営業マンと比べて圧倒的に好印象、且つどうしても結果が出やすくなる傾向があるようです。
女性特有の強みを活かせる
女性には男性にない独自の強みがあります。
前述した『安心感』もそうですが、一番の強みとなるのはやはり『可愛らしさ』だと思います。
ビジネスの現場ではまだまだ男性が多く活躍しており、未だに管理職(役員や社長含む)も男性が多い傾向があります。
そのような男性にとって、女性の営業担当者は安心感があるだけでなく、異性としての可愛らしさもあるのです。
これは性的搾取とか、男女差別という話ではありません。
異性(性別)というものが存在する限り、絶対的な武器になり得る要素なのです。
同じ提案なのであれば、むさ苦しい体育会系の営業マンよりも、かわいい営業レディから提案を受けたいと思うのは、男性であれば誰しも同じだと思います。
しかも若い女性となれば、自分の子供や孫を重ねて「応援したい!」と思う男性は少なくないので、その気持ちは営業成績にも反映していくはずです。
これは女性特有の可憐さ(弱々しい可愛さ)があるからこその強みだと思います。
ここまで読んで気付いた人は多いと思いますが、実は営業女子の外見(見た目)は重要ではありません。
トップセールスと呼ばれている女性営業は、決して綺麗だったり、美しい人ばかりではないのです。
どちらかといえば内面がしっかりしている人の方が多い印象を受けます。
つまり可憐さがあって、真面目で、丁寧な人だということです。
このような強みを理解して、それをフル活用すれば、女性営業が男性営業マンに負けることはないと思います。
営業は得意分野で勝負しよう!
人間に異性(男性と女性)というものがある限り、それぞれ強みと弱みを抱えることになります。
しかしそれは決してネガティブな話ではなく、どちらかといえばポジティブに捉えるべきだと思いますが、その要素は職種にも影響してきます。
これは一般論ですが、例えば大きな金額の取引になるほど、営業担当者には頼りがいが求められます。
そうなった場合、身体が大きな体育会系の営業マンの方がきっと有利でしょう。
逆に金額は小さくても、親身になって相談できたり、安心感が欲しい『保険や証券』などの場合、女性営業の方が有利になると思います。
このように「どの分野であれば女性独自の強みが発揮できるのか?」というのは、じっくり研究するべきだと思います。
これは「身長が高いからファッションモデルになる」とか、「足が速いから短距離走の選手になる」というのと一緒です。
どれもある程度は先天性な要素ですが、自分がどの分野に優れており、どの分野であればその実力が発揮できるのかを、きちんと分析することが大切だと思います。
そうすれば勝率は上がりますし、活躍できる機会もきっと増えるはずです。
もちろん身長が低くてもファッションモデルにはなれますが、活躍できる確率が下がってしまうので十分注意しましょう。
「女性は営業職をやめとけ」と言われる理由
- 女性は営業職に向いていない
- 営業職だけはやめておけ
営業女子に対してこのような意見があるのも事実です。
なぜこのような意見が出るのかといえば、前述した通り『女性特有の強み』が弱みに変わってしまう可能性があるからです。
例えば、営業先の男性担当者から「今度一緒に食事へ行こうよ」と誘われるケースが想定されます。
自分が男性営業マンであれば「ぜひぜひ行きましょう!」と言うかもしれませんが、女性営業が二人っきりで食事へ行くのは抵抗感がありますよね。
なぜかといえば、見た目的にはデートになってしまうからです。
本来は女性であることが強みだったはずですが、あまりに魅力的な人の場合『恋愛対象』として見られてしまうため、本来の『セールス』という趣旨から大きく外れてしまうのです。
このようなやりとりが多くなってしまうと、仕事に対するやりがいが見い出せなくなり、「営業職にならなければよかった…」という結果にもなりかねません。
また、頑張ってトップセールスまで上り詰めたとしても、嫉妬した男性の営業マンから「あいつは顧客に色気を使っている」とか「枕営業している」と陰口をたたかれる可能性もあります。
実力で勝ち取った結果なのに、周りが認めてくれないことはストレスになるので、そのような状況を嫌う人が多いのです。
それが結果的に「女性は営業職にならない方がいい」という話につながっていきます。
これは不幸な話なので、周りの意見に振り回されないようにしましょう。
営業職としての楽しみを見つけよう!
色々と課題が多いように思われる営業女子ですが、それは男性営業マンでも変わりありません。
男性営業マンは「頼りがいがある」とか「論理的な話ができる」という先入観がある一方で、「適当な人が多い」とか「セールスが強引」というネガティブな印象もあります。
そして男性がゆえにお酒の席に誘われることも多く、会食ではたくさんのアルコールを飲まなければいけません。
※これは個人の実体験に基づきます。
「精神的にも強い」と勘違いされがちなので、今では少なくなりましたがパワハラも当たり前でした。
このように、男性でも女性でも一長一短があるため、一概に「営業女子は大変」とか「男性営業マンは結果が出やすい」という話にはならないはずです。
どちらにしても営業職は決して楽な仕事ではありません。
お客様からクレームを言われたり、適切な取引が出来なかったため、謝罪する場面もあるでしょう。
そのような中でも、お客様から「ありがとう!」と感謝されたり、「あなたのおかげで助かった!」と言われるやりがいがきっと見つかるはずです。
よって、営業職として働くためには、自分なりの楽しみを見つけなければいけません。
これは「夢」と言い換えることもできますが、セールスパーソンはそのような目標を持つべきだと思います。
個人的に”腹をくくった営業女子”は最強だと思っているので、「絶対にトップセールスになってみせる!」という強い信念のもと、日々の営業活動を頑張ってください。