
野村克也さんといえば「ノムさん」の愛称で親しまれた、日本プロ野球界を代表する名物監督ですよね。
現役時代は打者として三冠王を達成したり、プレーイングマネージャーとして「4番打者」「捕手」「監督」を兼任した「選手兼任監督」など、素晴らしい実績を残した名選手です。
監督専業になってからも、ヤクルトスワローズ時代には「黄金期」を築いたと言っても過言ではないでしょう。
このような好成績を残せた理由は、類稀なるリーダー資質を持っていたからだと言われています。
そこで今回は、野村克也の名言集をご紹介していきたいと思います。
プロ野球選手を目指す人だけでなく、ビジネスパーソンにも役立つ言葉ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
野村克也の略歴
1954年 プロ野球南海にテスト入団
1957年 30本塁打で初の本塁打王
1959年 プロ野球日本一を経験
1961年 29本塁打で2度目の本塁打王
1963年 シーズン52本塁打を達成
1964年 2度目の日本一を経験
1965年 打率3割2分、110打点、42本塁打で三冠王
1970年 通算2,000本安打達成
1980年 現役引退
1989年 野球殿堂入り。ヤクルト監督就任。
1992年 監督としてセリーグ優勝
1993年 セリーグ優勝、日本シリーズ制覇
1995年 セリーグ優勝、日本シリーズ制覇
1997年 セリーグ優勝、日本シリーズ制覇
1998年 阪神監督就任
2005年 楽天監督就任
2009年 監督退任
2017年 妻の野村沙知代さんが死去
2020年 野村克也死去(84歳)
野村克也の名言集まとめ
小事が大事を生む。
何か偉業を成し遂げたい場合、近道などありません。
毎日コツコツと努力するしかないのです。
努力に即効性はない。
これは南海ホークス時代に、選手兼監督として活躍していた時の名言です。
毎日努力した結果が未来を築くのです。
人は、他人の評価の中に生きている。
野村克也は「他人が認めない個性など、ただの独りよがり」と、厳しい口調で語っています。
プロ野球というチームプレイだからこそ、このような考え方が強くなったのだと思います。
殴った方は忘れていても、殴られた方は覚えている。
これは野村克也が先輩選手から言われた言葉だそうです。
この言葉の意味は、実際に「拳で殴る」という話ではなく、投手目線で考えた時の話です。
せっかく良い球を投げたのに、野村選手に打たれたピッチャーはがっかりするどころか、「どうやって次攻略するか?」を真剣に考え始めます。
相手が自分のことを倒そうと思って改善するのに、自分自身は何も進化しなければ、いづれ負けてしまうことを諭した名言なのです。
人間の最大の罪は鈍感である。
野球はテクニックを磨くことで上達しますが、それだけでは勝てないと野村克也は語っています。
つまり心理戦が必要になるのです。
相手の動きやクセをつぶさに観察し、それをデータ化した上で、一流のテクニックと組み合わせることで、初めて相手を攻略できるのです。
それに気づかない人を「鈍感である」と表現しているのです。
人気とは人の気。
「人の気」とは「人の気持ちを捉える」という意味です。
つまり人から好かれる人が「人気者」になるので、人気者になるためには、常に周囲を意識しなければいけないのです。
それに気付いた野村克也は、当時人気だった巨人に対してアンチの立場を強め、周囲が喜んでくれるボヤキ節を言うようになったのです。
姿の乱れは心の乱れ。
人間には、内面と外見がありますよね。
野村克也は「内面に自信のない人は、外見を派手にする」と結論付けていました。
なのでロン毛や茶髪、髭やピアスなどをNGとしたのです。
見た目を気遣う時間があるなら、そのぶん練習して、一流のプロ野球選手なら、内面(=実績)で結果を出すように求めたのです。
働くとは、ハタ(傍)をラク(楽)にすること。
この言葉は当て字ですが、野球というチームプレーを言い表した名言だと思います。
自分が投手であれば、キャッチャーや外野をラクにして、自分がバッターであれば打点を稼いで投手をラクにしてあげるのです。
それは結局チームプレーに結びついていくのです。
諦めた時が、変わる時。
「諦めたらそこで試合終了ですよ。」という有名なセリフがありますよね。
「もうダメだ…」と諦めた瞬間、選択肢は二つあります。
- もうやめる
- 改善して続ける
「もうダメだ…」と感じるのは、改善する余地に気づけただけと野村克也は言います。
なので少し改善して、そのまま続けていけばいいのです。
才能の無い者の武器は考えること。
天才と凡人という言葉があります。
ほとんどの人は「凡人」に該当すると思いますが、どうすれば天才に勝てるのでしょうか?
それは自分の強み(=武器)を正しく理解することです。
その強みをひたすら磨き続けて、長所が活かせる動き方をすれば、たとえ天才が相手だったとしても勝てるのです。
球界に革命を起こしてみないか?
これは江夏豊を控え投手に転向させた伝説的な名言です。
持病で長いイニングを投げられない江夏豊に対して、日本初のストッパー専業になることを選手兼監督として提案したのです。
しかしこの時代は「先発完投してこそ投手」という時代だったので、やはり江夏豊は難色を示したそうです。
でも、野村克也の熱心な説得に応じて、球界に革命を起こしたのです。
固定観念は悪。
先入観は罪。
何事においても固定観念や先入観を排除した方がいいと思います。
つまり常識を疑った方がいいということです。
自分は正しい努力をしているか、毎日自分に問いかけよ。
- 努力は必ず実る
- 努力は嘘をつかない
このように、努力に関する名言は沢山ありますが、どれも枕詞がつくのです。
それは「正しい努力」という言葉です。
どんなに頑張ったとしても、正しい努力でなければ、結果につながることはないのです。
人目につかない所で、ひっそりと咲く月見草もある。
これはスター選手だった長嶋茂雄や王貞治と、自分を比較した時の言葉です。
日本プロ野球史上二人目の通算600本塁打という大記録を打ち立てた会見で言った名言ですが、謙虚さというよりは、人それぞれに生き方や個性があることを表現したのだと思います。
未熟者にスランプなし。
スランプに陥ったことがない人は、ドキッとする名言ですよね。
確かに一流のプロフェッショナルは、常に実績を出し続けていますが、三流の人は結果を出さないので、そもそもスランプに陥ることがありません。
仕事やスポーツにおいてスランプを感じなければ、それは未熟者ということです。
右目でボールを受け、左目で打者の反応を見よ。
これは一流の捕手として活躍していた、野村克也らしい名言だと思います。
愛弟子と言える古田敦也などにも、この言葉を伝えていたそうです。
駄目になった時の危機管理こそ、監督の仕事。
野村克也監督といえば、ベンチでムスッと腕組みしながら座っているイメージですよね。
たとえ味方選手が終盤で逆転ホームランを打ったとしても、決して喜ぶことをせず、冷静に試合をウォッチしているのです。
その理由を「逆転ホームランを打ったとしても、まだ勝ったとは言えないからだ」と語っています。
そして「監督は選手と同じ目線で試合を見てはいけない」とも語っています。
これは会社組織のリーダーにも同じことが言えると思います。
組織はリーダーの器以上には伸びない。
これは経営者や事業責任者に伝えたい名言No.1です。
自分が組織のキャップ(蓋)にならないようにしましょう。
外野手出身に名監督なし。
野村克也曰く、野球とは守備側がボールを持って、ゲームの主導権を握っている珍しいスポーツだと言います。
つまり、守備が非常に重要なスポーツなのです。
そう考えた場合、外野手はチーム全体の守備を考えることが少ないので、名監督になりえないと言っているのです。
憲法より礼儀が大事。
これは野村克也の持論ですが、「憲法を知らなくても生きていけるが、礼儀を知らなければ生きていけない」と語っています。
生活全般に通じる名言なので、座右の銘にもぴったりだと思います。
常に備えよ。
野村克也は準備することに重点を置いていました。
これは様々な偉人達も同じことを言っていますが、きちんと準備していなければ、チャンスが来ても掴み取ることはできないのです。
敵を知り己を知れば百戦危うからず。
これは孫氏の「兵法」にある有名な言葉ですよね。
野村克也曰く、「これほど勝負の真髄を言い表している言葉はない」ということで、大のお気に入りだったそうです。

勝ちたかったら嘘をつけ。
「勝負事は情報戦である」という言葉もありますよね。
これを「ブラフ」と言うこともありますが、それを多用しているのが麻雀だと思います。
ギャンブルが好きな人は、ぜひ下の記事もご覧ください。
打たれたら俺の責任だ。
これは野村克也がピッチャーだった野中徹博に伝えていた名言です。
リーダーの鏡と言えるような言葉ですよね。
不器用に徹すれば最後には勝つ。
どんなジャンルだったとしても、一つのことを突き詰めた人は強いと思います。
つまり、特定ジャンルのプロフェッショナルを目指すべきなのです。
どのジャンルでも良いので、プロフェッショナルになるように努めましょう。
痛い目に合わないと人間は本当には変われない。
この言葉は、本当に胸に刺さる名言だと思います。
失敗を経験するから、人間は成長できるのです。
失敗を恐れず、どんどんチャレンジしていきましょう!
弱者が強者に勝つ野球。
ベンチャー企業が大企業に勝ったり、新人選手がベテラン選手に勝つのは難しいですよね。
果たして、弱者が強者に勝つことなどできるのでしょうか?
結論を言ってしまうと、弱者が強者に勝つことはできます。
それをまとめたのが、ランチェスター戦略です。
どうやら野村監督もランチェスター戦略に精通していたようです。
気になる人は下の本を読んでみてください。

人生には三つの坂がある。
上り坂、下り坂、まさかだ。
これは楽天イーグルスの監督に就任した時の言葉です。
- ヤクルト監督時代(=上り坂)
- 阪神監督時代(=下り坂)
と考えた場合、楽天監督は自分でも予想外だったのでしょう。
失敗と書いて成長と読む。
これは非常にポジティブな名言だと思います。
失敗は成長のチャンスなので、存分に活かしていきましょう!
人生は縁。
この言葉は、野村克也が監督をしていた楽天にドラフト1位で入団したマー君こと「田中将大 選手」へ贈った言葉です。
この出会いが、その後メジャーリーグへ挑戦する礎となったのです。
無視、賞賛、非難。
これは選手に対する接し方を表した名言です。
具体的には、三流選手(=無視)、二流選手(=賞賛)、一流選手(=非難)という接し方だそうです。
ユニフォームは舞台衣装だぞ。
野村克也は、身だしなみを整えることに厳しかったそうです。
前述した通り、ロン毛や茶髪、ヒゲなどはもちろんNGです。
それはユニフォームに対しても同じでした。
その理由は合理的で、だらしなく見えることと、プレーの邪魔になるからです。
マー君神の子、不思議な子。
田中将大投手は、ボコボコに打たれてKO降板しても、なぜかその後に打線が援護して、負けのつかないことが続いたのです。
その時に言った有名な名言がこれです。
これは本心から出た言葉だそうです。
恐怖で支配しても長続きしない。
これは監督業をしていた野村克也ならではの言葉だと思います。
恐怖による支配が失敗することは歴史が証明しているので、リーダーは心得ておくべきだと思います。
ボヤキは永遠なり。
ぼやいてる間は元気な証拠。
僕がぼやかなくなったらご臨終ですよ。
野村克也といえばボヤキですよね。
試合後のインタビューでも、常にボヤいていたのを思い出します。
しかしこれには明確な哲学があったそうです。
「ボヤキは理想と現実の差を表現するもの。不満を表現する愚痴とは別である。」
つまり「こうなるべき」という理想があって、それに対するギャップをぼやいていたのです。
このやり方は各選手へのメッセージにも使えますし、自分自身の頭を整理することにも使えます。
そう考えると非常に秀逸なやり方だと思います。
苦労とは「しなくてもいいこと」で苦しむことをいう。
野村克也曰く、練習することは苦労ではないと言います。
なぜかと言うと、上手くなるために必要なことだからです。
これは人生を前向きに生きる為のヒントをくれる名言だと思います。
進歩は無知を自覚することからはじまる。
「無知」と言えば、ギリシア哲学者のソクラテスが言った「無知の知」が有名ですよね。
それに通じる名言だと思います。
手段と目的を混同してはいけない。
例えば「有名大学に入りたい!」と思ったり、「一流企業に就職したい!」と考えますよね。
しかし、それを目的にするのは間違っているのです。
有名大学に入学したり、一流企業に就職することは、あくまでも手段であり、目的とは別なのです。
勝ちに不思議の勝ちあり。
負けに不思議の負けなし。
ラッキーで勝つことはありますが、アンラッキーで負けることはありません。
試合に負けるということは、何か原因があるのです。
その原因を改善しなければ進歩できないので注意しましょう。
金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上。
上中下というのは、一流(上)、二流(中)、三流(下)を表しています。
リーダーとなる人が心得ておくべき名言でしょう。
まとめ
ここまで野村克也の名言集を解説してきました。
野球選手として一流なのはもちろんですが、「人を育てる」という部分も一流の監督ですよね。
同じく、一流のリーダーと言われている山本五十六の名言集もぜひご覧ください。