どの会社にもトップセールスマンはいると思いますが、その営業マンが退職した時のリスクまで対策できているマネージャーは意外と少ないですよね。
優秀な人材は独立・起業したり、他社にヘッドハンティングされてしまう可能性もあるので、経営者は”次のトップセールス”を育成する使命を担っていると思います。
そこで今回は、トップセールスの育成方法や営業研修について触れてみたいと考えています。
人材育成に悩んでいる営業責任者はぜひご覧ください!
優秀な営業マンを育成できない…
ほとんどの営業マネージャーは、上手に営業マンを育成できないと悩んでいるはずです。
しかしそれは当たり前の話だと思います。
なぜかといえば、そもそもセールスの教え方を学んだことがないからです。
よくよく考えてみると、会社へ入社した時に、先輩営業マンからセールスのやり方を教わったと思いますが、そのやり方は先輩社員の独自ロジックだったり、中小ベンチャー企業の場合には研修と呼べるレベルのものではなかったでしょう。
そのような状態なので、先輩社員から聞いた情報をなんとなく試しながら、たくさん失敗&改善して、これまで各人が自分なりの営業スタイルを確立してきたはずです。
営業現場はそのような手探り状態なので、ほとんどのセールスパーソンは自分のやり方が”言語化”できていないはずです。
トライアンドエラーしながら構築した自分なりの営業スタイルは、無意識で行っている部分も多いので、それを新人営業マンに伝えるのは一苦労ですよね。
なので、まずやるべきことは感覚でやっているものを”言語化”し、無意識にやっていることを”見える化”することです。
ここが営業人材を育成するスタート地点になるので、まずはそのように理解しましょう。
営業指導のポイントを解説!
ここから具体的なやり方について解説していきたいと思います。
これらを実践していけば、きっと再現性のある営業研修になるので、ぜひお試しください。
売れた理由を明確にする
営業研修を仕組み化したい場合、まずやるべきことは感覚でやっているものを言語化し、無意識にやっていることを見える化すること、だとお伝えしました。
そこでまず手をつけたい部分は、「なぜ売れているのか?」という理由を解明することです。
実はこの『売れている理由』を言語化できない営業マンは非常に多いので注意しましょう。
ほとんどのセールスパーソンは営業ノルマを背負っているので、「なぜ売れたのか?」という部分を解明しようとしません。
というよりも、受注が取れたらすぐ次の数字を作りに行かなければいけないので、優雅に分析している暇などないのです。
しかしセールスというのは、たまたま売れたり、ラッキーパンチが当たって売れるということは本来ありえません。
あくまでも顧客ニーズがあり、そこに刺さった場合、結果的に売れているのです。
なので、売れた時のシチュエーションを事細かに分析し、「なぜ売れたのか?」という理由を解明してみましょう。
要するに気合い&根性などの精神論ではなく、きちんとした合理的な仕組みを作ることが重要なのです。
売り込まない”営業スタイル”を教える
売れた理由を言語化できた後は、営業マンが商談する時のスタンスについて教えましょう。
稀に強引なセールスを教えているマネージャーも散見されますが、そのようなやり方はもはや時代遅れです。
強引なセールスは「押し売り」と呼ばれており、とにかくお客様から嫌われてクレームになるだけでなく、会社の評判も悪くなってしまうので、何一つ良いことがありません。
このようなセールスは『営業主体』で行われるケースが多く、本来の営業活動とは言えないのですが、本来の営業活動は『顧客主体』で行われるべきであり、最も重視すべきことは”顧客ニーズのヒアリング”となります。
ヒアリングした結果、顧客ニーズに合わないと判断すれば、「今回はウチの商品を買わない方がいいと思いますよ」と誠実に伝えられる人が本当の営業マンだと思っています。
逆説的に言うと、顧客ニーズと合っているのに、もしお客様が決断を渋っているようであれば、その背中を押してあげるのも営業マンの役目なのです。
どちらにしても”売り込まない”という営業スタンスをセールスパーソンに理解させましょう。
営業活動を分解する
セールスにおいて『ヒアリング』の重要性が理解できたら、次は営業活動を分解してみましょう!
一言に営業といっても、そのステップは大きく5つに分かれています。
- アポイント
- アイスブレイク
- ヒアリング
- プレゼンテーション
- クロージング
一番最初の『アポイント』は、商談準備とも言い換えられますが、ここでやるべきことは顧客のリサーチです。
- どのようなニーズがあるのか?
- どのような課題を解決したいのか?
- 競合サービスと比較検討しているか?
このような部分をヒアリングして商談に備えましょう。
そして実際の商談ではまずアイスブレイクをして、アポイントの時よりも突っ込んだリサーチを開始します。
この時のリサーチが一番重要なヒアリングになるので覚えておきましょう。
と言っても、お客様に「どんな商品が欲しいか教えてください!」とストレートに伝えたとしても、なかなかお客様は本音を話してくれません。
なぜかといえば、押し売りされるのが嫌だからです。
なので「どのような課題を解決したいですか?」というのを聞きたいのですが、それもなかなかストレートに聞くことができません。
よって、まずは過去の状況からヒアリングしていくやり方をおすすめします。
例えば会計ソフト(SaaS)を販売している営業マンであれば、まずは過去の会計管理についてヒアリングしてみるのです。
このようなセールストークを展開していけば、お客様の本音も探りやすいと思います。
お客様は、いきなり「クラウド型のSaaSサービスを検討してるんですよね?」と聞かれると、押し売りされるのが嫌なので、どうしても本音を言ってくれません。
しかし「過去⇒現在⇒未来」というような聞き方であれば、お客様のストレスが軽減されるので、お互いにとってベストだと思います。
しかしお客様の回答(ニーズ)は様々なので、あらかじめそれを想定して、プレゼンテーションを何種類か用意しておくことをおすすめします。
そして顧客ニーズに基づいたプレゼンテーションをしたら、最後はクロージングです。
もちろん理想的なのは即決営業なのですが、もしそれができなかったとしても、必ずネクストアクションは決めるようにしましょう。
なぜかといえば、ネクストアクションを決めないとフォローアップ営業ができないからです。
つまり次回連絡したり、商談するためのきっかけを無くしてしまうということです。
これは非常にもったいないので、案件をロストしないようにがっちりグリップしておきましょう。