日常会話:名前が読めないんだけど。
ビジネス敬語:失礼ですが、何とお読みすればよろしいでしょうか?
初対面で『名前を確認する』ことは決して失礼ではありません。
むしろ後から確認する方が失礼なので、氏名が読めない場合には初対面の時に確認しておきましょう。
日常会話:じゃあ帰りますね。
ビジネス敬語:それでは、そろそろ失礼いたします。
雑談好きなお客様の場合、いつまでも付き合わされるので、ある程度のところで区切ることも大切です。
時間は”有限な資源”だと理解しておきましょう。
日常会話:今すぐ判断はできないね。
ビジネス敬語:私の一存では決めかねます。
これは、その場での判断を避けたい時の決まり文句です。
使い勝手が良いので、セールスパーソンは覚えておきましょう。
日常会話:やっぱやめる。
ビジネス敬語:白紙に戻させてもらいます。
これは「交渉決裂」を想起させるキツめな言い方なので、使う場面に注意しましょう。
日常会話:もう納期が過ぎてるぞ!
ビジネス敬語:すでにお約束の納期を過ぎております。
取引先と喧嘩するメリットなど一つもありません。
できるだけ柔らかいニュアンスで伝えましょう。
日常会話:請求金額が違うぞ!
ビジネス敬語:ご請求金額をお間違いではないでしょうか?
意図的に仕掛けてくる人は少ないので、基本的には「相手が勘違いしたのだろう」という軽いニュアンスで対応しましょう。
日常会話:契約内容と違うぞ!
ビジネス敬語:ご契約させていただいた内容と異なるようですが、いかがでしょうか?
こちらも同様に、相手が認識間違いしている前提で対応した方が良いと思います。
もしかしたら自分の認識が間違ってる可能性もあるので、決して喧嘩腰にならないようにしましょう。
日常会話:すいません。
ビジネス敬語:大変申し訳ありませんでした。以後、気をつけます。
謝罪する場合には、2度目がないことをアピールしておきましょう。
日常会話:ごめん、ごめん。電車が遅れてね。
ビジネス敬語:申し訳ありません、電車の遅延で遅れました。
電車の遅延であっても、まず遅れたことに謝罪しましょう。
日常会話:そんなの知らないね。
ビジネス敬語:私の勉強不足で存じ上げません。
知らなかったことは仕方ないので、せめて”謙虚さ”を示しましょう。
日常会話:ごめん、遅刻した。
ビジネス敬語:貴重なお時間を頂戴したのに、大変申し訳ありませんでした。
ビジネスパーソンにとって、遅刻は命取りになり得ます。
商談に遅れた時には、心から謝罪しましょう!
日常会話:うっかりしてた。
ビジネス敬語:気の緩みが出てしまいました。
これはどちらかと言えば『自己防衛』を目的とした表現です。
ビジネスでは、このような演出も必要だということです。
日常会話:出世したんだね。
ビジネス敬語:ご昇進(ご栄転)おめでとうございます。
「出世」という言葉は生々しいので、別の言葉に言い換えましょう。
日常会話:これどうぞ。
ビジネス敬語:つまらないものですが…、お口に合うとよろしいのですが…
公の付き合いの場合、「つまらないものですが…」などの枕詞が決まり文句になっています。
でも、決して”つまらないもの”を贈っているわけではないので、間違えないようにしましょう。
日常会話:どうも、どうも。
ビジネス敬語:ご丁寧に、恐れ入ります。
贈り物を受け取った場合には、謙遜の気持ちを表しましょう。
日常会話:これは受け取れないよ。
ビジネス敬語:このようなお気遣いは困ります。
もう少し柔らかい言い回しが良いのであれば「お気持ちだけはありがたく頂戴します」でもOKです。
日常会話:あなたのこと知ってますよ。
ビジネス敬語:ご高名はかねがね伺っております。
「ご高名=相手の名前の尊敬語」なので、社会的地位が高い人に使うフレーズです。
日常会話:お願い!
ビジネス敬語:誠に厚かましいお願いでございますが…
人にお願いする場合には、謙遜の気持ちを表現しましょう。
日常会話:言いにくいけど…
ビジネス敬語:甚だ申し上げにくいことですが…
「甚だ申し上げにくいですが…」という枕詞を付ければ、相手は心の準備ができるはずです。
日常会話:もしいいなら…
ビジネス敬語:もし差し支えなければ…
このような言い回しをすれば、クッションの役割になるでしょう。
日常会話:紹介するよ。
ビジネス敬語:お引き合わせいたしましょう。
引き合わせとは、両者を取り持って合わせることです。
紹介営業(リファラル営業)はトップセールスの習慣なので、ぜひ実践してみましょう!
日常会話:無理だね。
ビジネス敬語:お力になりたいのは山々ですが…
このような言い回しは好印象を与えるはずなので、ビジネスパーソンは覚えておきましょう。
日常会話:夜遅くにゴメンね。
ビジネス敬語:夜分に恐れ入ります。
あくまでも一般論ですが、夜遅くというのは21時以降を指します。
それ以降の時間に電話する場合、必ず「夜分に恐れ入ります」と伝えましょう。
日常会話:今大丈夫?
ビジネス敬語:今お時間よろしいでしょうか?
ある程度の目安があれば、「今5分だけよろしいでしょうか?」と伝えた方が丁寧だと思います。
日常会話:じゃあ電話ください。
ビジネス敬語:恐れ入りますが、お電話下さいますようにご伝言をお願いいたします。
担当者が不在の場合、「折り返しいたしましょうか?」と聞かれるはずです。
その時に使えるフレーズなので覚えておきましょう。
日常会話:今日は休みです。
ビジネス敬語:あいにく○○は本日お休みを頂いております。
休んでいる具体的な理由を伝える必要はありません。
相手には事実だけを伝えればOKです。
日常会話:あの商談はダメでした。
ビジネス敬語:大変申し訳ありません!精一杯提案しましたが、私の力不足で成約には至りませんでした。
どちらにしても怒られるのですが、自己演出は上手な方がいいですよね。
「頑張ったけどダメでした…、悔しいです!」というニュアンスの方が可愛げがあるので、そのようなビジネス敬語を使うべきだと思います。
日常会話:声が小さいよ。
ビジネス敬語:申し訳ございません、お電話が遠いようで…
これはテレアポ営業などをする場合、とても使い勝手の良いフレーズです。
営業職の人は覚えておきましょう。
日常会話:名前は?
ビジネス敬語:お名前頂戴できますか?
これは相手の名前を聞き出す定番のフレーズです。
日常会話:了解。
ビジネス敬語:貴重なご意見ありがとうございました。
クレームには大きなヒントが隠れています。
決して「うるさい」とか「やかましい」と思わないで、真摯に耳を傾けましょう。
日常会話:今は忙しい!
ビジネス敬語:大変申し訳ありませんが、ただいま取り込んでおります。
ビジネスパーソンは忙しいので、すぐに対応できないシチュエーションもあります。
そんな時でも無下にせず、ちゃんと丁寧に対応しましょう。
ビジネス敬語はツールである
ここまで社会人必見のビジネス敬語をご紹介してきました。
もちろんここで紹介したビジネス敬語はごく一部です。
ですが、まずはここでご紹介したビジネス敬語を完璧に身につけ、あとは実務をこなしながら肉付けするイメージでも良いと思います。
なぜかといえば、冒頭で解説したように『ビジネス敬語はツール』であり、本当に重要なのは『ビジネスマナー=相手を気遣う気持ち』だからです。
ビジネスマナーさえしっかりしていれば、敬語はある程度でもOKなので、まずは社会人の”ビジネスマナー”を身につけましょう。