社会人になって、一番最初に頭を悩ませる課題が『ビジネス敬語』だと思います。
学生の頃はそこまで敬語を意識しませんでしたが、社会人になってからは当たり前のように”敬語文化”へどっぷり浸ることになります。
しかし、わざわざ正しいビジネス敬語を教えてくれる人などいないので、結局は自ら勉強するしかありませんよね。
そこで今回は、社会人に求められるビジネス敬語について解説したいと思います。
営業職はもちろんですが、ビジネスパーソンは是非ご覧ください。
社会人に求められるビジネス敬語とは?
実は、ビジネス敬語と言われるものはそれほど難しくありません。
ある法則を理解すれば、誰でも簡単に使えるようになるのです。
つまり敬語とは、非常にシステマチックだということです。
ビジネス敬語を理解する為には、まずは下の3種類を押さえておきましょう。
- 尊敬語:自分より目上の人に対して、相手を立てる
- 謙譲語:自分や自分の関係者の言動やものに関して、相手を立てることでへりくだる
- 丁寧語:相手に対して丁寧に表現する
この他にも「美化語(物事を美化する)」などがありますが、基本的には上の3種類を理解すれば大丈夫です。
そして、あまり敬語について意識しすぎないことも大切です。
敬語は単なるツールなので、一番重要なのはビジネスマナーだからです。
敬語を意識しすぎると、逆に『堅苦しい人』と思われるので、実務的にはある程度の使い方でOKなのです。
あくまでも相手を敬う気持ちや、尊敬する気持ちさえ大切にしていれば、たとえ敬語が下手くそだったとしても、相手にはその気持ちがきっと伝わるはずです。
なので、ビジネス敬語はあくまでも知識として押さえておき、基本的にはビジネスマナーを実践していきましょう。
シチュエーション別のビジネス敬語一覧
日常会話:どうも。
ビジネス敬語:どうぞよろしくお願いいたします!
初対面の時は、元気よく挨拶しましょう!
初対面の印象さえ良ければ、あとは何とかなります。
日常会話:○○です。
ビジネス敬語:私は○○と申します。
『自分の名前を言う』という行為一つでも、相手の印象は変わってきます。
出来る限り丁寧に対応しましょう!
日常会話:仕事は全然わかりません。
ビジネス敬語:何かと未熟なので、お手数をおかけするかもしれません。
謙虚さが伝わる言い回しですよね。
仕事は先輩社員に教わるものなので、謙虚さが必要だと思います。
日常会話:こんにちは(こんばんは)
ビジネス敬語:お疲れ様です。
これはビジネスの常套句ですよね。
ちなみに、目上の人に対して「ご苦労様です」と言うのは失礼にあたるので、十分注意しましょう。
日常会話:さようなら
ビジネス敬語:お疲れ様でした。お先に失礼いたします。
ただ「お疲れ様でした」と言うのではなく、相手に対しての気遣いも伝わる表現だと思います。
日常会話:行ってきます。
ビジネス敬語:○○へ行って参ります。
仕事中なので、どこへ行くのかは明確にしましょう。
日常会話:ただいま。
ビジネス敬語:ただいま戻りました。
営業先で失注すると、なかなか帰りづらいですよね。
元気に「ただいま戻りました!」と言えるようにしましょう。
日常会話:なに?
ビジネス敬語:はい!
自分の名前を呼ばれた時は、元気に「はい!」と言いましょう。
日常会話:そっちに行くね。
ビジネス敬語:ただいま参ります。
「参ります」は「参る」という謙譲語に、丁寧語の「ます」を加えた言葉です。
どんなシチュエーションでも使えるので、確実にマスターしておきましょう。
日常会話:了解!
ビジネス敬語:承知いたしました。(かしこまりました。)
「了解です!」という言葉は、ビジネスで使いません。
「承知しました!」というフレーズは、社内&社外で使えるので、完璧にマスターしましょう。
日常会話:○○すればいいのね。
ビジネス敬語:○○するということで、よろしいでしょうか。
ビジネスでは、お互いの意思疎通(コミュニケーション)をしなければいけません。
念入りに確認して、ミスが起こらないようにしましょう。
日常会話:はーい、やってみたいです。
ビジネス敬語:私に担当させてください。
自ら名乗り出る場合には、覚悟を決めて取り組みましょう。
日常会話:今大丈夫?
ビジネス敬語:今お時間よろしいでしょうか?
この言葉は社内&社外で使えるので、とても便利なフレーズだと思います。
日常会話:一緒に行きたい。
ビジネス敬語:お供させていただきます。
新入社員の頃は、よく上司に連れまわされると思います。
そんな時に嫌な顔するビジネスパーソンと、「お供させていただきます!」と元気に言う人では、可愛がられ方が変わると思います。
きっと仕事の成果も変わってくるでしょう。
日常会話:休みが欲しいけど、大丈夫?
ビジネス敬語:有給休暇をいただきたいのですが、よろしいでしょうか?
有給休暇は『労働者の権利』ですが、だからといって横柄にしてはいけません。
仕事は助け合いなので、自分が休んでも問題ないかきちんと確認しましょう。
日常会話:具合が悪いから、帰ってもいい?
ビジネス敬語:体調が思わしくないので、早退してもよろしいでしょうか?
具合が悪くても頑張る人を見かけますが、個人的には賛成できません。
体調が悪いときは、生産性も低いからです。
具合が悪い時には、無理をせずに休みましょう!
日常会話:子供が熱を出したので、休みたいです。
ビジネス敬語:私事で恐縮ですが、家族の事情でお休みを頂いてもよろしいでしょうか。
子供はいきなり体調を崩すので大変ですよね。
今はリモートワークできる環境があるので、無理して出社する必要はないと思います。
日常会話:誰ですか?
ビジネス敬語:失礼ですが、どちら様でしょうか?
会社にはたくさんの飛び込み営業が来ますが、無下な対応をしてはいけません。
来客の一人として、きちんと対応しましょう。
日常会話:何ですか?
ビジネス敬語:ご用件を承(うけたまわ)ります。
電話&訪問で使えるフレーズなので、この言い回しは覚えておきましょう。
日常会話:○○さんですね。
ビジネス敬語:▲▲社の○○様ですね。お待ち申し上げておりました。
「お待ちしておりました!」と言われると、とても気持ち良くなります。
来客対応する人は覚えておきましょう。
日常会話:こっち来て。
ビジネス敬語:どうぞご案内いたします。
店舗型ビジネスの場合は、お客様が来店すると思います。
そんな時には「どうぞご案内いたします」と、丁寧に対応しましょう。
日常会話:来てくれてありがとう。
ビジネス敬語:わざわざご足労いただきまして、ありがとうございます。
お客様に対して感謝の気持ちを伝えることは、とても大事だと思います。
そのようなちょっとした差が、「売れる営業マン」と「売れない営業マン」の分かれ目なのです。
日常会話:さよなら。
ビジネス敬語:ではこちらで失礼いたします。
このフレーズもビジネス敬語のテンプレートなので、必ず押さえておきましょう。
日常会話:約束はあるの?
ビジネス敬語:お約束(アポイント)はございますか?
不審者を通すわけにはいきませんが、失礼な言い方は控えましょう。
日常会話:2~3分待ってね。
ビジネス敬語:少々お待ちください。
もし待たせる時間が5分以内なのであれば、「少々お待ちください」という言い回しでまとめてOKです。
日常会話:担当はいないけど、どうしたの?
ビジネス敬語:担当者がおりませんので、差し支えなければ、私が用件を承ります。
「担当者がおりませんので、改めてお越しください」と伝えるのは、少し冷たい対応だと思います。
一言だけ「私が用件を承ります」と伝えれば、相手が受け取る印象は真逆になるでしょう。
日常会話:意見を言ってもいい?
ビジネス敬語:よろしいでしょうか?
挙手したり、場合によっては立ち上がって発言しましょう。
日常会話:そんなの無理だよ。
ビジネス敬語:非常に難しいと思います。
無理なお願いだとわかっていても、ストレートに「そんなの無理!」と言われるとカドが立ちます。
もう少し柔らかい言い回しに変えてみましょう。
日常会話:それは変だよ。
ビジネス敬語:お言葉を返すようですが…
このような『ビジネス枕詞』を使いこなせれば一流だと思います。
日常会話:お茶飲みますね。
ビジネス敬語:遠慮なく頂戴いたします。
お客様から出された飲み物や茶菓子に口を付ける場合、必ず一言伝えましょう。