営業職の転職希望者は「とても多い」と言われています。
実際、営業職として従事する人は最も多くて、2024年現在の就業人口約4,000万人のうち800万人ほどが営業職だと言われており、経営者を含めた「広義のールスパーソン」という概念では1000万人を超えるでしょう。
そこで今回は、就業人口が多いと言われる「営業職を志望する動機や理由、又は営業マンが転職を成功させるコツ」について解説したいと思います。
目次
営業職という仕事は大変
営業職に転職することを検討している人は、セールスという仕事が”キツい”ことを覚悟しておきましょう。
良くも悪くも営業は「数字&結果がすべて」なので、評価やインセンティブも実績によって決まってしまいます。
おそらく前職が営業職だった場合はそのような点を理解しているはずですが、営業職以外の場合には大きなギャップを感じることでしょう。
つまり営業職においては「努力」という目に見えない要素が無視されてしまうので、かなり精神的にもきついということです。
それでも「営業職に転職したい!」と考えるのは様々な理由があると思いますが、やはり一番大きいのは収入に関してでしょう。
営業職は全職種の中でも「一番給料が高い」と言われています。
確かに外資系の営業職であれば『年収が数千万円』というのが当たり前なので、収入に不満がある人にとっては魅力的に感じることでしょう。
日系の企業だったとしても、金融系やM&A仲介、不動産などの営業職は年収1000万円以上が当たり前なので、かなり高収入ですよね。
しかし、どのような職場だったとしても、営業職はプレッシャーから逃れることができません。
売り上げがあがらないことに対するプレッシャーは凄まじく、常に「後輩に追い越されるかもしれない…」という焦りも加わり、それらが複合的に作用してストレスの原因になってしまうのです。
営業の転職はリスタートになる
営業職に転職した場合、営業経験の有無は関係なく、とりあえず「ゼロスタート」となることはある意味メリットかもしれません。
前職ではイマイチだった営業マンが、転職したらトップセールスになったという話は、まいきょにいとまがありません。
そういう意味では人生をリセットできるボタンが「転職」と表現することもできます。
しかし営業職の場合、同じ業種業態だったとしても、会社によって顧客層、販路、営業手法は全く異なるので、いざ転職してみなければ結果は分かりません。
そういう意味で言うと、経理や人事などの職種と違って、かなりギャンブル性が高い転職になることでしょう。
もし前職でたくさんの顧客を抱えていた場合でも、イチから新規開拓したり、既存顧客との信頼関係構築に努めなければいけないので、ベテラン営業マンほど辛く感じるかもしれません。
営業の転職は志望動機が重要
一般的に、営業職は他の職種よりも入れ替わりが激しいので、常に求人募集されているイメージがありますよね。
そのため、やる気や体力があり、健康体でコミュニケーション能力があれば、問題なく採用されるケースが多いのですが、そんな営業職であっても”志望動機”はとても大切です。
先ほどお伝えした通り、営業はきつい仕事なので、はじめ意欲があっても契約や受注がとれず、次第にストレスを溜めてうつ病になってしまうケースもあるのです。
そのような休職者を大量に抱えてしまい、慢性的な人手不足になっている会社もあると聞きます。
やはり働くことは長期的なので、常に長い目でみなければいけません。
つまり、
- 長期的に取り組みたい仕事なのか?
- 人生のライフワークにできるのか?
- 世の中に貢献できるのか
など、転職先を見定める場合には『俯瞰的な視点』も必要になるということです。
販売する商材(製品・サービス)も大事
転職する際の志望動機には、「業務内容」が大きく影響してくるはずです。
つまり営業職で言えば、「自分は何を売るのか?」という点になります。
人は好きなものや興味があるものは積極的に知ろうと思いますし、良いものであれば人に勧めようとします。
営業職もこれと同じなのです。
もし営業職に転職するなら、自分が興味のある、もしくは興味が持てる商品を扱っている企業を選びましょう。
そうすれば、志望動機も具体的になりますし、本当の熱意もアピールできます。
正直面接においては、これが一番大切なポイントだと思っています。
また、実際に営業する時も、自社製品が好きで愛用しているなら「商品の良いところ」や「他の製品にはないところ」などを詳しく説明できますし、自ずと仕事も楽しくなるはずです。
志望動機は業種業態によって変えよう!
志望動機はとても大切だとお伝えしましたが、複数の業種をまたがって応募する際には注意しなけなければいけないことがあります。
それは、志望動機をすべて同じに(コピー)しないことです。
業界が違うのであれば、もちろん取り扱う商材も営業スタイルも異なることでしょう。
そのため、履歴書の自己PRを使い回しに(コピー)していると、矛盾が生じてしまうのです。
営業未経験だと「人見知りしない」「体力には自信がある」というフレーズは多くの企業にアピールできると思われがちですが、営業スタイルには種類があるので、一概にすべての営業職に当てはまるとは言えません。
例えばインサイドセールスの仕事であれば、体力は関係ありませんよね。
つまり「体力には自信がある」というのはアピールポイントにならないということです。
いくつもの業種に応募する場合、自己PRをイチから練るのは大変ですが、使い回しが判明してしまうとマイナス評価にも繋がるので、きちんとその業種や企業に合ったオリジナルの履歴書をつくることが重要なのです。
BtoCかBtoBを確認する
また、取り扱う商材が「モノなのか?orサービスなのか?」「個人向けなのか?or法人向けなのか?」によっても志望動機は異なってきます。
エントリーした会社は無形商材を扱っているのに、志望動機で「商品のデザインが好き」とアピールするのはちょっと違いますよね。
また、個人向け商材を扱っているのに、「今まで法人営業で培ってきた経験が活かせる」というアピールもチグハグです。
このような食い違いが起こらないように、転職先が「BtoC商材なのか?」「BtoB商材なのか?」は必ず確認するようにしましょう。
ちなみに、志望動機がないからといって、同じフレーズを使い回すのも印象が良くないのでやめたほうが賢明でしょう。
「販売から営業」に転職する志望動機の例文
営業職で意外と多いのが、販売職から転職するパターンです。
どちらもお客様に売る仕事なのですが、この2つの職種には大きな違いがあります。
販売職の場合はいわゆるインバウンド営業なので、店舗に来店してきたお客様に対してセールスを行いますが、顧客ニーズは顕在化していることが多く、営業未経験でも売りやすいという特徴があります。
その一方で営業職の場合、基本的にこちらの方からソリューションを提案するやり方なので「アウトバウンド営業」だと言えます。
また、顧客ニーズは潜在的になっているケースが多く、ニーズ喚起から始めなければいけません。
つまりそれぞれの特徴が真逆になっているということです。
販売職:インバウンド営業、顧客ニーズは顕在化
営業職:アウトバウンド営業、顧客ニーズは潜在化
このように、一見同じセールスの仕事とはいえ、真逆になっていることが理解できるでしょう。
では、実際に販売職から営業職に転職する場合、志望動機はどのように書いたら良いのでしょうか?
ここからその例文をご紹介していきたいと思います。
志望動機の例文
前職はインテリアショップの販売員として勤務しており、3年前に店長に就任してからは接客だけでなく、店内のレイアウトや仕入れなどにも携わってきました。
販売員時代はもちろん、店長になってからも、時期をみて販促キャンペーンを実施するなど、店舗の売上目標を達成する様々な工夫を行ってきました。
しかし、店舗の売上目標を達成しても、給料には反映されず、待遇も大きく変わりませんでした。
今回、貴社を志望した理由は、自分の努力次第で報酬が上がる仕組みになっていると感じたからです。
小売り業界はたとえ役職者であっても、現場に出ている限り収入には限界があります。
ですが、貴社であれば自分の売上が収入に直接影響してくるので、働くモチベーションアップにも繋がると考えています。
店舗の責任者としての経験を活かし、モチベーション高く目標達成に取り組んでいきたいと思っています。
これはあくまでも例文なので、自分なりにカスタマイズする必要はあると思いますが、伝えたいことは「自分の強み⇒それが転職先でどう役立つか?」という部分を言語化するということです。
転職というのは「即戦力である」という前提があるので、採用する側としては「採用したらどのような活躍をしてくれるのか?」という部分が気になっています。
なのでその部分をアピールすることが最も重要なのです。
転職動機は「給与」が多い
営業職はきついと言われながらも転職する人が多いのは、前述した通り「給与や収入面が良い」ことが主な理由だと思います。
営業職を志望理由は、仕事に対してやりがいがあったり、達成感を得たいという理由もありますが、本音を言えば「お金を稼ぎたいから」という人がほとんどでしょう。
営業職は『基本給+インセンティブ』という給与形態が多いので、極端に言えば自分の頑張り次第でいくらでも稼げるという魅力があります。
頑張った分だけ報酬として跳ね返ってくれば、当然本人のやる気はアップしますよね。
インセンティブはモチベーションアップになる
サービス職や介護職は激務ですが、業務内容に比べて「給料が安い」と言われている職種なので、営業職に転職する人も多いと聞きます。
いくら頑張っても給料が上がらなければ、モチベーションは下がる一方ですし、何のために辛い仕事を頑張っているのかわからなくなることも当然ですよね。
綺麗事言うことはできますが、人は生きていく為にある程度のお金が必要ですし、お金はあるに越したことはありません。
そのような観点で考えると、営業職に転職することは合理的だと言えるでしょう。
営業職はきつい仕事ですが、成果を出した分はきちんと評価され、インセンティブや歩合が出る、いわゆる稼げる仕事です。
新人であろうが、ベテランだろうが関係ないので、完全実力主義と言っても良いでしょう。
もちろん収入を上げたくて営業に転職しても、結果が伴わなければインセンティブはもらえないですし、収入も上がりません。
それが続くとストレスや焦りにもなりますが、これをどう乗り切るかも転職する際には考えておいたほうが良いでしょう。
まとめ
ここまで営業職へ転職する時に役立つ情報を記載してきました。
営業未経験者が転職するのも、ベテラン営業が転職する時も、とにかく志望動機が大事だと言えます。
- なぜその会社に入りたいのか?
- なぜその商材を売りたいのか?
という部分が言語化できなければ、きっと仕事は楽しくないはずです。
転職活動する前にはこの部分をクリアにしておくべきだと思いますが、面接対策もしっかりしておくべきだと思うので、下の記事も参考にしてください。