
江副浩正(えぞえひろまさ)は、日本を代表する求人広告会社「リクルート」の創業者です。
東京大学在学中の23歳で求人広告の事業を立ち上げた、いわゆる「学生起業家」となります。
最初は「日本リクルートメントセンター」という会社名だったのですが、その名称を後に「リクルート」と改名して現在に至ります。
江副浩正は「天才起業家」と呼ばれることも多い経営者なので、今回はその名言集をご紹介したいと思います。
リクルート社への就職を考えている人、独立起業を目指している人はぜひご覧ください!
江副浩正の名言集まとめ
経済誌などでは「リクルートは人材輩出企業」と見られることが多い。
リクルート出身のOBには優秀な人が多いですよね。
その理由について江副浩正は「社員皆経営者主義を掲げているからだろう」と語っています。
つまり事業部ごとの独立採算制度にして、その長を「社長」に見立てるので、必然的に社員にはビジネスセンスが身についてしまうそうです。
私はそもそもシャイの性格で、カリスマ性はない。
これは江副浩正が自分自身を自己分析している言葉です。
とても意外な事実ですが、実は人前で話すのが苦手なタイプだったようで、社是などの文章にして社員には伝えていたそうです。
社員の名前を全て覚えるようにしていた。
経営者にはこのような心構えが大切だと思います。
江副浩正は、グループ会社を含めて2000人ぐらいまでは名前を覚えていたそうです。
私が現役時代、社員で私を「江副社長」と呼ぶ人はいなかった。
現在もそうみたいですが、リクルートではニックネームでお互いを呼び合う習慣があるみたいです。
ニックネームがあればニックネーム、それがなければファーストネームでお互いを呼び合うようです。
ちなみに江副社長は「エゾリン」というニックネームで社員から呼ばれていたそうです。
新しいサービスがどんなに儲かる事業であっても、社会に貢献できない事業ならば、リクルートは行わない。
これは江副浩正が掲げた事業目標です。
今でもこれが脈々と受け継がれているようですね。
仕事の生産性を上げ、仕事のスピードを高め、高収益会社にして税金を納めることがリクルートの誇りとした。
これを実現するために、江副浩正は以下の3つを掲げました。
- 質の高いサービスを提供する
- モノ・サービスをスピーディーに提供する
- コストを下げて顧客への価格を下げる
創業当時は社員が足りなかったので、これらを実現するために「一流のプロフェッショナル」だけに仕事を外注していたそうです。
自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ。
これは江副浩正が考えた社訓です。
元々は江副浩正が高校生の時に、易経の「窮すれば変じ、変ずれば通じ、通じれば久し」という言葉に感銘を受けたので、そこからインスピレーションを得た金言みたいですね。
これまで誰も手掛けなかったサービスを提供していく事業には先生が必要である。
この名言に出てくる「先生」とは、新しいお客様と潜在顧客のことです。
お客様に意見を聞きつつ、継続的して改善することが重要だと語っています。
リクルートの同業者が出現すれば、それを歓迎する。
同業間競争のない事業は、産業として認められない。
江副浩正は資本主義社会における競争を歓迎していたようですが、その競争では「必ずナンバーワンになる」ことを提唱し続けていました。
それを端的に表現したのが「同業間競争に敗れて2位になることは、我々にとっての死である」という言葉です。
葉隠の教えに「武士は己を知るもののために死す」とあるが、トップに自分の名前と能力を知られ、期待されていると社員が感じれば、おのずと仕事へのやる気は高まるのである。
葉隠(はがくれ)は武士道精神を教えてくれる名著ですよね。
葉隠の名言集は下の記事をご覧ください。
人に平等に与えられたものは時間である。
だからこそ「時間を有効活用するべき」と江副浩正は語っています。
失敗を恐れぬ勇気を持つこと。
事業は常に順風満帆ということがなく、いつも山あり谷ありです。
だからといって、慎重になり過ぎるのは考えものです。
部下の失敗にも寛容でなければならない。
なぜかといえば、部下の失敗からも学ぶことができるからです。
これはとても重要な視点だと思うので、事業責任者は覚えておきましょう!
会社の中に小さな会社(PC)をたくさん作り、そこに大幅な権限を委譲すると同時に高い成果を求め、赤字PCはリストラしていった。
PCとは「プロフィットセンター」の略称です。
このような仕組みづくりがリクルートを高収益企業へと成長させたそうです。
同じように社員への権限以上で急成長した企業が、激安の殿堂「ドン・キホーテ」です。
ドン・キホーテが行った権限委譲のやり方について知りたい人は下の名言集をご覧ください。
リクルートのマネージャーはプレイングマネージャーである。
なぜプレイングマネージャーにしたかといえば、自らやってみせることができるからです。
これができない人は、そもそもマネージャーなど務まらないと語っています。
PC制が浸透するにつれて「リクルートは商売の勉強ができる会社」と、学生の間で評判が立ち、起業家精神旺盛な人が入社してくるようになった。
PC(プロフィットセンター)を仕組み化したことで、優秀な学生がたくさん集まり、現在の起業家育成企業「リクルート」の礎が出来上がったそうです。
外の人たちとの交流の輪を持ち視野を広げることもリクルートの特色だった。
外部と交流すれば、様々な情報を交換できたり、協業(アライアンス)に繋がったりしますよね。
もし時間が許すのであれば、積極的に異業種交流会には参加するべきだと思います。
ドラッカーは組織を効率的に機能させるにはどうすればいいかについて、多くの提言をしている。
ドラッカーとは「ピーター・ファーディナンド・ドラッカー」のことです。
「現代経営学の父」と呼ばれている人物なので、ビジネスパーソンはその代表的な著書である”マネジメント”を読んでおきましょう!

優れた会社か否かの尺度は生産性の高さである。
「一人当たりいくらの収益を上げているのか?」というのが生産性の高さです。
これが「企業経営にとって最も重要な指標」だと江副浩正は語っています。
高い経営効率には、ハイパフォーマーの存在が不可欠である。
江副浩正は、ハイパフォーマーばかりを集めた少数精鋭組織こそが、事業を強くし高収益化すると語っています。
リクルートのビジネスモデルとDNAは今も生き続けている。
江副浩正が創業したリクルートは、日本を代表する優良企業に成長しました。
その根底には今でも江副浩正の遺産がたくさん残っているのです。
私は高い業績を上げている人に、より多くの仕事を託した。
高い業績を上げることができる人は優秀な人なので、そのポテンシャルを最大化させるためには『たくさんの仕事を与える』のが効果的だと言われています。
タスクを抱えてパンパンになった人は、業務改善を試みるので、短期間で成長することができるそうです。
普通の人ではただパンクするだけですが、優秀な人材は自分で業務改善するので、抱えられるだけとにかく詰め込むというのがセオリーだと思います。
リクルートでは、社員が退職することを「卒業」という。
これはとても有名ですよね。
リクルートは起業家精神のある人が多いので、それを後押しする土壌が出来上がっているそうです。
「広告だけの本」を書店で販売するのは、出版界ではそれまでになかったことである。
リクルートは「From A」「カーセンサー」「住宅情報」「 エイビーロード」「とらばーゆ」などの広告誌を、コンビニや書店で有料販売しました。
全く新しい文化を創造したので、これはとても素晴らしい実績ですよね。
ライバルが出現したので値下げします、というのはみっともない。
リクルートは新しい商習慣を創造しましたが、それを真似する競合他社がいくつか出てきたそうです。
しかし単純に値下げをするのではなく「やり方を変える」という方法で戦ったそうです。
広告主が広告を出す目的は、低いコストで欲しい人を採用することである。
これは顧客ニーズについて語った名言です。
プロダクト開発に熱中しすぎると、顧客ニーズを忘れてしまうことがあるので注意しましょう。
起業はボトムアップ、撤退はトップダウン。
事業を立ち上げる時には各メンバーが努力しなければいけません。
しかし「撤退する」という意思決定はなかなかできないので、苦しい決断だと思いますが、それは経営者自身がやるしかないのです。
全社員を対象に毎年新規事業の提案を募集していた。
提案は毎年100件以上きたそうですが、その中から良さそうなものを選んで、提案者を事業責任者にして事業化していたそうです。
まさに権限の委譲ですよね。
情報の価値は、時間の経過とともに低下する。
リクルートは数多くの広告媒体を扱っているので、情報の鮮度に気を配っていたそうです。
現在の高収益事業もいつかは赤字事業になる。
ビジネス環境は常に変化していくので、経営者はいつもこのような危機感を持っておくべきだと思います。
江副浩正は日本を代表する起業家
ここまで江副浩正の名言集をご紹介してきました。
江副浩正は日本を代表する起業家なので、たくさんの学びがあったと思います。
同じく日本を代表する起業家といえば、ソフトバンクの孫正義CEO ですよね。
孫社長の名言集は下の記事をご覧ください。