
ジャック・マーは中国のIT企業「アリババグループ(阿里巴巴集団)」の創業者として有名ですが、本名は馬雲(マーユン)といいます。
元々は、中国杭州市の英語教師に過ぎなかったのですが、1995年にアメリカのシアトルへ行った時、友人から教えてもらったインターネットに出会って人生が変わりました。
ジャック・マーはWebブラウザで「Beer」と「China」を検索したのですが、その結果は「なんと0件!?」だったのです。
この事実に驚いたジャック・マーは、すぐさま親戚から借金をして、17人の仲間とともにビジネスを始めました。
しかし最初は全く儲からず、会社が倒産寸前のところまでいき、何度も挫折を味わったそうです。
それでも「中国初のオンライン取引プラットフォーム」が軌道にのって、3年目にはついに利益(たった1ドル)を出すことができました。
それが中国最大のIT企業である「アリババドットコム」の原点です。
たった一世代で世界的な大企業を作り上げたジャック・マーは、素晴らしいビジネスセンスの持ち主だと思いますが、今回は「ジャック・マーの名言集」をご紹介していきたいと思います。
ビジネスパーソンにとって参考となる格言ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
ジャック・マーの経歴
1964年 中国浙江省杭州市に生まれる。
1977年 英語に惚れ込み、毎朝5時に杭州大酒店(ホテル)へ出かけて、観光客(宿泊客)を自らキャッチし、道案内する代わりに英語を教えてもらう。
1985年 オーストラリアの友人を訪問し、海外の視野の広さ、素晴らしさに気付く。
1988年 杭州師範学院を卒業。
1995年 アメリカのシアトルでインターネットの存在を知り、ビジネス情報サイト「中国イエローページ」を開設。
1998年 中国初のオンライン取引プラットフォームの設立準備を開始。
1999年 アリババ集団がBtoBのEコマースプラットフォームを立ち上げる。投資家から500万ドルの出資を受ける。
2001年 アリババの登録企業が100万ユーザーを超え、世界初の100万ユーザー越えEコマースサイトになる。
2002年 初めて完全黒字化を達成。
2003年 CtoCプラットフォーム「淘宝(タオバオ)」、コミュニケーションソフト「アリトーク」、オンライン決済サービス「アリペイ」を次々にリリース。
2004年 ソフトバンク、フィデリティなどから8200万ドルの出資を受け入れる。
2005年 Yahoo!が10億ドルを出資して、アリババ集団の株式の40%を購入する。
2007年 アリババが香港証券取引所に新規上場する。
2008年 「淘宝商城(タオバオモール)」を立ち上げる。
2009年 ジャック・マーが「独身の日(11/11)」を提唱する。
2013年 ジャック・マーがアリババ集団CEOを退任し、会長職になる。
2014年 アリババがニューヨーク証券取引所に上場。
2015年 アリババが独身の日(11/11)に143億2000万ドルの売上記録を達成。
2016年 ジャック・マーが世界電子貿易プラットフォーム(eWTP)の構想を初めて発表する。
2017年 5月にアリババの時価総額が3000億ドルを突破し、7月にはアジア企業として初めて時価総額4000億ドルを突破する。
2018年 アリババ集団の会長を退任する。
ジャック・マーの名言集まとめ
インターネットの出現は個人のビジネスを助けてくれる。
ジャック・マーは、インターネットに触れた時、直感的に「インターネットは世界を変える」と思ったそうです。
かなりの収益を上げる優れた企業になるまでには、少なくとも5年は必要だ。
「短期間で高収益の企業を作りたい!」と誰もが考えますが、ジャック・マーから言わせればそれは「絵に描いた餅」ということです。
少なくとも5年間は地べたを這いつくばり、泥水をすする根性が必要なのだと思います。
アリババでは社員を2つの基準で評価している。
実績を上げる能力とチーム・スピリットだ。
高い能力を持っていても、チーム・スピリットがない人は「野犬」で、チーム・スピリットがあっても、能力のない人は「白兎」です。
「アリババには野犬も白兎もいらない」とジャック・マーは語っています。
ビジネスを始めた時は、例外なく、間違いをするものだ。
人は最高だと思うサービスを立ち上げますが、実際にそれは世の中にフィットしないケースがほとんどです。
つまり99%のビジネスはピボットするということです。
このような過程をPMF(Product Market Fit:プロダクトマーケットフィット)と呼んでいますが、そのヒントになるのが「顧客の声」だとジャック・マーは語っています。
どうやって金を儲けようかなんて話はするな。
どうしたら顧客に価値を提供できるかという話をしてくれ。
これはジャック・マーがいつも社員に伝えていた言葉です。
とにかく”顧客目線”になることを常日頃から伝えていたそうです。
明日は成長し、向上するために、今日は間違いをする必要がある。
だが、同じ間違いを何度もしてはいけない!
間違いというのは「失敗」を意味しています。
成長するためには”失敗”が必要なのでそれ自体は許容できますが、何度も同じ失敗をするのは単なるバカです。
それは「改善していない」ことになるので、同じ過ちを繰り返すのはやめましょう。
新しい、生まれたばかりのツールを見下すのは間違っています。
ジャック・マーは1995年にインターネットの存在を知りました。
その頃同じくインターネットの可能性に商機を見出したのが、Amazon.comを創業したジェフ・ベゾスです。
カリスマ経営者と言われている「ベゾス」の名言が知りたい人は、下の記事をご覧ください。
色々研究した結果、Eコマースで一番大事なことは、信頼と信用性だとわかった。
これが「絶対的な答え」というつもりはありませんが、ジャック・マーが導き出した答えなので、ビジネスパーソンは参考にするべきだと思います。
大企業は決断が遅く、取るに足らない細かいことのためにチャンスを失っている。
ビジネスはスピードが命です。
とにかくスピード感を持って取り組みましょう!
お金は市場での販売促進に使うより、人材の養成に使った方がいい。
これはあくまでもジャック・マーの持論ですが、参考になる名言だと思います。
ジャック・マーは研修や組織作りに予算をつぎ込むように勧めています。
社員は会社を、顧客を、そして競合企業を理解する必要がある。
ジャック・マーは中国人なので、どうやら”孫氏の兵法”を好んでいるようです。
孫氏の兵法には「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という格言があるので、ビジネスパーソンはその内容を知っておくべきだと思います。
企業の経営者は、笑うことのできる人間でなければならない。
「笑う」というのは「ワクワクしている」という意味だと思います。
自分のやっていることに誇りを持っていれば、「経営者は必然的に笑うことができるはずだ」とジャック・マーは語っています。
良いリーダーは、自分を追い越していける部下たちを育てるものだ。
このような考え方を持っているリーダーは少ないと思います。
「自分が組織の中で一番優秀でなければならない」と間違った考えを持っていて、自分のことを追い抜こうとする部下の足を引っ張ったりするのです。
このような上司は大企業に多いので十分注意しましょう。
バスケの選手たちがどんどん強くなるのは、ベンチ入りした12人全員が試合に出たがっているからだ。
これはジャック・マーがNBAの試合を見ていた時に気づいたことです。
全員が本気になって取り組むからこそ、素晴らしいチームになるのだと思います。
リーダーは、部下一人一人の最高の部分を見つけなければならない。
人間には長所&短所があります。
しかし短所に目を向ける必要はありません。
部下の長所だけに注目して、その部分をさらに伸ばせるようにするのが優れたリーダーだと思います。
強さは失敗の積み重ねから生まれる。
「失敗は成功のもと」という格言がある通り、失敗することは非常に大切なことです。
これを名言として残したのが「発明王」としても有名なトーマス・エジソンです。
エジソンの名言集は下の記事をご覧ください。
インターネット企業の価値は資本によってではなく、知恵、戦略、勇気、チームワークによって生まれることを証明したい。
インターネットビジネスは「無形商材」なので、分かりにくいという特徴があります。
無形商材を売るコツは下の記事をご覧ください。
私はコンピューターのことは何もわからないんだ。
ジャック・マーはもともと英語教師でした。
システムエンジニアではないので、ITビジネスで成功できたのは「単なるまぐれ」なのかもしれません。
しかしポジティブに考えれば、そんなジャック・マーでも成功できるので、少しでもIT知識があれば誰でも成功できるということです。
諦めずに行動し続けることが大切なのだと思います。
エンジニアたちが書いた全てのプログラムは、私が使ってみます。
ジャック・マーは素人同然だったので、自分が実験台(テスト人員)になっていました。
素人同然である自分すらわからないシステムは、誰も使いこなせないので「全てゴミ箱行きだ」と言ったのです。
リーダーに要求される能力は、ビジョン、ハート、力この3つだけだ。
- ビジョン:将来を見通すこと
- ハート:寛容な広い心のこと
- 力:行動力や提案力など、様々な力のこと
ビジネスリーダーを目指す人は覚えておきましょう!
会社を創立する時には、資金調達のことなど考えるな。
良いビジネスモデルを作れれば、「自然に投資家は寄ってくる」とジャック・マーは語っています。
とは言っても、経営者はきちんと資金調達プランを練っておいた方が無難だと思います。
これはあくまでも「心意気」程度に捉えておきましょう。
毎日困難があり、毎日苦しむ覚悟をしておきましょう。
これはとても嫌な言葉ですが、これから起業家する人に伝えたい格言です。
起業家というのは「自己犠牲の精神」がなければ務まらないと思います。
本当に極論すると、「みんなが幸せになるなら、自分は貧乏でも良い」というぐらいの心意気が必要だと思います。
アリババにライバルがいないのは残念だ。
ライバルがいれば、お互いに切磋琢磨できます。
資本主義ではこのような競争が重要なので、ライバルがいないのは大きな損失だと言えるのです。
今日、状況は厳しく、明日はもっと厳しいかもしれない。
でも、美しい明後日が待っているかもしれません。
それなのに、厳しい状況が続くと明日が来る前に諦めてしまう人が多すぎる。
たとえ大きな壁だったとしても、あと1回叩けば壊れるかもしれません。
厳しい環境はあなたを成長させてくれるので、最後までやり続けることが重要だと思います。
全ての起業家は分かっているはずだ。
自分にとっての毎日の仕事は、成功することではない。
困難や失敗を何とかすることだと。
これは起業家に伝えたい名言No.1ですね。
勇気をくれる言葉なので、独立起業を目指す人は覚えておきましょう!
トラクターを走らせるのに、ボーイングのジェット・エンジンを搭載する必要はない。
これは「適材適所」について語った名言です。
オーバースペックの人材を雇うのは、コストの無駄遣いなので注意しましょう。
私はビジネスが成功した理由よりも、失敗した理由を考える方が好きだ。
元メジャーリーガーのイチロー選手は「成功」という言葉が嫌いだと語っています。
成功の先には成長がなく、失敗の先には成長があるからです。
イチロー選手の名言は下の記事をご覧ください。
絶対に人を騙してはいけない。
ビジネスでも、人生でも。
これは絶対的な真理ですよね。
ビジネスパーソンは心得ておきましょう。
ライバルが弾丸をたくさん装填しているなら、それを全て壁に向かって打たせるようにするんだ。
これはつまり「面と向かって戦う必要などない」ということだと思います。
ビジネスは直球勝負ばかりでなく、ケースバイケースで変化球も使うべきだと思います。
この世に悪い社員はいない。
悪いリーダーと悪いシステムがあるだけだ。
これは自分を戒める格言として覚えておきましょう。
自分が今置かれている立場が気に入らないと神様を責めたり、他人を責めたりするな。
責めるなら自分を責めろ。
人生とは今現在の点が線になって繋がったものです。
なので、今現在を全力で頑張りましょう!
あなたがイノベーターであるなら、プレッシャー、批判、孤独は避けられない。
最初の頃、私たちは嘘つきと言われ、次にはクレイジーだと言われ、今では完全に頭がおかしいと言われている。
Oracle創業者のラリー・エリクソンも「イノベーションに手を出すなら、世間からアホ呼ばれされるぐらいの覚悟はしておけよ。」と語っています。
挑戦する勇気をくれる名言集は下の記事をご覧ください。
もっときちんとPRして、理解してもらえるように努めなかった我々が悪い。
成長するためには、常に反省する謙虚な気持ちが必要だと思います。
このような気持ちを忘れないようにしましょう。
企業のあり方は動物園のあり方と似ている。
これは多様性について語った名言です。
動物園にはたくさんの種類の動物がいた方が良いですよね。
それと同じように、企業にも色々な人材がいた方が良いのです。
顧客が一番、社員が二番、株主は三番。
これはジャック・マーの信念です。
普通の経営者であれば「株主が一番」と言いそうなところですが、ジャック・マーは上のように公言しているのです。
しかも「この順序は永遠に変わらない。」と言い切っているのがカッコイイですよね。
夢が事業を始める際の最高の運転資金だ。
ジャック・マーは「何でもいいから、夢を持つことは必要だ」と語っています。
それを諦めずに追い続ければ、必ず成功できると思います。
- 自分の信念を守ろう。
- 自分の信念に忠実であり続けよう。
- 自分の信念をよく考えてみよう。
- 自分の信念に基づいて、正しいことをしよう。
この4つの軸が、初期のアリババを導いた。
起業を成功させるためには”信念”が必要だということです。
とにかく続けること、踏ん張り続けること、そして最悪の明日に備えることだ。
そうすればきっと、明後日の夜明けを見ることができる。
これは前進する勇気をくれる言葉だと思います。
生きる希望をもらえるので、くじけそうな時に思い出してください。
会社は小さいうちは特定のことに集中するべきだ。
これはベンチャー企業の戦い方について語った名言です。
ベンチャー企業は経営資源と言われる「ヒト・モノ・カネ」が無いので、特定の分野に集中した方が良いと思います。
そのような戦い方を「ランチェスター戦略」と呼んでいるので、もし知らない人は下の本を読んでみてください。

他社がアリババをそのままコピーして真似することは可能だろうか?
これは経営者として非常に共感できる名言です。
資本主義社会は”競争”なので、常にライバルの存在を意識しています。
しかもインターネットビジネスは参入障壁が低いので、ジャック・マーのような不安感を常に抱える羽目になります。
しかし「我々のチームを真似できるか?」「我々のノウハウを真似できるか?」「我々のパッションを真似できるか?」ということを突き詰めていくと、絶対に再現できないという結論にたどり着きます。
つまり”真似”することはできても、”再現”することができないのです。
CEOである私はサッカーチームのゴールキーパーです。
ゴールキーパーというのは「守りの要」ですよね。
いざという時に仕事をしますが、基本的には仕事をしないと思います。
また、ゴールキーパーはフィールドの動きを全て把握しているわけではありません。
むしろそのような状態でも「ゴールが入る」という組織にするのが理想的だと思います。
リーダーになるということは、とてつもなく孤独だということだ。
「経営者は孤独だ」と聞きますよね。
ナンバー2、ナンバー3の幹部さえ、あなたのことを理解してくれません。
全てのタスクを背負う必要はありませんが、「責任は全て負う」という気持ちは必要だと思います。
失敗したという事実を後悔してばかりいて、失敗した理由を後悔しないなら、いつまでも後悔し続けることになるだろう。
これは失敗について語った名言です。
失敗することは悪いことではありません。
大切なのは「そこから何を学び取ったのか?」ということなので、基本的には前向きな話なのです。
私は頭のいい人たちを大勢知っているが、孫正義は特別な存在だ。
ソフトバンク創業者の孫正義は、ジャック・マーと出会って5分で2000万ドルの出資を決めます。
ジャック・マーはそれほど素晴らしい人物だったのでしょう。
カリスマ起業家と呼ばれる孫正義の名言集は下の記事をご覧ください。