電通の「鬼十則」を徹底解説!広告営業の鬼になれる仕事十訓

セールスパーソンの仕事は「売上実績を作る」ことですよね。

ただ、短期的には実績が出なかったり、努力が報われないと落ち込んでしまうこともあるでしょう。

そんな時に役立つのが「心に響く名言」の数々です。

例えば、日本を代表する広告代理店「電通(でんつう)」には有名な”鬼十則”というビジネス格言があります。

そこで今回は有名な「鬼十則(鬼十訓)」にフォーカスして、1つずつ解説していきたいと思います。

営業マンの方はもちろんビジネスパーソンであれば、きっと新たな気づきがあると思うので、最後までご覧ください!

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鬼十則(おにじゅっそく)とは

電通とは株式会社電通のことであり、「日本電報通信社」を発端とします。

その存在感は凄まじく、あまりの強大さに「広告界のガリバー」と呼ばれるほどの異名を持っています。

実際に、単体では世界最大の広告代理店であり、売上は2023年で約1兆3000億円を誇る大企業なのです。

その電通の4代目社長である吉田秀雄によって、1900年代半ばにつくられた格言が「鬼十則(鬼十訓)」となります。

全ての電通社員(通称「電通マン」)の行動規範とも言える「鬼十則」は、今でも社内で親しまれているそうですが、社内に留まらず外部にも強い影響のある有名な言葉となっています。

これはあくまで個人的な見解ですが、鬼十則の”鬼”とは「自分自身への戒め」と訳すのだと思っています。

つまり自分自身を鼓舞し、最高のパフォーマンスを発揮する為の”教訓”だと言えるでしょう。

営業マンやセールスマンの”お手本”と言えるような言葉ばかりなので、ビジネスパーソンであれば参考にできる部分が多いはずです。

以下、有名な鬼十則を一つづつ解説していきたいと思います。

※営業シークの独自解釈となりますので、予めご了承ください。

電通「鬼十則」
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①仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。

鬼十則その1

仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。

これは仕事に対しての心構えを語った金言となります。

仕事をしていると、どうしても「給料やお金の為に働く」という感覚が出てきてしまいますが、本来の仕事とは自己成長を促すものであり、自発的に取り組むべきものだと思います。

よってこの言葉は「仕事とは人から与えらえるものではなく、自分自身の成長の為に行うものである」という格言になります。

実際、仕事がくるを待っているだけの”歯車社員”が会社を成長させてくれるケースは少なく、自ら案件を獲りにいくような自発的な人だけが企業を成長させます。

このような「人財」になることを推奨している言葉でしょう。

➁仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。

鬼十則その2

仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。

仕事とは自分自身との戦いだと言えますが、自己と戦っているだけでは勝つことができません。

つまり、ビジネスには相手(競合)がいるということです。

この相手とは、優秀な先輩や同期社員、ライバル企業かも知れませんが、とにかく勝つためには常に先を見据える必要があります。

その為には受け身でいるのではなく、常に自分の頭で考えて行動するという姿勢が大事になります。

生き馬の目を抜くようなビジネス界では、スピードが勝負となります。

相手より1秒でも早く仕掛けて、ライバルを出し抜かなければ、ビジネスでは命取りとなるのです。

➂大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。

鬼十則その3

大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。

例えば”売上”で考えてみましょう。

2023年のトヨタ自動車の売上は約34兆円でした。

これくらいの事業規模になってくると100億円くらいの売上は誤差の範囲というレベルになってきますが、果たして世の中に100億円規模のビジネスができている企業はどれほどあるのでしょうか。

売り上げ100億円と言えば上場企業の仲間入りができるレベルであり、数少ないことがわかりますよね。

トヨタのような規模でビジネスすることを前提に考えれば、自ずと思考が大きくなり、目標も高くなっていきます。

売上1兆円規模の会社内で、たとえ売上10億円の新規事業を企画したとしても、周りは白けてしまうことでしょう。

しかし、年商100億円の会社で10億円の新規事業を企画すると、社内で大注目されるはずです。

でもそれは”井の中の蛙”かもしれません。

「世の中にはまだまだ上がいる…」という謙虚な気持ちを持ちつつ、そこで戦う準備をする心構えが必要なのだと思います。

ここまでは売上ベースの話をしてきましたが、シンプルに下記のような違いもあると思います。

大きな仕事
  • 利害関係者が多い
  • 経験できることが多い
  • 予算規模が大きい
  • チームメンバーが多い
  • 会社の基幹事業になり得る
小さな仕事
  • 利害関係者が少ない
  • 経験できることが少ない
  • 予算規模が小さい
  • チームメンバーが少ない
  • 会社の基幹事業にならない

これを比較しただけでも、どちらが”自己成長”できそうか一目瞭然ですよね。

小さい事業をしていると、予算額も目標額も小さくなるので、自ずと自己成長も小さくなります。

そのようにならないように、常に高い目標を掲げ、意識することの大切さを伝えた格言だと思います。

④難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。

鬼十則その4

難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。

仕事は自分自身を成長させてくれます。

その為のポイントは「いかに困難で難しい仕事に取り組むか?」ということにあります。

例えば100m走を例にしてみましょう。

100mを常に10秒台で走る選手がいたとして、その選手が目標を10秒台維持に設定したとします。

果たしてこの選手は今後成長するのでしょうか?

答えは言うまでもありませんよね。

それと比較して9秒台を目標にしている選手がいたとします。

この選手と10秒台を目標にした選手との違いは何なのでしょうか?

それは努力目標(努力の積み重ね)の差になります。

9秒台で走りたい選手は、10秒台を9秒台にする為の方法を色々と考えます。

現状のままではダメなので色々な部分を細かく改善することでしょう。

しかし、10秒台を維持したい人には何も改善&努力する必要がありません。

むしろ現状維持できれば良いということになります。

この両者には、長い期間で見た際に、取り返しがつかないほど大きな差が生まれてしまいます。

もちろん8秒台を目指す方が自己成長しますが、無理な目標設定は逆にやる気が失せてしまうので、この辺りのさじ加減は難しいところですが、「背伸びしなければ届かない…」くらいの目標が最適だと言われています。

➄取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは・・・。

鬼十則その5

取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…。

かなり衝撃的な言葉ですが、これはやり遂げることの大切さを説いた名言です。

偉業を成し遂げた人や、プロスポーツ選手がよく「失敗するなんて絶対にあり得ない!」と言っていますよね。

これは、「やり続ける限り失敗することなど無い」という持論になります。

なぜそのような主張になるのかというと、やり続けることが重要だと理解しているからです。

白熱電球を発明したことで有名なエジソンの言葉で「私は失敗したことがない。単にうまくいかない1万通りの方法を見つけただけだ。」という名言があります。

この言葉はとても前向きでやり遂げることの大切さを端的に表しています。

このような思考であれば、目的達成までは「成功する為のプロセスを歩んでいるだけ…」ということになり、あくまでもエジソンにとっての失敗は「失敗するやり方を発見した」という成功なのです。

そして無事に目標達成できた際には、自分でも驚くほど成長できているものです。

その時の景色は、途中で諦めた人は見ることができないような素晴らしい景色だと思います。

逆に途中で諦めてしまった人に残るものは「後悔」だけです。

きっと数年後に以下のようなことを思うでしょう。

  • あの時、もっと頑張れば良かった…
  • 今も続けていれば成功したかも知れない…
  • 俺の人生はこれで良かったのか…

人生の中で最も貴重だと言われている「時間」を浪費しただけで、得られたモノはほぼありません…

このような状態にならないことを諭す格言だと思います。

⑥周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。

鬼十則その6

周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。

この名言は、周りを巻き込む大切さを説いています。

この言葉の前提にあることは「大きな仕事は一人では成し遂げることができない」ということにあります。

例えば、売上100億円の事業を1人で運営できる人はいないでしょう。

ではこの100億円の事業を創る為には、どうすればいいでしょうか?

それは売上が少ない頃から人を引き付けておくことです。

事業規模が大きくなると、どうしても人手が必要となります。

それであれば先手必勝で、予め優秀なメンバーを集めておきましょう!

そのように優秀なメンバーを集めることができれば、事業が上手くいく確率も高まります。

それによってあなたは事業を成功させたという”名誉”や”実績”を手に入れることでしょう。

しかし、そこに賛同した優秀なメンバーは「あなたの事業メンバー」という認識に留まります。

ここに雲泥の差が生まれるのです。

経営者として「人を動かす」とはそういうことになります。

人を動かす
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➆計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。

鬼十則その7

計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。

短期的に考えた場合、新規事業が上手くいかないことは普通だと思います。

しかもその割合は99%といわれています。

つまりほぼ全ての新規事業はピボット(方向転換)するということです。

その間は夜も寝れない日々が続き、精神的にも安定しないことでしょう。

このようになる原因は「出口」が見えていない為です。

そんな日々が続くと身体を壊す危険性もあるので、決して健全とは言えません。

しかし長期的な視野に立って目標を設定することで、短期的な失敗は誤差とみなすことができるようになります。

これによって自分が目指すべきゴール地点や、努力すべきポイントも明確になるので、決して信念がブレることもありません。

そのような長期的な道筋を立てておくことで、正しい道順で適切な行動ができるようになるはずです。

⑧自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。

鬼十則その8

自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。

自信は”表”に出ます。

これは本人が意識していない事ですが”オーラ”とも言えるようなものでしょう。

人間はとても繊細な生き物なので、ちょっとしたことですぐに凹んでしまいます。

そのような雰囲気や表情が相手に伝わり、自信がないことを悟られるようになります。

このようになってしまうと、もはや悪循環ですよね。

何をしても上手くいかず、「上手くいかないから自分に自身が持てない…」という負のスパイラルにハマっていきます。

これを改善する為には、気持ちを前向きにするしかありません。

何が起こってもポジティブに考えて、後ろ向きの思考は排除しましょう。

すると不思議なことに、相手にもその自信が伝わるものです。

このように「自分なら絶対にできる!」とマインドセットすることで偉業は成し遂げられていくのだと思います。

人間は臆病な生き物なので、ここまで気持ちを振り切らなければ、前進することができないでしょう。

➈頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。

鬼十則その9

頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。

何かサービスを提供する際には、全てのシチュエーションを想定して仕組みを構築します。

針の1本も通さないほど詳細にシミュレーションし、全ての事態を予測するのです。

これは製品開発もそうですし、営業現場での顧客対応に関しても同じです。

隙を見せるという事は、「顧客に対してのサービス提供で手抜きをする」と同義になり、プロフェッショナルとしては失格です。

このようなサービスでは顧客が満足せず、取り引きも長続きしないでしょう。

➉摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

鬼十則その10

摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

仕事をやり切る為には、時にはチーム内で喧嘩することも必要でしょう。

その喧嘩とは単なるいがみ合いではなく、お互いにとっての「共通のゴール」にたどり着く為のディスカッションという認識が正しいです。

仕事をするメンバーは決して仲良しである必要はありません。

チーム一丸でさえあればベストパフォーマンスを出すことができるのです。

つまり、目指すべき場所(ゴール)は同じですが、過程である方向性や進路(ルート)が違う事で生じる摩擦は「善」であるということです。

議論を避けていると不満やストレスばかりが溜まっていき、結果的には卑屈になってしまいます。

そして、プロジェクトが失敗した時「あの時にちゃんと言えば良かった…」という未練が残るのです。

これは「自分の人生はやりたいことを何一つ実現できなかった…」という高齢者のぼやきに似ています。

このような後悔をしない為に、積極的な議論を行うべきなのです。

そうすることで、結果的に最速&最適なルートでゴールできるでしょう。

まとめ

鬼十則には厳しくもあり、愛情が溢れる、思いやりのある格言が詰まっています。

日常業務に忙殺されていると、ついつい忘れてしまうような”大切なこと”を気付かせてくれる言葉が凝縮されています。

特に営業マンにとっては貴重な格言の数々なので、トップセールスを目指す上で鬼十則の理解は外せないと言えるでしょう。

  • これまでよりも一段と自己成長する為
  • 部下に指導する教材にする為
  • マネジメントに取り入れる為

など鬼十則には様々な活用方法が期待できます。

今回は営業シークの独自解釈をお伝えしましたが、人によって鬼十則の受け取り方は変わるはずです。

なので、まずは自分自身で本を読んで、詳細を理解してみてください。

電通「鬼十則」
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