
飛び込み営業とも言われる訪問営業は、営業手法の中でも「一番きつい営業スタイルの1つ」と言われており、鬱病の原因になってしまうことすらあるそうです。
実際、訪問先で不審者扱いをされて警察に通報されたり、怖がられた経験のある営業パーソンは多いはずですが、売上を追いかける為には仕方がないという側面もあります。
他に訪問営業に代わるような営業手法があれば別なのですが、今のところは「特にアイデアが無い…」というのが現場の本音でしょう。
そこで今回は訪問営業を行う上でのコツや、訪問営業から脱却する方法などをご紹介したいと思います。
目次
訪問営業はなぜきつい?
訪問営業は新人営業の”登竜門”になっているので、どんな業種でも実施されている営業スタイルだと思います。
この訪問営業を経験することで「度胸がついたり」「営業トークが磨かれたり」と、一人前の営業マンに成長することができます。
しかし、相手からすると「迷惑極まり無い」のが飛び込み営業などの訪問営業です。
実際、相手の都合を考えずに飛び込み訪問することになるので、時には罵声を浴びせられることもしばしばあります。
訪問営業がきついと言われる所以は、このようなメンタル面の負担が大きいことでしょう。
何時間も歩き続けると足が疲れますし、夏場には大量の汗をかき、真冬に雪が降っていようが台風が直撃していようが、とにかく訪問するのが営業という仕事です。
このようにフィジカル面の負担が大きいことも「訪問営業はきつい」と言われる所以になっています。
訪問営業の種類を解説!
一口に「訪問営業」といっても、その種類は様々です。
色々な営業スタイルがあるので、相手先によってやり方を変更したり、状況によって最適な方法を選ぶ必要があるでしょう。
そんな時に知っておくと便利なのが『訪問営業の種類』についてです。
営業職であるなら、訪問営業の種類は把握しておいた方が良いと思うので、ぜひこの機会に押さえておきましょう。
個人宅向けの訪問営業
代表的な訪問営業といえば、個人宅向けの飛び込み営業ですよね。
個人宅の訪問営業は、自宅のインターホンを鳴らすところから始まります。
突然の訪問者には相手も警戒しますので、「どうやったら家から出てきてくれるのか?」を考えることがポイントになります。
ほとんどの場合、インターン越しにお断りされてしまうので、それではセールスが成り立ちません。
少しでも怪しいと思われたらそこでお終いなのです。
インターン越しの営業のコツについては後々解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
法人向けの飛び込み営業
BtoB営業マンであれば、誰もが経験するのが「法人向けの飛び込み営業」です。
これは法人(事務所)に飛び込み営業を仕掛ける行為なのですが、最近では「アポなし訪問お断り!」を掲げる事務所も多くなりました。
つまり、社会全体から飛び込み営業は迷惑行為と思われる時代になったということです。
しかしこの現象は大都市だけの話なので、地方都市ではまだまだ法人向けの飛び込み営業は現役のやり方でしょう。
ローラー営業
ローラー営業は訪問営業の手法の一つで、ある特定のエリアを抜け目なく飛び込みして回る営業スタイルのことを言います。
その様子がまるで「ローラーを引いて回っているみたい」なので、ローラー営業と呼ばれるようになりました。
通常の訪問営業では、「目ぼしい家を見つけてから飛び込んでみる」という事が多いですが、ローラー営業は全ての家に対して、順に飛び込みを実施していくので、とにかく訪問する件数(アタック件数)が稼げます。
なのでこの営業スタイルに向いている商材とは、ターゲットを絞る必要がなく、訪問件数のみが重要という商材になります。
ここから理解できるのは、商材によって適切な営業スタイルが変わるということです。
パラシュート営業
パラシュート営業も訪問営業の1つになります。
どのような営業スタイルかというと、ビルのテナント全てに飛び込み営業を仕掛けるやり方になります。
パラシュート営業では、一旦ビルの最上階までエレベーターで昇ってから、1階づつ階段を下りながらフロアーに入居している全ての事務所に飛び込み営業を実施していきます。
このようにビルの上から徐々に降りてくる様が「パラシュートで降下してるみたい」ということでパラシュート営業と呼ばれるようになりました。
この営業スタイルの特徴は、とにかく時間効率が良いことです。
ビルの中には様々な企業が入居しているので、一気に営業を仕掛けるという意味ではとても効率的だと思います。
訪問営業のコツを大公開!
仕事にはコツがあるように、もちろん訪問営業にもコツが存在しています。
- そのコツを知っているのか?
- コツを知らないのか?
これだけで営業実績には大きな差が出てくるので、セールスのコツを理解しておきましょう。
飛び込み営業では”FAQ”を用意しておく
飛び込み営業をしてくるセールスマンが多いので、ほとんどの人は断り文句を用意しています。
- 今は結構です。
- ウチは間に合っています。
- 他の業者と取引しているので結構です。
お客様の断り方は色々あると思いますが、決して無限にある訳ではありません。
つまりメジャーな断り文句は多くても10種類くらいなので、「このように言われた場合、どう切り返すのか?」というFAQ(想定問答)を用意することは決して難しくないはずです。
飛び込み営業は「気合&根性論」で語られることも多いですが、何も考えずに訪問営業をしたところで大きな成果は期待できません。
むしろ、いかに事前準備をして訪問営業に臨むかが重要になります。
インターホン越し営業のコツ
個人宅向けのセールスでは、まずインターホン越しに会話するところから始まっていきます。
このようなインターホン越しの営業トークには、ある程度のコツがあるのでここで解説しておきたいと思います。
まず、インターホン越しという特殊な状況では、「いかに誠実に振る舞うか?」で家から出てきてくれる確率が変わってきます。
具体的にいうと、「誠実な口調&丁寧な言葉遣い」をすることです。
なので、最初の関門であるインターホン越しでは”言葉使い”に十分注意しましょう。
また、普通に営業するのではなく、少しでも親近感が湧くような営業トークを自分なりに工夫してみてください。
個人宅向けの訪問営業を成功させる為には、「どうやったら玄関口に出てきてくれるのか?」を真剣に考えなければいけませんが、例えば代表的なインターホン越しの営業トークは以下の通りになります。
※インターホン越しのやり取りです。




このようなやり取りをする時のポイントとしては、決して嘘をついてはいけないということです。
上記の内容には嘘や偽りは含まれておらず、なんとでも読み取れる営業トークに仕上がっています。
この営業トークのポイントとは「このエリアの担当」というキーワードが入っていることです。
このキーワードを入れることで、お客様に対して「既に取引している業者なのかな?」という安心感を与えることができるのです。
実際には「このエリアの担当=このエリアの新規開拓を担当することになった」というニュアンスなのですが、それはお客様が勝手に勘違いしただけです。
なので、玄関口に出てきてくれた段階で「はじめまして、このエリアの営業を担当することになりました▲株式会社の●と申します。本日は■のご案内にお邪魔したので…」と最初に明示すればOKです。
ダメ営業と言われる人はインターホン越しでセールスを始めてしまいますが、インターホン越しで目指すべきこととは「玄関口に出てきてもらうこと」なのだと心得ておきましょう。
営業職は同情を誘え!
営業活動においては、何よりも人情に訴えかけるのが訪問営業の鉄則になります。
例えば何回も通って仲良くなったり、不憫に思ってもらえれば営業職としてはしめたものです。
中には雨の日にあえて傘を差さずにずぶ濡れで飛び込みを実施して、相手の同情を誘うという猛者もいるのです。
夏場にスーツから汗塩が吹く様を演出して、「頑張っているのね」と高齢者のお客様に可愛がってもらう先輩営業もいました。
そのようなライバル(猛者)たちがいるのに、綺麗に新規開拓営業をしていくなど愚の骨頂だと言えます。
何にせよ、営業職は結果が全ての仕事です。
結果を出す為に、自分なりに工夫してみましょう。
訪問営業からの脱却方法
ここまで飛び込み営業について色々とご紹介してきましたが、訪問営業がきついことは何も変わりありません。
そこで今回は、「辛い訪問営業から脱却する為のアイデア」を3つご紹介したいと思います。
どの手法も軌道に乗れば「訪問営業がいらなくなる」ほどの可能性を秘めているので、ぜひ参考にしてください。
①インバウンド営業を強化する
インバウンド営業とは、見込顧客から問い合わせをもらう営業手法のことを言います。
訪問営業がプッシュ型の「アウトバウンド営業」と呼ばれているので、それと対比してプル型の「インバウンド営業」と呼ばれているのです。
例えば、代表的なインバウンド施策はwebマーケティングになります。
会社のホームページやランディングページを用意してweb広告(Google広告など)を出稿してみたり、SNSで拡散された情報をもとに問い合わせが入ったりすれば、セールスがとても楽になるはずです。
ただし、webマーケティングには専門知識が必要になりますので、知識がなければ信頼できる人に相談してみることをおすすめします。
②営業代行を活用する
営業代行というサービスをご存知でしょうか?
営業代行とは名前の通り「営業活動を代行してくれるサービス」のことを言います。
代行してくれる営業内容はクライアントの要望によって様々なのですが、アポイント獲得~クロージングまで柔軟に対応してくれるのが特徴です。
料金は固定報酬~成果報酬まであるので、まずは「どこまでやって欲しいか?」をまとめた上で、相談してみることをおすすめします。
詳しくは下の記事にもまとめているので、ぜひご覧ください。
③代理店を活用する
一気に販路拡大する方法に代理店展開というやり方があります。
代理店とは外部の販売パートナーを意味しているので、人件費などの固定費が掛からないことが特徴的です。
そのようなメリットがある反面、デメリットも存在しています。
販売代理店を活用するデメリットとは、外部パートナー故にマネジメントが難しいことです。
代理店は自社の社員みたいに扱うことができないので、この点は工夫が必要となります。
代理店制度については下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
また、最近では代理店よりも気軽にできる「リファラル営業」という仕組みが人気になっています。
リファラル営業とは”紹介営業”を意味する言葉で、「見込案件を紹介してもらう」ことを目的にした代理店施策になります。
リファラル営業を目的としたリファラル営業プラットフォームがいくつかありますので、もし興味があれば問い合わせしてみることをおすすめします。

まとめ
飛び込み営業は、もはや旧態依然の営業手法といわれています。
しかし、いまだに効果があるやり方であることも事実だと思います。
結局、商材によって相性の良い営業スタイルは違うということです。
しかし、訪問営業から脱却したいと考えてる人は、まずは行動に移してみることも大切だと思います。
どのような施策だったとしても今日明日で成果が見込めることにはならないので、早めに取り組み始めることをおすすめします。