世界最強のマーケッターと呼ばれている『ジェイ・エイブラハム』をご存知でしょうか?
数々の企業を成功に導いた敏腕マーケターなので、その考え方からは学ぶべきポイントが多いはずです。
そこで今回は、ジェイ・エイブラハムの金言を一覧にまとめました。
マーケティングに携わっている人だけでなく、セールスパーソンもぜひご覧ください。
ジェイ・エイブラハムとは?
ジェイ・エイブラハムは、1949年、米国生まれのマーケターですが、実践マーケティングの巨匠と呼ばれていて、あの有名な「フォーブス」誌から全米トップ5の経営コンサルタントに選出されるほどの実力者です。
しかし実家が貧乏なだけでなく、注意欠陥障害(ADD)も患っていた為、大学に進学ができず、就職もできなかったので、大変苦労したそうです。
そんな中、ガールフレンドとの間に子供ができたため、バスを3つ乗り継いだ遠方になんとか仕事を見つけ出しました。
しかしせっかく見つけ出したその仕事は、注意散漫を理由にすぐクビとなってしまいます。
学歴がなく、定職がなく、ビジネス経験もない…
このような絶望的な状況にもかかわらず、なんとかその現状を打破するため、古本屋で1冊の辞書を買い、ビジネス用語や経済用語を猛勉強したそうです。
その後はセールスマンとして奔走しますが、その過程でマーケティングに出会います。
当時はまだ「マーケティング」という考え方も薄かったそうですが、ほとんどの人が間違ったマーケティングを実践していることに気が付き、その分野のプロフェッショナルとなったのです。
著書である「ハイパワー・マーケティング」は、マーケティングの名著と言われているので、気になる人はぜひご覧ください。
ジェイ・エイブラハムの名言集
ビジネスはたった3つの要素で成り立っている。
ビジネスを成長させる要素には下の3つしかないそうです。
- 買ってくれる人の数を増やす
- その取引額を増やす
- 購買の頻度を増やす
例)顧客数:1000人×平均取引額:1万円×購買頻度:1回=売上:1000万円
この3つを最大化させることで、売上金額も最大化していくのですが、実は各要素を10%ずつアップさせると、最終的な売り上げは33%もアップするのです。
例)顧客数:1100人×平均取引額:1.1万円×購買頻度:1.1回=売上:1331万円
各要素を10%ずつアップさせたので、最終的な売り上げも10%アップの1100万円だと思いきや、33%もアップするのは驚きですよね。
さらに既存営業を強化させて、購入頻度を2回まで上げていくと、売上は一気に増加します。
例)顧客数:1100人×平均取引額:1.1万円×購買頻度:2回=売上:2420万円
1000万円だった売り上げが、あっという間に2.4倍になりました。
既存顧客がいる企業は、このような考え方でマーケティングをするべきだと思います。
お客様が得られる結果をイメージできることが重要なのです。
お客様は商品が欲しくて購入するわけではありません。
例えば、自動車を購入しようとしているお客様は、車が欲しいわけではないということです。
これだけ聞くと「???」かもしれませんが、自動車を購入するお客様は以下のようなニーズを満たしたいと考えています。
- 子供の送り迎えに使いたい
- スーパーマーケットへの買い出しに使いたい
- 週末のレジャーに使いたい
例えば、お客様には「スーパーマーケットへの買い出しが大変だ…」という課題があって、それを解決するための手段として「バス」「電車」「タクシー」などを比較検討した結果、自家用車の購入という選択肢に至ったはずです。
このような購買心理を理解することは、マーケターとして役割を果たすために重要な要素だと思います。
このことをジェイ・エイブラハムは「フューチャーページング」と呼んでいます。
やみくもにチラシを刷ってばらまいても、その結果をきちんと計測していなければ意味がありません。
このようなマーケティング活動は、ダイレクトレスポンスマーケティングと呼ばれています。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、全ての企業が実践するべきだと思いますが、そのやり方がわからない場合には下の専門書を読んでみてください。
お客様が望む結果を得られないのではないかと不安な場合、その不安にまつわるリスクを全て取り除いてあげるということも重要です。
これはリスクリバーサルという考え方なのですが、代表的なものが返金保証です。
結果にコミットする”ライザップ”のような仕組みも、リスクリバーサルの一種だと言えます。
この考え方を取り入れるだけで受注率は飛躍的に伸びるので、マーケターは覚えておきましょう!
人をコントロールすることは自然界の法則では許されません。
お客様を操ろうとしたり、目先の売上を上げようとすると、結果的に逆効果となります。
あくまでもお客様のメリットが最大化するような、”誠実な”提案を心掛けましょう!
人がモノを買うのは、モノそのものを買っているのではありません。
そこから得られる結果を買っているのです。
ドリルを買うお客様は、ドリルが欲しいわけではありません。
”穴”が欲しいのです。
多くの人は、新規顧客を獲得することに躍起になりすぎます。
新規顧客を獲得するコストは非常に高いですが、既存顧客にクロスセルしたりアップセルした方が、スピード感があって、コストも安いです。
売上を拡大させたい場合、まずやるべきは既存顧客への再提案だということを覚えておきましょう。
点と点を結ぶだけで利益を生めるのですから、点の数が多くなればなるほど、その機会も増大するというわけです。
これは人脈について語った名言です。
人と人との繋がりが多かったり、取引先、パートナー企業が多ければ多いほど、ビジネスチャンスは増えていきます。
ビジネスにおいて敵を作るメリットは1つもないので、全ての人と良好の関係を築くようにしましょう。
おそろしく多くの企業が、収益の柱を一つに頼っています。
たった1つのビジネスモデルに頼り切っていると、少しの環境の変化で一気に崩壊するリスクを抱えるハメになります。
そうではなくて、多くの柱がある「パルテノン神殿型」のビジネスモデルをジェイ・エイブラハムは推奨しています。
これは事業の多角化ということではなく、あくまでも収益の柱についての話です。
例えば飛び込み営業のみで収益を構築している企業がいた場合、DMを送付するダイレクトレスポンスマーケティングを実践したり、SNS広告を活用することで、収益の柱を複数持つことができます。
このように、複数の収益の柱を持っている企業が、最も強い企業となるのです。
ほとんどの人は、自分がやってきた仕事の経験から学んだことだけで、物事を判断しています。
それぞれの業界には商慣習があるので、それに基づいてビジネスモデルを構築していると思いますが、もしかしたらそれは近視眼的な考え方かもしれません。
そのような考え方を、ジェイ・エイブラハムは「トンネルビジョン」と呼んでいます。
その逆に、他に収益ポイントがないかを常に考えることを「ファネルビジョン」と呼んでいます。
競合からも収益をあげられる方法があるかもしれないのです。
競合他社は「ライバル」として認識しているかも知れませんが、実は顧客にもなり得るということです。
例えば弊社(WEBX Inc.)はIT企業ですが、オフショア開発を上手く活用しているので、競合他社と比べて開発コストが半分以下に抑えられています。
そのノウハウを競合他社となるIT企業へコンサルティング(システム受託)すれば、それだけでビジネスになるということです。
このような発想の転換が重要なのだと思います。
LTVについての理解は非常に重要です。
LTVはライフタイムバリューの略称で「顧客生涯価値」と呼ばれています。
これが把握できなければ顧客獲得コスト(CPA)も算出できないので、LTVはマーケティングにおける最重要指標だと理解しましょう!
不可能なことに焦点をあてるのではなく、可能性を信じてマインドシフトをすることです。
- お金がない
- 人材がいない
- 時間がない
できない言い訳を並べても仕方ありません。
そのようなマイナス思考ではなくて、「どうすればできるのか?」というポジティブ思考で考えるべきだと思います。
もはや需要が供給を上回っている、右肩上がりの高度成長期ではないのです。
ビジネス環境は常に変化しています。
旧態依然のやり方で勝ち抜くのは難しいので、環境の変化に合わせて戦略も変えましょう。
点と点との間にある関係性を発見することが、チャンスを見いだすことになります。
ビジネスとは理想と現実のギャップを埋める作業なので、その溝を発見することがチャンスにつながります。
例えば「野菜を保存しておきたい」というニーズに応えるため冷蔵庫が提供されているように、「○○したい!」という理想と、「○○できない…」という現実のギャップを埋めれば、何でもビジネスになりえるということです。
失敗しても最小限の痛手で済むような方法を考えてスタートするべきなのです。
新たなビジネスを立ち上げる場合、多少なりとも失敗するのが当たり前なのですが、その後に再起できなければ意味がありません。
つまり死んでしまっては元も子もないということです。
特に独立起業する場合には、あらかじめリスクを管理しておきましょう!
あなた自身が規則を作る側になるのです。
規則とはルールのことです。
つまり世の中に流通している一般的な商材をただ販売するのではなく、ビジネスを”仕組み化”して、それを提供するということです。
そうすれば誰でもサプライヤー(=メーカー)になれるので、莫大な利益をもたらすことができるはずです。
ジェイ・エイブラハムは「いかにして競争相手を負かそうかとか、顧客にいかに多く出させようかという考え方を今日限りやめることです」と語っています。
営業先の顧客は、あなた個人との関係性が構築できていますか?
会社の看板についてくるお客様は、あくまでも浅い取引先でしかありません。
そのような顧客は個人に依存していないので、あなたが独立起業したとしても、その後に取引継続することができません。
もし独立開業を目指すのであれば、顧客との関係性を重視しましょう!
毎日2時間以上、必ず、知識を増やすことに時間を使います。
ジェイ・エイブラハムは様々な業界の人と話したり、たくさんの本を読んでいるそうです。
読書はとても有益なインプット方法なので、名著と呼ばれるビジネス書は必ず読んでおきましょう!
誰も、顧客の精神的な悩みや苛立ち、希望や夢を理解していません。
ジェイ・エイブラハムは、各社のマーケットが本質的な部分を見ようとしていないと警告しています。
つまり本当の意味で「顧客目線に立とうとしていない」ということです。
マーケターは「費用対効果が良いのは、どのSNS広告か?」とか「最もCVするメディアはどこか?」という小手先のテクニックばかりを追い求めています。
しかし本当に見るべきは顧客ニーズであり、顧客目線に立って物事を考えることです。
これこそが「最も誠実で純粋なビジネス活動の本質」だとジェイ・エイブラハムは語っています。
信頼が関係性を保つ鍵であり、そして、そのすべてです。
「信頼」とは、無条件で相手のことを信じることです。
お互いの信頼関係さえあれば、企業とお客様はさらなる高みを目指せるはずです。
もし商品に問題があった場合、文句も言わず、そのまま遠ざかっていくのが普通なのです。
一番恐ろしいのは、何も言わずに離れていくお客様です。
なぜかといえば、そのお客様は自分たちが知らない間に悪評を広めてしまいますし、その顧客を復活させる労力はとてつもない大きさになるからです。
これはとても大きな問題なので、経営者や営業責任者はしっかり認識しておきましょう。
マーケティングというと、有り金をはたいて広告宣伝に賭ける人がいます。
これが最も危険なことです。
マーケティングにおいて失敗はつきものなので、最初は小さくテストする必要があります。
ギャンブルのようなマーケティング活動はやめましょう。
見出しを変えただけで、売上を5倍にしたこともあります。
家具店での挨拶を変えただけで、売上が35%も増加したこともあります。
ビジネスはほんの少しの掛け違いで、売り上げが増減していきます。
マーケティングに携わる人間として、この部分はとてもダイナミックで面白いと感じています。
特にセールスライティングは非常に重要なので、そのノウハウが知りたい人は下の記事を参考にしてください。
全ては市場が決めるのです。
これは市場経済について語った名言です。
経済学の父と呼ばれたアダム・スミスは、市場経済のことを「見えざる手に導かれ…」と表現しました。
アダム・スミスが書き残した「国富論」は、経済学における最重要書物の1つだと言われているので、ビジネスパーソンは必ず読んでおきましょう!
ビジネスにおいて最も重要なのは、そのビジネスを行う目的です。
つまりは理念です。
- そのビジネスを通じて、どのような世界を実現したいのか?
- そのビジネスを通じて、どのように社会貢献したいのか?
このような考えのないビジネスは、遅かれ早かれ衰退すると思います。
ジェイ・エイブラハムは「ほとんどの人が間違った目的でビジネスを行っています」と語っています。
すでにある価値を市場から奪い、減らす人であれば、そのビジネスはやがて消滅の運命です。
既存の商品をただ代理販売するだけのビジネスは、パイの取り合いをやっているだけです。
何のイノベーションも起こしていないので、そのようなビジネスの先行きは暗いでしょう。
中小企業の95%が目的を達成できずに終わります。
そもそも中小企業では目的を定めている経営者が少ないので、目的を達成できるはずありませんよね。
目的とは、「売上1億円」とか「利益1000万円」という話ではありません。
その事業を推進する社会的意義であり、会社の存在意義とも言えます。
ほとんどの経営者は自分が儲かることだけを追い求めているので、そもそも明確なゴールを持っておらず、そのような状態では目的を達成できるはずありませんよね。
これは明確に言える話ですが、自分の利益など考える必要ありません。
「どうすれば社会に貢献できるのか?」「どうすればお客様は喜んでくれるのか?」「どうすれば世の中はもっと良くできるのか?」という部分だけを愚直に追求しましょう!
本当の意味での”成功”がわからなければ、成功することはできないということです。
自分自身をコモディティ(一般消費財)化させてはいけません。
ビジネスパーソンは、誰しもがプロフェッショナルを目指すべきだと思います。
ある特定分野のプロフェッショナルとして突き抜けましょう!
単に生きるのではなく善く生きる。
これは哲学的な名言ですよね。
ただ飯を食って、時間を浪費し、人生を消化するのはもうやめましょう。
この考え方を理解するためには、孔子の論語が最適だと思います。
まだ読んでいない人は、下の記事をご覧ください。
まとめ
ここまで、マーケティング界の巨匠「ジェイ・エイブラハム」の名言集をご紹介してきました。
どれもマーケターの心にグサグサ刺さるような金言ばかりだったと思いますが、マーケティングとセールスは表裏一体なので、営業職の人もマーケティングについては勉強するべきだと思っています。
もしマーケティングについての知識を得たいと考えている場合には、まずはマーケティングの名著から手をつけてください。
マーケティング本の名著を探している方は、下の記事を参考にしてください。