「人格者」という言葉があります。
この言葉は人を讃える一方で、悪い使われ方をするケースもあるようです。
そこで今回は、人格者の意味や特徴、人格者になる方法について解説したいと思います。
リーダーを目指すビジネスパーソンはぜひご覧ください。
「人格者」の意味とは?
まずは「人格者」という言葉の意味から押さえておきたいと思います。
人格者とは、
- 優れた人
- 才能のある人
- 人より秀でた人
などの意味を含んだ言葉になります。
つまり一般的な使い方は、人を称賛するときになります。
特にリーダーに相応しい人に対して「あなたは素晴らしい人格者だ!」というような使い方をしますよね。
組織には必ずリーダーがいると思いますが、その人は人格者でなければいけないと言われています。
例えば会社経営者や事業責任者、部長、理事長などがリーダーに当たると思います。
人格者は悪い意味なの?
基本的に「人格者」という言葉は、人を称賛するときに使われるものです。
しかし稀に、「人格者と言われた…」とネガティブに捉える人がいるようです。
このようになってしまう理由は、人格者という言葉があまりに崇高な存在になってしまっているからです。
先ほども解説しましたが、人格者という言葉には「優れた人」「気品がある人」という意味合いが含まれています。
つまり、現実の自分がそのような人間でないと自覚している場合には、「あなたは人格者だ」と言われると馬鹿にされているように感じるのです。
このように感じてしまう人には、
- ネガティブである
- 理想とする姿が高い
- へそ曲がり
などの特徴があります。
人からの賞賛を素直に受け入れることができないので、「人格者」という言葉をねじまげて捉えてしまうのです。
人格者の特徴
人格者と呼ばれる人には特徴があります。
まず誰からも好かれる存在であるということです。
これはあくまでも結果論なのですが、嫌われることが少ないので、リーダーに相応しい存在だと言えます。
正しい正義感を持っているので、「何が善で、何が悪か?」という判断が的確にできるのです。
これはビジネスパーソンにとって非常に重要なスキルだと思います。
実は、事業運営する上で、一番儲かるのはグレーゾーンだと言われています。
つまり真っ向勝負でホワイトなビジネスをするよりも、少しブラックな方に歩み寄った方が儲かるということです。
しかしブラックゾーンに入りすぎると、倫理観や道徳観に反するような事業になってしまいます。
仕事をしていると「儲かれば何でもいい」という主張をするメンバーも出てきますが、リーダーはそれを真っ向から跳ね除けるような人格者でなければいけません。
簡単に儲かるようなビジネスをするのではなく、本質的に顧客が喜ぶようなビジネスを提供するのです。
このような強い正義感を持っていることも、素晴らしい人格者の特徴だと言えます。
そのような正しい価値観を持っていて、社内外に対して誠実に対応できるからこそ、人から好かれるのです。
人格者は生まれつき?
人格者は高い倫理観や道徳観、正義感を持った人だとお伝えしました。
それでは、人格者は生まれつきそのような能力を持った人なのでしょうか?
結論から言ってしまうと、人格者は生まれつきそのような才能を持っていたわけではありません。
その人が生まれ育った環境や、培ってきた経験値、学んできた知識などが総合的に作用して人格者を形成するのです。
生まれ育った家庭環境や境遇に関してはどうにもできませんが、自分で努力した知識や経験値などは後天的なので、誰でも人格者になることはできると思います。
人格者になる方法
人格者になるためには、まず知識を得なければいけません。
あくまでも個人的な主観でしかありませんが、人格者になるためには「哲学」を学ぶ必要があると思います。
哲学とは、世の中の真理を追求する学問です。
真理とは抽象的な言葉ですが、「真実」や「正義」と言い換えることもできるはず。
つまり何が正しくて、何が間違っているのかという倫理観や道徳観を養うには哲学が最適なのです。
例えば、代表的な哲学問題に「トロッコ問題(トロリー問題)」というのがあります。
トロッコ問題とは、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という倫理学上の課題です。
内容は以下のような問題になります。
あなたは電車の分岐点で作業をしていました。
そこに電車が近づいてきました。
この電車は進む先には、線路上に3人の作業員がいます。
その作業員は全員、電車が近づいていることに気付いていません。
電車の運転手もブレーキをかける様子がなく、線路上にいる3人の作業員に気づいていないようです。
このままでは、線路上にいる3人の作業員を轢き殺してしまいます。
しかし、あなたが電車を左に分岐させれば線路上にいる3人の作業員は助かりますが、左に分岐した線路には別の作業員が1人だけいます。
この時あなたは電車をそのまま直進させるか?
はたまた電車を分岐させるのか?
どちらが正しい判断なのでしょうか?
結論から言ってしまいますが、このトロッコ問題に答えはありません。
現場の状況を鑑みながら、最適解を導き出す練習をすることが目的です。
このトロッコ問題では、いくつか重要なポイントがあります。
①電車を直進させると被害者が3人になる
②電車を左に分岐させれば被害者は1人になる
➂電車を左に分岐させることは、あなたが被害者を殺したことになる
あなたの分岐点にいる作業員なので、何もしなければ電車は直進して被害者3人を轢き殺すことでしょう。
しかし、あなたが電車を左に分岐させれば被害者は1人に減るので、一見するとそれが最適解に思われますが、それをしてしまうと実質的にあなたがその被害者を殺すことになるのです。
ここにトロッコ問題の難しさがあります。
リーダーの役割にいる人は、日常的にこのような難しい問題に直面しなければいけません。
このような問題に立ち向かうために必要な知識が哲学であり、高い倫理観なのです。
それを習得した人が、素晴らしい人格者と呼ばれています。
人格者であれ!
ここまでご覧になった人は、ビジネスリーダーにとって人格者になることは必要不可欠であることが理解できたと思います。
リーダーには素晴らしい人間性や人柄、豊富な知識などが求められます。
それらを兼ね備えた人が「人格者」と呼ばれるのです。
人格者という存在は、一朝一夕でたどり着くような道のりではありません。
多くの時間と成功体験を積み重ねた人だけがたどり着く場所なのです。
ここではリーダーを目指す人におすすめの本をご紹介しておくので、もし「人格者」になりたいのであれば、日々努力することを怠らず、前向きに取り組んでみてください。