
営業部に求められる役割や仕事内容はたくさんあります。リスト作成、テレアポ、訪問営業、クロージング、契約書回収など数え上げればキリがありません。
そこで今回は営業マンや営業部がすべき仕事内容や、その役割などについて解説していきたいと思います。
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概要
営業部門の役割とは?
営業の仕事内容とは、お客様に自社製品やサービスをご案内して、売買契約を締結することです。
このような役割を担っているのが営業職やセールス職と呼ばれる人達ですが、実際の仕事内容はそんな単純なものではありません。
例えば、「お客様に自社製品やサービスをご案内しよう!」と思っても、提案できるお客様が最初からいる訳ではありませんよね。
なので、そのようなお客様になってくれそうな見込顧客を集めることから始めなければいけないのです。
これはマーケティング活動になってきますので、会社によっては営業部門と別部署(マーケティング部)が設けられていて、製品サービスが売れるための集客を手伝ってくれるケースもあります。
しかし中小企業にはそんな贅沢な部署は普通ありませんので、営業マン自らがマーケティング活動する必要が出てきます。
営業活動を仕組み化する
「自社商材を販売しよう!」とした時に、戦略や戦術を決めずに走り出しても良い結果にはなり得ません。
もし仮に、たまたまお客様が買ってくれたとしても、それ自体には大した意味がありません。
なぜかというと、そんなものは単なるラッキーパンチでしかないので、継続的な仕組みにはならないからです。
なので、そんなことはどうでも良くて、重要なことは「売れる為の仕組みを作ること」です。
この時のポイントは大枠では3つに集約されていきます。
- どうやって認知してもらうか?
- 新規リード獲得をどうやるか?
- どうやって受注するか?
この3点について詳しく解説していきたいと思います。
どうやって認知してもらうか?
これこそまさに「マーケティングそのもの」と言えるような業務だと思います。
例えば、もの凄くクオリティの高いプロダクトを開発したとしても、その情報が見込客に届かないのであれば、開発した意味がありませんよね。
つまり、マーケティングの第一ステップは「お客様に認知してもらうこと」から始まるのです。
この辺りはAIDMAの法則が絡んでくる話なので、続きは以下の記事をご覧ください。
関連記事:AIDMAの法則とは?
新規リード獲得をどうやるか?
お客様に認知してもらえたなら、次にやるべきことはお問い合わせ(又は来店)してもらうことです。
たとえ認知してもらえたとしても、問い合わせしてくれないと、その後の購入には至りにくいですよね?
特にB2B(法人向け)であればその傾向は顕著なので、いきなり「購入する」なんてことは普通あり得ません。
なので興味を持ってくれた人が問い合わせしたくなるような戦術を考えなければいけません。
例えば、
- 無料サンプルをプレゼント中
- 無料査定を実施中
など魅力的な文言を用意して問い合わせするように仕向けるのです。
この時に検討すべきことは、見込顧客が「メリットを感じられて」「今すぐに問い合わせすべき」と思ってもらえるような企画にすることです。
この答えに正解はありませんので、色々と試してみることをオススメします。
関連記事:営業とマーケティングを連携させる!簡単な新規リード獲得方法
どうやって受注するか?
最後に、問い合わせしてきた見込客を受注する方法について解説していきたいと思います。
せっかくお問い合わせ(来店)してくれた見込案件をクロージングできなければ、営業の仕組み作りとしては未完成だといえます。
なので、「できる限り受注率が高くなる」ような施策を考えるようにしましょう。
その中でも代表的なやり方が「無料トライアルを提示する」ことです。
やっぱりいきなり購買するというのは決断しづらいので、まずは無料で試してもらって、良ければ継続契約してもらうというやり方が上手くいきやすいと思います。
特に「商材単価が高いモノ」や、「契約期間が長い商材」などには向いている手法だと思います。
しかし、商材毎に向き不向きがあるはずなので、自社商材に合ったやり方を色々と試してみてください。
関連記事:即決営業こそが価値|トップ営業マンのクロージングトークとコツ
”新規開拓”と”既存営業”がメイン業務
ここまで営業部の役割ついて解説してきましたが、営業の仕事を大別すると”新規開拓”と”既存営業”に分けることができると思います。
ある意味では、この2つがメイン業務と言っても過言ではないはずです。
営業と聞くと「新規開拓」をイメージする人が多いと思いますが、既存のお客様を大切にすることも営業パーソンの大切な役割です。
会社経営では売上の100%を新規顧客にしてしまうと、常に新規開拓をし続けなければいけませんので、現場がとても大変になってしまいます。
なので売上構成は「新規顧客:2」に対して「既存顧客:8」くらいを目指す必要があります。
既存顧客から継続的な発注をもらいながら、新規顧客を積み上げていく…
まさに理想的な営業イメージですよね。
このカタチを実現する為には、お客様が必要としている情報を常に把握して、より的確なソリューションが提案できるスキルやテクニックが必要になってきます。
それにはお客様とのコミュニケーション能力が必須だといえます。
当然お客様はこちら側の会社と取引するわけですが、窓口になっているのは営業部門なので、営業パーソン一人一人が会社の代表、つまり顔でもあるのです。
その対応の仕方によっては自分だけではなく、自社の評判も落とすことになりますので、信頼関係を壊すような言動には十分注意を払う必要があります。
関連記事:新規開拓営業のコツ&テクニック4選|成果が出るリスト作成と営業方法
営業部署の種類とは?
会社組織の中には様々な部署がありますが、ひとくくりに営業部といってもその役割は様々です。
つまり、その部署が担っている業務によって細分化されているというのが一般的なのです。
ここでは一般的な営業部の種類について解説していきたいと思いますので、ぜひ押さえてみてください。
※会社や状況によって部署の役割は変わりますので、あくまでも一般論的だとご理解ください。
- 営業部
- 営業戦略部
- 営業企画部
- カスタマーサクセス部
- パートナー営業部
その①:営業部とは?
営業部とは、「営業職」や「セールス職」と聞いてイメージする一般的な部署になります。
この部署の主な役割は「売上をつくること」なので、新規顧客や既存顧客に絶えずセールスをしていて、会社経営の根幹ともいえる営業キャッシュフローを稼いでいます。
この営業部には個人向けの部署や法人営業部など専門的な部署もあるので、会社の商材や営業戦略次第でかなり部署のカタチが変わっていますが、求められる役割はそんなに変わりありません。
関連記事:営業キャッシュフローがマイナスになるとヤバい?営業CFが重要な理由
その②:営業戦略部とは?
営業戦略部とは、マーケティング要素をもった部署になります。
先程も少し触れましたが、セールスする為には見込み客が必要なので、それを集める施策を考えなければいけませんよね。
しかし、営業パーソンは顧客対応で大忙しなので、そんなことを考えている余裕は1ミリもありません。
そこで登場するのが営業戦略部になります。
- 見込顧客を集める方法は?
- 最も費用対効果が高い施策は何か?
- いつからいつまで実施するのか?
ということを営業マンに代わって考えて、実行してくれるので営業部の頼もしい味方といえる部署になります。
関連記事:インバウンドセールス&マーケティングで営業効率を最大化するコツ
その③:営業企画部とは?
営業企画部とは、プロダクトの企画をする部署です。
いざセールスをしようとしても、売る商材がなければ契約成立とはいきませんよね。
なので、まずは売る為の商材を企画しなければいけません。
その企画を考えてくれるのが営業企画部です。
”売れる為の企画”が必要になるので、営業企画部の人はセールス経験者で構成されていることが多くて、自分自身の経験を基にして新商品などが設計されています。
その④:カスタマーサクセス部とは?
カスタマーサクセス部とは、名前の通りですが「お客様の成功をサポートする」部署をいいます。
どちらかというと既存顧客に対してのアフターフォロー的な役割を担っている部署なので、ルート営業の要素も含まれています。
一度契約したお客様が解約したり、競合他社に取られてしまわないようにカスタマーサクセス部がリレーションシップマネジメントを行います。
この部署があるからこそ、営業マンは新規開拓に集中することができるという側面もあるので、営業部とカスタマーサクセス部は夫婦のような関係性になります。
関連記事:インサイドセールスとは何か?インバウンド営業で使える商談ツール6選
その➄:パートナー営業部とは?
パートナー営業部とは、外部パートナー(代理店)に営業する部署のことをいいます。
その役割とは、
- 代理店の新規開拓
- 代理店の販売サポート
の2点に集約されていきます。
自社商材を拡販するには直販営業という手法もありますが、最も合理的なやり方は代理店展開になります。
なので、自社商材を販売してくれる代理店開拓は企業にとって至上命題ともいえます。
その役割を担っているのがパートナー営業部なのです。
関連記事:代理店開拓にはノウハウが大事|最強の代理店育成方法と増やし方
営業部の組織図を解説!
会社組織にはたくさんの社員がいるので、各部署の仕事内容や上下関係によって細分化されているというのが一般的だと思います。
ここでは「営業部の会社組織」にフォーカスして解説していきたいと思いますので、組織作りの参考にしてみてください。
営業部の中身は各社によって違っているケースがほとんどですが、ある程度共通している部分があります。
例えば「課」についてです。
営業部の中には、
- 営業一課
- 営業二課
- 営業三課
という具合で課に分かれていることが多く、それぞれに課長がいます。
そして、そのような各課を一挙に取りまとめて”営業部”にしているのが部長です。
あくまでも一般論ですが、この課では数字が大きい課(営業一課)ほど優秀で、数字が小さい課(営業三課)ほど能力が低いという指標になっています。
なので名刺の営業●課という肩書きで、その人が会社のトップセールスなのかある程度判断できるということになります。
関連記事:無能な営業&上司で組織が崩壊する|有能な営業マンになるコツ
営業組織の役職について
営業部は組織なので、そこにいる人には役職が与えられているケースが一般的だと思います。
例えばトップに立つのは営業部長で、その下に副部長や次長、課長、課長補佐(課長代理)、係長、主任という具合で様々な役職の人が続きます。
頂点に立って部署をまとめるのは営業部長ですが、全ての営業部隊を管轄するケースでは
- 営業本部長
- 営業統括
- 執行役員
という肩書きになっている人もいます。
内勤営業と外勤営業の違い
営業職と聞くと、アクティブにお客様の元に伺って、契約を獲ってくるというイメージがあると思いますが、実は社内で活躍するセールス職もいるんです。
それは、電話やメールを駆使して活動する「内勤営業」や「インサイドセールス」と呼ばれたりしています。
内勤営業とは、ネーミングの通り社内で営業活動する人を指しますが、課せられる仕事内容は普通の営業職とほとんど大差ありません。
社内にいながら営業できる無形商材(IT商材など)や、既存顧客へのアップセル商材、クロスセル商材などを担当することになる内勤営業ですが、一般的には顔が見えない営業スタイルなので、言葉遣いには細心の注意が必要です。
それと比較して、お客様に訪問して売り込んでいくのが外勤営業です。
これは一般的に営業職と聞いてイメージする仕事だと思いますが、スーツを着込んでさっそうと出かけるかっこいいイメージもありますが、実際にはかなり泥臭い仕事になります。
お客様からの要望であれば、製品サービスの提案とは関係ない作業をこなすこともあります。
お客様に気に入ってもらう為には、”事業パートナー”と認めてもらわなければいけないので、アフターフォローやサポートも大切なのです。
関連記事:内勤営業のやりがいとは?インサイドセールスの仕事内容&コツを大公開
本店営業部とは?
上場企業など大きな会社ではいくつもの支店が存在していますが、中心になるオフィスは本社(本部)、または本店と呼ばれています。
この本店にも営業部は存在していて、そこでは多くの営業マンが稼働しています。
そして、この本店営業部に在籍している営業パーソンこそ、全店で実績を出してきたトップセールス達なのです。
なので必然的に求められる営業予算も膨大で、常に全店を引っ張るだけの存在感と実績が求められることになります。
それだけ会社への貢献度も高くなるので、将来的には”幹部候補”と呼ばれる人材に成長していくことになります。
そんな人材を育てることも本社の役割なので、優秀な人事制度も同時に構築しないと効率的な事業運営ができなくなってしまいます。
一人の人間を判断するのはなかなか難しいことなので学歴や出身大学で判断される場合もありますが、基本的には実績で判断されるはずです。
よって、営業職として高みを目指すのであれば、最初に配属された支店よりも、最終的に本店営業部に配置転換されることを目指しましょう。
関連記事:トップ営業マンの特徴や習慣を大公開|トップセールスの共通点
営業部長の役割とは?
会社には各部署をまとめる役割の人がいます。
そのような中間管理職の人は、一般的に部長と呼ばれています。
会社によってその肩書は多少違っていますが
- 本部長
- 支店長
- 組織長
- 統括部長
- リーダー
- マネージャー
などと呼ばれています
このような役職になる為には組織全体を統率する能力が必ず必要になってきます。
部長の仕事は”人材育成”
トップに立つ営業部長が自ら営業することもありますが、そればっかりをしていては組織がジリ貧になってしまいます。
なので、自分の代わりに活躍してくれる人材を育てなければいけません。
つまり自分自身の分身を作るということです。
営業部長という役職を与えられた人は、過去に大きな実績を上げ続けてきた人のはずなので、とにかく仕事ができるはずです。
そんな優秀な人からすると、部下の営業マン達はとても頼りなく見えてしまうことでしょう。
しかし、そのような部下を指導して、自分の分身といえるレベルまで育成していかないといつまで経っても第一線から退けませんし、一向にラクになりません。
よくリーダーシップという言葉が使われますが、一方的に仕事を押し付けるのではなく、部下が自らついてきてくれる環境を作り上げるのです。
相手も人間なので気が合わない人も出てきてしまいますが、感情をむき出しに接するようではビジネスパーソンとしては失格です。
あくまで最大限のチーム実績を求める為の「全体を調整」が求められますので、チームリーダーとしてはメンバー全員のやりがいと幸福を常に考えましょう。
それと同時に、社員のモチベーションアップも考えなければなりません。
部下が実績をあげられなければ管理能力が低いと判断されてしまいますので、自発的に動く仕組み作りが重要ということです。