セールスパーソンは日々忙しくしているので、なかなか営業トークを見つめ直す機会がありませんよね。
しかし欠陥のあるセールストークを何回繰り返しても、同じ失敗を繰り返すだけなので、なかなか良い結果につながりません。
なので少しでも早く自分の営業トークを見直して、より高いレベルへブラッシュアップするべきだと思います。
そこで今回は、トップセールスを目指す人に伝えたい「営業トーク完全マニュアル」と題して一覧にまとめたいと思います。
ここでご紹介する営業テクニックを完璧に身に付ければ、トップセールスを目指すための基礎(土台部分)が出来上がるはずなので、そういった意味では永久保存版の営業トークマニュアルになるでしょう。
少し長い記事ですが、営業活動の合間などを活用しながら、ぜひ最後までご覧ください。
営業トークの基本を押さえよう!
一言に「営業テクニック」といっても様々なやり方がありますよね。
その中でも基本となるのは、やはり「営業トーク」だと思います。
セールスパーソンにとって「トーク」は一番の武器といっても過言ではないので、それをどれだけ磨け上げられるかによって営業成績には雲泥の差が出てきます。
なので、まずは営業トークの基本を押さえていきましょう。
声のトーンを少し上げる
まず営業トークの基本として押さえて欲しいのは、営業トークを地声で話さないことです。
なぜかといえば、単調で盛り上がりに欠けるトークになってしまうからです。
なので、基本的には少しキーを高くしながら話すことをお勧めします。
その方が相手にも聞き取りやすいだけでなく、明るい印象を与えることもできます。
大事なポイントだけ地声(低い声)で話せば、落ち着いた印象を与えられますし、声にメリハリもつきます。
丁寧な敬語を使う
これは当たり前のようにと思われがちですが、意外とできていない人が多いので注意しましょう。
敬語は社会人の常識ですが、尊敬語、謙譲語、丁寧語の違いを説明できるでしょうか?
もし敬語に自信のない人は下の記事もご覧ください。
社会人の常識である敬語が使えないだけで失注リスクが高まるので、トップ営業マンは不必要なリスクを徹底的に排除しています。
ちゃんとした敬語が使えないこともリスクの一つだと認識しておきましょう。
営業シナリオを考えておく
テレアポでも訪問営業でも、事前に営業シナリオを考えておく必要があります。
色々な現場の実態はあるにしても、セールスを始める段階で理想的な営業活動をイメージしておいた方がいいでしょう。
営業シナリオとは、ファーストタッチからクロージングまで、一連の営業行為を意味しています。
このシナリオがなければとても非効率な営業活動になってしまうのです。
欲を言えば、ファーストタッチからクロージングまでまっすぐ一直線に進む営業活動が理想的だと思いますが、実際の営業活動は紆余曲折しながらクロージングまで進んでいきます。
例えば、テレアポのセールストークから始まり、
- どのようなトークでアポイントを取るか?
- どのような部分に課題感をもっていそうか?
- 競合他社のサービスを既に導入しているのか?
などをあらかじめ想定した上で、それに合うシナリオを準備しておくのです。
このシナリオを準備している営業活動は、行き当たりばったりの営業と違って、きっと受注率が高まるはずです。
テレアポトークのコツ
テレアポ営業とは見込み顧客に電話して、商談日時を決める営業活動のことを言います。
その結果、訪問営業につなげたりZoom営業につなげたりしているのです。
つまりテレアポは「営業活動の入口」と言えるものなので、個人営業・法人営業問わずに実施されています。
もちろん当たり前の話ですが、テレアポ営業で結果を出すためには、それなりのセールステクニックが求められることになります。
アポイント日時は自分から提示する
テレアポのゴールは商談日時を決めることなので、最終的にはスケジュール調整をすることになります。
この時、テレアポ営業に慣れていない人は「ご都合の良い日時をお教えください!」と伝えてしまうのですが、これではアポイント獲得できる確率が低くなってしまいます。
なぜかといえば、相手は都合の良い日時を考えなければいけないからです。
それを面倒に感じて、「スケジュールが決まってからまた電話します」とか「都合のいい日が分かったらまた連絡します」と遠回しに断られてしまうのです。
そうではなくて、アポイント日時を決める場合には「来週の11/8と11/10ではどちらがご都合よろしいでしょうか?」と、まずは日付を提示しましょう。
お客様から「11/10がいいですね」と回答があった場合、「それでは11/10の午前と午後ではどちらがよろしいでしょうか?できれば午前10時であれば幸いです」という伝え方をしましょう。
そうすればお客様はまず午前10時を確認して、ダメなら別の時間帯を掲示することができます。
このようなやり方であれば、相手は考える手間が省けるので、お客様にとって好都合なのです。
相手がアポイントを渋る場合
これは営業のあるある話ですが、テレアポすると相手がアポイントを渋るケースがあります。
- 今は間に合っているからなぁ…
- 今は繁忙期なので…
- 既に他社と取引しているので…
たとえこのような返答があったとしても、そこで諦めてはいけません。
電話に出たということは、少しくらい興味があったはずなので、アポイント獲得はできるはずです。
このようなケースでは以下のような営業トークを展開してみましょう。
この営業トークは、相手が課長や部長職だった場合に有効的だと思います。
経営者以外はサラリーマンなので、自分の仕事を全うするために、必要な情報を常日頃から収集しています。
もし情報収集が不足していて、競合他社に遅れを取るようなことがあれば、その責任の取らされてしまうので、この営業トークではその部分を突いているのです。
その他にも「この新商品は3割のお客様が購入しています」とか「○○社(⇒社名出しOKの場合)も導入しているんですよ」など、日本人特有の横並び精神を刺激する心理テクニックを使うのもオススメです。
このように相手に合わせたセールストークを展開することが、テレアポ営業には求められるのです。
商談するメリットを用意する
テレアポのゴールは商談セッティングですが、「そもそもなぜ会わなければいけないのか?」という顧客目線にも目を向けた方が良いと思います。
お客様の心理としては「会ったら買わされる…」という恐怖心があるので、基本的には会うのを嫌がるはずです。
なので、会うことのメリットを用意した方が良いでしょう。
例えば前述した「業界のトレンド情報を見せします」というのも一つですが、それであれば「メールで送ってください」と言われてしまう可能性もあります。
なので、それでは伝わりきらない「もちネタ」を隠しておくのです。
例えば弊社(WEBX Inc.)の商材はwebプラットフォームなので、システムの中身がその役割になっています。
システムの使い勝手は資料に落とし込むことができないので、中身を見る為にどうしても商談が必要となります。
また、少しプランを複雑にしていることも工夫の一つです。
資料を見ただけでプラン内容が100%理解できてしまうと、その次に繋がっていきません。
なので「80%は理解できるけど、この部分がわからないなぁ…」くらいの資料に仕上げるのです。
さらにフリーミアム戦略として「導入コスト0円」という打ち出しをしておけば、お客様にとっては抵抗感が少なくなる(=売り込まれても安心)ので、商談につながりやすいのです。
これらはある意味で営業活動のトリガーと言えますが、どのようなビジネスモデルであってもトリガーは作れるはずです。
- 現地で無料査定します。
- サンプルを直接手渡しています。
- カタログが分厚いので、郵送でなく手渡しています。
どのような口実でもいいですが、「なぜ会わなければいけないのか?」という理由をお客様へ提示するべきだと思います。
そこへさらに、お客様の抵抗感をなくす仕組みも用意すれば完璧だと思います。
このようなセールスロジックを組み立てて、アポイントを量産していきましょう!
日程調整ツールを活用する
お客様とのアポイント調整をする場合には「日程調整ツール」を活用しましょう。
自分から都合の良い日程を3つほど提示して、お客様の都合が悪ければまた日程を3つほど提示して…、というやり取りはもはや原始人です。
弊社(WEBX Inc.)も日程調整ツールはフル活用していますが、このツールを使うことによってアポイント獲得率が300%UPになりました。
営業職であれば日程調整は毎日行うはずですが、その業務効率が飛躍的に伸びるので、使わないという判断はないと思います。
無料(0円)でも使えるので、早速登録してみてください。
アイスブレイク&雑談のやり方
テレアポ営業によってアポイントが獲得できたら、次は商談へと進んでいきます。
訪問営業でもZoom営業でも、初対面の相手と話すのは緊張しますよね。
その時にはアイスブレイクをするのがおすすめです。
これは商談に入る前の緊張感をほぐす役割があり、その後の商談をスムーズに進める役割も担っています。
一般的にアイスブレイクでは当たり障りのない会話をするのですが、相手の会社名や氏名、所在地、事業内容などについて話したりします。
- ユニークな会社名ですね。
- ○○(苗字)は初めて聞きました。ご出身はどちらですか?
- ○○(本社所在地)には旅行で行ったことがあります。
- ○○(サービス名称)はネーミングインパクトがありますね。
- ○○(事業内容)は社会的があって、とても共感できます。
このような話出しであれば、相手は気分良くなるので、その後の商談もスムーズに進んでいくでしょう。
この中で最もオススメな営業トークは「○○(事業内容)は社会的があって、とても共感できます。」というものです。
実は「とても共感できます」と言われると、相手は承認欲求が満たされるので、懐に入るキラーフレーズとしては一番効果的なのです。
特に事業責任者や経営者にとっては「自分の考えを理解してくれる仲間」という認識になるので、その後の商談を有利に進めることができるでしょう。
自己紹介をする
最初に軽くアイスブレイクをしたら、そのまま自己紹介へ移行した方が良いと思います。
自己紹介では自身の経歴や、今の会社に入社した理由&きっかけなどを話しましょう。
もし実績があれば、嫌味にならない程度に伝えることも忘れてはいけません。
このような自己紹介であれば、相手は前向きに話を聞いてくれるはずですし、特にデメリットがないのであれば提案も受け入れてくれるでしょう。
雑談トークは「さしすせそ」を使う
「営業のさしすせそ」を聞いた事のある人は多いと思います。
さ=さすがですね
し=知らなかったです
す=すごい、素晴らしい
せ=センスがありますね
そ=そうなんですか
これはお客様が話している時、相槌を打つ場合に使える営業トークです。
このような営業トークは相手を気持ちよくさせるので、その後の商談をスムーズに進める潤滑油となってくれます。
この法則について詳しく知りたい人は下の記事もご覧ください。
商談トークのコツ
ここから営業トークの本題と言える、商談トークについて触れていきたいと思います。
商談のゴールは「受注(成約)すること」だと思っている人は多いですが、決してそんなことありません。
会社内の課題をヒアリングして、ソリューションの方向性を決める
今回提案した内容を社内稟議として提出する約束を交わす
今回の商談の宿題を、次回の商談で提出する
どれも営業活動としては前進しているので、決して「商談失敗」とは言えないはずです。
重要なことは、商談する前に今回のゴールをきちんと決めておくことです。
そしてそこに到達するためのシナリオを作成し、このシナリオに沿って商談を進めていくのです。
その時に役立つのが、マイルストーンとなり得る営業トークです。
例えば、まだ製品の導入が進んでいない業種・業界と商談した場合、「ウチの業界はお堅いから…」という否定的な断り文句が出てくることは十分想定できるでしょう。
そのような断り文句が出てきた場合、シナリオから外れてしまうので軌道修正しなければいけません。
そんな時には下のように切り返しましょう。
これはイエス・バット法と呼ばれており、一旦相手の意見を受け入れた上で、それを覆すような理論を展開する営業トークです。
決して「お堅い業界」というのを否定するわけではなく、むしろその伝統や文化を守ることは推奨するのです。
その上で、ビジネスは競合他社との戦いなので、そこで勝ち抜くための術だと諭しているのです。
それが結果的に「あなたの出世にも繋がりますよ」というニュアンスが伝わればベストだと思います。
商談では結論を先に話そう!
商談でもプレゼンでも同じですが、結論から先に言う癖をつけましょう。
もし自分から言う場合には、下のような営業トークになると思います。
このような営業トークであればメリットがはっきりと提示されているので、なんとなく聞いた方がいい気がしますよね。
この話をするだけで顧客は前のめりになるので、結果的に受注率も変わってくるはずです。
逆にお客様のヒアリングを基にして結論を言うパターンは、下のような営業トークとなります。
このパターンはお客様からのヒアリングを基にするので、その情報が役に立ったことをアピールしなければいけません。
それが「御社の課題感は理解できましたので、結論から申し上げると…」という文脈に繋がっていきます。
このフレーズを聞いたお客様は、期待感が高まるので、きちんと最後まで話を聞いてくれるはずです。
「売り込みたい!」という気持ちが大きい営業マンは、どうしても商品説明ばかりに気を取られますが、お客様が聞く体制になっていなければ全く意味がありません。
お客様と商談する場合、まず「お客様が聞く体制を作る」ということに集中しましょう。
相見積もりしている場合の営業トーク
製品サービスの新規導入を検討する場合、相見積もりやコンペが多いですよね。
これはあくまでも一般論ですが、社内稟議を通すためには3社ほど相見積もりするのが普通だと言われています。
よって、相見積もり自体は決して悪い話ではないのです。
むしろ検討度合いが高い見込み顧客だと思って良いでしょう。
それでは相見積もりしているお客様を受注するコツなどあるのでしょうか?
複数社から相見積もりしているということは、裏返せば「一社に決める材料がない」という状態だと思います。
なので「どのような点を重視しているのか?」を詳細にヒアリングするべきでしょう。
おそらく競合他社含めてクライアントが重視しているポイントを満たせないので、決定打がないのだと思います。
- どのような点を重視されているのか、率直なご意見をお聞かせください。
- 相見積もりしている競合他社では、どのような点を不満に感じましたか?
ヒアリングするパターンは何種類かありますが、お客様が話しやすい言い方で良いと思います。
ネガティブポイントは先出しする
相見積もりされている時やプレゼンの場合、ネガティブポイントを先出しにした方が良いと言われています。
なぜかといえば、人間は後から聞いた情報の方が記憶しやすい傾向があるので、後でネガティブ情報を出してしまうと、それが強く印象に残ってしまうのです。
なので先にネガティブポイントを伝えておいて、後からポジティブ情報を提供するというやり方が一般的な営業セオリーとなります。
しかしこのような営業トークが絶対的な法則というわけではないので、ケースバイケース、シチュエーションに応じて使い分けていきましょう。
クロージングトークのコツ
商談では必ずクロージングという局面がやってきます。
そのやり方が分からない営業パーソンは多いみたいですが、そんなに難しい話ではないのでここで解説しておきたいと思います。
クロージングの目的とは、商談を締めくくることです。
前述したとおり、商談にはそれぞれ目的(ゴール)があります。
そこに着地するためクロージングを実施するのですが、そのやり方を間違ってしまうと想定どおりの着地ができないので十分注意しましょう。
そういった意味では、商談で最も集中すべき瞬間がクロージングということになります。
テストクロージングを活用する
もし弱腰のお客様だった場合、「ここで決めてください!」と強気のセールスをするのも一つの方法だと思います。
しかしほとんどのお客様はプレッシャーを与えられるのにストレスを感じるので、テストクロージングを試みた方が良いと思います。
テストクロージングの営業トークは下のようになります。
このように「もし仮に…」という伝え方をするのがテストクロージングです。
テストクロージングするメリットは、お客様が契約後をイメージできる(=疑似購入)ことです。
それによって未来の自分が想像できれば、契約手続きを進めるためのきっかけになり得るのです。
また、本クロージングほどのプレッシャーを与えないということもメリットです。
テストクロージングはあくまでもクロージングの一種ですが、それほど大きなプレッシャーを与えないので、お客様は検討しやすいという特徴があります。
なので、お客様の本音が分からない場合は、取り急ぎテストクロージングしてみることをお勧めします。
値引きを要求された場合はどうする?
お客様の中には、提示した金額ではなく、そこから値引きするように要求してくるケースがあります。
その場合には下のような営業トークで切り返しましょう。
このような営業トークをしても、まだ値引きを要求してくるのであれば、自分の裁量の範囲で値引き提示するのも良いと思います。
ただし、その時には必ず交換条件を提示してください。
ただ値引きするだけではなく、「○/○までにお振込みいただけるのであれば、その料金で構いません。」とか「契約期間を1年間に延長していただけるのであれば、その料金でも構いません。」という具合です。
このような交換条件を提示しておけば、こちら側にカードが1枚残された状態になるので、その後の交渉が有利に進むのです。
それでも顧客が納得せず、自分の裁量を超える範囲での値引きを要求してきた場合、それは一旦宿題として持ち帰った方が賢明でしょう。
その時の営業トークは下のようになります。
これだけ大きな値引きを要求してくるお客様の場合、ほとんどのケースで「もうこれ以上の値引きは無理だ」とお客様自身が判断しているケースが多いのです。
よって、会社に持ち帰るのはあくまでもパフォーマンスであり、本当に値引きしてくれることをお客様自身も期待していません。
なので、数日後に「申し訳ありませんが、あれ以上は値引きできませんでした…。この前提示した料金でお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」と連絡すれば問題なく受注に至ると思います。
この時お客様は「親身になって対応してくれる営業マンか?」というのを見定めているだけなので、本当に値引きできるかどうかは重要ではないのです。
一応勤めている会社(=上司)にも「値引きの要求をしました」と報告したいので、そのようなパフォーマンスになっている可能性も高いのです。
お断りされても諦めない
クロージングしたにも関わらず、お客様から断られてしまうことは多いですよね。
そんな時に「かしこまりました。それではまた今度…」と引き下がるのではなく、次回に繋がるような幕引きを心がけましょう。
その時に便利なキーワードが「ご縁」という言葉です。
日本は仏教文化の国ですし、人付き合いを大切にする国民性があるので、「ご縁」と聞くとこれから先の関係性を意識してしまうのです。
せっかくのご縁なので、いつかお客様のお役に立てるようなご提案ができるように心掛けましょう。
まとめ
ここまで営業パーソンが知っておくべきセールストークをご紹介してきました。
ここで紹介した営業トークは、全て理解しておくべき知識ばかりです。
これ以外にも営業現場では様々なやり取りが行われますので、日々営業スキルをアップデートしなければいけません。
なので、色々な「営業名著」と呼ばれている本を読んでみてください。
そして、営業現場で起こり得るクレーム対応についても知識を深めておきましょう。
きちんとしたクレーム対応ができることは、トップセールスとして必要不可欠な要素の一つです。
営業経験が浅い人はクレーマーを怖がる傾向がありますが、ポイントを押さえればクレーム対応など怖いものではありません。
もしクレーム対応に苦手意識を感じているのであれば、下の記事もご覧ください。