自爆営業は営業マンの地獄!回避方法と違法性について徹底解説

ある特定の業種・業態では、「自爆営業」という事象が問題になっています。

これは様々な理由で起こるのですが、自爆営業は決して好ましいことではありません。

現代はコンプライアンスがとても厳しい時代なので、自爆営業が減少していく傾向にあると思いますが、一昔前までは日常的に行われていたそうです。

この記事では「自爆営業」について取り上げますが、ここで語られることは都市伝説的な昔話の場合もあるので、その点については予めご了承ください。

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そもそも「自爆営業」の意味とは?

自爆営業とは企業勤めの営業マンが、本来ならばお客様に販売するはずの商品を自己負担で購入することを言います。

本来であれば、売れ残った在庫製品を自己負担で購入することはありませんが、不動産バブルの崩壊により不景気な世の中になってから、営業マンに対する流れが変わってしまったのです。

不景気な世の中になると、会社の売り上げが伸びないので、会社の資金繰りも苦しくなります。

その責任を現場の営業職に押し付けようとする動きが強くなった結果、会社の上司が「自爆営業をするように!」と促したり、営業成績を上げるため営業マン自らが自爆営業する動きが広まってしまったのです。

営業マンは、自らの営業成績(ノルマ)を伸ばすために身銭を切ることになりますが、これが自爆行為に似ているため、現代では「自爆営業」と呼ばれています。

誰が自爆営業をするの?

自爆営業は、会社員として雇われている営業マンがする行為です。

これだけ聞くと、Z世代などの若い人は「何でメリットないのに自爆営業するの?」と疑問になりますよね。

しかし最近では、正社員以外でも自爆営業をしなければいけない風潮が強くなり、パートやアルバイトでも自爆営業が行われているのです。

例えば、コンビニエンスストアのアルバイトがクリスマスケーキを売らなければいけない場合、ノルマを課されることがあります。

そのケーキが売れ残ってしまった場合、課されたノルマを達成させる為にアルバイト達が自腹を切ってクリスマスケーキを購入するという話を聞いたことがあります。

このように、近年では正社員に限らず派遣社員やアルバイト、そしてパートタイマーで働いている人達まで自爆営業をしているそうです。

様々な業界で自爆営業が頻発していることから、この問題は社会全体の問題にまで発展していました。

自爆営業はなぜ起こる?

自爆営業が社会問題になっていることは解説した通りですが、そもそも自爆営業が起こる理由とは一体何なのでしょうか?

その理由の一つは、とても厳しいノルマにあります。

例えば、郵便局員がお年玉付き年賀はがき1,000枚を売らなければいけないとします。

ですが、周りにお客様や知り合いが少なく、飛び込み営業などを仕掛けても購入してくれる人が少なかった場合、1,000枚どころか100枚程度しか売れないこともあります。

自分で使う分や自分の家族で使う分などを含めても100枚程度しかさばけないとすれば、残りの900枚分に関してはノルマ未達成になってしまいます。

しかし会社の上司にそれを相談しても、「ノルマ達成するまで絶対に帰って来るな!」など叱咤されるだけでしょう

そうすると、ノルマを達成する為に、最終的には残りの900枚を自腹で購入する人も出てくるのです。

せっかくもらったボーナスも、そのボーナスの大半をノルマ達成のために使うのでは全く意味がありませんよね。

他にも、売れ残った在庫を全て自分で購入するのではなく、顧客に格安で売却するパターンもあります。

例えば、販売価格が60円の商品を売る場合、これを40円で売却します。

当然定価より20円安くなりますが、その20円分を自分で負担するような方法を編み出す人も出てきたのです。

このようなやり方も自爆営業の一種なのですが、確かにすべてを自分で購入するよりも金銭的な負担は減りますよね。

しかしそれが根本的な問題解決に至ったわけではありません。

最近ではJA職員の自爆営業も話題になりました。

JAの共済事業で職員の不適切な「自腹契約」が相次いでいる問題を巡り、農林水産省は7日に監督を強化する方針を打ち出した。現場の職員の間には「ようやく国が動いた」との期待の一方、「形だけに終わるのではないか」との懐疑的な見方もある。自腹契約の背景にある厳しい営業ノルマは顧客に対する不正営業にもつながっている。識者は「今回の改正で、金融事業に過度に依存するJAの体質まで改善できるのか注目したい」と話す。職員は「地道な営業では間に合わないので、自腹契約をするか、無理を言ってでもなじみの顧客に追加で加入をお願いするしかない。自腹契約をなくすだけではなく、目標自体を適正な水準に見直してほしい」と訴えた。

2022/12/9 西日本新聞より一部抜粋

ノルマ達成のためには毎年、自身や家族が加入するしかないという現場がまだまだ多いのです。

自爆営業は借金と同じ

自爆営業をすることになった場合、自分のポケットマネーを使うことになるので金銭的な負担はとても大きくなるはずです。

その金額を支払うためにサラ金などから借金をするような人もいて、まるで自転車操業のような自爆営業になるケースもあります。

たまたま一回だけ借金をしたならば返済できる可能性は高いですが、これを毎月のように何度も繰り返してしまうと借金が返せない状態にもなります。

最悪のパターンでは、借金地獄から抜け出せなくなってしまうパターンもあり得るでしょう。

営業マン個人としては、かなり厳しい資金繰りを強いられることになるので、それを原因として更なる不正(横領など)が発生してしまう可能性もあるのです。

横領や自己破産する可能性もある

元々営業職として会社に入社した目的の一つは、お金を稼ぐことだったはずです。

お金を稼いでそれを生活費等に充てるはずが、いつの間にか自爆営業を強いられた結果、生活費を稼ぐどころか借金が増えてしまうとすれば本末転倒ですよね。

借金の返済ができなくなれば、会社のお金を横領したり、自己破産しなければ助からないこともあります。

実は郵政公社が民営化してから、郵便局員が未使用の切手を勝手に転売して、そのお金を横領していた事例がたくさん表に出てきました。

しかも一人、二人という単位ではなくて、かなり大人数、かつ組織的に行われていたので、もはや社内の文化(カルチャー)になっていたのだと思います。

数億円規模で横領している人もたくさんいたので、どうやらこの文化はかなり昔からあったのでしょう。

そしてこれはあくまでも個人的な推測なのですが、その背景には自爆営業も原因の一端としてあったのではないかと考えています。

つまり、年賀はがきを自分で購入するための資金がないので、その資金を捻出するために未使用の切手を転売する、という構図です。

もしこれが原因の一旦なのであれば、組織構造そのものに問題があると言わざる負えません。

長期的に借金の返済が滞れば、自己破産が決定し、家や車をはじめとする私物が差し押さえられるだけでなく、信用情報にまで傷がついてしまいます。

その段階までいくと人生が大きく狂ってしまうので、それを回避するために横領などの犯罪に手を染めてしまうのです。

自爆営業はいづれバレる

自爆営業をする人の中には、上司から暗示されて仕方なく手を染めるケースもありますが、自分の意志で行う人も少なくありません。

会社の上司としても、自爆営業させることは道徳的に良くないことを理解しているので、「ノルマ達成できないなら自分で購入しろ!」と直接的に言うことはしません。

もし営業マンがそのようなことを上司から言われた場合には、直ちにコンプライアンス違反として会社に訴えましょう。

ですが、そこまで命令されなかった場合には、最終的に自爆営業をするかどうかは営業マンの判断になります。

会社側としては自主的に自爆営業してもらいたいので、「どんな手を使ってでも必ずノルマ達成しろ!」と遠回しな言い方をしてきます。

このプレッシャーに耐えられずに、自主的に自爆営業が行われているのです。

自爆営業をしている最初のうちは会社にバレませんが、もちろん時間の問題で会社にバレることでしょう。

会社組織というのはとても身勝手なので、自爆営業を示唆する割に、自爆営業していることが明らかになった営業マンを守ることは決してしません。

会社にばれた場合には、厳重注意を受けるか、場合によっては退職を促されることでしょう。

少なくとも社内評価は確実にマイナス点になるはずです。

自爆営業を回避する方法

自爆営業を避けるための方法はたった一つしかありません。

それは自分自身の販売スキルやノウハウを上げることです。

思考が後ろ向きだと忘れられがちですが、すごくシンプルに考えてしまえば、自爆営業を避けるためには『単にノルマを達成すれば良い』だけなのです。

それではノルマ達成するためにはどうすればいいのでしょうか?

その答えは決して単純ではなく、様々な要素が関係してきます。

ここで語り尽くすのはとても大変なので、ノルマ達成するコツについては下の記事をご覧ください。

営業マンの中には生まれつき天才的なスキルを持っている人もいますが、必ずしも才能のある人ばかりが良い成績を出しているわけではありません。

実は努力したり、コツコツ勉強すればするほど営業スキルは高まる傾向にあります。

なので、まずは本を読むことから始めてみてください。

営業に関する本はたくさん出版されていますが、「その本のノウハウやコツを鵜呑みにしろ!」というわけではありません。

営業スタイルというのは人それぞれなので、トップセールスのやり方を真似すれば、自分も必ずトップセールスになれるというロジックは存在しないのです。

つまり人それぞれに、最適な営業スタイル(=やり方)があるということです。

それを探し出すことがトップセールスへの近道なのですが、色々な人の意見を参考にしながら模索していけば最短距離を突き抜けることができるかもしれません。

なので、色々な業種業態のトップセールスが書いた本を読んでみてください。

そして、そこで得た知識やノウハウを実践に活かしてみましょう。

そうすればたくさん失敗するはずなので、多くの気付きがあるはずです。

この失敗をたくさん積み重ねることが、自分自身の営業スタイルを確立することに繋がっていきます。

つまり、自分に合う営業スタイルを決め打ちするのではなく、自分に合わない営業スタイルを実践形式で潰していくイメージです。

発明王のエジソンは、失敗することについて「私は一度も失敗したことがない、成功しないやり方を見つけただけだ」と発言しています。

感覚的にはこれと一緒で、「どのスタイルが自分に合わないのか?」を潰していくことで、自然とオリジナルの営業スタイルが確立できていくわけです。

自爆営業は違法?

これまで自爆営業をした経験がある人、もしくはこれから自爆営業をしようとしている人が最低限理解しておくべきことは、そもそも自爆営業自体に「違法性があるor否か」ということです。

まず、会社が売り上げを伸ばすためにノルマを課すこと自体に違法性はありませんので、厳しめのノルマが設定されたとしてもそれ自体に違法性はありません。

しかし、会社が自爆営業を強要して営業マンに商品の全部ないしは一部を購入させたとしたら、その会社の行為は法律違反に該当する可能性が高いです。

法律では「賃金全額支払いの原則」を定めている労働基準法24条1項がありますので、その原則に抵触する可能性があるということです。

そして最新の動向としては、自爆営業を「パワハラ」として認識し、厚生労働省が各企業に対して対策促すような事態に発展しています。

記事のURL:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6520639

つまり方向性としては『自爆営業を法律で規制する流れ』だと思うので、遅かれ早かれ自爆営業はなくなっていくことでしょう。

ケースバイケースで処理される

一方で、会社の命令ではなく会社員が自分の営業成績を上げるために行った場合はどうなるのでしょうか?

この場合は従業員が自ら購入したとみなされるので、法律違反に該当するケースは少ないでしょう。

また、会社の責任はどうかと言えば、会社が命令したわけではないので、責任はないと考えるべきです。

ただし、「本当に自分の意思で自爆営業したのか?」ということは論点になるはずです。

会社としては自爆営業を「完全禁止」にする方が無用なトラブルが無くなるので安全だと思います。

自爆営業が大きな問題になった事例の一つに、郵便局の営業マンが売れ残った年賀はがきを自腹で購入したというものがあります。

中には借金をして購入した人もいたそうです。

この問題に関しては、一時国会で討論されるほどにまで問題が大きくなり、法律に違反するのではないかとの意見も多く見受けられました。

どちらにしても自爆営業が正しい営業スタイルということはあり得ませんので、トップセールスを目指すのであれば絶対避けるようにしましょう。

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