
営業現場で「言ってはいけない言葉」や「してはいけないこと」があります。
基本的なビジネスマナーであれば別ですが、そのようなNG行為を会社(上司や先輩など)が教えてくれることは意外と少ないので、ここでまとめておきたいと思います。
新入社員や現役の営業パーソンは是非ご覧ください。
目次
営業のNG行為まとめ
ここから具体的なNG行為を解説していきたいと思います。
もしやっていることがあれば、すぐに今日から改善していきましょう。
ネガティブ思考になるのはNG
押し売り型の営業スタイルを実践している場合、「売れないかもしれない…」とネガティブになることがあります。
しかしそれは絶対にやめましょう。
人間はマインドセットできる生き物なので、あらかじめ「無理かもしれない」と思うと、表情や声色にそれが出てしまうのです。
自信のない営業マンを見ると、お客様は不安になって、結果的に「購入しない」という選択をします。
これでは成果が出ないのも当たり前ですよね。
営業職の心構えはポジティブシンキングが原則です。
何事も前向きに捉えるようにしましょう。
余計なプライドを持つのはNG
若い頃は自分に自信がないので、逆にプライドの高い人が多い気がします。
しかしそれは決して良いことではありません。
プライドなんて持っていても、結局なんの役にも立たないのです。
とりあえず今あるプライドを全部捨てて、トップセールスの真似をするところから始めてみましょう。
仕事は教えられるものではなく、自ら学びにいく姿勢が大切です。
優秀な人の真似をしながら、自分なりの営業スタイルを探してみてください。
脳筋で行動するのはNG
昔の営業スタイルは「気合と根性」で成り立っていました。
とにかくがむしゃらにやれば、自ずと結果がついてきたのです。
しかし現代は高度経済成長期ではないので、きちんと戦略を考えなければ結果がついてきません。
教えられたことをそのまま実践したり、効果が出ないことを毎日繰り返すのはやめましょう。
「どうすれば商談できるか?」「どうすれば受注できるか?」を自分の頭で真剣に考えるのです。
体育会系の脳筋営業スタイルではなく、きちんと勝つための戦略を立てましょう。
御用聞き営業をするのはNG
御用聞き営業とは、お客様のご機嫌取りをするような営業スタイルのことを言います。
基本的にはお客様から言われた通りに動くだけなので、難しく考える必要がありません。
このような営業スタイルの人は、「お客様から嫌われたくない」とか「お客様の要望を実現したい」と思っているのかもしれませんが、それは営業の本質からズレています。
つまりサービスの一環としてやっていることは、逆効果でしかないのです。
営業とは本来、お客様に対してソリューションを提供する行為です。
それと真逆のことが「御用聞き営業」なのだと理解しておきましょう。
悪口や陰口、取引情報を言うのはNG
これは営業パーソンとして致命的な行為です。
お客様から「●●(提供しているサービスの競合)ってどうなの?」という質問をされることは多いですよね。
どのような製品サービスであっても、きっと競合他社がいるはずです。
製品サービスを検討する場合、お客様は相見積もりをしたり比較するので、競合他社についてもある程度知っているはずです。
そんな時、競合他社のことを悪く伝えておけば「もしかしたら受注できるかもしれない…」と安易に考える人が出てきます。
しかしそれは結果的に逆効果となります。
もし営業マンが「●●はあまり評判良くありません」と言った場合、お客様には不信感が募るのです。
なぜかと言うと、自分の知らないところで取引情報を漏らされたり、自分の会社のことを悪く言う可能性がある人だと判断するからです。
なので、もしお客様から「●●(競合他社)ってどうなの?」という質問をされた場合、自分の主観を入れず、知っている事実だけを客観的に伝えましょう。
そして「もしご予算に余裕があれば、弊社と●●を両方とも利用してみてください。」と伝えましょう。
そうすると「●●のサービスよりも自信があるのか?」とお客様は勘違いしてくれます。
不利な情報を隠すのはNG
販売する製品サービスをお客様に買ってもらう為には、出来る限りポジティブな情報だけを与えたいですよね。
どれだけ素晴らしい商品かプレゼントすることで、お客様は魅力を感じてくれます。
そんな時、「製品サービスのウィークポイント(弱点)を隠すべきなのか?」という疑問が湧くかもしれません。
しかしそれはやめたほうが無難だと思います。
例えあなたがお客様にウィークポイントを隠したところで、競合他社からその話を聞いたり、知り合いから情報が流れてくるかもしれません。
そこで初めてお客様が知った場合、その事実を伝えてくれなかった営業マンに対する不信感はとんでもなく大きいものになります。
そうなるくらいなら、最初から自分たちに不利な情報でも伝えておくべきなのです。
ただし、その情報をバカ真面目&ストレートに伝える必要はありません。
これは営業テクニックの話ですが、もしウィークポイントをお客様に伝える場合「ネガティブ⇒ポジティブ」という順番で伝えるようにしましょう。
例えば以下のようなイメージです。
弊社製品は最後発なので、業界シェアはまだ1%しかありません。(⇒ネガティブ情報)
しかし、先発した競合他社の製品サービスを分析できたので、それを上回るような製品に仕上げることができました。(⇒ポジティブ情報)
ネガティブ情報である「弊社製品は最後発なので、業界シェアはまだ1%しかありません。」というのだけを伝えると、お客様は不安になってしまいます。
しかし、それを補うだけのポジティブ情報を一緒に伝えておけば、ネガティブ情報はかき消されるのです。
お客様を褒めないのはNG
「お世辞は嫌いだ」という人がいるかもしれませんが、本心では「まんざらでもない」というのが人間の常なのです。
- スタイルいいですね
- 頭いいですね
- 良いセンスですね
話の流れでこのように褒められた場合、嫌な気分になる人など皆無でしょう。
なので、たとえあからさまであっても、営業パーソンはどんどんお世辞を言うべきなのです。
お世辞など単なる社交辞令でしかありません。
久しぶりに会った取引先に対して「ご無沙汰しております。事業が順調そうで何よりです。」と言いますよね。
決して「ご無沙汰しております。ビジネスが上手くいってない様子ですが大丈夫ですか。」なんて言いませんよね。
その会社の業績が良い悪いなんて知りませんが、これもコミュニケーションの一種なのです。
なので、あまり深く考えずにお世辞を言うべきだと思います。
しかしここで注意すべきことは、お金に関する話題に触れないということです。
例えば、「黒色の4ドアセダンのベンツ」に乗っている社長だった場合、その車の褒め方は以下のようなやり方となります。
- やっぱり黒は高級感があっていいですよね
- 車は4ドアが一番使いやすいですよね
- 社長の車選びはセンスが良いですね
それに対してNGな褒め方は以下のようなやり方です。
- 高そうな車ですね
- 高級感があっていいですね、やっぱりお高いんでしょう
- 高級車はベンツに限りますね
このようにお金に絡めた話をされると、「センスは二の次」という感覚になるので、あまり印象が良くありません。
そうではなく、お客様のセンスを褒めるべきなのです。
絵画であれば「色使いが素敵な絵ですね」となり、一戸建てであれば「こだわりが感じられる室内ですね」と褒めるのです。
お客様は気分が良くなれば、財布の紐も緩くなります。
営業パーソンは理解しておきましょう。
製品サービスの悪口を言うのはNG
営業パーソンは、自分が販売する製品サービスに惚れ込むべきだと思います。
ましてや自分が売る商品の悪口など言ってはいけません。
そもそも、100%完璧で欠点のない製品サービスなど世の中には存在しないのです。
それも含めて全てお客様に伝えて、顧客の合格ラインまで引き上げるのが営業パーソンの務めです。
商品サービスは「営業マンの腕次第でその価値が上下するのだ」と理解しておきましょう。
「検討します」を素直に受け入れるのはNG
お客様はよく「検討します」と言います。
実戦経験の浅い営業パーソンは「かしこまりました。それではご検討よろしくお願いします」と言って引き下がりますが、そのやり方はNG行為です。
そもそも「何について検討するのか?」を聞いていないからです。
お客様はただ決断するのを先送りしたいだけなのかもしれません。
決断するのは頭を使う(=ストレスがかかる)ので、できるだけ先送りしたいというのが人の常だと思います。
しかしそれでは顧客の課題が一向に解決されないので、お客様にとって良くない状況が続いてしまいます。
そのような使命感を持てば、必然的に「どの辺りを検討されますか?」という質問が出てくるはずです。
もし断られる場合でも、だらだらと長引くよりはマシですよね。
無駄な対応コストが減るのはもちろん、「まだ見込顧客がいる」という下手な安心感を持たずに済むからです。
どうせ断られるなら、早い方がいいでしょう。
営業方法を工夫しないのはNG
なぜか分かりませんが、できない営業マンほど直球ストレート勝負をしたがります。
つまりお客様に対して押し売り営業をするのです。
そうではなく変化球を活用しましょう。
経営者にアプローチする場合、テレアポ営業がダメなら飛び込み営業したり、自宅に訪問してみるのも良いでしょう。
社長の出社時間を社員に聞いてみて、出社待ちするのも効果的だと思います。
DMを郵送してみたり、知人・友人などの人脈を活用するやり方もあります。
そのやり方は業種・業態によって変わりますが、とにかく言いたいことは「攻略方法はたくさんある」ということです。
馬鹿の一つ覚えみたいな営業活動はやめましょう。
「決裁権」を意識しないのはNG
個人営業でも法人営業でも「決裁権者」と呼ばれる人がいます。
例えば決裁権者が旦那様で、そのお宅に個人向けの学習教材を販売する場合、奥様と何回商談しても意味がありません。
正確に言うと意味はあるのですが、2回以上奥様と商談するのは意味がないでしょう。
そうではなく、決裁権者である旦那様と相談しなければいけないのです。
法人営業も同じです。
相手が「総務部長」という肩書きであっても、決裁権を持っていない可能性がゼロではありません。
その上の取締役や社長が決裁権を持っているというケースもあるのです。
法人企業の場合にはその辺りが複雑なので、もし分からなければ「導入にあたっては誰とご相談されますか?」と遠回しに決裁権者を聞くのが良いでしょう。
自分一人だけで営業するのはNG
営業活動は「労働集約型」なので、自分がテレアポしたり訪問する件数に応じて実績が上がってきます。
なので、とにかく稼働時間を増やそうと頑張る人を見かけますが、それには限界があるのです。
そうではなくて、もっと頭を使いましょう。
できないダメ営業マンほど自分一人で頑張ろうとしますが、「多馬力」という視点を持つことが大切です。
自分のように動いてくれる分身が何人もいれば、必然的に稼働時間を増やさず売上実績だけを上げられますよね。
そのやり方はブログを使ったり、SNSを活用したり、リファラル営業したり、代理店を活用することだと思います。
やり方はたくさんあるので、自分に合った営業スタイルを確立しましょう。
真面目すぎるのはNG
- お客様に断られた
- テレコールでアポイントが取れなかった
- プレゼンに失敗した
これらはよくある話ですが、たった一度の失敗で落ち込んでしまう営業パーソンがいます。
しかしよく考えてみると、営業活動なんて基本的に失敗するのが当たり前なのです。
むしろ成功する確率の方が少ないので、いちいち落ち込む必要などありません。
真面目で誠実なのは良いことですが、営業活動に限っては楽観的になった方が良いと思います。
サラリーマン根性でいるのはNG
良くも悪くも、営業という仕事は自分の実力次第です。
月初にノルマ達成することもできれば、ノルマ未達成という人もいるのです。
それであれば、自分の工夫次第でいくらでも能力と実績が伸ばせるということになります。
なので、きちんと自己投資していきましょう。
休日は異業種交流会に参加して人脈を増やしたり、読書をすることも大切です。
プライベートではお客様とゴルフに行くのも良いでしょう。
「仕事は仕事、プライベートはプライベート」というサラリーマン根性だから、結果が出せないのです。
営業という仕事に限っては「当事者意識を持った人」だけがトップセールスになれるのです。
まとめ
ここまで営業職のNG行為をまとめてみました。
かなりマッチョな話もありましたが、それも含めて営業活動の真理だと思っています。
営業活動は相対的なので、周りが努力した分だけ、努力しなかった自分は落ち込むことになります。
なので、人よりも違った視点を持ったり、工夫をしたり、人よりも努力する必要があるのです。
名刺交換のやり方やテレアポの仕方など、基本的なことは会社が教えてくれますが、それ以上のことは自ら学ぶしかありません。
ここでお伝えした情報は、営業活動において非常に重要な心構えだと思うので、営業職の人はきちんと理解しておきましょう。