
営業パーソンなら「紹介営業」を知っていますよね?
紹介営業という仕組みが機能すれば、新規開拓営業が捗るので誰でも実践したいと思っているはずです。
しかし、紹介営業を上手く実践できいる人はほとんどいません。
そこで今回は、紹介営業する上でのコツや、紹介営業の極意について解説していきたいと思います。
これを実践できればトップセールスになれるはずなので、ぜひ最後までご覧ください。
紹介営業の意味とは?
この記事を読んでいる方は、ほとんどが営業職だと思いますが、そうでない人もいると思うので、まずは「紹介営業」の定義について触れておきたいと思います。
紹介営業とは、知り合いや取引先から、新規顧客になり得る見込顧客を紹介してもらう営業手法のことを言います。
昨今では「リファラル営業」という名称で呼ばれることもあり、徐々にそのネーミングの認知も広がってきています。
このようなやり方を営業マンが選択する理由とは、新規開拓営業がとても難しいからです。
例えば、あなたがBtoBの法人向け商材を扱っていた場合、まず企業の決裁担当者と商談しなければいけませんよね。
しかし、その担当者を探し出す作業は容易でなく、テレアポをしたり、飛び込み営業をしながら暗中模索しています。
そんな中、ラッキーなことに決裁担当者と出会えた場合、ようやく商談することができますが、お互い初対面なので会話が弾まなかったり、不審がられて失注することを繰り返しているのが営業現場なのです。
このような効率の悪い、不合理な営業活動が当たり前のように行われているのです。
そんな状況を改善するために紹介営業は活用されています。
紹介営業の場合には「紹介者」が間に入ってくれるので、見込み顧客との会話も弾みやすく、相手の警戒心も多少なりとも薄らいでいるはずです。
なぜかと言うと、共通の知人である「紹介者」のメンツを守らなければいけないので、お互い無下な対応ができないのです。
なので紹介営業の場合には、一般的な新規開拓営業よりも受注率が高いと言われています。
この営業スタイルは古くからトップセールスマンが好んで使っているやり方だと言われています。
顧客紹介する人の心理
取引先などから見込客がたくさん紹介されれば、これほどラクな新規開拓営業はありません。
なので、営業パーソンであれば誰でも「見込み客を紹介して欲しい!」と思っているはずです。
それを実現するためには、紹介者の心理(気持ち)を考えなければいけません。
紹介営業の場合には、
- あなた
- 紹介者
- 見込み顧客
の3者が登場します。
あなたはもちろんセールスをしたいので、紹介者に「見込み顧客を紹介してほしい!」と依頼するはずです。
そのためにはキックバックを提示したり、紹介報酬を設定すると思います。
つまり紹介された見込み顧客が受注に至れば、数%のマージンを謝礼として紹介者に支払うのです。
それをメリットに感じてもらって、知人・友人などを紹介してもらおうとしますよね?
しかしそのアプローチ方法は本質的に間違っています。
一番重視すべきことは「お客様の課題が解決できるか?」ということです。
つまり紹介者は見込み顧客にあなたのことを口コミすることになりますが、その時に「どんな課題が解決できる人なのか?」ということが伝えられないと、見込み顧客はあなたに興味を持ってくれません。
なので、紹介者に伝えるべきことは「自分はどんな課題を解決できるのか?」ということなのです。
紹介報酬の有無は二の次で構いませんし、そんなもの無くても構いません。
あくまでも紹介者の立場になって物事を考えるようにしましょう。
紹介を得るにはどうする?
紹介営業を成功させるためには、そのやり方を考えなければいけません。
紹介営業を成功させるための秘訣とは「人脈と販路の一致」です。
例えばあなたが自動車ディーラーだった場合、見込み顧客となり得るのは「自動車の購入を検討している人」だと思います。
そのような人を紹介して欲しい場合、紹介者に依頼することになりますが、そもそも簡単に紹介を受けられるようであれば誰も苦労はしません。
もし見込み客の紹介を受けたいなら、まずは販路の一致している紹介者を探さなければいけません。
つまり「自動車の購入を検討している人」と繋がりのある人を探すのです。
例えば以下のような人達が思い浮かびます。
- 子育て中のママ
- 保険の営業マン
- 板金塗装業者
自動車には「ファミリーカー」という分類があります。
それを購入するペルソナは子育て世代です。
なので、周りは子育て世代だらけのママが紹介者になれば、きっと周りのママ友に声をかけてくれるはずです。
その中から一定数「自動車の購入を検討している」という人が出てくるはずです。
そして保険の営業マンも相性の良いパートナーだと言えます。
保険の営業マンはファイナンシャルプランナーとしての役割もあるので、お客様の財務状況を把握しているはずです。
ということは、必然的にマイカーの購入時期がわかるので、そのタイミングで声掛けしてもらえば高い確率で受注に至るはずです。
このように、あなたがアプローチしたい顧客層を持っている人(=紹介者)と組むことが成功への近道なのです。

お客様から紹介をもらうコツ
お客様から紹介をもらうことは決して簡単ではありませんが、営業マンが紹介をもらうためにはコツがあります。
それは「顧客から信頼されていること」です。
「お客様(=既存顧客)」という相手の場合、きっとあなたの商材を利用している。又はしていたはずです。
なので、利用している商材が「とても良い!」という前提さえあれば、まずは「製品サービスが信頼されている」という一つ目のハードルクリアとなります。
そして二つ目のハードルは「営業マン自身を信頼している」ということです。
自分が信頼している営業マンだからこそ、知り合いに紹介したい…
そんな気持ちが沸き上がるはずです。
例えば、会社の近くにあるラーメン屋さんでランチを食べたとします。
そのラーメンが驚くほど美味しくて、接客も良かった場合、会社の同僚に口コミしたくなりますよね?
ロジックはこれと同じなのです。
とはいえ、お客様が勝手に見込み顧客を紹介してくれるような、都合の良いシチュエーションは起こりにくいと思います。
なので「もしよければ、お取引先を紹介してもらえませんか?」と一言掛けることも重要です。
これをやるのとやらないとでは「紹介してもらえる確率」が変わりますが、声掛けの仕方には注意しましょう。
実は「お取引先を紹介してもらえませんか?」と声掛けすると、高い確率で紹介が起こらないのです。
実際に見込客を紹介してもらうためには、もっと具体的に提示しなければいけません。
例えばあなたが友人に「誰か可愛い子を紹介してよ」と言ったとします。
このように声掛けするのと、「この前写真で見た●●って子を紹介してよ」と声掛けするのでは、紹介者の動き方が違ってきます。
後者のような具体的な指示を出した方が紹介者は動きやすいので、恐らくすぐに声掛けしてくれることでしょう。
逆に前者のような聞き方だと、「了解、探してみるよ」と言ってはぐらかされる可能性があります。
ビジネスもこれと一緒なので、できるだけ具体的な紹介依頼を出すようにしましょう。
顧客紹介サービスがある
ここまで読んだ人は「ぜひ紹介営業を実践してみたい!」と思ったはずです。
しかし、肝心要の「紹介者」はどうやって集めれば良いのでしょうか?
人脈やネットワークを活用して地道に探すのも悪くありませんが、現代では顧客紹介サービスというものが存在しています。
代表的なサービスは「顧問サービス」です。
人脈の広い営業顧問を雇って、その人に顧客紹介を依頼するのです。
営業顧問を活用するには、月額30万円から50万円ほどのコスト(顧問料)が掛かるので、中小企業が活用するのは難しいかもしれません。
そんな時にはリファラル営業サイトを使ってみましょう。
リファラル営業サイトには全国のセールスパーソンが会員として登録されていて、その人達の人脈販路を紹介してもらうことができます。
無料(0円)で使える仕組みもあるようなので、もし良ければ一度問い合わせしてみてください。
紹介こそ営業の極意
紹介営業を用いて新規顧客を紹介してもらえた場合、あなたの営業活動はワンランク上にいくはずです。
なぜかと言うと、自分一人で集客することができるからです。
一般的に見込み顧客を集めようとした場合、会社がマーケティング活動を行うはずです。
そして広告宣伝をした結果、集まった見込み顧客を営業マンに案件として割り振ります。
しかし紹介営業が仕組み化している営業パーソンは、会社に帰属せずとも自分一人で集客することができます。
これはとても大きな違いだと思います。
時間はかかると思いますが、年間一件でも顧客紹介をしてくれる人を10人集めた場合、ほぼ毎月見込み顧客の紹介が起こることになります。
その数が100人になれば、毎月10件の案件紹介が起こるのです。
毎月10件の顧客紹介が起これば、自分で新規開拓する必要なんてありませんよね。
勘の良い人はここで気づいたかもしれませんが、紹介営業の極意とは「自分の分身を作る」ということなのです。
新規開拓営業してくれる自分の分身を外部に100人作れば、あなたは既存顧客の対応とクロージングだけに専念できます。
トップセールスと呼ばれている多忙な人達が、「なんで新規開拓営業する時間があるのか?」と疑問に感じたことがあると思います。
この仕組みこそがトップセールスのロジックなのです。
営業パーソンは真面目な人が多いので、直球ストレート勝負で新規開拓営業をやっていることでしょう。
しかしそのような馬鹿真面目なやり方はお勧めしません。
自分一人で営業活動を担うことには限界があります。
もっと頭を使って、一番効率的な新規開拓営業を選択するべきなのです。
それこそが営業活動の醍醐味だと言えるでしょう。
