田中 角栄(たなか かくえい)は郵政大臣、通商産業大臣などを歴任し、史上最年少での大蔵大臣就任、その後に内閣総理大臣などの重役を歴任した政治家です。
数々の偉業を成し遂げた「昭和の代表格」と言える人ですよね。
学歴は低いものの、実業家(田中土建工業)で成功した資金力と、ずば抜けた地頭、徹底してやり抜く実行力から「政界のブルドーザー」「コンピュータ付きブルドーザー」「闇将軍」という異名を持っていました。
政権争奪時に掲げた「日本列島改造論」による日本列島改造ブームは一世を風靡しましたよね。
そのような偉大な政治家だからこそ、たくさんの名言があるんです。
なので、田中角栄が残した短い言葉を厳選してまとめました。
その中でも「記憶にございません」は特に有名なフレーズですよね。
田中角栄の言葉は、仕事で使えたり、座右の銘にできるような言葉ばかりなので、ぜひチェックして下さい。
政治家「田中角栄」の言葉一覧
おれは子供の頃、おふくろの寝顔を見たことがなかった。
俺は夜、目を覚まして手洗いに行くと、母はいつも何か仕事をしていた。
「お母さんは一体いつ寝るのだろう?」と不思議だった。
田中角栄は「フメ」という母親がいましたが、実家はとても貧しく、幼少期は大変苦労したそうです。
そのような母の背中を見て育った角栄は、母からこう言われたそうです。
「世の中には働いてから休む人と、休んでから働く人がいる。お前は働いてから休む人になりなさい。」
この言葉が角栄の原動力となり、座右の銘として心に刻まれたそうです。
勝負は最後まで捨てるな。
田中角栄は趣味のゴルフでも負けることを許さなかったそうです。
そのような性格が政治でも発揮されたのでしょう。
本当に病気をしてみなければ病気の苦しみがわからないように、本当に貧乏しなければ貧乏の苦しみは分からない。
勤労しない人がどうして勤労の価値を評価することができるでしょうか。
幼い頃に貧乏を経験して、成人してからは自ら事業を興して成功した「田中角栄ならではの言葉」だと思います。
私はわからず屋ではない。
信頼して肚をぶち割って話してもらえばいいんだ。
私はそういう男だ。
田中角栄は人から誤解されやすい性格だったそうです。
しかし「とにかく私は直接接してもらえれば、どんな人間か必ずわかってもらえると思っている。」という確信を持っていたそうです。
勝つためには、まず己を知る必要があるのです。
勉強もしないで政治家は務まらんぞ。
どんな仕事でも同じですが、知識は武器となります。
特に政治家という職業は「立法」が仕事なので、膨大な法律知識が要求されます。
官僚と同等レベルの知識を身につけた上で、トップエリートと言われている官僚を使いこなさなければいけないのです。
経営者(管理職含む)もこれと同じだと思います。
部下よりも猛烈な努力をして、部下よりも博識でなければ組織は動かせないのです。
悠然と構えて何もしない人より、ガサガサしながら仕事をしている人の方が、案外家庭的で、実績を残しているんですよ。
田中角栄は、仕事をすれば批判が出たり、反対意見が出て当然と考えていました。
特に政治家という仕事は、国民全員に対してプラスとなる施策をするのが難しい仕事だと思います。
どんな反対があったとしても、強い信念で実現したのです。
用件は便箋一枚に書け。
初めに結論だ。
理由は二つ、三つ箇条書きにせよ。
この世に三つでまとめきれない大事はない。
とにかく忙しくて時間が足りないだけかもしれませんが、田中角栄は「即断即決の人」だったと言われています。
物事を合理的に短くまとめて話すことを好んだそうです。
自動車が走るには道路がいる。
道路を舗装するには金がかかる。
それなら自動車を走らせるガソリンに税金をかければいい。
道路が良くなれば自動車の利用は増えて、ガソリン使用量も増えるはずだ。
これは田中角栄が実現した「ガソリン税法」を制定する際の言葉です。
この時、田中角栄はまだ35歳の若輩者でした。
その若さで立法なんて凄いですよね。
これから日本経済が成長していく確信を持っていたので、持ち前のガッツでそれを実現させたのです。
大事なのは数字と事実だけだ。
耳障りのいい形容詞に騙されるな。
嘘か本当か、調べればすぐ分かる。
世の中には自分を大きく見せるため、物事を大げさに表現する人がいます。
- タレントの●●とは友達⇒一度会っただけ
- あのプロジェクトは私が実現した⇒一部携わっただけ
- あの会社は共同創業した⇒創業者にアドバイスしただけ
そのような人に突っ込んだ話をすると、しどろもどろになり、きっと話を逸らすはずです。
本物と偽物を見分ける術を身につけましょう。
いいと思ったら実行する。
ダメだったら引き返せばいい。
色々考えてしまうと、人は行動できなくなります。
そんな時には直感を頼りにするのも良いでしょう。
ダメだったらやり直せばいいのです。
ライオンは、うさぎ一匹捕まえるのも全力で挑む。
これだな、人生の姿勢は。
力を出し惜しむと、失敗する可能性があります。
しかし、全力を尽くす必要のない勝負だったとしても、全力で立ち向かって損することはありません。
とにかく全力で取り組めば良いのです。
この医者は荒っぽいですよ。
足を切断しなきゃならない人には「今日お切りなさい」ときっぱり言う。
半端な治療をして、足を腐らせてしまうようなことはしない。
田中角栄が自分のことを医者に例えて放った言葉です。
さらに「この外科医はときには人殺しもしますよ。」という物騒な言葉も残しています。
無駄とわかったら、即廃止する行動力もあったのです。
「決断力が凄すぎる」と評価された田中角栄らしい言葉だと思います。
俺は今が一番力のある時だ。
厄介な事を片付けるのは今しかない。
後回しにして、力が弱まったらできない。
人間は面倒を後回しにしたがる性格の生き物です。
夏休みの宿題を後回しにする人が多いのはそのせいです。
- 資格取得の勉強をしよう
- 起業しよう
- 婚活しよう
どれも面倒なことですが、人生には期限があるので、早めに行動しなければ成功する確率が低くなってしまいます。
きみは大学を出て役所では局長までやった。
だから家も田舎では良いほうだ。
俺は大学を出ておらず、家も百姓だ。
地位もない。
だから俺はカネを作らなければ値打ちがない。
なんとなく「守銭奴」をイメージさせる言葉ですが、田中角栄の実態はそんなことありません。
自らは大臣交際費に手を付けないのに、次官以下が勝手に使うこと許したり、官僚が海外出張行く時にはポケットマネーを餞別として渡していたそうです。
そして大きな公共事業を次々と実現させ、日本全体にお金を循環させたのです。
偉くなるには大将の懐に入ることだ。
大将は権力そのものだ。
だから、その懐に入れば、あらゆる動きがすべて見える。
まるで戦国時代の武将のような言葉ですが、サラリーマンにとっては社内営業に使える名言でしょう。
大将の懐に入ると言っても、決してごますりをしたり、ご機嫌取りをするだけではありません。
情報収集したり、戦場の様子を把握する目的もあるのです。
学歴はあるに越したことはない。
しかし、学歴がないからと言って自分を卑下し、萎縮することは全くない。
有名な人で言えば「パナソニック創業者の松下幸之助」や「本田技研工業の創業者である本田宗一郎」も大学を出ていません。
「学歴があるから成功する」とか「学歴があるから出世する」という考えは偏っているように感じます。
実際に、最も多くの経営者を輩出している大学は東京大学でも慶応義塾大学でもなく、日本大学なのです。
結局一番重要なのは、勤勉であること、努力家であることなのです。
本田宗一郎の名言集は下の記事をご覧ください。
世界中を見回した場合、局地的な紛争は避けられない。
親や兄弟に反対されて、死ぬの生きるのと言って結婚した夫婦でも、10年経てば「こん畜生!」とつかみ合いの喧嘩をやる。
これは国際間の安全保障に関する考えを聞かれた時の言葉です。
田中角栄が言いたかったのは、トラブルは絶対に起こるので、それに対処する術を事前に考えておくべきということです。
何が起こっても大事に至らないようにすることが大切なのです。
世の中には白と黒ばかりではない。
敵と味方ばかりではない。
グレーゾーンが一番広い。
真理は中間にありだ。
選挙で言えばグレーゾーンは「無党派層」と言えるでしょう。
それをいかに獲得するかで勝敗が決まるのです。
ビジネスにおいても考え方は同じだと思います。
自分が政治家になったのは、日曜日に魚釣りに行って川の流れも綺麗だし、景色もいい。
そこに居を構えて、魚屋になったようなものだ。
「自然に身を任せた結果だ」と言いたいのでしょうが、その裏には猛勉強した日々と、たゆまない努力が隠されているのです。
俺の人生の第一歩は、自分が物心ついた頃に、家が貧しい為、小さな姉や妹が腹を空かし、アブアブ口を開けているのを見たところから始まった。
まずはこれを満たしてやろう。
そう思った。
人生にはいくつか転換点があると思います。
その時、勇気を出して行動できるか否かがその後の人生を決めるのです。
「自分の物差し」ばかりで物を言うな。
コミュニケーションにおける問題は、自分視点だけで考えることから始まります。
相手にも相手の言い分があるので、まずはそれを理解するように努めましょう。
人と会うのが醍醐味になってこそ本物だ。
現代はインターネット社会なので、人と接する機会は少ないと言われています。
しかしビジネスにおいては、人と人とのやり取りで物事が進んでいきます。
それを避けて通ることはできないのです。
一緒に仕事をするには、お互いによく知ることが大切だ。
我こそはと思う者は誰でも遠慮なく大臣室に来てほしい。
できることはやる。
できないことはやらない。
しかし全ての責任はこの田中角栄が背負う。
以上。
これは大蔵大臣に抜擢された田中角栄が、就任挨拶した時の言葉です。
最終学歴「高等小学校卒」という角栄が、日本のエリート集団である大蔵官僚たちに言い放ったのです。
やっぱり重要なのは学歴じゃないんですね。
リーダーのお手本と言えるような名言だと思います。
世の中、本当のワルなんて一握り。
人と接する時は、まず相手への先入観、敵対意識、被害者意識を捨て、誠心誠意でかかることだ。
そうすれば、人と人とを結ぶ新たなきっかけが生まれる。
あらかじめ情報収集することは必要ですが、それに固執するのは良くありません。
一番大切な「主体性」を見失ってしまうからです。
挨拶、会釈をちゃんとしろ。
握手するときは相手の目を見ろ。
そしてぐっと握れ。
ぐっと握り返してこない奴は信用するな。
日本人は握手が苦手ですが、そのコツを教えてくれる名言です。
政治家ならではの視点が入っているので、とても参考になるはずです。
私は常日頃、皆さんのご主人に大変お世話になっているものですが、これもひとえに奥様方のおかげということであります。
「気遣いの達人」と言われていた田中角栄の真骨頂が込められたような言葉です。
有権者の中でも、特に女性の心を掴むことに長けていたと言われています。
演説一つでも自分の言葉で喋れ。
人を侮ってはいけない。
誠心誠意やれ。
そうでなければ、人は耳をすましてくれない。
人間には本音と建前を見抜く能力が備わっています。
政治家はもちろん、経営者や管理職など人前に出る職業の人は注意しましょう。
大勢の人に寄ってきてもらうためにはどうするか。
約束したら守る。
実行することだ。
人の嫌がることを進んでやる。
他人のために汗を流すことだ。
人と人との絆を大切にしていた角栄らしい言葉だと思います。
「人が本当に困った時は、敵味方関係なく助ける人物」
田中角栄はこのように評価されていました。
ふんぞり返っていたら、誰もついてこない。
自分の肩書きを無視して、従業員たちと一緒に働き、遊び、苦楽を共にする生き方が大切だ。
事業が発展するかしないかは、人を動かせるか、動かせないかによる。
実業家として成功した田中角栄は、人を動かすのが上手だったと言われています。
リーダーが最前線で活躍する会社は、社員のモチベーションがアップするそうです。
この名言は、リーダーを目指す人に伝えたい言葉だと思います。
自ら逃げていくものはしょうがないが、自分が一度面倒を見たものは、最後まで見続けるというのが俺の人生観だ。
この言葉は「マネジメントする立場の人」に伝えたい名言だと思います。
人生において仕事が占めるウェートは大きいものです。
他人の人生を背負う気概がないと、本当のマネジメントはできないのです。
きみの頭の下げ方はお辞儀ではなく会釈だ。
自分では気づきませんが、意外とお辞儀の確度は浅いものです。
他人からどう見られているのかを意識することも大切だと思います。
私の一番好きな言葉は「石の上にも三年」
田中角栄は不遇の青年時代を過ごしました。
賢い頭脳を持ちながら家庭の事情で進学できず、難関と言われた海軍兵学校に合格しても、母の病で諦めざる負えなかったのです。
とにかく我慢し続けた田中角栄ですが、勉強と努力を止めることはなかったそうです。
悪口は言わない方がいい。
言いたければ便所で一人で言え。
悪口を言われた時は気にするな。
悪口を言うことで、他人が幸せになることなどありません。
自分が一瞬スカッとするだけです。
「どうすれば他人を幸せにできるか?」だけを考えましょう。
嘘をつくな。
すぐばれる。
気の利いたことを言おうとするな。
後が続かない。
素直に生きるのが一番良いのです。
自分を繕っても、すぐボロが出てしまいます。
時間を守れん人間は、何をやってもダメだ。
現代は携帯電話が普及しているので、約束の時間をそこまで気にする人は少ないかもしれません。
しかし、よく考えると「約束を守る」というのは非常に大事なことだと気づくはずです。
約束とはお互いの信頼関係を確認したり、絆を確認する作業なのです。
約束したら必ず果たせ。
できない約束はするな。
借りた金は忘れるな。
貸した金は忘れろ。
この言葉は「人付き合い」について解説した名言だと思います。
世の中で起こるトラブルの90%は「お金」に関することだと言われています。
その上で「約束を守る」ことを徹底すれば、トラブルに見舞われることはほぼ無いでしょう。
損して得を取れ。
手柄は先輩や仲間に譲れ。
そうすればお前は可愛がられて、皆に好かれるぞ。
「人付き合いの達人」と言われた田中角栄の神髄とも言える名言です。
「どうすれば他人が喜ぶか?」ということを理解していたのでしょう。
お前の話は自分を売り込むことばかりだ。
そんな話、誰が真面目に聞くものか。
もっと頭を使ったらどうだ。
セールスパーソンには耳の痛い名言ですよね。
お客様のことを考えて「営業する」のと、売りたい商材を「押し売りする」のは違うのです。
みんな俺のことを「逆境に強い」と言うが、必ずしもそうではない。
俺だって平穏無事がいい。
しかし、避けられない運命ならば、逃げ出さないということだ。
天才など存在しません。
みんな陰では努力しているのです。
それが結果に繋がっているだけなのです。
「丸暗記」と言うと人は軽蔑しがちだが、私はそう思わない。
これが勉強の前提になるのだ。
記録や数字なども「今覚えなければ二度と見られない」と思えば、いやが応でも覚えられる。
「ここで覚えなければ死ぬ」という気概で勉強したり記憶する人は少ないはずです。
田中角栄の真剣さが伝わってくる名言ですよね。
実践苦労人になってから物事を語るようにしろ。
他人の苦しみや立場が分かるようになってから批判しろ。
現代社会は情報過多なので、上辺だけでわかった気になって、表面上で批判する人が多い気がします。
しかし、それでは本質が理解できていないのです。
自分で経験して、初めて他人の痛みや辛さが理解できるのが人間という生き物です。
他人の立場になって考えましょう。
法律というものはものすごく面白いものでしてね。
まさに生き物だ!
田中角栄は言います。
「法律はその使い方によって変幻自在となる。法律を知らない人間にとっては面白くもない一行、一句、一言でも、実は大変な意味を持っている。」
物事を突き詰めると、別の視点が見えてくるのです。
政治家という職業を楽しんでいる様子を表す名言でしょう
若い頃は相当暴れてもいい。
言いたいことを言い、したいことをするのも結構。
だが、人生半ば過ぎて後悔しないように、自分を戒めて行動することだ。
人生はやり直せません。
絶対に後悔しない生き方をしましょう。
まとめ
ここまで田中角栄の名言集をご紹介してきました。
日本のトップに上り詰めた政治家の言葉はやっぱり重いですよね。
仕事に使える名言ばっかりなので、ぜひお気に入り言葉を座右の銘にしてください。