
営業職は、新規顧客の開拓や売り上げノルマがあるので、「体力的にも精神的にも大変だ…」というイメージが強いと思います。
なので「未経験で営業職にチャレンジする」のは、少しハードルが高いと感じかも知れません。
そんな時に便利なのが営業インターンという制度になります。
今回は、営業インターンで経験できることや、営業インターンとして働くメリットなどについて解説したいと思います。
目次
営業インターンとは?
営業インターンという言葉がありますが、そもそもインターンとは「大学生が就職活動や社会勉強の一環として企業で働くこと」を指します。
就職活動を控えた大学生が、業界研究を兼ねて企業で働いたり、大手メーカーA社に就職したい学生が、A社の仕事内容を理解したり、志望動機を固める為の作業ともいえます。
このインターンを経験した学生は”実際の仕事”を経験できる為、入社後のミスマッチが少なくなる傾向があります。
採用する企業にとっても”離職率の低下”へと繋がる可能性があるので、双方にとってメリットのある仕組みですよね。
そのインターンの中でも、営業部に配属されるのが「営業インターン」と呼ばれています。
今回はこの”営業インターン”にフォーカスしていきたいと思います。
営業インターンで何を学ぶのか?
探そうと思えば、営業インターンという仕事はいくらでも見つかると思いますが、そもそも「営業インターンで何を学べばいいのか?」というのが明確になっていないと、せっかくの時間が無駄になってしまいます。
もし営業インターンする場合には、「実際の営業活動を体験する」ということを肝に銘じておきましょう。
営業職というのは「なんとなくしんどそう…」とか「きつい仕事」という印象がありますよね。
それらを疑似体験できるので、営業インターンは非常に貴重な機会になると思います。
例えばアウトバウンド型の営業活動では、まず見込み顧客リストを作成する為にホームページなどから情報収集を行なって、テレアポ営業を開始していきます。
アプローチ方法は、ターゲットとする見込み客や、提供する商材によって様々ですが、事前にトークスクリプトを用意しておくことは共通しているでしょう。
アプローチ時に”顧客メリット”を明示することができれば、晴れてアポイントの設定に至るはずです。
アポイント日時が設定できたら、いざ本番(商談)です。
商談では予め想定していたFAQ(想定問答)を駆使しながら、顧客課題やニーズをヒアリングしていきます。
この”ニーズのヒアリング”が正確にできていれば、お客様の要望に合った商材を提案できるはずです。
営業をする際は、自分が売りたい商品を”押し売り”しないように、必ず顧客のニーズを先に引き出して、相手のニーズを満たすことを心掛けましょう。
顧客が提案に納得したら、無事に契約成立となります。
このような一連の流れは、まさに「営業活動そのもの」なのです。
学生とはいえビジネスの現場に触れることができるので、きっとお金のやり取り(入金管理)も経験することになります。
営業インターンではこれらの業務を経験できるので、同期やライバルよりも一足先に成長できるはずです。
営業インターンで成果を出すコツとは?
営業インターンでは、営業マンが行う業務を一通り経験できるとお伝えしました。
ただし、無計画にこの一連のプロセスを続けていても、決して良い結果は繋がりません。
これはインターンする目的にもよると思いますが、
- A社に就職したい!
- インターンの活動実績を就活で使いたい!
- インターン中に人脈を増やしたい!
などを考えている場合には、必ず成果を出すべきでしょう。
ここでは営業インターンが成果を出せるコツについて解説していきたいと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
積極的に交流する
ビジネスというのは、どこまでいっても人と人で成り立っています。
なので様々な人と交流して、話を聞くことをオススメします。
- 社内の営業パーソン
- トップセールスマン
- 社外のビジネスマン etc.
交流する人は限定する必要がありませんので、できる限り広めに考えていきましょう。
その為に活用すべきなのは、
- 社内飲み会
- 異業種交流会
- ビジネスマッチングアプリ
の3つになります。
これらはインターン中の大学生でも参加したり、自由に使えるので、ぜひ積極的に活用してみましょう。
飲み会は”社内イベント”なので、ただ参加するだけでOKです。
異業種交流会はオンライン形式もありますし、種類も豊富なのですぐに見つかると思いますが、いかんせん参加費が必要なのがネックです。
交流会の参加費は、1回につき500円~1万円とピンキリですが、大学生が参加するのであれば500円~3千円の範囲内でOKでしょう。
問題はビジネスマッチングアプリですが、おすすめなのはアトラエ社が運営しているyentaです。
もちろん無料で使えるアプリケーションなので、資金力のない大学生でも安心ですよ。
これらを活用すれば様々なビジネスパーソンと出会えるので、人脈が広がるだけでなく、きっと営業活動や就職活動にも役立つはずです。
もしリアルな交流を面倒に感じるのであれば、まずはZoomなどで気軽に話してみて、気が合えば実際に会ってみる…、というステップでも良いと思います。
とにかく行動することが重要なので、難しいことは考えずまず実践してみましょう!
目標を設定する
インターンする会社によっては目標設定を手伝ってくれる場合がありますが、中小ベンチャー企業において、インターン生は放置される傾向があります。
そんな場合でも目標設定だけは忘れないようにして下さい。
目標設定のないインターン活動は、目的地の無い旅と一緒だと思いましょう。
限られた労働時間内で成果を出すことが求められるインターンでは、ただダラダラと時間を浪費してしまえば、せっかくの機会を活かすことができません。
なので必ず目標を設定してください。
そして、もし営業インターンとして働くなら、できる限り”数字目標”を設定するべきだと思います。
例えば「月間売上100万円」「受注件数10件」など定量的に測れる数字が理想的です。
なぜかといえば、この数字が就職面接でもアピールポイントになったり、PRになるからです。
「営業インターンを頑張りました!」という人より「営業インターンで月間売上100万円を叩き出しました!」という人の方が魅力的に映ります。
この辺りは打算的ですが、必ず定量的な目標を追いかけた方が良いと思います。
この目標が決まったら、逆算的に「どうすれば達成できるのか?」を真剣に考えてみてください。
勉強のように正解はありませんし、ルールの範囲内であれば過程も手段も問われません。
これがビジネスの醍醐味なのですが、やり方を独自に考えて、目標達成することが仕事(営業職)の面白さだと思います。
営業インターンをするメリット
インターンで営業職を経験するメリットは、大きく3つあります。
1点目は、ビジネスマナーや営業の実務が経験できるという点です。
営業インターンの場合は、既存社員とほとんど同じ仕事を経験させてもらえるので、電話やメールのやり方、また商談時のビジネスマナーなどが習得できます。
もしビジネスマナーに不安感があれば、下の記事をご覧ください。
2点目は、自分が営業職に向いているか否かの判断ができるという点です。
営業という仕事を実際に経験することと、人から聞くのでは、全く捉え方が異なります。
「百聞は一見にしかず」ということわざの通り、実際やってわかることも少なくありません。
モノは試しと、一度経験してみるのも良いでしょう。
営業職の本音が知りたい人は下の記事をご覧ください。
3点目が、就職活動のアピールポイントになるということです。
- ビジネスマナーが身についている
- 顧客ニーズがヒアリングできる
- ビジネスの経験がある
上記のような大学生は即戦力になるので、就職活動でもきっと有利に働くはずです。
その上で、様々な営業知識を身につけていれば、さらに箔がつくので、就職活動で有利になるでしょう。
営業インターンをするデメリット
ここまで営業インターンを経験するメリットについて解説しましたが、実はデメリットも存在するのでここで押さえておきましょう。
1点目が、短期インターンの場合は実践経験なしで期間終了してしまう可能性があるということです。
お客様に自社商品の説明ができるようになるには、それ相応の時間(研修含む)が必要になります。
一般的な企業では、それなりにロールプレイングをして、テストに合格しなければ営業現場には出れないでしょう。
そのため、企業によっては「インターン生にそこまで本格的な仕事は任せられない」と割り切っている場合もあります。
そのようなケースでは、せっかくの営業インターンが時間の無駄に終わってしまうかもしれません。
2点目は、長期インターンの場合は、数か月間フルタイムでの勤務が必要になるなど、一定期間拘束される場合があるということです。
このようなケースでは、プライベートをないがしろにしながら、社会人のように働かなければいけません。
なので「長期インターンは気軽に参加できない」というデメリットがあります。
3点目は、給与が支給されない体験型のインターンもあるということです。
無給インターンの場合は、収入を得るというよりは企業研究の一環として捉えて参加した方が良いでしょう。
これはインターン生が理解しておくべき知識なのですが、そもそも企業が給料を支払うのは「労働に対する対価」という考え方に基づきます。
つまり「成果を出してくれるから労働に対して対価を支払う」ということになるので、「成果が出せないインターン生には給与など出せない」というのが当たり前なのです。
しかし就活生を囲い込みたい大企業や、人材紹介業を生業にしている企業にとっては、給料を支払ってでもインターン生を活用するメリットがあります。
その一方で、他の企業(99%の中小企業)にとってインターン生は”負債”でしかありません。
このような考え方に立った場合、インターンに給料が出るというのはそもそもおかしいですよね。
中にはアルバイトのように時給が発生したり、月給で40万円貰えるインターンなんていうのも存在することは事実です。
しかしそれは企業側の”下心”がある前提なので、決してアルバイトのような感覚でインターン探しすることはおすすめしません。
営業インターンに申し込む方法
営業インターンを体験するためには、企業が求人しているインターン募集に応募する必要があります。
Web上にはインターン専用サイトもあるので、基本的に「応募先がない…」という状況はないでしょう。
夏季や冬季時期ごとにわけて情報発信しているケースもありますが、ニーズに合う仕事がきっと見つかるはずです。
ただ、インターンを通年実施しているという企業は意外と少なく、学生が長期休暇などを利用して参加できるような時期に設定している場合が多いと聞きます。
しかし、企業ごとにインターン生を募集する時期が異なるため、実際には自分にとって都合の良い時期&期間で参加できるでしょう。
そして営業職の場合は、
- 長期型インターン
- 実務型インターン
- 体験型インターン
などがあるので、詳しくは各企業に直接問い合わせしてみてください。
インターンの志望動機はどうする?
営業インターンに申し込む際に必要となるのが”志望動機”です。
実際の就職活動ほど重要視されませんが、ある程度の志望動機が求められるのは事実だと思います。
また人気がある大手企業であれば、志望動機の出来次第で落選してしまうかも知れません。
この志望動機で押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- インターンしようと思い立ったきっかけは?
- インターンで何を経験したいか?
- インターン後に何をしたいのか?
つまり入口と過程、そして出口が明確になっていることが大切なのです。
例えば以下のような志望動機が考えられます。
私がインターンに応募しようと思ったきっかけは、部活の先輩からインターンするメリットについて聞いたからです。
実際の”仕事内容”や”お客様の声”を聞ける営業インターンは、とても有意義で貴重な体験ができると聞いております。
なので、実際のインターンではぜひ営業現場を経験してみたいと思っています。
やはりお客様と接する”営業職”という仕事は、一番経験値が高まる現場だと思うからです。
インターンを終えた後は、御社を含めた飲料メーカーへの就職を希望しておりますので、いち早く仕事の経験値を積みたいと考えております。
営業インターンの志望動機は、営業職の採用面接と同じなので、もし気になる人は下の記事をご覧ください。
まとめ
もし営業インターンを体験する場合、中小ベンチャー企業では正社員とほとんど変わらない仕事内容を任せられると思います。
しかし、大企業の場合には「職業体験」という側面が強いので、悪く言えばキッザニア(就業体験)のようなイメージになります。
この辺りは自分のニーズに合わせれば良いと思いますが、どちらにしても「インターン」という肩書に甘えてはいけません。
立場は正社員ではないかも知れませんが、やることはお客様からお金を頂くビジネス(商売)なのです。
なので、絶対にビジネスマナーは身に着けておきましょう。
もしビジネスマナーに不安感がある人は、下の記事をご覧ください。
企業の一員となってインターンで営業を学ぶのは、きっと良い経験になると思いますし、貴重な財産になるはずです。
自分の可能性や選択肢を広げる為のインターンという機会なので、ぜひ積極的に取り組んでみましょう!