千本倖生(せんもと さちお)は、日本を代表する起業家として有名ですよね。
京都大学を卒業した後、電電公社(現在のNTT)へ入社し、1984年には京セラ創業者である稲盛和夫と一緒に第二電電(現在のKDDI)を共同創業しました。
そして1999年にはイーアクセス株式会社を創業し、2005年にはイーモバイル(現在のワイモバイル)を設立、2014年以降は株式会社レノバの代表取締役会長など、役員職を歴任しました。
2017年には公益財団法人である千本財団も設立しており、今は実業家というよりも社会還元や起業家育成に重きを置いているフェーズかもしれませんが、経営者やビジネスパーソンとしての手腕は疑いの余地がないので、今回は千本倖生の名言集をご紹介したいと思います。
千本倖生がどのようにして起業し、大成功を収めたかが端的に理解できるので、ビジネスに役立つ金言集を最後までご覧ください!
千本倖生の名言集まとめ
留学先のアメリカで感じたチャレンジ精神、フロンティアマインドは、当時私が勤めていた大企業の土壌にはないものでした。
千本倖生はNTTへ入社して半年でアメリカへ留学します。
しかし当時の留学はとんでもなく高かったので、試験を受けて無料で留学できる仕組みに合格したそうです。
その留学経験が「起業家として生きるきっかけになった。」と語っています。
どんな人の人生にも、少なくとも3回の大きなチャンスがあると私は考えています。
千本倖生の言うチャンスとは、「自分の人生を大きく飛躍させるチャンス」のことです。
このようなチャンスが訪れた時、それを掴み取れるだけの準備が必要なので、日々努力しましょう!
稲盛さん、電電公社に対抗できる民間の電話会社を作りませんか?
現在のKDDIは京セラ創業者の稲盛和夫と千本倖生によって創業されました。
それだけ聞くと、なんとなく稲盛和夫が主導したように感じますが、実は千本倖生が稲盛和夫を口説いたというのが実態です。
千本倖生はNTTの仕事で稲盛和夫と出会う機会があったので、元々胸に秘めていた事業プランを思い切って稲盛和夫にプレゼンしたところ、即答ではありませんでしたが、後日OKがもらえたのです。
その事業プランは「千本倖生は技術者なのでインフラ整備に注力し、そのインフラ整備に必要な資金300億円、向こう3年間で1000億円ほどの運転資金を稲盛和夫、SONY創業者の一人である盛田昭夫、ウシオ電機創業者の牛尾治朗など、複数の投資家に出資してもらい、さらに稲盛和夫には社長として第二電電の経営をしてもらう」という大胆なものでした。
このようなイチ民間会社が電電公社(現在のNTT)と戦おうという発想がそもそもブッ飛んでいますし、エンジェル投資が一般的ではなかった1984年頃の話しだと考えると、かなり大胆な提案ですよね。
稲盛和夫は既に京セラという大企業のCEOだったので、そのような人物を共同経営者として引き入れるなんて、素晴らしいアントレプレナーシップだと思います。
同じく「打倒NTT!」を掲げた起業家が、ソフトバンク創業者の孫正義です。
千本倖生と同じく偉業を成し遂げた経営者なのですが、その名言集は下の記事をご覧ください。
私は特に何も優れた能力を持たない、ごく平凡な人間にすぎません。
成功した秘訣について、千本倖生は「他の人よりもたくさん行動して、素晴らしい人たちとの出会いに恵まれただけ」だと語っています。
- 自分のミッション(使命)に目覚め
- 自分にしかできない「何か」を生み出し
- 世のため、人のために尽くす
これは起業するポイントについてまとめた金言です。
例えばこれまで人材紹介業に従事していた人が、いきなり飲食店を始めることは「自分のミッション(使命)」を遂行していないかもしれません。
なぜかと言えば、それは「自分にしかできないこと」ではないからです。
もし「自分のミッション(使命)がわからない…」という人は、これまでの人生(=点)を線にしてみてください。
そうすれば、おのずと自分のミッション(使命)が導けるはずです。
なぜかといえば、あなたの人生はあなた一人のモノ(=資産)なので、他の人が経験していないことがたくさん詰まっており、その人生経験を活かせるのはあなただけだからです。
これから独立・起業を目指す人は、この格言を参考にしましょう!
公平で健全な競争の実現のために、どうしてもライバル会社の存在が必要になる。
通信業界は日本電電公社(現在のNTT)の一社独占状態だったので、料金が高止まりしていて、ユーザーが不利益を被っていました。
そこで国はNTTの民営化を推進しましたが、それだけでおかしな状況が解消されるとは思えなかったので、千本倖生はファーストペンギンとして「一生安泰」だと言われていた大企業NTTを退職し第二電電の設立へと動いたのです。
しかしこの時、当時の社長に対して「私は退職してNTTのライバル企業を創業しようと考えています」というのを直接伝え、きちんと仁義を通したそうです。
このような仁義があったので、後々NTTは色々と協力してくれたらしいですが、この逸話を聞く限り、やはりビジネスは人間関係だということが良くわかります。
日本人は優秀な人材ほど大企業への就職を希望するが、アメリカ人は優秀な人間ほど独立起業を目指すと言われます。
実際の就職実態がどうかは知りませんが、アメリカのスタートアップ企業が多いことは事実だと思います。
その中でも特に有名な起業家が、PayPalやテスラモーター、スペースXなどを創業したイーロン・マスクですよね。
イーロン・マスクの名言集は下の記事をご覧ください。
私がよく若い人に言うのは、「旅をしろ」ということです。
別の国の文化や習慣を日本に輸入すると、それがビジネスシードになったりするそうです。
海外で「便利だ!」と感じたものは、きっと日本でも受け入れられるはずなので、このような感覚は大切だと思います。
建設に反対する一部の住民の方から、ぬかるんだ泥や石を投げつけられたこともありました。
通信インフラを整備するためには中継基地を建設したりネットワークセンターを建設しなければいけませんが、”通信”という目に見えないものを怖がる住民たちから、たくさんの反対運動を起こされたそうです。
このような苦労を乗り越えて、ようやく第二電電(DDI)は始動しました。
人生で起こる全てのことに心からありがたいと思い、他の人への感謝を伝え、形にして施す。
全てのものに感謝の気持ちを持つと、生き方が変わってきます。
長者番付の常連で、有名な実業家である斎藤一人は、それを「天国言葉」と呼びました。
詳しくは下の記事をご覧ください。
仕事の内容を問われると、日本人は真っ先に所属する会社や部署の名前を言うが、アメリカ人は自分自身が何をしているのかを答えると言います。
これはとても有名な話ですよね。
「あなたの仕事は?」と聞かれた時、ほとんどの日本人は「トヨタでエンジニアをしています」とか「アプリ会社でゲーム開発をしています」という具合に答えます。
しかしそれは単なる職業であって、あなたの仕事(使命)ではありません。
日本人の仕事観には「仕事を通じて何を成し遂げたいのか?」という部分が抜け落ちているので、その違いをきちんと理解しましょう!
新電電の中ではどん底の最下位でした。
NTTが独占していた通信業務が自由化されたので、1986年に各社の新規受付が開始されました。
もちろんJRやトヨタなどの大手企業が続々と参入したそうですが、その中でもDDIは圧倒的な最下位だったそうです。
それ自体は想定内だったみたいですが、やっぱり資本力のある大手企業と戦うのは難しいですよね。
成功という箱の中に詰まっているものの90%、いや99%は苦難・困難・危機・逆風・挫折といった「負」の要素です。
どんなビジネスも順風満帆というわけにはいきません。
全て順調に進んだという事例はこの世にないので、失敗ありきで物事を考えましょう。
1年は代理店ネットワーク作りに奔走しました。
新電電の中で最下位だったDDIを勝利に導いた”秘策”が代理店ネットワークです。
代理店展開は使い方次第で大きな力を発揮すると言われているので、代理店制度に興味がある人は下の記事を参考にしてください。
競争相手がいない市場というのは不自然、不公平、不健全であり、それらを利用者のため、つまり「世のため人のため」に正すところに、この事業の最も大きな意義と目的がある。
第二電電を設立したのはお金儲けの為ではなく、”社会的公共性(利他の精神)”を追求した結果です。
だからこそチーム一丸となって一心不乱に邁進でき、最終的に成功できたと千本倖生は語っています。
始めたらやめるな、諦めた時に失敗が確定するという不屈の教えは私の人生を貫く指針となっています。
KDDIを創業した時、たくさんの苦難が待ち受けていたのですが、その度に千本倖生は稲盛和夫から「千本くん、苦しいだろう。だが、事業というのは一度始めたら、途中でやめたらダメなんだ。それが筋のいい事業だと信じたら、石にかじりついてでも最後までやり抜く。」と何度も言われていたそうです。
経営や仕事の場面においても、適切な言葉がいかに人を鼓舞したり、慰撫したりするものか。
あるいは逆に、言葉1つの使い方によって、人の意欲を削ぎ、そのやる気を奪ってしまうものか。
千本倖生はKDDIの立ち上げという経験から、経営に大きな影響を及ぼす”言葉”の重要性について学んだと語っています。
組織を管理するマネージャー(上司)は、言葉を上手に操りましょう。
過去の残骸によって、結果として現在の成功がかろうじて成り立っていると言ってもいい。
KDDIは日本を代表する通信会社に成長しましたが、その成功は「ギリギリの成功」だったそうです。
これは起業を経験したことがあればなんとなく理解できるのですが、本当に創業当時(創業から3年程度)はギリギリの綱渡りが続きます。
それに耐えられず倒産する確率が約7割と言われているので、この3年間を切り抜ける事業戦略が必要だと思います。
世のため、人のためになることをやっていれば、その善なる心に天が味方してくれて、必ず物事はうまくいく。
起業家にはこのような”志”が必要だと思います。
これから独立起業を目指す人はこの言葉を胸に刻んでおきましょう!
稲盛さんは精神主義の反面で、京セラの「アメーバ経営」や「会計原則」など、極めてユニークで合理的、効率的な経営管理手法を考案、駆使するプラグマティックな側面も強く持っておられます。
稲盛和夫といえば「アメーバ経営」が有名ですよね。
その経営理論を理解したい人は下の記事をご覧ください。
私は行動主義の信奉者で、「迷ったら進む」ことを信条にしています。
「迷ったら進む」というのはリスクに聞こえますが、別の言い方では「物事が前進する方を選ぶ」ということだと思います。
もしどちらかで迷ったら「どっちの方が自分は成長できるだろうか?」と考えて選ぶのがおすすめです。
いくら頭であれこれ思い描いてみても、行動を起こさなければチャンスはつかめませんし、実現の可能性もゼロのままです。
とにかく行動することが重要だと思います。
行動しなければ何も得ることができないので、積極的にリスクテイクしましょう!
迷うということの中にはすでに、必ずと言っていいほど意思や可能性が含まれている。
人間はそもそも、できないものを「したい!」とは思いません。
ということは、実現可能性のあるものしか「したい!」と考えないということです。
これは「少なからず勝機がある」ということなので、チャンスがあれば挑戦しましょう。
- 揺るぎないビジネスモデル
- 選り抜きのマネジメントチーム
- 世界に通用するファイナンシャルプラン
これは千本倖生が考える「ベンチャー企業が成功する為に必要な要素」です。
これからスタートアップ企業を創業する人は覚えておきましょう!
大事なのは「失敗しない」ことではなく、「挑戦する」ことです。
本物の起業家は「挑戦者」だと言えます。
つまり”お金儲け”は二の次で、社会を変革したいという「自己犠牲の精神」を持っているということです。
そのような起業家が社会を良くしていくのだと思いますが、起業家の名言集もぜひ参考にしてください。