代理店販売と直販営業は代表的なセールス手法だと思います。
しかし、両方経験したことがある人は意外と少ないので、どうやって併用すれば良いのか悩んでいるビジネスマンは多いと思います。
そこで今回は、代理店営業と直販営業ではどっちが有利で、どんなメリット&デメリットがあるのかを解説していきたいと思います。
目次
販売代理店とは?
代理店と聞くと、広告代理店や保険代理店を思い浮かべると思いますが、実は様々な種類があります。
例えば車のディーラー、マンションや土地などを販売する不動産業、それに旅行代理店も忘れてはいけません。
このように代理店には様々なスキームがあるのですが「特定の会社と契約を結び、商取引の仲介や代理をする」という仕組みはみんな同じです。
また、あくまでも一般論ですが、取次店の場合には「販売店のような仕入れが必要ない」ということもあります。
仕入れをすると在庫リスクが発生しますが、取次店の場合には仕入れが必要ないケースが多く、在庫管理の負担やリスクがありません。
他にも、販売代理店と間違えやすいビジネススキームが業務委託契約です。
ここではその違いを簡単に説明しておきたいと思います。
業務委託契約とは?
業務委託契約とは、自社で対応できない業務や、リソース不足を補う為に、特定の個人・法人と委託契約することを指します。
例えば、老舗食品メーカーが直販のECサイト立ち上げや運営を計画したとします。
しかし、IT人材やシステム管理・運営に課題があった場合、直販のECサイトを立ち上げることができませんよね。
そのような時にインターネット通販サイトの設計や運営に実績のある、IT企業や個人フリーランスにシステム開発などを委託するのです。
このような契約は「業務委託契約」と呼ばれており、ビジネスの色々な場面で使われています。
必要に応じて業務の一部を外注したり、サイトの運営保守だけをお願いすることもできるので、企業にとっては使い勝手が良いのです。
必要な期間が終われば自由に契約終了できるので、結果的に人材を雇用するよりもリスクが少なく、コストも安く済みます。
営業職の業務委託はフルコミッションと呼ばれていますが、トップセールスは月100万円以上も稼ぐので、優秀な人にはメリットの多い仕組みだと思います。
直販営業とは?
直販営業とは、企業と消費者(エンドユーザー)が、商品サービスを直接取引することを言います。
そのメリットは、購買価格を安く抑えられることです。
卸業者などを間に挟まないので、中間マージンを省くことができるのです。
それだけに留まらず、
- 価格競争力を高められる
- 営業ノウハウを蓄積できる
- 消費者ニーズが把握できる
- 効果的なアフターサービスができる
- 新商品の開発につなげられる
- サービスの改善につながる
など盛りだくさんのメリットがあります。
直販営業にはこれだけ多くのメリットがあるのに、世の中では卸売り業者が活用されています。
そのようになってしまうのには、直販営業にそれなりのデメリットがあるからです。
この辺りを次で解説したいと思います。
直販営業のデメリット
直販営業の主なデメリットとしては、営業マンを直接雇用コストする「コスト増」が挙げられます。
やっぱり企業にとって人件費は一番重いコストだと思います。
他にも、
- 営業ノウハウ蓄積までに時間がかかる
- 卸先のカバーエリアが限定される
- 全国展開が遅くなる
などデメリットは数えあげればキリがありません。
あと、主な業務内容がメーカーとしての「研究開発」や「企画製造」である場合は、そもそも営業部が無いので、新たに営業部を設立しなければいけません。
直販営業では、一般的な流通経路である「メーカー→卸売→小売→消費者」から中間業者を取り除き「メーカー→消費者」の形に省略します。
こうすることで商品やサービスをお得な価格で消費者に届けられる一方で、メーカー側の負担も増えることになります。
その為、できるだけコストが掛からないように、エンドユーザーと直接取引ができる直販サイト(ECサイト)を構築するメーカーが増えているのです。
代理店を活用するメリットとは?
代理店制度を構築するメリットは、販路拡大できることにあります。
どんなに良い商品やサービスを開発しても、販売する営業マンが少なかったり、カバーエリアが狭ければ、売上は伸び悩んでしまいますよね。
そのような課題を解決してくれるのが「代理店制度」なのです。
販売代理店を使えば、自社に代わって営業してくれる外部パートナーが増えるので、日本全国をカバーできるようになります。
特に営業マンが少ない「研究を主体とした開発製造メーカー」や「全国展開したい中小企業」には、代理店制度が適した仕組みだと言えます。
コスト削減に繋がる
この他にも固定費を増やさなくて良いのが、代理店制度のメリットといえます。
営業マンを直接雇用すると、人件費を含む販売管理費を自社で負担しなければいけませんが、代理店制度を活用すれば、それらの固定費を削減することができます。
しかも、契約数や実績成果に応じて、成功報酬(販売手数料)を支払うだけなので、とてもリスクが少なく、費用対効果も高いと言えます。
このように、主軸事業にリソースを集中させながら営業エリアを拡大したり、販路を拡大するといった恩恵を受けられるのが代理店制度の特徴だといえます。
代理店展開するデメリット
もし代理店を活用する場合には、代理店が販売した契約実績に応じて、販売マージンやインセンティブを支払わなければいけません。
契約した代理店数が多く、カバーエリアが広がると契約数も増加しますが、同時に手数料や支払い手続きの負担も増えてしまうのです。
また、手数料や紹介料の支払い金額によっては取り分(粗利)が減ってしまうため、売上は増加したけど利益額は変わらないということもあり得ます。
この他にも大きなリスクと言えるのが、販売量が代理店に依存してしまうことです。
つまり、顧客アカウントを代理店が握ってしまうため、商品サービスの開発において、メーカー側の主体性を発揮しづらくなるのです。
さらに、代理店の売上に依存することで、代理店側の主張が強くなっていき、手数料やインセンティブ報酬などの交渉では弱い立場にならざるを得ないケースも出てきます。
そのようなケースでは、もし販売代理店が「他社商材を販売することにした」と言い出せば、売上が一気に減るリスクを常に抱えることになります。
そして最も注意しておきたいことが、「代理店に顧客情報を握られてしまう」ことです。
代理店はお客様のニーズを把握しているため、どのような商品を誰に営業すれば良いか熟知しています。
つまり決裁者を把握しているのです。
しかし、メーカー側はこのような情報にタッチできないため、いつの間にか、実態が代理店の下請け的立場になってしまうという展開もありえるのです。
代理店の募集方法
代理店ビジネスを成功させたいなら、代理店を活用するメリット&デメリットを熟知する必要があります。
その上で代理店募集して、代理店を開拓しなければいけないのです。
ここではそのやり方を詳しく解説していきたいと思います。
代表的な募集方法
代表的な代理店開拓方法は、
- テレアポ営業
- 訪問営業
- 営業代行
- 代理店募集サイト
- DM営業(郵送)
が多くなっていますが、その目的に応じて使い分けされています。
最も多いのが、テレコールを使ったアウトバウンド型の代理店開拓だと思います。
電話代行サービスの業者に依頼すれば、販売代理店に興味を持ちそうな会社や個人事業主に電話をしてくれる為、リスト作りの手間も省けます。
また営業代行サービスを使って、代理店開拓するやり方も有力です。
そんな中、最も費用対効果が高いと言われているのが、代理店募集サイトに掲載することです。
代理店募集サイトに掲載すれば、全国各地の代理店希望者と出会えるので、手間が掛からず、コストも安いと評判です。
多くの場合、代理店募集サイトの掲載料は月10万円ほどになるため、年間120万円ほどの広告予算が捻出できる場合には向いているでしょう。
またリスティング広告やバナー広告を出すと、サイト内検索で上位に表示されたり、目立つ形でサイト内に掲載されるため、予算に合わせて利用することもできます。
他にも、リファラル営業プラットフォームという仕組みが人気になっています。
リファラル営業とは「紹介営業」を意味する言葉で、実態は「紹介店」「取次店」と言われる代理店の仕組みを利用したクラウドソーシングサービスになります。
リファラル営業は、見込案件をトスアップしてくれる紹介者を一気に獲得できるので、とても効率的なやり方と言われています。
また、DMサービス会社が蓄積した独自の見込顧客リストを活用して、代理店希望者を簡単に探すことができるので、昔ながらのDMを使った代理店開拓も人気が高いです。
コストが高いのが玉に瑕ですが、FAX DMよりも見られる可能性が高いので、商材によっては意外と費用対効果が良いかも知れません。
また、代理店募集セミナーや、説明会用の案内状はがきを出す方法も有力です。
色々な代理店開拓手法があるので、自社商材に適したやり方を見つけてみてください。
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