代理店展開をするのであれば「代理店を管理する」ことが絶対に求められます。
しかし「代理店管理がなぜ必要なのか?」という部分を理解していなければ、仕組み作りは困難を極めるでしょう。
そこで今回は、代理店営業マンであれば押さえおくべき「代理店管理のコツ&ノウハウ」をご紹介していきたいと思います。
これまで1,000社以上の代理店展開をサポートしてきたノウハウをご紹介していきますので、パートナーセールスを担当している人はぜひご覧ください。
代理店管理をすべき理由
まず結論から入りますが、代理店管理をする理由とは「傘下にいる代理店の動きを把握するため」です。
外部パートナーである販売代理店は自由に営業活動をしていますが、それでは本部側(メーカー)が「見込案件数」や「受注数」などを把握できないので事業予算を立てることもできません。
よって、実績数をレポートしてもらったり、代理店から適時報告をもらうことになります。
ただ、このようなアナログのやり方をすると代理店側の負担になりますし、本部としても集計するのが大変だと思います。
もしそんな状況なのであれば、代理店管理システムの構築をお勧めします。
業務管理ツールを活用すれば、傘下代理店の状況が可視化するのはもちろん、テコ入れすべき代理店や、サポートするべき代理店などが見えてくるはずです。
この時に一番大切なことは、売上が伸びていない代理店を見つけ出してフォロー&サポートすることです。
それをしなければ、売れない代理店は徐々にフェードアウトしていってしまうのです。
代理店との信頼関係ができていれば良いのですが、そうでなければ「この商材は全然売れない…」と勝手に思い込んで、せっかく開拓した代理店が逃げてしまいます。
このような状態になってしまうと代理店本部(メーカー)として儲かりませんし、もちろん販売代理店も儲かりません。
つまり、両者にとって大きな機会損失となるのです。
代理店営業のコツとは?
代理店管理をする理由は様々だと思いますが、代理店を管理すれば、傘下代理店の営業状況を分析できるようになります。
各代理店の動きをデータ化することで、代理店ごとの成功事例や失敗要因が把握できるようになり、代理店全体の底上げにつながっていきます。
これは代理店展開する上でとても重要なポイントになるはずです。
また代理店展開では「単純に代理店の数を増やせば成功する」という訳ではありません。
もし無計画に代理店を増やしてしまうと、それに伴った管理工数が増えてしまったり、縄張り争いで代理店同士がバッティングする可能性も出てきます。
よって、ある程度の代理店数に絞ることで、無意味なトラブルを避けることができるのです。
動かない代理店は整理する
先ほどの話と繋がっていますが、代理店を増やしすぎるとサポートまで手が回らなくなるので、どうしても稼働しない代理店が増えてしまいます。
そのような「動かない代理店」は整理整頓していくことも大切です。
代理店管理をする理由の中には、「代理店を取捨選択する為の参考データにする」という目的もあるので心得ておきましょう。
売上が伸びなくて稼働もしていないような代理店は、そのまま続けても意味がありません。
そのような代理店は管理コストが掛かるだけなので、さっさと契約解除した方が無難です。
もし解約を打診する際には、実績が出ていないことを数値データとして共有すれば、相手は納得しやすいでしょう。
とはいえ、「なぜ営業してくれないのか?」という点を確認する必要はあります。
もしかしたら「代理店担当者が気に食わない…」とか、「忙しくて提案するのを忘れてた…」なんて理由もあり得ます。
このようなケースではすぐにテコ入れできるはずなので、原因次第ではアクティブな代理店になってくれるかもしれません。
代理店営業は戦略が重要
代理店管理には”代理店営業の戦略”が大きく関係してきます。
これは代理店制度の設計に関わる話になってきますが、「代理店にどこまでの業務(裁量)を任せるか?」によって、代理店のタスクが変わってきます。
基本的な考えとしては、外部パートナーである代理店に指示&命令を出すのは難しいと思ってください。
なので、本部(メーカー)に必要な情報が上がってくる仕組みを構築することが重要になります。
しかもその情報が自動的に吸い上げられていくような仕組みが理想的だと思います。
代理店の動かし方とは?
代理店の動かし方は「依頼」や「お願い」という形で、能動的に動いてもらうように仕掛けましょう。
そもそも販売代理店には「売らなければいけない」という義務感はありません。
代理店が売る理由とは、
- 単純に儲かるから
- 主力商材と相性が良いから
- 販路が合うから
など様々な理由があると思います。
ただ、どんな理由であっても「代理店が売らなければいけない」ということには結びつきません。
つまり、代理店に売ってもらうためには、良好な関係性を築くことが必要不可欠なのです。
代理店を「単なる下部組織」と勘違いすると、命令口調になったり、横柄な態度とってしまうかもしれませんが、そのような対応は代理店側の不信感を招きますので、遅かれ早かれいづれ代理店システムが機能しなくなります。
それではどうすれば良いのかというと、代理店と良好な関係を築くためには、「販売代理店を儲けさせる」ことに尽きます。
つまり、代理店が儲かるための販売戦略を一緒に考えてあげるのです。
そうすれば代理店が欲しがっている支援内容も理解できますし、お互い本音で話し合うことができるはずです。
代理店本部であるメーカーが一緒になって取り組んでくれれば、「ウチの会社を儲けさせようと頑張ってくれている」と代理店は感じるので、必ず本気になってくれるはずです。
その関係性が基礎になって、良好な協業体制がとれていくのです。
インセンティブやキャンペーンも効果的
代理店に動いてもらうためには、代理店を活性化させる仕組み作りも大切だと思います。
もし活性化するアイデアがあれば、代理店に協力をしてもらって積極的に採用していきましょう。
例えば、期間限定のキャンペーンを実施したり、イベントのように盛り上げることも重要です。
代理店のやる気を起こさせる為に、特別なインセンティブを用意するのも良いでしょう。
特別なキャンペーン金を用意すれば、これまで未稼働だった代理店が動くきっかけになるかもしれません。
このときは代理店に任せっきりにするのではなく、代理店本部も一緒に取り組むことが重要です。
そうすれば取り組み状況を実際に見られますし、チームとしての一体感も生まれます。
活性化は代理店が売上を伸ばす大切なファクターなので、綿密な企画をしつつ確実に実行していきましょう。