
営業職として働いていると「自分は営業職に向いているのか?」と疑問になりますよね。
なぜそのように思うのかといえば、適正チェックをして営業職になったというよりは、「入社のときに営業職しか選択できなかった」とか「会社が営業職に配属した」など、外部要因で従事している人が多いからです。
逆説的に言ってしまえば「技術職以外は全て営業からスタートする」くらいの感覚なので、自分から望んで営業職になった人は少ないのかもしれません。
そう考えた場合、「自分は営業職に向いているのか?」と疑問に思っても仕方がないですよね。
そこで今回は、「営業職に向いている人はどんな人なのか?」という部分をテーマにしてみたいと思います。
目次
半分以上は営業職に向いてない!?
営業職として働いている人に対して、「あなたは営業職に向いていると思いますか?」という質問をすると、おそらく半分以上の人が「向いていないと思う」と回答するはずです。
なぜかといえば、トップセールスと言われる人たちは上位2割なので、残りの8割の人は「普通の営業マン」か「ダメ営業マン」だからです。
この8割の営業マンたちは実績が出せていないので、自分の営業適正に自信が持てないはずです。
なので「私は営業職に向いていない」と感じてもおかしくありませんよね。
それではこの「営業適正」とは、一体何なのでしょうか?
営業職といえばなんとなく、ポジティブシンキングな人、行動力がある人、肉食系な人、人当たりが良い人、口が達者な人、陽キャな人、お酒が大好きな人、プレゼンテーションが得意な人などのイメージだと思いますが、営業職の適正という部分に絞るとこの限りでは判断しきれません。
むしろ「コミュニケーション能力がある人」というのに集約される気がしています。
コミュニケーション能力というのは一見すると「話が上手な人」と思われがちですが、決してそうではありません。
営業が実践すべき本当のコミュニケーションとは、お客様との意思疎通をはかり、相手が必要としているものを上手にヒアリングするスキルになります。
その場を盛り上げたり、お客様が心地よくなるような話をするスキルではないのだと心得ておきましょう。
愛想がいいのは天性のスキル
人に接する態度が良い人を「愛想がいい」と言いますよね。
逆に人当たりが悪い人を「愛想が悪い」といいます。
このどちらが営業職に向いているかと言えば、もちろん「愛想がいい人」です。
人は”不愛想な相手”や”不機嫌な相手”に不信感を抱きやすく、ニッコリ微笑みかけられただけで気持ちがほぐれるものですが、このような好感を相手に与えることができるのは”天性の才能”も関係していると思っています。
例えば、パッと見でも好印象を与えられる人は、そもそも顔のフォルムが良かったり、笑顔が素敵な人だったりします。
これは生まれながらの才能とも言えるので、その人にしかできなかったり、真似ができないスキルだと言えます。
表面的で営業っぽい愛想をふりまいているだけでは、決してお客様から好かれないので、もし自信がない人は『笑顔の練習』をしたり『座りが良い顔の練習』をするのも良いでしょう。
とにかく営業職にとって「愛想の良さは武器になる」ので、この辺りは努力するしかないと思います。
女性は営業職に向いている
女性営業として活躍する人が増えている理由の一つにも、女性らしい愛想の良さが関係していると考えています。
やっぱり女性には対応が柔らかい印象がありますし、安心感も与えてくれますよね。
それと比較して、ツーブロックで色黒、ぴっちりタイトなストライプスーツを着こなしている男性営業マンは威圧的に感じるので、「何か売り込まれるのではないか?」と警戒してしまいます。
このようなオラオラ営業マンと真逆にいるのが”営業ウーマン”だと思うので、女性はその強みを最大限活かすべきだと思います。
顧客に寄り添い共感しながら製品・サービスを提案する能力は、女性営業が得意とする領域です。
そもそも女性には”母性”という本能が備わっているので、母のような懐の大きさでお客様を助けたい、幸せにしてあげたいという想いがあるそうです。
このような気持ちは男性に備わっていないので、これが女性営業の強みであり、愛想の良さの一端にもなっているそうです。
このような愛想の良さがあれば、営業現場では百人力でしょう。
ルート営業に適正はない
営業職には、法人営業、飛び込み営業、電話営業、ソリューション営業、代理店営業、ルート営業、フィールドセールス、インサイドセールスなど、たくさんの種類があります。
その中でもココでは”ルート営業”にフォーカスしていきたいと思います。
ルート営業とは特定の顧客をグルグルと回る営業スタイルのことで、その目的は顧客サポートやフォローアップになります。
ルート営業が既存顧客をフォローする営業職であるのに対して、一般的な営業職は新規開拓をメインとする営業職なので、ある意味では真逆の役割だと言えます。
最近では「カスタマーサクセス」という営業スタイルが流行っていますが、これもルート営業の一種だと考えています。
ルート営業は取り組みやすい
新規開拓は「営業未経験の人には難しい仕事」だと言われますが、ルート営業は「取り組みやすい」と言われています。
ルート営業の場合には既存顧客を回るのが仕事なので、他人へ売り込んだり、断られたりするケースが少なく、「営業職なのにストレスが溜まりにくい」のです。
もちろん顧客から無理難題を言われたり、多少のプレッシャーはあるかもしれませんが、それでも新規開拓営業のノルマに比べれば全然マシです。
既にお付き合いのある馴染み客の要望を聞いたり、お困りごとを解決したり、相手に共感するスキルが求められますが、これらは全て『解約を防ぐ』という目的があるので、ルート営業は企業にとって非常に重要な役割を担った営業職でしょう。
やはりビジネスというのは”顧客の声”をヒアリングして、製品・サービスを改善し、少しずつブラッシュアップしていくことで完成へと近づいていきます。
その起点となるルート営業は、とても重要な役割を担っていることが理解できますよね。
そう考えた場合、取り組みやすい上に、やりがいのある仕事がルート営業だと言えるでしょう。
営業職の種類
先ほどルート営業について解説しましたが、その他にも様々な種類の仕事があるので、ここでは代表的な営業職について触れてみたいと思います。
①内勤営業とは?
内勤営業とは、言葉の通り内側(会社内)で勤務している営業職のことを言います。
最近では「インサイドセールス」と呼ばれることも多いですが、その役割は「インバウンド営業専門」ということになります。
お店に来店してきた新規顧客の対応、お問い合わせしてきた見込み客をクロージングするのが主な役割なので、そういった意味では新規開拓が仕事と言っても過言ではありません。
しかしアウトバウンド営業よりはストレスが少ないので、若手の営業職に人気となっています。
②個人向け営業とは?
- 個人顧客にセールスするか?
- 法人顧客にセールスするか?
この2つで個人営業or法人営業というスタイルの違いが出てきます。
個人営業は個人宅を対象にした営業手法で、主に飛び込み営業などが行われているのですが、個人を相手にするので、とても疲れるしストレスが溜まると言われています。
なぜかといえば、個人(=顧客)の気分に振り回されるからです。
昨日は「買います!」と言っていたのに、今日電話したら「めんどくさいからやめとく」とか「なんとなく気乗りしないからやめとく」と平気で言ったりするのが個人顧客です。
法人顧客がこのような感情論を持ち出すケースは少ないはずですが、個人向け営業では日常茶飯事なので、このようなお客様をコントロールする力が求められるのです。
③法人営業とは?
法人営業は「BtoB営業」と呼ばれたりもしますが、企業向けに製品・サービスを販売する営業スタイルになります。
この営業スタイルの場合には、お客様が法人になるので、個人よりも予算が大きくなるのが特徴的で、1件受注するだけでも数億円の売り上げが立つケースもあるのです。
しかし法人営業の場合には受注までのリードタイムが長くなりがちで、受付→担当者→部長→役員というステップを踏まなければいけません。
これが面倒な部分なのですが、長い案件では1年以上も掛かるので、法人営業の場合には「いかにたくさん見込み顧客を持つか?」という部分が肝になってきます。
④企画営業とは?
製品・サービスをパッケージ商品のまま売り込むのでなく、活用法まで提案する企画営業という仕事もあります。
自社が抱える営業マンを支援する”営業企画部”という仕事もありますが、営業企画が顧客に直接営業をしないのに対して、企画営業は顧客に対して営業する違いがあります。
この2つは混同しやすいので覚えておきましょう。
➄代理店営業とは?
代理店営業は「アライアンス営業」とか「パートナーセールス」とも呼ばれている仕事です。
自社の商品・サービスを販売してくれる代理店の営業活動を支援したり、パートナー契約するための新規開拓をするのが代理店営業の役割です。
エンドユーザーに商品・サービスを売る直販営業こそしないものの、代理店に自社商品などを知ってもらう努力は欠かせません。
とにかく代理店営業で重要なのは、「代理店側を徹底的にサポートすること」なので、気遣いができる人に向いていると思います。
営業マンはマイペースであれ!
ここまで営業適正について解説してきましたが、やはり一番重要なのは前述した通り「コミュニケーション能力」だと思っています。
しかしその一方で「マイペースであること」も重要だと考えています。
なぜかといえば、マイペースの人は「セルフマネジメントができる」からです。
営業部はチームになっていますが、その中身は営業マン個々人の実績が集まった集合体なので、本質的には個人戦だと言えます。
なので自分自身をマネジメントしなければいけないということです。
例えば「●月●日までに売り上げ100万円にする」とか「×月×日までに見込客から返答をもらう」など、自分自身でスケジュール管理をして、ノルマ達成できるように調整しなければいけません。
このように与えられた仕事を完結することは絶対なのですが、その過程は自分一人に任せてもらえるのが営業のメリットだと言えますが、その反面責任も重くなります。
よって周りのプレッシャーに振り回されず、マイペースに淡々とこなせる人は、とても強いと感じます。
営業には正攻法がありますが、絶対的な成功法則など存在しないので、自分なりのやり方を見つけましょう!