
ヤオコーといえば、東証プライム(元・東証一部)に上場している企業ですが、庶民的なスーパーマーケットなので、利用したことがある人も多いはずです。
その創業は1890年に八百幸(ヤオコー)商店というネーミングの八百屋(やおや)として始まりますが、1958年に実質的な創業者である川野トモがスーパーマーケット化を推し進めたことで拡大路線に入ります。
そして2022年には売上高5000億円を超えるスーパーマーケットチェーンへと成長しました。
- 不況に負けない小売店
- 日本一強いスーパー
このような異名を持つヤオコーですが、会社の底流に流れているのは実質的な創業者である「川野トモの精神」だと言われています。
そこで今回は、実質的なヤオコー創業者と言われている「川野トモ」の名言集をご紹介したいと思います。
小売業をしている人や、販売に携わる人にとってはビジネスに関わる格言となり得るので、ぜひ最後までご覧ください。
ヤオコー創業者の金言集まとめ
「行き詰まり」を打破するには「新しいライフスタイルを創造する」ことに尽きるわけです。
元々は小さな八百屋として経営していたヤオコーですが、川野トモが総合的なスーパーマーケットへと大転換を図りました。
世の中のライフスタイルの変化を読み取って、ビジネスモデルも刷新していかなければ、いづれ企業は衰退するということです。
人間という字は「人の間」と書きますが、まさにその通りで、相手との呼吸合わせができるようになればもう一人前の人間と言えます。
会社というのは「人」が集まった組織なので、自分勝手な振る舞いは許されません。
上司や取引先だけでなく、お客様との呼吸合わせも必要なのです。
お客様が我々商人に訴えるものは、モノそのものの「価格」や「必要性の度合い」はもちろんですが、それだけでなく「きちんと相談に乗ってくれる」「期待した以上の満足を与えてくれる」。
それができるかどうかなのです。
これはつまり「顧客の期待値を超えましょう」という話です。
顧客の期待を越えた時、お客様には感動が生まれます。
商人は覚えておきましょう!
厳しくなるからこそ、考え方や意欲次第で実力が生かされるわけですから、面白く働きがいのある時代なのです。
不景気の時こそアイデア勝負できるので、「不景気は面白くて働きがいのある時代」だと川野トモは語っています。
確かに、そのような考え方をしたほうが仕事も楽しくなるでしょう。
どんな世界でも勝負の原点は「行動」であり、「根性」なのです。
これはまさに「気合い根性論」なのですが、一般的な根性論と違うのは「行動」を推奨していることです。
行動ありきの根性論なので、これはとても良い金言だと思います。
当社の目的は、常に顧客の創造にあります。
顧客を創造することは、「経営学の父」と呼ばれたピーター・F・ドラッカーも提唱していました。
ドラッカーの思想は多くのビジネスパーソンが参考にしています。
P・F・ドラッカーの考え方が知りたい人は下の記事をご覧ください。
営業の基本は絶えず市場に目を向けることです。
「市場」というのは「顧客ニーズ」と言い換えることができます。
お客様が求めるものをヒヤリングして、そのニーズが満たされる価値を提供し続けるのが「良いビジネス」だと語っています。
まさに大競争時代の到来です。
現代のビジネス環境は、まさに「大競争社会」だと思います。
このような競争社会では、お客様に寄り添って、親身に耳を傾ける企業だけが生き残ると語っています。
これからは、「この人だからこそ」の知識や特技が勝負になっていくのだと思います。
モノ余りの時代なので、一般的な知識やスキルはコモディティー化します。
つまり「ジェネラリスト」ではなく「プロフェッショナル」だけが生き残れる時代になるということです。
企業の最終目的は、企業活動を通じて社会にお役立てし、その見返りとして利益を上げることです。
このような状態が企業にとって理想的なので、「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助は「企業は社会の公器である」と語りました。
松下幸之助の名言集は下の記事をご覧ください。
私がいつも思いますことは、商売に難しい理屈はいらないということです。
商売の基本とは「相手に喜んでもらう」というシンプルな行動原理だと思います。
相手が喜んでくれれば、その対価が貰えるので、とにかくお客様第一で考えれば良いと思います。
「この社員から買いたい」「この店が好きだ」というお客様を何人作るかが商いの極意なのです。
これは「ファンを増やす」ということだと思います。
ファンを増やせば増やすほどビジネスは拡大するので、ビジネスパーソンは覚えておきましょう。
一人一人のお客様を大切にする。
「遠くから来店してくれたり、たくさんあるお店から選んでくれたことに感謝するべきだ」と川野トモは語っています。
それと同時に、一生懸命働いてくれる社員にも感謝しましょう。
お客様は店全体をトータルで評価しています。
たとえ自分一人の接客が良かったとしても、お店の雰囲気が暗い、レジ打ちの態度が悪い、商品の陳列が雑、などのマイナス要因があれば、それを含めてお客様は判断します。
強いお店を作るためには「店舗単位でのサービス向上」を心掛けましょう。
店の社員一人一人に「新しいお客様を創るのだ」という心構えがあってこそ、初めて売上に貢献していくのです。
せっかく来店したお客様を「その場限りのお客様」と見てはいけません。
店舗経営とは「売る人と買う人との交流である」と心得ましょう。
多くの皆さんの仕事は、全くと言って良いくらいお客様の方に向いていないのです。
社長や上司の方を向くのではなく、お客様の方へ顔を向けましょう。
このような基本ができていないから、顧客ニーズがわからなかったり、商売がうまくいかないのだと思います。
会社の利益というのは貢献の尺度であり、お役立ち料なのです。
会社の利益が多いということは、お客様にたくさん喜ばれたということです。
このような考え方になれば、売上&利益を追うのも悪くありませんよね。
お客様が不満を持ったとしても、不満を口に出し表明してくれるお客様は、不満を持つお客様全体のわずか4%だと言われ、後の96%のお客様は、何も言わないで黙って去っていく。
とあるクレームの裏には、たくさんのクレーム予備軍が隠れているということです。
経営者はこの事実を自覚するべきだと思います。
創業時というのは、「資金はない」「売れ筋商品はない」「お客様はなかなか信用してくれない」「人材は乏しい」というないない尽くしの中から、悪戦苦闘してここまでやってきたのです。
できない言い訳をするのは簡単ですが、それをしても全く意味がありません。
「どうすれば改善できるのか?」という前向き思考を持ちましょう。
売れ筋は常に変化し、人も老います。
ビジネス環境は変化するので、現状に満足してあぐらをかいてはいけません。
ビジネスが「順風満帆」だと思った時こそ気を引き締めましょう。
商いの世界に現状維持ということはあり得ないのです。
資本主義社会では、お互いが切磋琢磨するので、常に向上心を持ってお互いが前進していきます。
その中で「現状維持」ということは、相対的に衰退することを意味するのです。
満足してくださったお客様は、その後も繰り返しを店に来てくださいます。
そして、社員の応対が口コミでお客様に伝わっていくのです。
ビジネスにおける口コミの効果は絶大です。
口コミを有効活用できた企業は、圧倒的な優位性を持つので、上手に活用していきましょう。
店内に積まれている商品は店にとって貴重な血液であり、その回転によって店としての生命が支えられているわけです。
お店を人間に例えた場合、「商品が血液」というのは目からウロコですよね。
確かに商品が売れなければお店は倒産するので、理にかなった例えだと思います。
店舗経営の格言として覚えておきましょう。
昔から商人というものは「損して得をとれ」と言われています。
「損して得をとれ」という金言は、「損することを惜しんでは、商売人として成功しない」という意味です。
サービス業においての「サービス向上」は先行投資かもしれませんが、それこそが肝なのかもしれません。
商人はまず積極的でなくてはなりません。
「お客様のために」という精神こそが、商売人にとっての積極性です。
「お客様に喜んでもらいたい!」という気持ちは、行動に表れるということです。
私自身、小売業は景気、不景気に左右されるものではないと確信しています。
不景気でも成長し続けているヤオコーを体現したような言葉だと思います。
顧客目線に立って、お客様第一を貫いていれば、必然的にファンがつくので、売上が落ちることもないそうです。
お客様にとって貴重な存在は、会社にとっても、最も大切な人材です。
顧客満足度が高い店舗には「あの店には”あの人”がいるから…」と言われる優秀な人材がいるそうです。
そのような人材は、会社にとって貴重な「人財」となるのです。
商売に理屈は禁物です。
理屈臭くなると、シンプルにお客様から嫌われます。
人間は理屈で動くのではなく、感情で動いているため、理屈臭い話が大嫌いなのです。
だからこそ、「商売人は常に笑顔でニコニコしていれば、それだけでOK!」だと川野トモは語っています。
とても辛いことですが、怒ったら負けなのです。
商売人は、お客様に対して「怒ったら負け」だと思いましょう。
なぜかといえば、怒ったお客様は外で悪口を言いふらすからです。
1人のお客様を怒らせると、それが結果的に「10人のお客様が逃げる」という状態になってしまいます。
川野トモは、もし腹が立つようなことがあれば、心の中で「ありがとう!」と叫ぶように推奨しています。
このように、怒りの感情をコントロールすることを「アンガーマネジメント」と呼んでいます。
アンガーマネジメントについて知りたい人は、下の記事をご覧ください。
私はこの仕事に就いてから「欲」を持つようになりました。
「お客様に喜んで買い物をしてもらいたい!」という欲望を持ったことで、他の従業員では気づかない些細な問題に気づいたり、どうすればお客様が喜んでくれるのかがわかるようになったそうです。
川野トモは「私は”欲”のない人は成長しないと思っています。」と語っています。
何事も本気で考えるからこそ、成長できるのだと思います。
お客様がお店を選ぶポイントの第一は、売り手の接客態度にあると言えます。
いくら商品が豊富で安くても、不愉快な思いをしてまで買い物をしようとは思いません。
お客様は「買い物する楽しさも求めている」ということです。
お店の顔は売る人、つまり社員の皆さんなのです。
これは店舗運営をする全ての人を勇気づけてくれる言葉だと思います。
店舗ビジネスをしている人は、ぜひ”座右の銘”にしましょう。
売り手にとって便利なことが、買い手にとって不便だということが多いのです。
売り手というのは店舗側で、買い手というのはお客様のことです。
これは意外な事実かもしれないので、ビジネスの格言として覚えておきましょう。
明るく健康に仕事をするには、人間関係を上手にすることが大切な条件です。
世の中のトラブルのほとんどは人間関係に起因すると言われます。
それほど人間関係はトラブルの元になるので、十分注意しましょう。
一番大事なことは「嘘」をつかないことです。
嘘をつくことはビジネスにおいてご法度です。
お客様はもちろんですが、上司への報告にも嘘を混ぜてはいけません。
ルールを破るということは、ルールに守ってもらえなくなります。
自分で自分の身を滅ぼすことになるので、十分注意しましょう。
相手に負けたという考え方ではなく、必ず勝つ仕事をしたらどうか?
ライバルを悪く言ったり、他人のせいにしているばかりでは、仕事が面白くないはずです。
仕事を楽しくする秘訣は、主体性を持つことです。
当事者意識を持って主体的に取り組めば、きっと仕事が楽しくなると思います。
仕事が楽しい、楽しくないという差は「やりたい」と思っているか否かの差ですね。
本人の心意気次第で仕事の楽しさは変わると思います。
そのような楽しみ方が見つかれば、心に余裕ができるので、さらに楽しめるはずです。
言葉遣いをマナーの第一と考え、最も大切にしなければならないと思います。
接客業においては、言葉遣いが重要ですよね。
言葉遣いは人間関係を良くする潤滑油なので、敬語(丁寧語、尊敬語、謙譲語)をきちんと使い分けできるのはビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルだと思います。
敬語について不安感があれば、ぜひ下の記事を参考にしてください。
中小企業というのは組織で動くのではなく人で動くのです。
日本にある企業の99%は中小ベンチャー企業だと言われています。
そのような企業は人員が少ないので、人的リソースが重要ですよね。
戦国最強と言われていた武田信玄は以下のような名言を残しています。
人は城。
人は石垣。
人は堀。
情けは味方。
仇は敵なり。
武田信玄も語っているとおり、昔から人の重要性は変わらないのだと思います。
戦国武将から戦の勝ち方を学びましょう!
挨拶には上も下も無いのです。
やはり挨拶は明るい職場づくり、良い企業づくりの基本なのです。
職場の仲間はもちろんですが、お客様に明るい挨拶をすれば、きっとお客様や地域から愛されると思います。
それがビジネスの基本なのだと理解しておきましょう。
小売業者が知るべき”格言”ばかり
ここまでヤオコー創業者の川野トモの名言をご紹介してきました。
日本を代表するスーパーマーケットチェーンを作り上げた人物なので、小売業者だけでなくビジネス全般に通用する格言ばかりだったと思います。
小売事業に関わる人は、絶対にマーチャンダイジングを学ぶべきだと思うので、まだ知らない人は下の記事をご覧ください。
ここで学んだ知識や金言を活かしながら、ぜひ自分のビジネスに役立ててください。
もし他にも有名経営者の名言が知りたい場合は、下の記事をご覧ください。