採用担当者であれば誰でも、「優秀な人材を採用したい!」という悩みや課題を常に抱えているはずです。
しかし優秀な人材を採用するのは難しいですし、成功事例も決して多くないはずです。
そこで今回は、一流の営業マンを採用する方法について解説していきたいと思います。
採用活動が厳しさを増している
先進国と呼ばれる国の中でも突出していると言われるのが「日本における高齢化社会」の現状です。
少子高齢化がもたらす影響の大きさは、日本の大企業や中小企業の将来に暗い影を落としています。
いわゆる生産人口の減少により、企業運営に必要となる「人材不足に陥るのでは?」という懸念をされているのです。
多くの中小企業が新卒採用&中途採用に力を入れていますが、ほとんどの企業が思うような成果を得られていないのが実態だと思います。
これまで使っていた求人媒体だけでなく、人材紹介を活用したり、イベントや就職説明会などを実施しても効果はイマイチで、採用コストだけが高止まりしたまま、多くの企業が「打つ手なし」という状況に陥っているのです。
日本の経済界を支える中小企業にとって、これから人材確保は難しくなる一方だと思っています。
経済には好景気&不景気という波がありますが、人口動態というのは絶対的な”抗えない指標”だと言われているからです。
実際、日本は移民を受け入れるしか人口を増やす手立てがなく、今後は人口減少の一途をたどっていくことになるでしょう。
このような日本全体に広がる人手不足の状況は、空前の売り手市場をもたらしていますが、多くの学生が望んでいるのは誰もが知っているような大企業に就職することなので、中小ベンチャー企業にはきついですよね。
ただでさえ、資本力やスケールメリットで勝る大企業のほうが有利と言える採用活動ですが、中小企業は限られた予算内での採用活動を余儀なくされるため、余計に「優秀な人材の確保が難しい」という現実が続いているのです。
営業職を採用する基準とは?
ここまで採用活動が厳しくなっている背景について解説しましたが、不満ばかり口にしていても仕方ありません。
それではどうすれば優秀な営業職を確保できるのでしょうか?
採用活動に慣れていない中小企業の人事担当者にとっては難解な問いだと思いますが、勿論「どんな人を採用したいのか?」という基準は会社ごとに異なります。
でも、「どうせなら優秀な営業マンを採用したい!」というのが、採用担当者の本音であることは間違いないでしょう。
人事担当者や面接官からしてみれば、提出された履歴書の内容や面接時の印象だけで、優秀かどうかを見極めることは無理難題だと思いますし、深く話してみなければ何も分かりません。
営業職を採用する際には、卒業した大学の名前や資格の有無などにとらわれることなく、その人が「しっかりと結果を出すことができるか?」という部分を重要視することが大切です。
どんなに優秀な学歴や国家資格を持っていたとしても、セールスで実績を挙げられなければ何の意味もないからです。
なので、あらかじめ営業スタッフを採用する基準を設けておく必要があると思います。
その基準は各社バラバラだと思いますが、以下のようなポイントは共通しているはずです。
- 過去の営業実績
- 既存顧客の多さ
- SNSの友達数(フォロワー数)
- 地頭の良さ
過去の営業実績は、月間賞や社長賞、MVPなど「どんな実績を出してきたのか?」という点です。
このように対外的に示せる実績がある営業パーソンは、総じて優秀な傾向があります。
しかし、「優秀な実績が無ければダメ営業マンだ」とも一概には言い切れません。
なぜかといえば、製品サービスや社風が合っていなかっただけの可能性もあるからです。
これはあるある話ですが、「実績の出せなかった営業マンが転職したらトップセールスになった」というのはよく聞く話です。
この辺りはとても難しい判断になるので、多面的に見ていくことをお勧めします。
例えば、SNSの友達数はとても重要な指標になります。
基本的な考え方として、SNSの繋がりが多い人ほど優秀な営業パーソンであることは疑いの余地がありませんよね。
facebookでは「誰と誰が友達なのか?」が公開されているので、それを見れば優秀な人かどうかは一目瞭然なのです。
そして忘れてはいけないのが、地頭の良さです。
これは学歴ということではなく、頭の回転の速さや、理解度の速さになります。
総じて優秀な営業パーソンは暗算が早い傾向にあります。
なので、面接でいきなり「10,000÷50は暗算できますか?」のような暗算質問をしてみるのも良いでしょう。
他にも「100円のコーラを1000円で売る方法を教えてください」など、答えがない質問をしてみるのもおすすめです。
緊張感のある面接でいきなり質問すれば、きっと地頭の良さが確認できると思います。
多少の武骨さや地味な印象であっても、コンスタントに営業成績を残してくれる人が必要です。
継続して与えられたノルマや目標をクリアできるような営業マンを探すようにしましょう。
中途採用の営業マンは使えない?
「トップセールスとして活躍していた」「大企業でフィールドセールスをしていた」という人が、入社希望で現れた場合にはどのような対応をするのがいいのでしょうか。
人手不足に苦しむ中小企業にしてみれば、喉から手が出るほど欲しい人材かもしれませんね。
しかしながら、実際の営業現場では「中途採用の営業マンは使えない…」というケースが往々にしてあることを覚えておきましょう。
もちろん全ての人に当てはまる絶対的な法則ではありませんが、そのような傾向があるということです。
どの会社に行っても優秀な営業成績を残すことができる人もいますが、そもそも「トップセールスマンは扱いが難しい…」と言われてしまうのは、過去の成功体験にすがりついているからです。
言ってしまえば、過去の営業経験があることで、余計な固定概念を引きずってしまうリスクや懸念があるのです。
中途半端な営業職として活躍していればいるほど、新たなチャレンジを怖がりますし、No.1を目指そうともしません。
なので、中途半端に営業経験がある人よりも、まっさらなところからスタートする営業未経験者のほうが好結果を残すケースが意外と多いのです。
営業職の採用面接で聞くべきこと
優秀な営業パーソンを獲得するためには、面接を行う人事担当者や面接官の手腕と眼力が問われることになります。
採用面接では、「いかにして求職者の資質や内面を見抜くことができるか?」が勝負になってきますよね。
限られた採用コストの中でやり繰りしていくので、失敗することは絶対に避けたいはずです。
人材採用する時に絶対にクリアしておきたい条件とは、まず「誠実さ」がある人を採用することです。
ある意味では、これだけは絶対に外すことができない要素だともいえます。
邪悪な人が組織に入り込むと、会社は徐々に腐敗していくことになります。
なので、絶対に素直で誠実な人を採用しなければいけません。
そのような人を見極めるのは難しいことですが、営業職の面接でぜひ“自分自身の弱み”について質問してみてください。
自分の弱みを理解している人はまだまだ成長余地がありますし、それを理解しているということはビジネスパーソンとしての重要な要素です。
人間は強がりでプライドが高い生き物なので、自分自身の弱みを見て見ぬフリをしています。
しかし、自分自身の弱みと真剣に向き合っている人は、謙虚さがあり誠実に生きている人なので、真面目な傾向があるのです。
なので、
- 自分自身の弱みを教えてください。
- なぜそれを弱みだと感じるのですか?
- その弱みを改善する努力をしていますか?
と何回か圧迫質問してみてください。
自然と求職者の化けの皮が剥がれて、ナチュラルな人物像が見えてくるはずです。
自ら弱さを露呈できる人は、人からの共感や信頼を受けやすい傾向があり、芯の強い人だと思います。
反対に弱みを隠そうとしたり、取り繕ったりする人を採用するのは、少し慎重になったほうが無難かもしれません。
営業職の採用方法
人材不足が常態化している現代では、様々な採用手法が出てきています。
これからますます進行していく人口減少社会を勝ち抜くため、経営者はどうしても採用活動に注力しなければいけませんが、採用担当者の率直な気持ちとしては「どうすれば優秀な営業職が採用できるのか?」という感じだと思います。
採用活動が厳しさを増す中、競合他社と同じやり方をしていては勝ち抜けないので、知恵を絞ったりオリジナリティ溢れる工夫をしてみる必要があります。
その中でもオススメしたいのが、
- SNSを活用した採用活動
- リファラル採用
の2種類です。
SNSはもはや現代社会のインフラと化していますが、SNSを採用活動に上手く活かしている会社を見かけることはあまりありません。
SNSは無料で情報発信できるツールなので使わない手はないと思いますが、そのやり方に正攻法はありません。
自分たちに合ったやり方を見つけるしかないので、ぜひ自社のカルチャーに合ったSNSで情報発信してみてください。
やればやるほど効果がでるはずなので、採用担当者にはオススメのやり方です。
次にリファラル採用というやり方があります。
リファラル採用とは、言い換えれば「縁故採用」のことをいいます。
縁故採用は昔ながらの採用手法なので、ご存じの人は多いと思います。
自社で勤務している社員などから知人&友人を紹介してもらう採用手法なので、採用予算が限られている中小企業や、革新的なベンチャー企業を中心に盛り上がりをみせています。
リファラル採用の特徴は、既に勤務実績のある人からの紹介になるので、ある程度の信用性が担保されているという点です。
そして知り合いが社内にいるという理由から、離職率も低くなる傾向があります。
このやり方は欧米の採用手法として一般的に普及していますが、日本ではあまり馴染みのない採用手法になっています。
そういった側面からも、リファラル採用は必ず実施すべき施策だと思います。
逆に絶対やめた方が良いのが、リクナビやマイナビなどの採用媒体を利用することです。
採用担当者としてはラクなやり方なので”媒体掲載”を選びがちですが、そんなやり方をし続ける限り優秀な人材は獲得できませんし、離職率も下がりません。
なので、理想論だけをいうと「採用活動における広告宣伝費ゼロを目指す」のが良いと思います。
もちろんすぐに採用サイトを断ち切る決断までは無理だとしても、長期的には「媒体を使わない」という方向に舵を切るべきだと思います。
時間は掛かると思いますが、Webマーケティングやリファラル採用は努力した分だけ結果がついてくる施策なので、諦めずに続けてみてください。
採用活動の本質とは「自社のファンを増やす」ことなので、その部分だけは間違えずに継続していきましょう!