ピーター・ファーディナンド・ドラッカーと言えば「経営学の父」と呼ばれている学者ですよね。
代表作と言える「マネジメント」は、ビジネスパーソンの必読書としても有名です。
P・F・ドラッカーを知ることで、チームビルディングやリーダーシップ、イノベーションなど、企業経営に関する全般が理解できるので、経営者にも大人気なのです。
そこで今回は、ピーター・ドラッカーの名言集をご紹介していきたいと思います。
ドラッカーのエッセンスが詰め込まれた言葉ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
ピーター・F・ドラッカーの名言集まとめ
自らの成長のために最も優先すべきは、卓越性の追求である。
<非営利組織の経営より>
ドラッカーは「能力アップを図ることは、仕事の効率を高めるだけでなく、人間そのものを変化させる」と言っています。
つまり自己成長につながるのです。
成長に最大の責任を持つ者は、本人であって組織ではない。
<非営利組織の経営より>
サラリーマンは会社に依存する思考回路になっていますが、それが本質ではありません。
自分の人生は、自分の手で切り開くのです。
成功の鍵は責任である。
自らに責任を持たせることである。
<非営利組織の経営より>
大事なことは地位や給料を高めることではなく、権限を与えることです。
経営者は肝に銘じておきましょう。
自らが行うことについては、常に不満がなければならず、常によりよく行おうとする欲求がなければならない。
<現代の経営より>
これは製品サービスの提供者について語った名言です。
不満があるから改善しようと思うので、現状への不満は、事業成長の種だと認識しておきましょう。
人は誇れるものを成し遂げて、誇りを持つことができる。
<現代の経営より>
これは自信や達成感について語った名言です。
もし自分に自信がないと感じている場合には、何かを成し遂げる必要があるでしょう。
焦点は仕事に合わせなければならない。
仕事は成果を上げられるものでなければならない。
仕事が全てではないが、仕事がまず第一である。
<マネジメントより>
これは100%共感できる名言ですよね。
仕事は人生におけるすべてを提供してくれます。
- お金
- 人脈
- 友人
- 成功体験
- 知識(又は知恵)
- 道徳観 etc.
ドラッカーの言うとおり、仕事を頑張れば、人生は幸福になるのです。
自らの成長につながる最も効果的な方法は、自らの予期せぬ成功を見つけ、その予期せぬ成功を追求することである。
<非営利組織の経営より>
この名言で繰り返している「予期せぬ成功」とは、顧客ニーズのことです。
これは往々にしてあることですが、自分たちが考えている顧客ニーズと、本当の顧客人数は99%の確率でズレています。
本当の顧客ニーズが最初から見えることはないので、それを探し出すことが成功への近道になるのです。
宗教の先生が生徒一人一人に「何によって人に覚えられたいかね」と聞いた。
誰も答えられなかった。
先生は笑いながらこう言った。
「今答えられるとは思わない。でも、50歳になって答えられないと問題だよ。人生を無駄に過ごしたことになるからね。」
<非営利組織の経営より>
この出来事が伝えたいことは、「あなたは何のプロフェッショナルになるのか?」というシンプルな問いかけです。
五十歳にもなって「私は●●のプロフェッショナルです。」と答えられない人は大問題なのです。
成果とは百発百中ではない。
百発百中は曲芸である。
<マネジメントより>
ビジネスパーソンであれば、誰でも成果を求めると思います。
仕事における成果とは、長期にわたって業績に貢献することです。
時には失敗することもありますが、長期的に見ればそれは誤差に過ぎないのです。
成果を上げるものは、社会にとって不可欠な存在である。
<経営者の条件より>
これはつまりイノベーターについて語った名言です。
社会に変革をもたらすのはイノベーションですが、それを実行するのが起業家なのです。
まず果たすべき責任は、自らのために最高のものを引き出すことである。
<非営利組織の経営より>
人間は、自分の能力以上の仕事ができません。
逆に言ってしまうと、自分の持ってる能力を最大限に引き出して仕事をすべきなのです。
その上で周囲を巻き込んでいけば、自分でも驚くような結果が出せるはず。
成果をあげる人とあげない人の差は、才能ではない。
いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。
<非営利組織の経営より>
これはつまり基本が重要だということです。
その基本とは、合理的思考と圧倒的な行動力です。
成果を上げることは一つの習慣である。
<経営者の条件より>
ドラッカーは下のようにも言っています。
「成果に結びつくのは、実践的な能力の積み重ねである。実践的な能力は習得することができる。それは単純である。呆れるほどに単純である。」
つまり日々の積み重ねが知恵になっていき、それが少しずつ成果へと繋がっていくのです。
卓越するには特別の才能が必要である。
だが成果を上げるには、人並みの能力があれば十分である。
<経営者の条件より>
「自分は優秀じゃない…」と斜に構える必要などありません。
人並みの能力さえあれば、十分結果を出すことができるのです。
仕事を生産的なものにするには、成果すなわち仕事のアウトプットを中心に考えなければならない。
<マネジメントより>
これは目的と手段について語った名言です。
多くの場合には技能や情報、知識など自分がインプットしているものを基準にスタートしてしまいますが、それはあくまでも手段に過ぎません。
まずは目的を明確にし、そこへたどり着くために手段を使うのです。
それはつまりクリエイティブな作業ということです。
自ら成果を上げるということは、一つの革命である。
前例のない全く新しい種類のことが要求される。
あたかも組織のトップであるかのように考え、行動することが要求される。
<明日を支配するものより>
これは当事者意識を持つ重要性について語った名言です。
よく「当事者意識を持って!」と言われますが、それは仕事で成果を出すために必要だからなのです。
習得することができず、もともと持っていなければならない資質がある。
他から得ることができず、どうしても身につけていなければいけない資質がある。
才能ではなく真摯さである。
<現代の経営より>
これは100%共感できる名言ですよね。
個人的には「誠実さ」と言っていますが、これだけは他から得ることができません。
常に誠実さを持つように心掛けましょう。
成果を上げるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならない。
手元の仕事から顔を上げ、目標に目を向ける。
<経営者の条件より>
これはビジョンを掲げる大切さについて語った名言だと思います。
明確なビジョンを掲げなければ、自分の目指すべき場所が分からず、社員は目の前の作業だけに没頭してしまいます。
それでは目的地がわからずに歩いているのと同じなので、組織全体が活性化しないのです。
自らの貢献を問うことは、可能性を追求することである。
<経営者の条件より>
組織に貢献するということは、知識や技能を身につけたり、自己啓発したり、自らの強みをさらに磨くことにつながっていきます。
それを社員全員が行えば、全体の底上げにつながっていくのです。
目標は難しいものにしなければならない。
背伸びをさせるものでなければならない。
だが、可能でなければならない。
<明日を支配するものより>
経営者や事業責任者にとって、目標設定はとても重要な意味を持っています。
「どれくらいの目標にすればいいのか?」というのは、常に抱いている疑問だと思いますが、ドラッカーは「背伸びをすれば達成できるかもしれない、難しいものにするべき」と回答しています。
不得意なことの改善にあまり時間を使ってはならない。
自らの強みに集中すべきである。
<明日を支配するものより>
無能を並みの水準にする為には、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とします。
それでは効率が悪いので、自らの強みに集中すべきだと思います。
今更自分を変えようとしてはならない。
うまくいくわけがない。
自分の得意とする仕事のやり方を向上させることに、力を入れるべきである。
<明日を支配するものより>
自分に合わないやり方をやろうとしても、それは効率が悪いだけです。
自分に合ったやり方で成果を出すのが、最も効率の良いやり方なのです。
仕事のやり方として、人と組んだ方が良いか、一人の方が良いかを知らなければならない。
<明日を支配するものより>
仕事は一人でやらなければいけないわけではありません。
自分の強みと弱みを知った上で、その弱みを補完してくれる人と一緒に仕事をする方が効率は良いはずです。
まずは自分を知ることが大切なのです。
知っておくべき大事なことがある。
緊張感や不安があった方が仕事ができるか、整備された環境の方が仕事ができるか。
大きな組織で歯車として働いた方が仕事ができるか、小さな組織で大物として働いた方が仕事ができるか。
どちらでも良いというものは、あまりない。
<明日を支配するものより>
これは職場との相性について語った名言です。
- 大企業で働くのか?
- ベンチャー企業で働くのか?
この二つは同じ会社組織ですが、求められるスキルや能力が全く違います。
私は両方で働いたことがある当事者なので良く理解していますが、この見極めは成果を出すために重要なポイントだと思います。
組織において成果を上げるには、自らの価値観が組織の価値観に馴染まなければならない。
同じである必要はない。
だが、共存できなければならない。
<明日を支配するものより>
価値観が合わなければ、仕事が楽しくなく、成果も上がらないはずです。
就職する場合には、この部分を見極めるようにしましょう。
強みを活かすものは、仕事と自己実現を両立させる。
<経営者の条件より>
会社で働くことを「仕事」と割り切っている人は多いですが、それはとても勿体ないと思います。
自分の強みを会社で発揮すれば、それはあなたのキャリアにつながっていき、ひいては自己実現にも繋がっていくのです。
最高のキャリアは、計画して手にできるものではない。
自らの強み、仕事のやり方、価値観を知り、機会をつかむよう用意をした者だけが手にする。
<明日を支配するものより>
これは準備する大切さを語った名言です。
チャンスは必ず訪れます。
その時に掴みとれるよう、用意周到な準備をしておきましょう。
選択肢を前にした若者が答えるべき問題は、正確には「何をしたらよいか?」ではなく、自分を使って「何をしたいか?」である。
<断絶の時代より>
人生の主人公はあなた自身です。
あなた自身が「何をしたいのか?」という主体性をもって考えましょう。
最初の仕事はくじ引きである。
最初から適した仕事に就く確率は高くない。
<非営利組織の経営より>
これは新卒社員に伝えたい名言No.1ですね。
一つのことに固執せず、選択肢を最大化しましょう!
自らの価値観に反するところに身を置くならば、人は自らを疑い、自らを軽く見るようになる。
<非営利組織の経営より>
価値観の違う会社に勤めている場合、自尊心が傷つけられます。
そのような生き方は楽しくないはずなので、価値観の合う会社を探しましょう。
企業という柔軟で流動的な組織さえ、人を同じ仕事、同じ環境に閉じ込めようとする。
<乱気流時代の経営より>
同じ仕事ばかりしていると飽きますよね。
自分が成長してないと感じるなら、それは変化すべきタイミングだと思います。
日常化した毎日が心地よくなった時こそ、違ったことを行うよう自らを駆り立てる必要がある。
<非営利組織の経営より>
心地よく感じるということは、慣れている証拠です。
それでは成長が鈍化しているはずなので、別の機会を探すのが良いでしょう。
人生から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを知った時、人は人として成熟する。
<断絶の時代より>
これはリスクとリターンの関係性を語った名言だと思います。
リスクは「自己投資」と言い換えることもできるはずです。
リスクとリターンは常にトレードオフの関係にあるので、自分が取ったリスク以上のリターンを求めることはできないのです。
知識労働者も経済的な報酬を要求する。
報酬の不足は問題である。
だが、報酬だけでは十分でない。
知識労働者は機会、達成、自己実現、価値を必要とする。
<経営者の条件より>
ピーター・ドラッカーの著書には「知識労働者」という言葉が頻繁に出てきます。
この知識労働者が活躍する会社こそ、価値が高い会社だとドラッカーは言っているのです。
知識労働者はほとんどが専門家である。
彼らは一つのことだけをよく行うとき、すなわち専門化したとき、大きな成果を上げる。
<経営者の条件より>
知識労働者とは、ある特定分野の「プロフェッショナル」を意味しています。
プロフェッショナル人材は、ある特定分野に専念する時、大きな成果を出すのです。
知識ある者は、理解されるよう努力する責任がある。
<経営者の条件より>
知識労働者はプロフェッショナルなので、素人から理解されるのが難しいかもしれません。
それでも、理解されるように努める必要があるとドラッカーは言っています。
なぜかと言うと、仕事はチームプレイなので、別の知識労働者に自分の動きを理解してもらえなければ、良い成果など期待できないのです。
知識労働者は、全て起業家として行動しなければならない。
<創造する経営者より>
これは極端な意見に聞こえますが、プロフェッショナルは当事者意識を持つべきだとドラッカーは言っています。
それを突き詰めていくと、現代社会のようなフリーランス化が起こると予言していたのです。
現在の状況を1990年代に言い当てていたのは驚きですよね。
確実性を必要とする人は、起業家に向かない。
意思決定の本質は、不確実性にある。
<イノベーションと起業家精神より>
「経営とは何か?」という質問をよく受けますが、私の答えは「不確実性の修正」です。
全てにおいて意思決定が求められるので、会社経営には高度なバランス感覚が必要だと思います。
起業家精神とは、気質でなく行動である。
<イノベーションと起業家精神より>
「起業を成功させる秘訣とは?」という質問もよく聞きますが、その答えは「圧倒的な行動力」です。
いくら情熱があっても、資金力があっても、起業が成功するとは限りません。
起業を成功させる秘訣はたった一つ、圧倒的な行動力だけなのです。
まさにそれを言い表している名言だと思います。
オーナー起業家に天才的な閃きがあるというのは神話に過ぎない。
<未来企業より>
世の中に天才などいません。
成功とは、努力によって積み上げられた知恵をフル活用した結果なのです。
起業家は、変化を当然かつ健全なものとする。
<イノベーションと起業家精神より>
これはイノベーションについて語った名言だと思います。
イノベーションとは「創造と破壊」がセットになった言葉です。
つまり、経済状況や技術の進歩によって市場環境は変化していくので、それに合わせたイノベーションが常に起こるのです。
それは資本主義経済において当たり前のことであり、むしろ歓迎すべき状態だと思います。
なぜかと言うと、イノベーションとは古い商習慣(又は文化)を破壊し、より良い未来へ導いてくれる種だからです。
変化を観察しなければならない。
その変化が機会かどうかを考えなければならない。
<ネクスト・ソサエティより>
ビジネスにおいて、変化はチャンスとなりえます。
しかし、その変化が本物なのか、一時的な流行なのかを見極めなければいけません。
その見極め方を、ドラッカーは以下のように語っています。
「本物の変化とは人が行うことであり、一時の流行とは人が話すことである。」
イノベーションの機会は、イノベーションを行おうとする者と体質が合っていなければならない。
さもなければ、忍耐強さを必要とし、欲求不満を伴う厳しいイノベーションの仕事はできない。
<イノベーションと起業家精神より>
これはイノベーションを起こすための情熱について語った名言です。
この名言で言うように、イノベーションを起こすためには強烈な忍耐力が求められます。
なので、人生をかけて取り組めるテーマでなければ、途中で飽きてしまったり、簡単に諦めてしまうのです。
仕事上の関係において成果がなければ、温かな会話や感情も無意味である。
<経営者の条件より>
これはあくまでもビジネスに限った話だと思います。
かなりドライに聞こえる名言ですが、プロ野球選手に例えれば分かりやすいと思います。
毎回結果を出す選手と、全く結果を出さない選手が、同じチームにいられるわけありませんよね。
仕事上の関係においては成果が求められるのです。
組織内の摩擦のほとんどは、互いに相手の仕事、仕事のやり方、重視していること、目指していることを知らないことに起因する。
<明日を支配するものより>
この名言を見る限り、組織内の摩擦はきちんとしたコミュニケーションによってほとんど全て解決されるはずです。
経営者は肝に銘じておきましょう。
上司をいかにマネジメントするか。
実のところ、答えはかなり簡単である。
上司の強みを活かすことである。
<経営者の条件より>
上司について悩んでいるビジネスパーソンは多いと思います。
「上司をマネジメントする」という考えは少し奇抜に聞こえますが、具体的には上司との信頼関係を構築するということです。
優秀な人ほどこれを実践しているので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
コミュニケーションを成立させるのは受け手である。
内容を発する者、つまりコミュニケーターではない。
彼は発するだけである。
聞く者がいなければ、コミュニケーションは成立しない。
<マネジメントより>
この名言を要約すると、相手に伝わらなければコミュニケーションは成立しないということです。
「どうすれば相手が理解できるのか?」を常に考えるようにしましょう。
受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。
<マネジメントより>
これは心理術にも通じる話ですが、ビジネスパーソンはどうすれば相手を会話に引き込めるか考えた方が良いと思います。
様々な心理テクニックがあるので、詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
リーダーシップは重要である。
だがそれは、いわゆるリーダー的資質とは関係ない。
カリスマ性とはさらに関係ない。
神秘的なものではない。
平凡で退屈なものである。
<未来企業より>
ドラッカー曰く、リーダーシップとは人を惹きつける資質ではないと言います。
それではリーダーシップとは一体何なのでしょうか?
それは、組織の使命を考え抜き、目に見える形で明確に定義し、確立することから始めていきます。
それを目標として定め、優先順位を決めて、基準を定め、維持するのがリーダーシップを持っている人なのです。
部下の弱みに目を向けることは、間違っているばかりか無責任である。
<経営者の条件より>
知識労働者は、プロフェッショナルであるとお伝えしました。
それはもちろん部下も同じです。
そう考えた場合、部下の弱みに目を向けることが間違ったことだと理解できますよね。
部下がプロフェッショナル人材なのであれば、強みや長所だけに集中させるのが正しい判断だと言えるのです。
信頼するということは、リーダーを好きになることではない。
常に同意できることでもない。
リーダーの言うことが真意であると確信を持てることである。
<未来企業より>
リーダーである人は、常に誠実でなければいけません。
部下はその人の誠実さをよく見ています。
誠実であることが、人から信頼される最低限の条件だと言えるでしょう。
意思決定においては、
- 決定の目的は何か?
- 達成すべき目標は何か?
- 満足させるべき必要条件は何か?
を明らかにしなければならない。
<経営者の条件より>
これは意思決定する時のポイントを解説した名言です。
経営者にとっては座右の銘になり得る言葉なので、ここで覚えておきましょう。
一つの行動だけが正しく、他の行動は全て間違っているという仮説からスタートしてはならない。
自分は正しく、他のものは間違っているという仮説からスタートしてもならない。
<経営者の条件より>
思い込みは、ときに重大な事故を招きます。
「なぜ意見の不一致が出るのか?」という原因を突き止めましょう。
何も決定しないという代替案が常に存在する。
<経営者の条件より>
経営とは意思決定の連続なので、常に何かを決めなければいけないと考えている人がいますが、決してそんなことありません。
何も決定しない(グレーにしておく)という選択肢もあるのです。
決めてしまうことでリスクが発生するケースもあるので、十分注意しましょう。
薬は苦いとは限らないが、一般的に良薬は苦い。
<経営者の条件より>
「良薬は口に苦し」ということわざがありますよね。
問題に対処するのは「意思決定すること」なので、何らかのリスクが伴うのです。
絶対にしてはならないことがある。
もう一度調べようとの声に負けることである。
<経営者の条件より>
何か意思決定をする場合、それに不満を感じた人や恐怖を感じた人が「もう一度調べよう」と言ってくるかもしれません。
そんなことをしても時間の無駄なので、そのような愚策は絶対に避けましょう。
優先順位の決定について最も重要なことは、分析ではなく勇気である。
<経営者の条件より>
経営における意思決定は、全てにおいて不確実性が伴います。
なので、意思決定するには勇気が必要なのです。
優先順位の決め方を、ドラッカーは下の4つにまとめています。
- 過去ではなく未来を選ぶ
- 問題ではなく機会に焦点を合わせる
- 横並びではなく独自性を持つ
- 無難で容易なものではなく、変革をもたらすものを選ぶ
地位や仕事を問わず、時間を要する手紙や書類の1/4は、くずかごに放り込んでも気づかれない。
<経営者の条件より>
時間は全ての人に平等で有限です。
時間の最大効率化を目指すことが、生産性の最大化につながるのです。
共に働く人が多いほど、その相互作用だけで多くの時間が費やされる。
仕事や成果や業績に割ける時間がそれだけ減る。
<経営者の条件より>
コミュニケーションコストを意識している経営者は少ないと思います。
昨今DX化が叫ばれていますが、その中にはコミュニケーションコストの削減も含まれているのです。
仕事に挑戦を感じなくなったものは、成長が止まったと思う。
確かに現在の仕事では、成長が止まったかもしれない。
だが、有能であり、病気でないならば、仕事さえ変えれば再び成長する。
<断絶の時代より>
成長が止まっている状態を、個人的には「危機感」と表現しています。
これまで転職してきたタイミングは、結果的に全てこの危機感を感じたタイミングでした。
自己成長を追求する人は、常に危機感を持って仕事に当たりましょう。
仕事オンリーでは、組織だけが人生であるために、組織にしがみつく。
<現代の経営より>
このような人材は組織にとって害悪だと思います。
自分が退職する日を延命するため、役職を若い人に譲らず、若手の成長を妨げていきます。
そのような人が組織内にいないか、経営者は注意しましょう。
第二の人生、パラレル・キャリア、社会的起業家としての仕事、そして仕事以外の関心事を持つということは、社会においてリーダー的な役割を果たし、敬意を払われ、成功の機会を持てるということである。
<明日を支配するものより>
世の中は「人」で成り立っているので、人脈が多かったり、人付き合いが多い人ほど成功しやすい傾向があります。
つまり、助けてくれる人が多くなるということです。
そのような環境づくりも、ビジネスパーソンにとっては重要だと思います。
まとめ
ここまでピーター・ファーディナンド・ドラッカーの名言集を解説してきました。
数多くの著名経営者をコンサルティングしてきたドラッカーは、「経営学の父」「経営学のプロフェッショナル」と呼ばれています。
経営者だけでなく、ビジネスパーソンにも影響を与え続けている人物なので、ここで紹介した名言から、座右の銘になるようなお気に入りの言葉を見つけてください。