新規開拓営業では、知らない人に電話をかけることも仕事の1つだと言えます。
それが即受注につながることもあれば、クレームになってしまうケースもあるので、特に電話営業では注意が必要ですよね。
顔の見えない相手を安心させて、十分な説明をするためには、一体どのようなテレコールをすれば良いでしょうか…。
そこで今回は、電話営業のテクニック&コツを解説していきます。
対面営業にはないテレコールならではのノウハウをお伝えしたいと思うので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
電話をかける前に準備を整えよう!
電話営業において、相手を不快にさせないための最低限のマナーはもちろん大切ですが、その前に必要なのが、テレマーケティングする為の下準備です。
自社の商品やサービスを提案するためのテレコールであれば、その商品資料を手元に置いておき、すぐ確認できるようにしておくのがベストでしょう。
相手から商品スペックや価格について質問された時、商品知識があいまいで返答に詰まってしまったりすると、その時点で「こいつはダメ営業マンだな…」と不信感を持たれてしまいます。
誰でも『ダメ営業マンと付き合いたくはない』ので、とにかく一番最初の印象は非常に重要なのだと理解しておきましょう。
また、一度名刺交換したことがある人であれば、相手の名刺や対応履歴などを用意しておくことも大切です。
もし接触したことのある相手だと、「以前のやり取りを忘れた…」なんてことは失礼に当たります。
なので、CRMを導入している場合には絶対に対応履歴を確認しておきましょう。
対面では手元には出しておけないような細かいメモなども、電話の際には準備しておくと何かと使えることがあります。
このように下準備は、しすぎて失敗するということは基本的にありません。
より詳細な情報を用意して、万全の状態で電話営業に臨みましょう。
第一声は必ず”自己紹介”にする
ここからは具体的な電話営業のコツを解説していきたいと思います。
テレコールする際に最も大切なことは、『まず初めにきちんと名乗る』ということです。
どんなに素晴らしいサービスを紹介しようとしても、最初の印象が悪いと、絶対に話を聞いてもらえません。
これは大変もったいないことだと思います。
なので相手が電話に出たら変な間を置かずに、まずは自分が誰であるかを伝え、要件をさっと簡潔に話しましょう。
目的の相手が出なかった場合でも、「私は■■社の○○と申します。」とはっきり名乗ることが大切です。
商材によってはセンシティブな情報が含まれるので、「詳細を喋れない」というケースもありますが、基本的には名乗りもせずにいきなり「ご主人はご在宅でしょうか。」などと言うのは失礼な上に「何か秘密にしたい電話なのか…」と勘ぐられる可能性があります。
これは企業(toB)にかける場合も同様なのですが、とにかくまず”きちんと名乗る”ことが大切です。
そのあとに「電話をかけたい相手がいるか?」(○○社長はいらっしゃいますか?)と尋ねるようにしましょう。
さらに電話に出た相手が聞き取りやすいように、はっきりとした口調で、適切な音量、少し遅めのスピードで伝えることも重要です。
要件がわからない遠回しな表現や、ゴニョゴニョ喋るやり方だと、相手は面倒くさくなってしまうので、テレコールの成功率が下がってしまいます。
電話は対面営業よりもトーンを上げる
自らの身元を明かして、提案を聞いてもらえる段階になれば、次はできるだけ明るい声で商品・サービスの説明をしましょう。
電話では相手の顔が見えない分、些細なことで不安が生まれます。
なるべく安心感をもってもらえるように、対面営業の会話よりも声のトーンを上げて、明るく爽やかな印象を与えることが大切です。
明るい声の出し方が分からなければ、微笑むように口角を上げて話すと自然と明るい声になるので、一度試してみるのが良いでしょう。
セールスであるかないかに関わらず、人はネガティブで暗い人よりも、ポジティブで明るい人と話したいと思うものです。
しかし、あまり不自然にテンションを上げすぎると、それはそれで相手も疲れてしまいます。
それではせっかくのチャンスを失ってしまうので、適度な頃合いを見つけて、優しく話すことが大切でしょう。
テレアポする場合には、ポイントになる言葉をやや強調しながら、抑揚をつけて話すと聞き取りやすくなります。
例えば「業界No.1のサービス」「導入実績は1000以上」「コストを10%下げられる」など、アピールしたいポイントはいくつかあるはずです。
ずっと同じようなトーンで話していては、「何が重要な情報なのか?」とわかりづらくなってしまいます。
これは最初の名乗りの時と共通することですが、滑舌を良くして、ハッキリ話すことを心掛けましょう。
相手の速度に合わせるのがポイント
相手の懐に潜り込むテクニックには、「ミラーリング効果」という心理テクニックがあります。
ミラーリング効果とは心理学で使われている言葉なのですが、自分と同じような仕草や表情をすると、相手は好印象を抱きやすくなると言われています。
多くの研究によると、優れた営業実績を出しているトップセールスや販売員は、お客様の仕草や行動をミラーリングする傾向があるのです。
もちろんこれはテレコールでの話し方にも応用できて、相手の話すテンポにこちらも合わせれば、必然的に好感を持たれやすくなるということです。
ただし、相手の話すスピード早いからと言って、それに合わせてしまうと少し聞き取りづらくなってしまいます。
電話営業の場合には、少し速度を落として話すのが基本となります。
なので、その場合は”間合い”などを合わせるのが良いでしょう。
速度の他にも、声の大小やトーンでも、もちろんミラーリング効果は発揮できます。
また、相手の言葉を繰り返す『オウム返し』という心理手法もあります。
このような心理テクニックは、トップセールスを目指す上で必要不可欠なので、詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
”共感”で信頼関係を構築する方法
テレコールでは、ミラーリング効果を応用しながら、電話する相手との間に信頼関係を築きましょう。
人間は自分の意見に共感してくれる相手に心を開きやすいため、お客様に共感するのも、電話営業のコツだと言えます。
最初は話を聞いているだけだった相手が、だんだんと商品に興味を持ち始め、自分から語り始めたり、現状のサービスに対する不満や悩みを打ち明けてくれることがありますが、そんな時はセールスの大チャンスです。
まずは相手に共感し感情を共有することが、信頼を得るための第一歩だと考えましょう。
相手の悩みを共有してもらうことによって、提案できる商品やサービスもよりクリアになるはずです。
さらに一歩進んで、悩みに対する解決策(ソリューション)をこちらが与えて、電話によって楽しい時間を共有できると、より一層受注へと近づきます。
電話して「楽しい人」というイメージを持ってもらえると、「一度会ってみたい」とか「直接提案を聞いてみたい」という感情が起こりやすくなるのが人間です。
このような楽しい時間を作り出すためには、相手が笑ったら同じタイミングで笑うというのもセールステクニックの一つです。
これは先ほどお伝えしたミラーリングテクニックの一種なのですが、このような心理術を使えばより早く信頼が得られるでしょう。
詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
断られたらしつこく勧誘しない
さて、ここまで様々なテクニックをご紹介しましたが、「どうしても商品・サービスが顧客ニーズに合致しない…」というケースもあるでしょう。
そんな時には、手応えがないからといって、しつこく勧誘するのはやめましょう。
これはあくまでも個人営業(BtoC)での話ですが、「特定商取引法」では一度断った消費者に対してしつこく勧誘したり、再び勧誘したりすることを禁止しています。
特定商取引法とは、事業者による悪質な勧誘から消費者を守る為の法律です。
これは電話勧誘、訪問販売、通信販売などが当てはまりますので、「電話営業でダメなら対面で…」など、安易な考えで再勧誘してはいけません。
せっかく素晴らしい製品サービスを販売しているのに、「詐欺的な会社」「悪質なマルチ商法」などと勘違いされては元も子もありません。
そのためにも、きちんとセールスに関する法律を理解しておく必要があります。
意外とこのような法律を知らずに電話勧誘している未熟な会社が多いので十分注意しましょう。
ラポールを構築するのがコツ
電話営業で大切にしたいことは、なんといっても相手との信頼関係を築くことです。
これを営業現場では「ラポール」と表現することもありますが、「商品を売りたい」という押し売り感ばかりが先に立ってしまうと、相手を不快にさせてしまいます。
相手の話を聞かず一方的に商品を押し売りしたり、きつい口調で押し付けがましくセールスすると、絶対にお客様との信頼関係など築けません。
この記事でご紹介した心理テクニックを使いながら、少しずつお客様に寄り添い、明るい印象の話し方で接していけば、それがきっと営業成績にもつながっていくはずです。
初めてテレコールをするという人は、不安感があることでしょう。
しかし対面営業とは違って、好きなだけ資料を手元に置いておきますし、FAQを用意しておくことだってできます。
電話営業における様々なセールステクニックもあるので、何も心配することはありません。
商品・サービスをおすすめしたいという”情熱”と、相手を思いやる”気持ち”さえあれば、きっと電話営業は成功すると思います。
怖がらずにガシガシとテレマーケティングしていきましょう!