ラポールを営業に活用しよう!ビジネスマンが知るべき意味&使い方

「ラポール」という言葉をご存知でしょうか?

あまり聞きなれない言葉だと思いますが、ビジネスパーソンであれば、この意味をきちんと理解しておくべきだと思います。

そこで今回は「ラポール」にフォーカスして解説していきたいと思います。

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ラポールの意味とは?

ラポールとは”心理学用語”なのですが、セラピストとクライアントがお互いに信頼関係を抱き、安心して交流できる状態のことを指します。

ちなみに、セラピストとは『相談を受ける人』で、クライアントは『相談をする人』のことですが、この辺りは一般的な心理カウンセリングをイメージするとわかりやすいでしょう。

ラポールはフランス語で「橋を架ける」という意味があり、人と人との心が通じ合っていることを表します。

欧米ではカウンセリングの重要性が一般的に認識されており、日本より気軽にカウンセリングを受けれる機会が提供されています。

例えば、友人とのトラブルや夫婦関係など、些細なことでもカウンセリングが行われているのです。

もちろんそれは仕事に関する悩みでも同じです。

ビジネスは「人間同士の信頼関係」で成り立つのですが、稀に裏切る人が出てくるため、お金に関するトラブルが起きやすいと思います。

そして、ちょっとしたコミュニケーションミスから、大きなトラブルへと発展することもしばしばあります。

本来はお互いが契約通りに履行すれば良いのですが、契約内容を忘れてしまったり、反故する人がいる為、徐々に「ラポール」が注目されるようになったのです。

これは対面でもオンラインでも一緒ですが、人間は相手とコミュニケーションすることによって、少しずつ信頼関係を構築していきます。

お互いの信頼関係がなければ、何事もスムーズに進めることができません。

真っ正面から意見がぶつかったり、批判と非難の応酬になってしまうと、建設的な議論もできなくなります。

そんな時には、心と心が通じ合うラポールを大切にするべきでしょう。

相手を心から信頼していれば、たとえ反対意見であっても「なるほど、そういう意見もあるのか…」と受け入れられやすくなります。

ラポールを形成する方法

ラポールを形成するには、一体どのようなやり方があるのでしょうか?

ここではそのやり方について解説していきたいと思います。

①バックトラッキング

まず一つ目のやり方は、バックトラッキングです。

バックトラッキングとはおうむ返しのことを言います。

返答を繰り返すことで

  • 私はあなたの話を聞いていますよ
  • あなたに興味がありますよ

と示して、相手に親近感を与えるのです。

ただしこのやり方には注意点があります。

相手の言葉を単純に”おうむ返し”するだけでは、逆に印象が悪くなってしまうので、かえって逆効果となり得ます。

なので、バックトラッキングをやる場合には、「なるほど、悔しかったんですね」「そうですか、それは悲しいですね」などの感情を繰り返したり、「どんな酷い事をされたんですか?」と事実を確認したり、「それはとても価値が高いですね」と相手の話を要約したり、臨機応変な対応が求められます。

➁ミラーリング

二つ目はミラーリングです。

ミラーリングは相手の仕草や行動を真似することで、警戒心を解いて、心の中に入り込んでいく心理テクニックのことです。

ネーミングの通り、まるで鏡に映ったように相手の真似をするだけなのですが、これをやるためには相手を観察しなければならず、「意外と難しい」と言われています。

確かに、人の仕草や行動を真似するのはとても難しいですよね。

そんな時には、相手と自分との共通点を探して話題にするのも効果的です。

同じ出身地、趣味、知り合いなどがいると、一気に相手との距離が縮まり、ラポールを形成することができるはずです。

心理学の知識をビジネスに活用することで、積極的にラポールを形成していきましょう。

ラポールが使える業界とは?

ラポールは様々な業界で使われていますが、特に医療、福祉、介護、保育などの業界では、積極的にラポールが活用されています。

これらの仕事は人と人との心の距離を縮め、信頼関係を深めることで成り立っている職業だと言えます。

例えば介護関係では、要介護者やその家族と介護職員が頻繁にコミュニケーションを取り合っています。

デイサービスやショートステイを受ける要介護者のお世話をするのはもちろんですが、

  • 要介護者がどのような状態なのか?
  • 今どんなことに困っているのか?

ということを要介護者の家族からヒアリングし、適切な介護メニューを提案することも求められます。

このような”作業”が必要なのですが、要介護者本人や家族から本音を聞き出す為には、相手とのラポールが欠かせません。

ラポールが形成されていないと、介護職をわざと困らせるような問題行動を起こす入居者もいるのです。

要介護者の家族が介護職を信頼していなければ、要望も聞き出せず、不満ばかりを募らせてしまうかもしれません。

介護職側も「なぜコミュニケーションがうまくいかないんだろう」と悩んでしまうことにもつながります。

これは医療、福祉、介護、保育業界で共通した悩みなので、それらの職種ではラポールの形成が最も重要な課題となっています。

ラポールさえ形成されていれば、相手が自分の仕事に協力してくれることも期待できるのです。

ラポールはビジネスに使える?

ここまでご覧になった人は、「ラポールはビジネスに活用できる」ということが十分理解できたはずです。

そもそも成功するビジネスパーソンは、コミュニケーション力に優れているケースが多いですよね。

そして、誰でも一度は「ビジネスにはコミュニケーション能力が重要だ!」という言葉を聞いたことがあるはずです。

ちなみに、ここでいう『コミュニケーション能力』とは、

  • 信頼関係の構築能力
  • 傾聴力
  • 伝える力

などを指しています。

仕事ができる人は人当たりが良かったり、人を安心させる雰囲気を持っていたり、誠実さがありますよね。

相手を信頼させる能力が高いので、人脈を広げたり、情報収集能力も高く、結果的に仕事の成功へとつなげているのです。

ラポールは仕事に役立つ

信頼関係の構築にラポールの技術が使えることは、もはや周知の事実だと思います。

ここまでラポールについて解説してきましたが、ラポールとは『コミュニケーションスキルの一つ』だと言えます。

例えば、転職や就職で面接する際にも、ラポールの知識があることはアピールポイントの一つになります。

なぜかといえば、信頼関係はビジネスにおいて最も重要視される指標の一つだからです。

顧客とラポールを形成するスキルがあるだけでも、他の候補者と比較して、頭ひとつ抜けた能力を持っていることをアピールできるはずです。

特に営業職の場合には、信頼関係さえ構築できれば、製品サービスを買ってもらいやすくなりますし、少し無理なお願いでも承諾してもらえる可能性が高くなりますよね。

これは「ビジネスパーソンにとって重要なスキル」だと思います。

営業職はラポールを使うべき

これはあくまでも個人的な意見ですが、『営業職はもっとラポールを有効活用するべき』だと思います。

営業職はオンライン(非対面)でも対面営業でも、人と接する機会が多い仕事ですよね。

しかしラポールの技術さえあれば、テレアポ業務を最大化させたり、受注率を向上させることもできるはずです。

なので、セールスに携わるのであれば、もはやラポールの知識や原理を理解するのは当たり前でしょう。

市販されている書籍やウェブサイトを活用すれば、ラポールに関する知識はいくらでも学ぶことができます。

さらに深い理解を求めたい人は、セミナーに参加したり外部研修を受けるのも良いでしょう。

頭の中に入れた知識はアウトプットしてこそ価値が出ます。

実践経験を積むことで、知識を”無意識(自然体)”に活用できるようになります。

そのためには、仕入れた知識をどんどん営業プレゼンに活用するのです。

プレゼンはセールスの現場で何度も行われるので、実践経験を積みながらスキルアップできるはずです。

それはまさに一石二鳥となるでしょう。

ただし、距離感には気を付けた方が良いです。

あまりにも距離が近くなりすぎると、嫉妬や憎悪などで、関係性が悪化する『ネガティブラポール』が形成されることもしばしばあります。

そんな時には相手と適度な距離を取り、ラポールの再構築を目指しましょう。

基本的には相手との認識のズレが「ネガティブラポール」になってしまうので、丁寧に認識を擦り合わせることが大切だと思います。

そのために参考になる考え方は「ラポールの原理」というものです。

ラポールの原理
  • 人は、自分のことをありのままに理解しようとする人を信頼する
  • 人は、自分の大切にしているものを大切に(尊重)してくれる人を信頼する
  • 人は、共通部分を認識したり、感じ取ることで信頼度を高める

これらの原理を頭の中に入れて、上手にラポールを形成していきましょう。

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