営業トークこそが、営業現場で最も重要な「セールスマンの武器」だと思います。
これさえ磨き上げれば、どのようなシチュエーションでも対応できるようになる為、とても心強いはずなのですが、現実の営業現場はそんなに単純ではありません。
時にお客様からイレギュラーな質問が飛んできたり、FAQで想定していないシチュエーションが発生することもあるでしょう。
そのような場合には臨機応変に対応できる”コミュニケーション能力”が求められます。
そこで今回は、トップセールスマンを目指す人に向けて、営業トークの作り方をご紹介したいと思います。
コミュニケーションスキルに課題感のある営業マンは是非ご覧ください。
目次
営業トークが下手な理由
営業マンは「コミュニケーションスキルが高い」と思い込んでいる人は多いですが、実は口下手な人が多いと言われています。
営業トークが苦手だと感じる人の中には、なかなか自分の意見が伝えられず、初対面の人の前だと緊張して何を話せばいいかわからなくなってしまう人もいます。
そのような人でも「これは仕事だ」と割り切って、営業中は流暢に話せるかもしれませんが、「プライベートでは全然ダメ」というケースも珍しくありません。
そのようになってしまう原因は、会話術が身についていないからだと思います。
自然な流れで会話が出来なくなってしまうと、営業トークに対しての苦手意識も強くなってしまうので、これは営業マンとして大問題ですよね。
できるだけ早く改善するべきポイントだと思うので、ここから「営業トークの作り方」についてお伝えしたいと思います。
会話術の基本を押さえよう!
「プライベートは全然問題ないけど、商談では話すネタがなくて困る…」というセールスパーソンは少なくありません。
このようになってしまう原因は、商談という場の特異性にあります。
お客様と友達付き合いをしている人は少ないので、プライベートに関する話題が乏しく、かと言って仕事の話ばかりだと嫌がられてしまうので、当たり障りのない天気の話や業界の話題など、表面的な話に終始してしまうのです。
その結果、何を話せばいいかわからなくなって、なんとなく「アイスブレイクが重い…」という状態になってしまいます。
アイスブレイクについては後ほど触れますが、このような状況はよくある話なので、別に気にする必要はありません。
会話とは「言葉のキャッチボール」と比喩されることもありますが、相手がいて成り立つ行為です。
つまり自分からボールを投げて、そのボールを返してもらって、またそのボールを相手に投げる…、というのを繰り返すのが”会話”です。
そう考えた場合、会話とは「何か目的があって始まり、それに対する答えをもらう行為」だとも言えます。
よって、基本的な会話の始まりは疑問形(?)だと思って良いでしょう。
- そのカバンはどこで買ったの?
- 旅行はどこへ行くの?
- 仕事は順調なの?
このような質問をすれば、相手はそれに対して答えをくれますよね。
そこから話題を横展開していけば良いのです。
会話が苦手な人あるあるには「何を話せばいいかわからない」というのがありますが、そんなことは意識しなくてもOKです。
ただ相手に疑問形(?)をぶつければ会話は始まります。
- 元気そうだけど、何かいいことあった?
- 肌が日焼けしてるけど、なんで?
- この前野外フェスへ行ったんだけど、行ったことある?
このような会話であれば、相手のことを知らなくても通用しますよね。
それは営業現場でも同じなので、取引先に対しても使える考え方だと思います。
もし「会話が苦手」というのであれば、このような会話の基本形を何パターンか事前に用意しておき、相手に応じて使い分けるのがラクだと思います。
営業トークは「つかみ」が重要
営業トークにおける「つかみ」とは、基本的にアイスブレイクのことを指します。
アイスブレイクとは「氷を壊す(溶かす)」という意味の言葉ですが、商談における最初の緊張感をほぐす意味合いで使われています。
よって、アイスブレイクが成功すれば、その後の商談はスムーズに進んで、結果的に受注率も高くなるというわけです。
なので、セールスパーソンはすべからくアイスブレイクのやり方について理解しておくべきだと思います。
最も一般的なアイスブレイクといえば、天気の話ですよね。
このような会話をすれば、お客様も返答しやすいですし、その場の空気が和むはずです。
他にも、相手の会社について触れるというやり方があります。
このように言われて悪く思う人は少ないので、お客様に喋らせる掴みとしてはGoodだと思います。
「つかみ」から「受注」までを設計する
営業トークにおける「つかみ」はきっかけにすぎないと考えている営業マンは多いですが、これは非常にもったいないことだと思います。
理想的な営業とは、全てが緻密に設計されていて、スムーズに受注へと繋がるものですが、その中には「つかみ」が含まれているのです。
例えば保険を販売している営業マンだった場合、以下のような「つかみ」が理想的だと思います。
このように一見すると保険に関係なさそうな話題を「つかみ」にして、「老後2000万円問題⇒将来が不安⇒貯蓄が必要⇒いざという時に備えが必要」という具合に、保険と関連付けていくのです。
いきなり保険の提案をし始めるとお客様は身構えてしまうので、一見するとまるで関係がない雑談のような始まり方で、徐々に核心へと進んでいくやり方のほうが美しいセールスだと思います。
自分が見たTV番組や雑誌など、第三者的な話であれば、お客様に対する説得力も増すはずなので一石二鳥ですよね。
このようなオリジナルの「つかみトーク」を数種類は用意しておきましょう。
営業では雑談ネタを取り入れる
何種類かの「つかみトーク」を用意していたとしても、お客様は千差万別なので、きっとそこにハマらないケースも出てくるはずです。
そんな時には、雑談ネタを出して一旦迂回しましょう。
雑学ネタには意外と知られていない面白話しが多いので、身構えているお客様の興味を引き付けられると思います。
例えば小さなお子様がいるお客様であれば、以下のような雑学ネタは興味を引くはずです。
このような話題を振れば、きっとお客様は「知らないなぁ~、なんで??」と興味津々で聞いてくるはずです。
そもそも子供の寝相が悪いのは、睡眠時に姿勢を制御する機能がまだ発達していないためです。
さらに、脳の姿勢を制御する機能が発達していないため、一見するととんでもない格好で寝ているのですが、子供の寝相を無理に正そうとすると、健全な発育を妨げてしまう可能性があるので逆効果だと言われています。
なので、うつ伏せ寝にならない限りは、基本的には「放っておくのが正解」ということを教えてあげると、その場が和むのでアイスブレイクにもなるはずです。
このような雑学ネタは知っておいて損することがないので、セールスパーソンは事前に仕入れておきましょう!
営業トークの「さしすせそ」を覚えよう!
営業現場で使える会話術には様々な種類がありますが、まずは「営業トークのさしすせそ」を押さえておきましょう。
営業テクニックの中には、「相手を褒める」というものがありますよね。
褒められて嫌な気持ちになる人はほとんどいないので、これは積極的に活用すべきだと思います。
そのための基本テクニックが「さしすせその法則 」と呼ばれています。
では、どのような言葉が「さしすせそ」に含まれているのでしょうか?
- さ「最高」「さすが」
- し「知らなかった」
- す「すごい」「素晴らしい」
- せ「センスがある」「世界一」
- そ「その通り」「そうなんですね」
この「さしすせそ」を覚えるだけで、しっかりお客様を褒めることができます。
しかもこの「さしすせそ」は万能なので、ほぼ全てのシチュエーションで使うことができるのです。
そして、ただ褒めることに使えるだけでなく、相槌をしっかり打つことにも繋がります。
やはり話し手側は相手が「ちゃんと聞いているのか?」「理解しているのか?」というのは気になるので、時々相槌のように「それはすごいですね」とか「いや~、知らなかったです」と言ってもらった方が話しやすいはずです。
これによって、お客様は気持ちよく会話できるので、次第に心を開いてくれることでしょう。
営業トークには応酬話法が必要
応酬話法とは、いわゆる「切り返しトーク」なのですが、これを用意しておかなければ即決営業が実現できません。
トップセールスを目指すのであれば、必ず応酬話法を考えておくべきですが、基本的にはFAQ(想定問答集)としてまとめるのがおすすめです。
お客様から何か質問があったことを想定して、それに対する切り返しトークをまとめたものがFAQです。
これはある意味で「ロールプレイング」とも言えますが、FAQを充実させることは、即決営業の可能性を高めることにつながっていきます。
応酬話法の作り方について知りたい人は下の記事をご覧ください。
心理学を取り入れよう!
応酬話法を作成する場合、そこには心理学を取り入れましょう。
心理学を取り入れたセールストークは、特に「女性に対して効果的」だと言われています。
もともと女性は占いが好きだったり、物事を感情論で捉えたりするので、男性ほど合理的に考えたりしません。
そう考えた場合「直感的(素直)に生きている」と言えるのですが、その反面「心理テクニックで誘導しやすい」という特徴もあります。
なので、女性向けのセールスをしているのであれば、絶対に心理学を取り入れた営業をするべきでしょう。
まとめ
ここまで営業トークについて解説してきました。
セールストークは奥深いので、決して”一朝一夕”で仕上がるものではありません。
継続的にPDCAを回しながら改善していきましょう!