
営業職の人は初対面のお客様と話す機会が多いはずです。
見ず知らずの人と話す時は、少なからず緊張しますよね。
それはお客様も同じです。
なので、営業パーソンはお客様に安心感を与えたり、親近感を持ってもらう必要があると思います。
そこで今回は、お客様と距離を縮める営業トークについて考えてみたいと思います。
目次
営業では安心感が大切!
営業現場は「セールスの現場」でもあるので、どうしても顧客側は身構えてしまいます。
そのような防御態勢に入ったお客様を崩すのは大変な作業ですよね。
なので、一番大切なことは「営業感を出さない」ことだと思います。
営業マンが訪ねてくると、お客様は「売り込まれる!」という心理になるので、基本的に拒否反応を示します。
最初から「すぐに帰ってもらおう…」と思っているので、流暢なセールストークも全く耳に入らないでしょう。
このような状況は「セールスする場」が出来上がっていない状態だと思います。
営業のつかみはどうする?
営業活動の第一歩は、「セールスする場」を作ることです。
営業センスがある人は自然にやっているように思われますが、実はそんなことありません。
営業活動はとてもロジカルなので、トップセールスマンほど全体のストーリー設計を意識しています。
まずはアイスブレイクを行なって、お客様の懐に入ることから始めていきましょう。
アイスブレイクとは、凝り固まったお客様の心を開く作業のことを言います。
氷が溶けていく様を引用して「アイスブレイク」と呼ばれています。
この辺りについて詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
これが終わったら次は顧客ニーズをヒヤリングすべきですが、ほとんどのセールスパーソンはヒアリングをすっ飛ばして商材の売り込みを始めてしまいます。
いきなりパンフレットを出し始めて、製品の特徴を説明したり、いかに自社サービスが優れているかをプレゼンするのです。
このようなやり方は全くもってナンセンスだと思います。
お客様に安心感をもってもらったり、親近感を持ってもらうためには、このような売り方ではいけません。
まず重要なことは、お客様の課題を把握することです。
この辺りについては次で解説していきたいと思います。
営業での話し方
営業現場ではお客様に安心感を持ってもらえる話し方をしなければいけません。
具体的に言うと、きちんとした敬語を使って、ビジネスマナーを意識することが大切なのです。
そのような基本を忠実に守りながら、お客様の課題をヒアリングしましょう。
話し方の具体例
先ほどお伝えした通り、いきなりお客様にセールスするのはナンセンスだと思います。
営業現場には話し方の順序があります。
ここでは話し方の具体例をご紹介するので、営業現場をイメージするのに役立ててください。
~アイスブレイクが終わった段階~
あなた:ところで社長、最近お孫さんがお生まれになったんですよね?
お客様:そうなんです、娘が出産しまして…
あなた:それはおめでとうございます!男の子ですか?女の子ですか?
お客様:男の子でした。
あなた:それは良かったです、会社の跡継ぎが誕生ですね。
お客様:そうなれば嬉しいんですが…
あなた:多分会社の後継ぎとして色々な教育をされていくと思いますが、お金に関しては是非ご支援させてください!
お客様:何か良いご提案がありますか?
あなた:実は事業承継に絡めた保険商品がありまして…
このような流れが理想的な営業活動だと思います。
アイスブレイクの後、いきなり「今日は事業承継に絡めた保険商品をご提案しに伺いました! 」と言うと、お客様は身構えてしまいます。
そうではなくて、きちんとお客様の状況を把握した上で「あなたに最適な商品を提案します!」という姿勢が大切なのです。
話すスピードはどうする?
お客様に製品サービスを提案する場合、まずはヒアリングから入ることが重要なことをお伝えしました。
この時の話し方は、普段話すスピードよりもゆっくり話すことをおすすめします。
感覚的には普段のスピードの7割~8割くらいのスピードで話すのが良いでしょう。
あまりに早いスピードで話してしまうと、お客様はまくし立てられているような感覚に陥ります。
それに恐怖心を覚えたり、威圧感を感じるお客様は多いのです。
なので、話すスピードは自分でも「少し遅いかな?」と感じるぐらいがベストだと思います。
もちろんそれは電話営業でも同じです。
電話の場合には「声100%」という状態なので、他の情報がありません。
訪問営業では身振り手振りや表情を伺いながら話せますが、電話営業の場合には情報量が少ないのです。
なので早いスピードで話してしまうと、余計に威圧感を与えてしまいます。
テレアポするときや電話営業する時には話すスピードに注意しましょう。
営業マンは共感しろ!
現代社会は「共感社会」とも言われています。
日本は何不自由なく暮らせている人が多い国なので、「生存欲求」が満たされているのです。
すると次にくるステージが「承認欲求」です。
結果的にSNSなどでは自己顕示欲が爆発していて、数多くの人達が自分の存在をアピールしたり、自分に共感してくれるフォロワーを増やそうと躍起になっています。
これは一部だけの現象に思われますが、実は社会全体がそのような構造になっているのです。
つまり、それは顧客も同じだということです。
お客様は様々な価値観を持っています。
そして、それを認めて欲しいと常に思っているのです。
営業パーソンであれば、そのような顧客心理を営業活動に利用しましょう。
「営業のさしすせそ」を活用する
突然ですが「営業のさしすせそ」をご存知でしょうか?
さ=さすがですね
し=知らなかったです
す=すごい、素晴らしい
せ=センスがありますね
そ=そうなんですか
「営業のさしすせそ」は、お客様に対する相槌や共感として活用できるテクニックです。
これをうまく活用すれば、お客様は営業マンのことを敵だと感じないので、安心したり親近感を持ってくれるはずです。
「営業のさしすせそ」について詳しく知りたい場合には下の記事をご覧ください。
話し方の練習方法
営業力のある人は、「一体どんな練習をしているのか?」と疑問になるかもしれません。
しかし、トップセールスと言われている人達も、決して天才的な人ばかりではなく、努力した結果が出ているだけなのです。
話し方の練習方法には大きく三つのやり方が挙げられます。
- ロールプレイングを実施する
- イメージトレーニングする
- 数多くの本番こなす
ロールプレイングは定番中の定番だと思います。
本番に見立てたお客様役と、営業マン役で商談してみるのです。
ロールプレイングを行えば、営業現場の流れがイメージできるので、本番でミスすることが少なくなります。
またお客様役からは色々な質問が飛んでくるので、FAQリストを作るのにも役立ちます。
そしてイメージトレーニングは、自分一人でもできる練習方法です。
実際の商談をイメージしながら、お客様と想像で会話をしていくのです。
個人的には、このイメージトレーニングはとても大切な作業だと思います。
なぜかと言うと、予行練習になるからです。
例えば明日訪問するお客様がいたとします。
そんなお客様との商談をイメージすれば、
- どのような質問が飛んでくるのか?
- どのような課題感がありそうか?
- どのような提案が刺さりそうか?
などがある程度想定できると思います。
これをやるのと、やらないのとでは受注率に大きな開きが出るはずです。
そして三つめは「本番こなす」ということです。
「本番=練習」ということに矛盾を感じるかもしれませんが、結局これが一番重要なのです。
ロールプレイングをやったりイメージトレーニングをやっても、所詮練習でしかありません。
しかし、実際の商談は文字通り「真剣勝負」です。
少しのミスが命取りになって、大切な見込み顧客が失注してしまうのです。
緊張した場面をたくさんこなすほど、あなたのセールストークは磨かれていきます。
つまり、たくさん失敗することが重要なのです。
失敗するということは「成功しないやり方を見つける」ということです。
なので、たくさん失敗した人は、必然的に成功する確率が高まっていくことになります。
本番で失敗することを恐れて、何度もロールプレイングすることも決して悪くありませんが、失敗を恐れる必要は無いはずです。
なぜかと言うと、失敗した経験は全てあなたの糧になっていくからです。
話し方の参考本
話し方の練習方法は先ほど解説した通りですが、それ以外に「本を読む」というやり方もあります。
営業で使える話し方はもちろんですが、日常的に使える話し方など様々な知識が本にまとめられています。
コミュニケーションは人間が生きていく上で必要不可欠と言えるので、知っておいて損することはないと思います。
ここでは話し方の参考になる書籍をご紹介しておきます。
気になる本があれば是非読んでみてください。




もし読むのが面倒な場合には、AmazonのAudible (オーディブル)などを無料トライアルしてみてください。
仕事の合間に、ラジオ感覚で聴けるから便利ですよ。
信頼される営業とは?
ここまで「どうすればお客さまから信頼され、安心されるか?」を解説してきました。
営業トークに課題感がある人は、ぜひ下の記事もご覧ください。
営業活動はとてもロジカルなので、様々な営業テクニックを活用したり、営業ノウハウを駆使する必要があります。
しかしそれはあくまでも表面上の話です。
結局お客様から信頼される営業マンとは「誠実な人」という部分に集約されていきます。
どんなに良い提案をしたり、お客様の売上に貢献したとしても、人間的な部分が誠実でなければ長い付き合いにはなりません。
営業マンの中には「売れれば何でも良い」という考え方の人も一定数います。
会社の売り上げに貢献するという意味ではとても優秀なセールスパーソンかもしれませんが、営業パーソンという観点では二流の人だと思います。
一番大切なことは、お客様の立場になって、一緒にお客様の課題を解決することなのです。
自分の利益や会社の売上など二の次で構いません。
これを言葉だけではなく、実行に移せる人が一流の営業パーソンです。
もしトップセールスを目指したいのであれば、このような考え方を持つようにしましょう。