営業会社は新規リード(見込み顧客)を獲得する為に、様々な施策を実施しているはずです。
その為に費やしているコストも莫大で、営業活動が効率化できない一因にもなっています。
そこで今回は、新規開拓営業に欠かせない「リードナーチャリング」にフォーカスしていきたいと思います。
営業活動を効率化したい人は必見です。
目次
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、潜在顧客や見込み顧客に対してメールやSNSなどを駆使しながらマーケティングする手法です。
これはアテンション(認知)が行き届いた相手に対して実施していきます。
例えば、過去に問い合わせをしてくれた見込み客がいた場合、そのお客様が100%受注になるとは限りませんよね。
実際には失注したり、ベンディング案件になるケースの方が多いと思います。
このような見込み案件を掘り起こして、受注に繋げる作業が「リードナーチャリング」と呼ばれています。
リードナーチャリングでは製品サービスに興味を抱いている顧客だけにアプローチするので、購買意欲が比較的高く、顧客との関係性も良好になりやすいことが特徴的です。
ちなみに、潜在顧客を見つけるまでのフェーズは「リードジェネレーション」と呼ばれています。
リードジェネレーションについて詳しく知りたい場合には下の記事をご覧ください。
リードジェネレーションで新規見込み顧客となり得る人を見つけた後、リードナーチャリングへと移行していきます。
そして今リードナーチャリングは、インターネットを介して多くのアプローチ方法が見出されています。
メールやSNSを使ったリードナーチャリングは、他社製品と差別化する上で最適な方法だと言えます。
たくさんの情報が溢れている現代社会だからこそ、気になる商品が見つかっても購入まで踏み切る勇気がなかなか持てないのです。
これは情報化社会の弊害と思われますが、消費者はなかなか決断できなくなっています。
そのような人に対して決断できるような情報を提供し、アプローチするのがリードナーチャリングの役割です。
もしリードナーチャリングを実施する場合には、きちんとノウハウを理解しておきましょう。
- どのようなやり方を選択した方が良いか?
- どのようなプロセスでアプローチすると効果的か?
- どんなアプローチで購買意欲を高めるか?
これは製品サービスによって変わってきます。
つまり商材毎に適したやり方を手探りするしかないのです。
電話を使ったリードナーチャリング
電話営業は馴染みのある営業手法ですよね。
この営業スタイルは一般的ですが、コロナ禍における時代では「効果がない」と言われることもあるアプローチ方法だと思います。
しかし「効果ゼロ」ということは決してありません。
確かに新規開拓営業の場合には旧態依然のやり方かもしれませんが、リードナーチャリングに限っては十分通用するはずです。
先ほども解説した通り、リードナーチャリングは一度問い合わせしたようなお客様に対して実施していきます。
なので、相手の携帯電話番号を知っているケースが多く、直接携帯にアプローチすることができるのです。
自分も携帯電話からテレアポすればかなり高い確率で出てくれますし、もし電話に出なかったとしても、ビジネスパーソンであればきっと折電してくれるはずです。
仮に固定電話番号(会社の代表電話など)だったとしても、「先日お問い合わせいただいた件で…」というセールストークが使えるので、相手に警戒されることもありません。
BtoB営業で効果を発揮する
特にBtoBにおけるリードナーチャリングでは、電話によるアプローチがとても効果的だと思います。
なぜかと言うと、B2B商材の場合には仕事の一環でお問い合わせしてくるからです。
忙しい仕事の合間にメール送信したPDF資料を読んだり、ホームページを読み込んでくれる人はとても少ないです。
とはいえ、社内検討するためにはサービス内容を把握して、社内稟議を作成し、役員決済してもらう必要があります。
それを自分でやるのは手間なので、営業マンから直接説明を受けたいと思っているクライアントは多いのです。
そんな時に電話はとても便利ですし役立ちます。
もし営業マンがタイミングよく電話をかけてくれば手間が省けるので、導入するための気持ちも前向きになります。
インターネット全盛期と言われる現代ですが、結局泥臭い営業活動はいつの時代も必要なのです。
つまり、営業パーソンがクロージングしなければ、顧客はなかなか購買に至らないということです。
webを介してアプローチする方法は、多くの人に周知できるという点でとても優れていますが、直接コミュニケーションが取れないというデメリットもあります。
それに対して、電話営業であれば直接会話できるので、営業スタッフの努力次第でより多くの実績が残せるはずです。
メールを使ったリードナーチャリング
リードナーチャリングで最も活用されている方法がメール営業です。
このやり方は現代営業でも十分通用します。
ほとんどの見込み客はインターネットを経由して問い合わせ&資料請求してくるので、必ずメールアドレスが取得できるはずです。
メール営業であればいつでも気軽に送信できますし、一斉配信なので手間もかかりません。
一件づつ電話しなければいけない電話営業よりも、メール営業の方が圧倒的に効率が良いはずです。
またメール営業は、ロイヤリティを高める役割も担っています。
つまり定期的にメール配信すれば、見込み客が問い合わせした商材について思い出すので、結果的にCV(コンバージョン)する確率が高まるのです。
なので、もしメール営業する場合にはステップメールを活用しましょう。
ステップメールとは、段階を踏んでよりターゲットを絞ったアプローチを行うマーケティング手法であり、より深い関係性を築きやすいと言われています。
最初に間口を広く構えてからターゲットを絞り込んでいく為、闇雲にメール送信するよりも効率的だと思います。
メール配信はその性質上「広く浅く」という内容になりがちですが、ステップメールを駆使すれば高額な商品でも売り込みやすくなります。
高額な商品はある程度情報を得ないとCVしづらいため、段階を踏みながら「信用の蓄積」ができるステップメールはまさにうってつけな方法なのです。
時には電話や訪問など直接的なアプローチを織り交ぜることにより、さらに効果の良い施策になるでしょう。
リードナーチャリングする頻度は?
リードナーチャリングが効果的なのは理解できたと思いますが、その頻度はどれぐらいにすれば良いのでしょうか?
リードナーチャリングする場合、やってはいけないのが「しつこいアプローチ」です。
購入するかどうか悩んでいる顧客の背中を押したい気持ちがあると思いますが、そこはグッと堪えて計画的なリードナーチャリングを実施しましょう。
特にメール営業の場合、あまり頻繁に送り過ぎると、簡単にゴミ箱へ捨てられてしまいます。
内容を見なくてもタイトル(=メールの件名)である程度の察しがついてしまうため、同じようなメールは一括廃棄されかねないのです。
とはいえ、アプローチが不足していては競合他社に潜在顧客を取られかねません。
頻度としては週一回くらいを目安にアプローチするのが良いでしょう。
それ以上は鬱陶しがられる可能性がありますし、週一回くらい連絡しておけば「忘れ去られるリスク」も軽減できます。
また、メールを読んでもらえそうなタイミング(時間帯)を考えることも大切です。
仕事の真っ最中にメール配信しても、見落としが発生したり、後回しにされる可能性があります。
できれば手が空いている時間帯、例えば通勤時間や昼休憩、終業後の落ち着いた時間などを見計らってメール送信するのが良いでしょう。
特に通勤中はスマートフォンを触っている機会が多いので、メールを見てもらいやすい時間帯だと言えます。
展示会との相性が良い
展示会はEXPOとも呼ばれますが、新商品や新しい技術をお披露目して、情報発信できるイベントです。
コロナ禍以前は東京ビッグサイトや幕張メッセなどで開催されていましたが、パンデミックになってからその機会は減ってしまいました。
しかし、環境変化によってオンライン展示会などが台頭してきたので、リアル展示会の代替サービスとして利用されています。
一般的に展示会は新規顧客を獲得するために出展すると思われがちですが、実はリードナーチャリングにも活用できるのです。
展示会に出展すると、直接製品サービスに触れることができ、その良さを実感できるはずです。
なので、過去問い合わせをしてきたお客様や、前回来場された見込顧客などを自社ブースに呼び込んでみましょう。
もし来場してくれれば、その場でセールスすることもできますし、受注できる確率も高まるはずです。
そのような関係性を維持しておけば、競合他社に取られる可能性も減るので一石三鳥ぐらいになります。
仕組みを構築しよう!
展示会に出ることで多くの見込み顧客と名刺交換できるので、そのお客様は次回以降の呼び込みリストにもなります。
このようなサイクル(循環)が出来上がれば、それはもう「ビジネスモデル」と言っても過言ではないでしょう。
これを効果的に実施するためには、きちんとした仕組み化が必要です。
単に名刺交換しただけでは浅い関係性になってしまうので、その場で簡単に読めるパンフレットを用意したり、営業マンのプロフィール(自己紹介文)を一緒に渡すのが良いでしょう。
男性向けの製品サービスであれば、女性コンパニオンを使うという手もあります。
見た目が綺麗なコンパニオンはリードマグネットになるので、新規開拓営業がはかどるはずです。
そして、名刺交換した見込客は、必ずスコアリングする癖もつけましょう。
正確なスコアリングをするために、アンケートやヒアリング調査を実施するのが理想的だと思います。
もし「見込み度が高い」と判断できれば、その場でクロージングすることも必要です。
そのような時のために、事業責任者やトップセールスが現場に常駐していた方が良いでしょう。
このようにメリットの大きい展示会ですが、おおよそ100万円~500万円という高額な出展コストがかかる現実もあります。
この出展費用を回収しなければいけないので、もしEXPOに出展する場合には入念な準備をしておきましょう。
まとめ
リードナーチャリングはどのような企業でも実施すべき施策だと思います。
上手く仕組み化できれば、きっと新規受注率も上がるはずです。
営業部全体でリードナーチャリングの実施方法について議論してみましょう。