
プッシュ型営業とプル型営業というセールススタイルがあります。
営業パーソンであれば必ず押さえておくべき知識なので、ぜひこの記事でご確認ください。
プッシュ型営業の意味とは?
営業スタイルには色々な手法がありますが、代表的なやり方はプッシュ型営業だと思います。
プッシュ型営業というのは、営業マンが自分から積極的に情報を発信したり、セールスを仕掛けることによって受注(契約獲得)につなげていくという営業方法をいいます。
多少強引なやり方になりがちですが、昔ながらの営業手法なので、営業マンであればほとんどの人が経験しているはずです。
そんなプッシュ型営業の代表的なやり方と言われているのが、片っ端から電話をかけまくってアポイントを取るテレアポ営業や飛び込み営業と呼ばれるものです。
両方ともきつい営業スタイルと言われているので、「飛び込み営業が好きだ!」という人はあまりいないと思います。
プッシュ型営業は攻めの営業手法などとも言われているので、基本的に営業マン主導でやっていくセールス活動になっていきます。
それでは、なぜ辛いと言われるプッシュ型営業を各社は実施しているのでしょうか?
それは、比較的短期間で結果が出やすく、即効性がある営業方法だからです。
すぐに受注が欲しい場合などにはプッシュ型営業が相性良くて、営業会社には好んで活用されています。
また事業予算が組みやすいことも特徴だといえます。
100件のテレアポで5件の商談、5件の商談で1件の受注という具合に考えれば、だいたいの売り上げが予測できますよね。
この売上金額に対して費用を見積もれば、事業予算が出来上がります。
このようなわかりやすさもプッシュ型営業が好まれている理由だといえます。
基本的にプッシュ型営業はやればやった分だけの結果が出る傾向にあるため、以前と比べて少なくなっている傾向はありますが、とにかく成果が欲しいという営業マンはプッシュ型営業を多用している傾向があります。
逆に言ってしまうと、アプローチ量が少なければ結果を出せなくなるので、常に走り続けていなければいけません。
プル型営業との違いとは?
プッシュ型営業という言葉と反対に位置している営業スタイルが”プル型営業”です。
プル型営業とは、プッシュ型営業と真逆の営業スタイルを言いますが、お客様自身が問い合わせをしたり、来店することから始まる顧客主導のセールス活動になります。
つまり、世の中でいう反響営業やインバウンド営業と呼ばれる類になるので、待ちの営業スタイルになります。
プッシュ型営業は片っ端から電話をかけるなど作業量と結果が比例していく傾向にあるので、逆に言ってしまえば作業量以上の結果が望めないということが短所ともいえます。
それと比較して、プル型営業の労力は基本一定なので、結果と比例して増えていくことがありません。
このプル型営業が普及してきた理由は、インターネットの発達が背景にあります。
インターネットが普及したので誰でも簡単に広告宣伝できるようになって、その結果としてプル型営業が増えてきました。
しかし、インターネットが普及したといっても、自社サイトを閲覧してもらえなければ問い合わせも来ないのでプル型営業は仕組み化しません。
つまり、プル型営業では問い合わせ数を増やす集客こそが最大の課題であり、マーケティングとセットで考えていかなければ失敗する可能性が高いのです。
プッシュ型営業とは違って「やればやっただけ結果が出る」という営業スタイルではありませんが、1回仕組み化すれば大きなリターンが期待できるはずです。
リファラル営業を活用する
プル型営業はマーケティングとセットで検討しなければいけないので、人員や予算がネックになってきます。
大企業なのであれば大丈夫かも知れませんが、予算も人員も限られる中小企業には現実的な施策ではないかも知れません。
そんな企業におすすめなのがリファラル営業です。
リファラル営業とは紹介営業を意味する営業手法で、見込み顧客を外部パートナーから紹介してもらう新規開拓手法をいいます。
本来は代理店の仕組みの一種なので、紹介店や取次店と呼ばれるケースもあります。
このリファラル営業はインバウンド施策なのでプル型営業の一環になりますが、マーケティング人員や予算が必要ないことが特徴的です。
外部の紹介パートナーさえ見つかってしまえば、その人から知人・友人やお取引先を紹介してもらうだけです。
リファラル営業に特化したプラットフォームも登場しているので、プル型営業を強化したい場合にはぜひご確認ください。
プッシュ型営業をするメリット
近年において、営業はプッシュ型営業からプル営業にシフトしているといわれています。
だからといってプッシュ型営業が悪い営業方法で、プル型営業が良い営業方法という訳ではありません。
プッシュ型営業にも大きなメリットはありますし、デメリットもあるという一長一短の話です。
プッシュ型営業のメリットは、すぐに実行できるのでその効果を素早く実感できるということです。
プル営業を強化する場合には、SEO対策などすぐに結果を出すことが難しいやり方になるので、どうしても時間が掛かります。
しかし、プッシュ型営業はやる気と根性さえあれば、
- 電話営業
- メール営業
- 飛び込み営業
などすぐに実行することができます。
また、狙ったターゲットにリーチできるというメリットもあります。
プル型営業は見込顧客に見つけてもらわなければいけませんが、プッシュ型営業の場合には営業マンからアプローチするのでピンポイントで狙ったターゲットに提案できます。
このように、提案の自由度が高いことから、潜在的なニーズを掘り起こすことができる場合もあります。
メールプッシュする営業も有効的
プッシュ型営業というとテレアポや飛び込み営業というイメージを持っている人も多いですが、メールを活用したプッシュ型営業もあるんです
テレアポでは担当者が捕まらなかったり、そもそもテレアポ自体お断りという企業も多いですが、メールでのプッシュ型営業であれば、それらの問題を解決することができます。
やり方としては、営業をかけたい企業のウェブサイトなどからメールアドレスを取得したり、問い合わせフォームから営業メールを送るだけです。
電子メールであれば相手方も時間のある時に開封してくれますし、営業メールの中身自体はテンプレートを作っておけば良いため、手軽に実施できます。
また、以前商談で名刺交換していた場合、名刺に記載されているメールアドレス宛に営業メールを送るというのも一つの手でしょう。
毎週のように電話をかけるようなプッシュ型営業は不快に感じるかもしれませんが、メールであればそれほど迷惑に感じにくいため、アポイントに結びつくことも多いです。
ただ、メール営業には法律的な注意点もあるので、違法にならないように注意すべきポイントがいくつかあります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
>>メール営業は件名が命|効果&返信率の高い営業メールとは?
テレアポ営業は古いの?
営業マン向けのセミナーや書籍などでは、プッシュ型の“テレアポ営業は時代遅れ“だと言われることが多くなっています。
確かに、プッシュ型のテレアポ営業を実施している企業はどんどん少なくなっています。
テレアポに限らず、飛び込み営業などプッシュ型営業は効果が無いわけではありませんが、敬遠される傾向もあるので、時代遅れな営業スタイルなのは間違いないでしょう。
実際、新卒社員や若手社員の中には「プッシュ型営業をやりたくない!」という人が多くなっているので、人材採用にも影響する事態になっています。
しかし勘違いしてはいけないのが、プッシュ型営業は時代遅れになったとしても、決して効果がない営業手法では無いということです。
「プル型営業が正義」で「プッシュ型営業が悪」というような言い方をする人もいますが、実際にはアプローチ方法が違うだけで、両方とも効果のある営業手法であることは間違いありません。
プッシュ型営業は短期的に成果を出したいのであれば今でも有効な営業方法ですし、テレアポ営業でなくてもプッシュ型メール営業というやり方もできます。
プル型営業はレバレッジが生まれる効率の良い営業方法ですが、逆に短期的な効果を出すのは難しい営業手法だと思います。
プッシュ型営業もプル型営業もそれぞれメリット&デメリットがあるので、一概にどちらが良いという話ではありません。
営業戦略や売っている商材に合わせて、適切な営業手法を採用するということが大切なのです。