ビジネスの現場では「フック商材」がよく活用されています。
フック商材は「見込み顧客を開拓するドアノック商材」だと言われているので、今回はフック商材の意味やフック戦略の活用方法を解説していきたいと思います。
新規開拓営業を強化したい人はぜひご覧ください。
ビジネスにおける「フック」とは?
「フック」と聞くと、一般的には「フック船長」や「衣服などを引っかけるモノ」を想像すると思います。
釣りを嗜む人であれば、釣り針を想像するかもしれません。
どれも目的は「モノを引っかける」ことだと思いますが、ビジネスにおけるフックもこれと同じで、「見込み客を引っかけて商品購入へ向かわせる」という意味合いがあります。
なので、ビジネスの現場では「いかにフックを意識できるか?」が新規顧客の獲得に大きく影響してくるのです。
そういった意味では、たとえば「礼儀(ビジネスマナー)」も立派なフックだと思います。
常に礼儀正しく、自社商品を購入してくれる顧客へ感謝を忘れない…
そんな会社ならお客様からの好感が得やすく、商品にも興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
「礼儀正しさ」「誠実さ」というフックをぶら下げ、顧客の興味・関心を引っかけるわけです。
ドアノック商材として活用されている
主商材とは違う『別の副商材』をあえて提案することをフック営業と呼んでいます。
たとえば飲食店向けの厨房機器を販売している会社では、人材事業がフック商材に当たります。
高額な厨房機器はタイミング商材なのでなかなか売れませんが、飲食店にはアルバイト人材の需要が常に存在しています。
なので、
- 無料掲載できるアルバイト募集サイト
- 成果報酬型のアルバイト紹介サービス
- スポットバイト募集のwebサービス
など、「イニシャルコスト0円」の別サービスをフック商材として提案するのです。
もちろんフック商材を売るだけでは利益が出ませんが、それをきっかけにアカウント開拓(新規開拓)ができれば、その後に本命商材である厨房機器を買ってくれる人が必ず現れます。
そうすると、結果的に一番売りたかった商材(最も儲かる商材)を販売できるわけです。
つまり最初は「儲けゼロ」でも新規取引を開始して、その後に本来売りたい商材を販売する手法は、フック商材を利用する好例だと思います。
フックとは「何か商品を売り込むこと」を目的にするのではなく、「取引を開始してもらう入り口(アカウント開拓)」としてのドアノック商材である意味合いが大きいことを理解しておきましょう。
フック商材を活用するメリット
フックツールは営業マンを大いに助けてくれます。
通常のセールストークだけでは「最初から商品に興味を持っている顕在顧客」しか集まりませんが、フック商材を用意すれば「今は商品に興味のない潜在顧客」に対してもアピールしやすくなるのです。
また、フック商材を利用すれば、見込み顧客が抱いている”心の壁”を越えやすくなります。
少しでも「面白そう」「興味がある」と思わせればしめたものです。
フック商材に好印象を抱いてくれれば、その後の営業がとてもラクになるので、アポイントが簡単に獲得できるだけでなく、フック商材を”アメ玉”にしたメイン商材の提案も聞いてもらえることでしょう。
フック商材はメイン商材と別に用意するので、受け取ってもらうために安価ないし無料で配布することがベストだと思います。
よって価格設定が「非常に重要」だと言われています。
例えば、フック商材を無料にすれば、ほとんど受け取ってもらうことができますよね。
ただ、人は何かをもらうと、それに見合うだけの何かを返したくなるものです。
つまり、フック商材を受け取ってさえもらえれば、代わりに自分の話を聞いてもらいやすくなるのです。
しかし、逆に値段をつけることもアリだと思います。
人は”無料”と聞くと「なんか怪しい…」と感じてしまう生き物なので、逆に料金を設定した方が安心感を与えることができるケースも往々にしてあります。
例えば、高額商材の場合には無料(0円)にするというより、”お試し価格”にするだけでフック商材として十分機能するはずです。
どんな製品サービスでも、一度購入すると次に買う時の抵抗感が大幅に減少します。
一度でも買ってもらえば、本当に売り込みたい商品の購入も検討してもらいやすくなるでしょう。
フック商材の”例”を紹介!
フック商材とひとことで言っても、その形式はそれぞれです。
先に述べた厨房機器のように、別サービスを無料提供する形式は分かりやすいと思います。
他にも使い切りサイズの試供品もフック商材に当たりますし、商品を安く買えるクーポン券も広義ではフック商材に当てはまるでしょう。
ちなみにweb業界では、このようなやり方を「リードマグネットを設置する」と呼んでいます。
リードジェネレーションに関しては、下の記事にまとめているので是非ご覧ください。
分かりやすいフック商材の例に、体験版の配布が挙げられます。
機能を制限した無料体験版を用意し、有料版のアプリケーションへと誘導していくのです。
これはスマホゲームなどで良く見かける手法ですよね。
無料体験版であれば顧客は直に触れて確かめられるので、取りこぼしなく有料化できることがメリットとなります。
このような営業戦略は「フリーミアム戦略」と呼ばれていて、IT業界で多用されている常套手段になります。
ただし体験版で満足してしまい、正式な商品を購入してもらえなくなる可能性もありますので、「どこまで機能を開放するか?」という部分をきちんと見極める必要があります。
もう一つ例をあげるなら、売りたい商品とは別に販促専用の”安価商品”を用意する方法が挙げられます。
廉価版は有料である事、1商品として完結していることが、体験版とは異なる点です。
このフック商材であれば、安価ながらも「購入した」という事実を作ることができるので、その後の継続購入も期待できます。
つまりフック商材でアカウントを開拓して、その後にアップセルしていくということです。
廉価版は有料ですが安価なので、お得感も演出しやすいって言われています。
消費者は初めて利用する会社やサービスにはどうしても警戒心を抱くものなので、信頼感を得るために、お買い得なプランを用意しておくのが効果的だと思います。