営業職なら絶対に交渉力を強化するべきだと思います。
しかし交渉力を高めるのは、決して簡単ではないですよね。
そこで今回は、営業やセールスに必須と言われる「交渉力」という話題にフォーカスしてみたいと思います。
ビジネスパーソンは是非ご覧ください。
交渉の意味とは?
交渉力の意味を考える上でまず重要なのは、そもそも「交渉(英語:Negotiation)とは何なのか?」ということです。
交渉は相手との会話や議論を通じて、お互い納得できる道筋を取り決めて、ゴールや着地点を導き出すことです。
ネゴシエーター(=交渉人)という専門職があるほど”特別なスキル”が要求されるので、そのノウハウを身につけることは一般的に「難しい」と言われています。
お互いが納得できるポイントを見つけ出すためには、しばしば激しい商談になることもあるはずです。
交渉相手は仲間や社員、ステークホルダーであることもあれば、利害関係が全く異なる他者、お客様や取引先、さらにはライバル企業という場合もあります。
それでも対立関係で終わるのではなく、お互いに納得して「これでOK!」と思えるような結論に落とし込むための協議が「交渉」なのです。
交渉力の意味とは?
ここまで解説した”交渉”を円滑にまとめるスキルのことを「交渉力」と呼んでいます。
利害関係のある相手と交渉する時には、お互いの利益を主張し合うことになるので、なかなか合意ポイントが見つからない状態になりがちです。
このような事態に陥らない為、あらかじめ着地点を想定し、そこへ到達する為の”ストーリー”を構築しておきましょう。
- こうすればお互いに利益が生まれる
- ここは自分が妥協する
- この点を相手に妥協してもらう
このように双方にとって『利益が最大化できる目途』を事前につけておくことが重要なのだと思います。
なので、狙った落としどころへ着地させる為に、最初は少し高めの要求を出しておきましょう。
つまり60点で着地させたい場合、80点くらいで主張しておかないと、狙い通りの着地ができません。
最初から60点で提示してしまうと、着地は50点や40点になったりするので注意しましょう。
これは「アンカーリング効果」と呼ばれる心理テクニックですが、着地点が見えないような場合はアンカー(錨)をおろしておけばスムーズな商談が実現するのです。
このようなビジネスに使えるテクニックを知りたい人は下の記事をご覧ください。
自分や相手が何を求めているかを正しく理解し、お互いの利害を最大化させることを考えた上で、「どのような道筋を進めば良いか?」と考えることが大切です。
このような結論を総合的に考えて、具体的に示せるのが”交渉力”なのだと思います。
営業職は交渉術を学ぶべき!
営業職であれば誰でも「交渉力をアップさせたい!」と考えるはずです。
交渉力があれば円滑なディールが実現できますし、お互いストレスなく取引できたり、契約締結できるようになります。
このようなスキルは”営業職”にとって必要不可欠だと言えるので、営業現場でもしばしば「交渉術を学べ!」と言われるはずです。
もともとセールス職は交渉する仕事なので、一流テクニックやセールスノウハウ、コツなどを身に付けることが重要だと考えられています。
トップセールスや優秀な営業マンだけでなく、優れた経営者として知られている人は、技術的にも能力的にも交渉事(ネゴシエーション)を得意としていることがほとんどです。
なのでビジネスパーソンとして成功したいなら、交渉術を学ぶことは必要不可欠でしょう。
もしあなたが上場会社に属しているなら、交渉力を高めるための教育研修が実施されていたり、先輩社員からのレクチャーもあるはずです。
価格交渉術などのノウハウが社内共有されているケースもあります。
実際、営業の仕事はお客様との駆け引きが重要になるため、そのテクニックを先輩から後輩へと伝える伝統があるケースも珍しくありません。
しかし中小企業ではなかなかノウハウが蓄積しないので、自分自身で交渉術を学ぶしかありません。
この時におすすめのやり方は、読書や動画など有料コンテンツを購入することです。
もちろん無料公開されている”営業シーク”などを読み込んでも良いですが、やっぱり情報量が限られますし、どうしても専門書には負けます。
なのでお金を出して本を購入したり、有料の動画コンテンツを購入することがおすすめです。
このような有料コンテンツを発信している人はその道のプロフェッショナルであることが多いので、きっとたくさんの学びがあるはずです。
そこで学んだノウハウをすぐに実践(アウトプット)して、自分のモノにするのです。
それを仕組み化できれば、一気に売り上げを伸ばして、大きな成功を収めることができるでしょう。
例えば、全米ベストセラーの「パワー・ネゴシエーション」は、本物の交渉術を教えてくれる本です。
25年も読み継がれている名著なので、交渉術を理解するためには最適だと思います。
交渉力がある人の特徴は?
ここまで交渉力について解説してきましたが、交渉力を身につけることは決して簡単ではありません。
実際、営業マンと一言にいっても交渉が上手い人もいれば、口下手な人もいます。
なので「交渉力がある人に共通する特徴は何か?」を良く理解して、交渉が上手な人を参考にしながら”成長を目指す”というのが合理的だと思います。
交渉力がある人の特徴は、状況を把握する力に長けているということです。
これは“観察眼”とも言われていますが、相手の様子を見極めて適切なタイミングで重要な話を切り出せる能力になります。
ただ、その根底にあるスキルはコミュニケーション能力です。
営業パーソンはコミュニケーション能力の意味をしっかり理解して欲しいのですが、コミュニケーション能力とは決して”雑談力”のことではありません。
営業におけるコミュニケーション能力とは「顧客ニーズを把握する」ことを指します。
お客様はなかなか本音を語ってくれませんし、そもそも自分のニーズすらわかってないお客様もいます。
なので、様々な角度から質問してみて、お客様の回答や身振り手振り、表情などを観察するのです。
この時に、
- お客様が即答した
- 質問に答えにくそうだった
- 質問に対して長考した
などの様子を見ながら本音を探っていきましょう。
そのためには相手を知ることが必須だと考えて、徹底して相手の立場になって考えるようにすると交渉力が高まるはずです。
このようなコミュニケーションを取る為には、メリハリのある話しぶりも意識しましょう。
まずはお客様を理解するために、自分が主張するよりも先に「相手の話を聞く」という習慣をつけましょう。
交渉力と言える「スキル」とは?
交渉力は「自らの努力で高められる」とお伝えしましたが、細かなコツを習得していけばもっと効率よく学べるはずです。
先に述べたように、コミュニケーション能力は商談(=交渉事)に欠かせないスキルなので、ビジネスパーソンにとっては必須能力と言えるでしょう。
そしてコミュニケーション能力とセットになっているのが『ヒアリングスキル』です。
顧客ニーズを把握する為には、知りたい情報を相手から引き出す“質問力”が必要になります。
他にも、相槌を打って話を聞いていることをアピールする方法や、目を見つめて話すことも大切でしょう。
上手に交渉するためには、まず最初にこちら側が妥協して、相手にメリットを与えるのもいいでしょう。
妥協してもらったからには相手も「妥協しなければ悪いな…」という気持ちが生まれることも期待できます。
なので、想定よりも高めの提示をしておいて、あえて最初から妥協するような演出もオススメです。
一方、交渉を成功に導くという観点ではイエスマンにならないことも重要です。
普段は相手に同調することが多いのですが、いざというときには「NO!」とはっきり言えれば交渉事にも強くなります。
相手を優位に立たせずに適切な落としどころへ着地させるためには、時に厳しい姿勢も大切だということを理解しておきましょう。
なんにせよ営業活動では事前準備を徹底することが大切です。
そうすればある程度カバーできるはずなので、相手の要望や目的を事前に把握しておきましょう。
このようなスキルは『心理術』や『心理テクニック』としてまとめられています。
知りたい人は下の記事をご覧ください。
交渉の練習方法
「交渉力を高めたい!」と思った場合は、とにかく練習してみることがおすすめです。
泥臭い話ですが、実際にやってみることは効果的なので、営業職の人はぜひ実践してみてください。
しかし、入社したばっかりの新人営業マンが、交渉上手なセールスマンになるまでには年月がかかるので、それまでの間に失注する契約がたくさんあったり、なかなか売り上げに繋がらないこともあります。
でもそれは”必要な投資”だと考えて、一旦諦めましょう。
失敗を通じて経験することはたくさんありますし、失敗しないでトップセールスになれる人などいません。
この辺りは割り切りも必要なのだと思います。
ロールプレイングが有効的
実践的なトレーニングを通じて交渉力を鍛えることがおすすめですが、一番メジャーなのは部署レベルで行えるロールプレイングだと思います。
実際の営業現場を想定しながらシチュエーションを設定し、二手に分かれてロールプレイングをすると、両者の立場が理解できるので、飛躍的に能力が高まるはずです。
この時の注意点は、必ず真剣に取り組むということです。
ロールプレイングはふざけて取り組んでも効果が薄いので、必ず本気で取り組むようにしましょう。
組織的には研修を実施するのが効果的だと思います。
交渉について体系的に座学した後、実践的なロールプレイングを通じてトレーニングを積む、という流れが一般的でしょう。
有名な交渉人を講師として招いたり、外部の専門業者へアウトソーシングして”交渉力研修”を実施すれば、社内にはないノウハウが手に入ります。
前述したように先輩から後輩へノウハウを引き継ぐだけでなく、積極的に外部からもノウハウを取り入れていきましょう。
そして他のおすすめなやり方は”イメージトレーニング”です。
頭の中で交渉の着地ポイントを定めた上で、どのような交渉をすれば思い描いたゴールが実現できるのかをイメージしていくのです。
イメージトレーニングであれば一人で実践できますし、移動中などの隙間時間でも大丈夫だと思います。
質問に対して「相手がどのような返答をしてくるのか?」を想定しながらイメージすると、FAQも作れるので、営業効率も上がるはずです。
これを愚直に繰り返していくだけでもトップセールスには近づけますので、ぜひ試してみてください。
ロールプレイングのやり方については下の記事にもまとめていますので、もし良ければご覧ください。