組織をまとめるリーダーにとって、人を動かすのは絶対に求められるスキルだと思います。
しかし、人間は複雑な生き物なので、自分の思うように動いてくれないことの方が多い気がします。
そんな時、「自分にはマネジメント能力がない…」と嘆いてしまうかもしれませんが、人を動かすやり方を知らないだけなのかもしれません。
そこで今回は、チームを率いるリーダーが身につけるべき「人の動かし方」について解説していきたいと思います。
目次
人を動かすのは難しい
人を動かすのは難しいと感じている人が多いはずですが、実はやり方があるのです。
例えば、部下に対して仕事をお願いする場合「この資料のコピーを1部印刷して欲しい」と指示しますよね。
これはとても簡単な話ですが、プロジェクトチームの場合には少し勝手が違ってきます。
プロジェクトチームの場合には、それぞれが核となって動くので、ただ業務を指示するだけではダメなのです。
なぜかと言えば、「指示」することで主体性が失われてしまうからです。
チームビルディングには、あくまで自主的に仕事をしてもらう前提が組み込まれているため、「指示する」のではなく「依頼する」というやり方にしなければいけません。
あくまでもメンバーのスキルを理解した上で、達成できるであろう仕事だけを依頼するのです。
なので「申し訳ないけど…」とか「忙しい所ごめんね」みたいな配慮は一切不要で、タスクボリュームを調整するような配慮もいりません。
プロジェクトチームに入るメンバーというのは、全員がある特定分野のプロフェッショナルだと認識されるので、その分野であればがっつり仕事を依頼しても良いのです。
チームメンバーに選ばれるような優秀なビジネスパーソンは、たくさん仕事を依頼されると「自分は期待されている!」と嬉しく感じるはずです。
なので、メンバーには仕事を積極的に依頼して良いのです。
人を動かすコツ
もしチームメンバーを思い通りに動かしたいと思ったら、その動かし方を知っておくべきだと思います。
雑に仕事を依頼しても、結果は決して良くありませんし、それによってチーム内にトラブルが生じてしまう可能性もあるからです。
ビジョンを伝える
まず押さえておいて欲しいのが、チームメンバーにビジョンを共有するということです。
ビジョンというのは、5年先、10年先の未来ですが、できる限り具体的に共有しなければいけません。
まるで10年先へ行って、その目で実際に見たように語れれば、チームメンバーに明確なビジョンが共有されることでしょう。
これは仕事におけるゴール地点を設定するのと同義なので、これが曖昧になってしまうと、チーム全体のクオリティが落ちてしまいます。
この役割はリーダーにしかできないので、必ず自分の口からチームメンバーに対して伝えるようにしましょう。
絶対NGなのは、上から聞いたことをただリピートするような猿真似です。
そうではなく、今の仕事とビジョンがどう関連するのかをきちんと説明して、仕事に対して納得感を抱いてもらうことが大切なのです。
そうすれば、チームメンバーは全力で仕事に取り組めるようになるでしょう。
メリットを伝える
良い仕事をするためには「納得感」が重要となります。
その気持ちがあれば、前向きに取り組めるので、仕事のクオリティも上がるはずです。
その上で、メリットも提示するようにしましょう。
メリットとは以下のようなものを言います。
あなたに依頼する仕事が達成できれば、きっと管理職になるために役立つはず。
だからそのような考え方で仕事に励んで欲しい。
このようなメリットを提示する場合、一方通行になってはいけません。
本人が希望するキャリアと結びつかなければ無意味なので、その辺りは事前にヒアリングしておきましょう。
細かい部分まで指示しない
一般的にリーダーとして活躍している人は優秀なビジネスパーソンなので、チームメンバーや部下に対して色々と口を出したくなるはずです。
しかし、それは避けた方が無難だと思います。
あまりに細かい部分まで指示されてしまうと「自分は言われたことだけをすればいいんだ…」と勘違いされるので、メンバーが思考停止状態に陥ってしまうのです。
そうではなく、チームメンバーには自主的に動いてもらわなければ、良いチームビルディングとは言えません。
なので、仕事を依頼する場合には以下のポイントだけを伝えるようにしましょう。
- あなたに依頼する理由
- 仕事の目的とゴール
- 期待するレベル
- 仕事の期限
これだけを伝えて、細い「作業」と言われるものは、本人に任せてみましょう。
といっても「放任主義」は良くないので、やり方が分からなかったり、指示を求められた場合は、それに答えてあげることも大切です。
あくまでも重要なのは「主体性」なので、その辺りを意識しながら仕事を依頼するのが良いと思います。
部下(メンバー)をやる気にさせる
主体性を持って動くためには、高いモチベーションを維持してもらわなければいけません。
モチベーションを高いレベルに維持するために重要な秘訣は、チームメンバーが安心して働けることです。
例えば、以下のようなケースではモチベーションが上がりづらいと思います。
- いつチームから外されるかわからない
- ゴールとなるビジョンが見えていない
- チーム内の人間関係がギクシャクしている
このような不安感を抱えていると、仕事に集中できないので、モチベーションも上がりづらくなってしまいます。
しかしよく考えてみると、これらの不安材料はすべてリーダーが解決できることに気付くはずです。
それをするために重要なのが積極的なコミュニケーションなのです。
積極的にコミュニケーションする
チームリーダーとして人を動かすためには、メンバーと積極的なコミュニケーションをとらなければいけません。
メンバーの人となりを理解するのはもちろんですが、コミュニケーションが少ない組織は疑心暗鬼になるので、表面上はうまくいっているようでも、水面下で亀裂が入り始めてしまうのです。
人間はとても繊細で不器用な生き物だと思います。
自分が相手に好意を抱いていたとしても、それを口に出さなければ決して伝わらないのです。
なので「君に期待しているよ!」「キミなら絶対にできるはず!」と一声掛けてあげましょう。
このような声掛けをすることで、リーダーに対する信頼関係が増していき、チーム全体のモチベーションもアップしていくのです。
それと同時に、絶対チームメンバーの悪口を言わないようにしましょう。
本人のいないところではもちろんですが、もし叱る場合には他の人がいない場所で叱りましょう。
大勢がいる前で叱ると自尊心が傷つけられるので、モチベーションが下がる原因になってしまいます。
逆に、褒める場合には大勢がいる前で盛大に褒めましょう。
これがチームマネジメントの基本なのです。
仕事を任せる
部下やチームメンバーといえども、一緒に仕事をするからには同じ仲間になります。
なので相手のことを敬い、お互いに尊敬する関係性であるべきだと思います。
つまり、たとえ年下であっても相手のことを一人のビジネスパーソンとして扱うのです。
例えば「○○さん」と呼びかけし、丁寧語を使うのがチームマネジメントのマナーです。
もし敬語に自信がない場合は、下の記事をご覧ください。
そして最終的には、チームメンバーの事を信頼して、仕事を任せることも大切です。
「仕事を任せられるメンバーがいない…」と嘆いているリーダーを見かけますが、そんな時には思い切って任せてみるのもオススメです。
意外と仕事を任せてみると、一人前にこなしてしまう優秀なメンバーばかりに気付くかも知れません。
ただし「むちゃぶり」するような雑なやり方はやめましょう。
仕事を人に任せるのには、それなりの勇気と責任がいりますが、それができるようになれば更に強いチームに成長できるはずです。