学問にとらわれ、理論の奴隷となってはならぬ。
これは頭でっかちになることを揶揄した名言です。
知識が豊富にあるだけでなく、「ちゃんと実行できる人間になれ!」と語ったのです。
仕事の上においても、私のみが独立しておるのではありません。
店員各自がその持ち場、持ち場において独立しておるのであります。
出光佐三は独立自営業ですが、それは自分だけではないと言っています。
社員もそれぞれの立場において責任を持ち、業務遂行するために独立しているそうです。
そのような独立した社員達が一致団結し、総合力を発揮しているのが出光商会だと語っています。
人間しばらく眠る時間も必要である。
チャンスが来るまで、しばらく休憩するのも良いと出光佐三は語っています。
ただし眠る時には「活眼を開いて眠れ!」と言っています。
僕の一生は、知ることを忘れてただ実行してきたということが言えるのじゃないかと思う。
知識や学んだことに捉われてしまうと、周りの意見を聞き入れづらくなります。
それが争いの原因になっていると、出光佐三は語ったのです。
なので、自分は知識というよりも『実行力』を重視していきたいと言いました。
黄金の奴隷になるな。
これは出光商会創業の時に社員へ語った、出光佐三の名言です。
出光佐三の言葉の中でも一番有名かもしれませんが、黄金とは「お金」を意味しています。
つまりビジネスをする上で、お金を第一優先にする「拝金主義」になってはいけないと語ったのです。
しかし、企業経営は売上や利益を追う宿命にあるので、その辺りは矛盾しますよね。
その点について出光佐三は「金の奴隷になることと、金を尊重するということは全く違う」と語っています。
「金を尊重する」というのは、経費を節約して、無駄を省いて、自分を律しながら、合理的に経営することを指します。
金に振り回されてはいけませんが、資本主義においては「金を無視することもできない」と言ったのです。
人間の根本は、平和に仲良く暮らすということだろう。
出光佐三は「大家族主義」を掲げて経営していました。
その考えを広く持てば『世界平和』という考えに行き着くのだと思います。
平和を求めた人物といえばマザー・テレサですよね。
マザー・テレサに言わせれば「世界の貧困国に寄付する日本人は偽善者」だそうです。
その真意が知りたい人はマザー・テレサの名言集をご覧ください。
対立競争は相手を滅ぼす破壊であり、自由競争のみがお互いに助け合って繁栄する進歩の母なんだ。
自由競争とは「資本主義社会」のことを指しています。
資本主義は、お互いに切磋琢磨する仕組みなので、それによって社会は繁栄し、人類は進歩できると考えたのです。
人間は神様ではないよ。
人間は表面上で立派なことを言っても、気分屋なので、裏では嘘をついているかもしれません。
褒められればいい気になって、悪口を言われれば悲観もします。
しかし「このような不安定さが実に人間らしい」と出光佐三は語っています。
つまり「人間らしい矛盾性を持っている」ということです。
そのことを「人間は放っておけば獣だよ」とも表現しています。
人間が物に恵まれることは「必ずしも良いことではない」ということではないか。
物欲に満たされた人間は怠惰になります。
頑張らなくなります。
そのような側面があるので、「あまり恵まれない環境の方が良い」と言ったのです。
金や物を超越するところから、日本人の清廉潔白とか、責任感が強いとかいう独特のあり方が生まれてくる。
その代表的なものが武士道であり、ぼくらの知っている明治時代の官公吏や教育者のあり方だった。
武士道精神は日本人にとっての宗教と同義であり、精神的な支柱になっています。
武士道精神について知りたい人は下の記事をご覧ください。