渡邉美樹と言えば、ワタミグループの創業者ですよね。
パワハラや残業代未払い問題などが明るみに出た時には「ワタミはブラック企業」と揶揄されたり、「渡邉美樹はサイコパスだ!」と言われたり、「頭がおかしい」とか「ワタミは無理!」と言われることもありました。
何かと話題になることが多いワタミですが、一代で東証プライム上場を果たした渡邉美樹の経営手腕には疑いの余地がありません。
そこで今回は、ワタミ創業者である渡邉美樹の名言集をご紹介したいと思います。
接客・サービス業の本質が理解できる言葉ばかりなので、これから独立起業を目指す人だけでなく、現役の経営者やマネージャー、営業職まで幅広くご覧ください。
渡邉美樹の経歴
渡邉美樹は1959年に神奈川で生まれましたが、小学5年生の時に父親の経営する会社が清算したことから、将来は社長になることを決意します。
明治大学卒業後、財務や経理を学ぶために会計システムの会社にサラリーマンとして勤務し、会社設立の資本金(300万円)を貯めるために佐川急便のセールスドライバーとしてがむしゃらに働きます。
無事に『独立資金300万円』が貯まった段階で、経営不振だったつぼ八のお店を買い取り、飲食店オーナーとして独立、大成功を収めました。
そのお店の売上を飛躍的に伸ばしたノウハウを基にして、「居酒屋 和民」を主軸としたワタミ株式会社を創業したのです。
ワタミは順調に業績を伸ばし、2000年には東証一部上場を果たしましたが、今では外食産業だけでなく、介護、宅食、農業、環境、教育など様々な分野に進出しています。
渡邉美樹の名言集まとめ
夢を追う人は人生を後悔しない。
夢を持てば、そこに向かって努力していきますよね。
そのプロセスが非常に重要なのだと渡邉美樹は語っています。
努力しながら前進することで、周りの人達にも良い影響を与えて、社会にも貢献できる…
このような人生こそが、最終的には「充実した人生」と呼べるのです。
人間は一つの事しかできない。
あれもこれも求める人は英雄になれはしない。
好奇心旺盛な人は、あれもこれもと手を出してしまいますよね。
しかし生きられる時間は限られているので、全てを網羅するのは不可能だと思います。
なので、どの部分に集中するべきか自分で決めなければいけません。
この時のポイントは「自分の墓石にどう刻まれたいか?」ということです。
アメリカの鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーは、墓石に下の言葉が刻まれました。
<おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男ここに眠る>
人生は長いように感じますが、最終的にはこのような一言に集約されるのかもしれません。
海外の偉人や有名人が残した名言は下の記事をご覧ください。
ダイヤモンドは見つからなくてもいいんだ。
ダイヤモンドとは人それぞれの「潜在的可能性」を比喩した言葉です。
しかし結果的に、「それは見つからなくても良い」と渡邉美樹は語っています。
なぜかといえば、それを探す過程(プロセス)が重要なので、結果は気にしなくてもよいということです。
夢に日付を入れる。
将来の夢を決めたら、そこに向かって努力すると思いますが、期限を決めなければダラダラしてしまいます。
なので、必ず夢に日付をつけましょう!
そうすればやるべき課題もクリアになるので、動きやすくなるはずです。
どんな逆境にあっても、目標達成の理想型を何度も何度も頭にカラーで描き続けること。
目標を設定するのは良いことですが、ぼんやりした目標では意味がありません。
つまり具体性がなければいけないのです。
具体的であればあるほど課題が明確になるので、次の行動目標も決まってきます。
それが行動する為の原動力になっていくのです。
人生に「遅い」ということはない。
これは多くの偉人も同じことを言っていますが、何かをやり始める時に「遅すぎる」ということはありません。
それをやり遂げるだけのバイタリテーさえあれば、何歳からでもチャレンジできるのです。
一番ダメなのは、何も行動をしないことだと心得ましょう。
思うだけなら誰にでもできる。
大切なのは、思いをカタチにすること。
これは行動する大切さを伝えている名言です。
- 人のことを喜ばしたい
- あの人のことを助けたい
このように思うのは簡単ですが、それを実行するのはなかなか難しいですよね。
しかし行動に移さなければ全く意味がないのです。
使っても減らないもの。
使うほど増えるもの。
この答えは”他人への思いやり”だと渡邉美樹は語っています。
相手への思いやりは消耗することがありませんし、思いやりを使えば使うほど相手からの好意も増えていきます。
積極的に『思いやり』を使っていきましょう!
「冷気と闇」がアサガオを咲かせる。
人間もまた同じなんだ。
朝顔が咲くには「冷気と闇」が必要ですが、人間もそれと同じなのだと言うのです。
渡邉美樹は事業資金300万円を貯めるため、トラックドライバーとして1年間働きました。
その労働環境は劣悪で、何度も「もう辞めよう…」と考えましたが、目標を持って夢を掲げていたから続けられたそうです。
渡邉美樹にとって、この期間は「冷気と闇」だったと振り返っています。
辛く厳しい環境を過ごした人ほど、その後に咲かせる花は大きく美しいのです。
一日一生の心構えで生きてみないか。
人間はいつか死にますが、その終わりが見えないのでダラダラ過ごしてしまいますよね。
- 明日やればいい…
- 今日はもうやめた…
- また今度にしよう…
常日頃からこのような考え方になってしまうのも無理もありません。
ですが、1日(24時間)が一生だと考えたらどうでしょうか?
自分の人生の終わりが分かっている場合、人間の行動はきっと変わってくるはずです。
アップル創業者のスティーブ・ジョブスは毎朝鏡に映る自分の顔を見て「もし今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることを『やりたい』と思うだろうか?」と自問自答していたそうです。
もしそれで行動が変わるようであれば、あなたがやろうとしていることは”本当に自分のやりたいこと”ではない可能性が高いのです。
ジョブスの名言を知りたい人は下の記事をご覧ください。
希望とは、人間の中にある。
希望というのは漠然とした言葉ですが、「生きるための糧」というニュアンスなのだと思います。
これは決して他人から与えられるものではありません。
なぜかといえば、あなたの人生はあなた自身が決めることだからです。
そう考えた場合、本当の希望を生み出せるのは自分自身しかいないことに気づくはずです。
その行動は、自分の原点に対して、後ろめたくはないか。
渡邉美樹は「何のために社長をやっているのか?」「何のために外食産業をやっているのか?」といつも考えているそうです。
ワタミの企業理念は「地球上で一番多くの『ありがとう』を集める」ということです。
このような信念があった場合、必然的になにが善で、なにが悪かが判断できるようになります。
必ず生きる上での信念を掲げるようにしましょう。
当たり前を当たり前と思う人に、成功はない。
今日現在生活できていることに感謝をするべきだと渡邉美樹は語っています。
自分のことを支えてくれる両親、家族、恋人、友人などはもちろんですが、自分の食事を作ってくれる農家、荷物を届けてくれる物流業者、必要な情報を提供してくれるIT事業者なども同じです。
このような日常を当たり前だと考えず、全てに対して感謝をすべきだと言っているのです。
渡邉美樹と同じく有名な起業家に斎藤一人(さいとうひとり)という人がいます。
銀座まるかんの創業者ですが、斎藤一人さんが提唱する天国言葉にも通じる部分があるはずです。
気になる人は下の記事もご覧ください。
人生の豊かさを決めるのは、「六つの柱」のバランスである。
「六つの柱」とは、仕事、家庭、教養、財産、趣味、健康です。
渡邉美樹は、このバランスが取れている人が、豊かな人生を過ごせると語っています。
「と」から「の」へ。
これは視点を変える方法について語った名言です。
例えば「私と家族」という言葉は「私の家族」に変換して、「私と会社」は「私の会社」に変換するのです。
「ワタミとお客様」だと他人行儀ですが、「ワタミのお客様」であれば親近感がわきますよね。
これは考え方を変えられるオススメのやり方です。
どんなときも「敬天愛人」の心をもって。
「敬天愛人」は幕末の維新志士『西郷隆盛』が残した名言です。
維新志士の名言が知りたい人は下の記事をご覧ください。
「よい気」と「わるい気」、きみはどちらを吐いているか。
『よい気』を吐く人は、人間として優しくて、誠実で、責任を果たします。
逆に『わるい気』を吐く人は、周囲を不快にさせます。
自分の心持ち次第で、どちらの人にもなれるので、『よい気』を吐く人になりましょう!
恥ずかしいことはしない。
これはワタミグループの理念の一つに入っているそうです。
誠実でないことを絶対にやってはいけません。
相手を騙したり、他人を不幸にすることは、人の道から外れています。
そのような恥ずかしい行為は絶対にやめましょう!
神様は不公平ではない。
「人生はガチャだ」という人が増えていますが、これには全く賛同できません。
なぜかといえば努力することを放棄していますし、責任を他人に転嫁しているからです。
そのような心持ちだから、人生がうまくいかないのです。
自分の人生は自分で変えるしかありません。
不平不満を言うヒマがあるなら、今すぐ行動しましょう!
成長できる人間には「WHY?」の心がある。
これは「何事にも疑問を持つべき」という意味の名言です。
つまり常識を疑うということです。
常識を疑った先にイノベーションの種(ビジネスシード)が隠れているのです。
人は3秒で人を判断する。
これは有名な話ですが、外食産業にも当てはまるそうです。
最初の印象が良い店は、お客様もリピーターになってくれやすく、最初の印象が悪い店は、どんなに美味しい料理を提供しても評価が低くなってしまうのです。
ビジネスパーソンは心得ておきましょう!
働くだけでは、ロボットと同じじゃないか。
これは飲食店あるあるですが、「いらっしゃいませ」という言葉を作業しながら言う人がいます。
皿を洗いながら「いらっしゃいませ」と言ったり、テーブルを拭きながら「いらっしゃいませ」と言ったりするのです。
忙しいのはわかりますが、このような行為は絶対にやめるべきだと渡邉美樹は語っています。
「いらっしゃいませ!」という言葉には、たくさんのお店の中から選んでくれた『お客様に対する感謝の気持ち』が隠れているので、絶対にお客様の方へ顔を向けるべきだというのです。
「いらっしゃいませ!」という言葉は、日常的な作業にするのではなく、心の表現とするべきなのです。
心で泣くことができないのならば、誰かを傷つける資格はない。
管理職の人は、時として部下を叱らなければいけないことがあります。
そのような場面で感情的になるのはご法度です。
相手の為になる指導を心掛けて、本当は嫌だったとしても、心を鬼にして指導するのです。
私はあらゆる出会いという言葉に、一期一会の精神を込めている。
その時その一瞬を大切にするべきだと渡邉美樹は語っています。
平凡に思えるような時間だったとしても、その瞬間は二度と訪れないかもしれません。
人のための欲を大きく、自分のための欲を小さく。
人間には欲望がありますが、それを他人のために使うべきだと渡邉美樹は語っています。
普通の生活が出来れば自分はOKで、それ以上は他人に分け与える『利他の精神』さえあれば、きっと成功できると社員にも伝えているそうです。
物事を学ぶには、まず本を読むところから。
読書はとても有意義だと思います。
時間や空間を超えて、何千年も前の人たちの知識を得ることもできます。
しかし、一度本を読むだけではあまり意味がありません。
もし気に入った本があれば何回でも読み直して、それをすぐにアウトプットする習慣をつけましょう。
そうすれば自分の血となり肉となっていくはずです。
失敗して恥ずかしいと思うかもしれないが、人は誰だって失敗をする。
失敗をしたならば、自ら失敗を認めて謝ればいい。
これは素直な心を持つ大切さについて語った名言です。
失敗を怖がる必要などありません。
失敗は成功するためのステップなので、むしろ積極的に受け入れるべきだと思います。
仕事と思うな、人生と思え。
仕事と言うと「イヤイヤやること」というニュアンスが含まれますよね。
そのような捉え方はお勧めしません。
人生の大半を費やす仕事だからこそ、『趣味』と言い切ったり、『人生に必要なこと』と捉えた方が良いかもしれません。
一番大事なのは、最後の一つの行動にこだわりを持って、とどめを刺すことである。
『とどめを刺す』という表現は物騒に聞こえますが、これはワタミグループの合言葉になっているそうです。
これはつまり「画竜点睛」を意味する言葉で、最後まで手を抜かないことを指しています。
四文字熟語を知っておくと色々便利なので、ぜひ下の記事もご覧ください。
全て小さく考えよ。
これはアメリカのスーパーマーケット『ウォルマート』の創業者サム・ウォルトンの言葉ですが、どうやら社長のお気に入りみたいです。
ワタミは2020年に900億円の売上がありますが、それだけを見ると大きな数字ですよね。
しかしその中身は、お客様が注文した一つの料理や、一杯のドリンクから構成されているのです。
『全て小さく考える』ことは、ビジネスで成功するために必要な思考術だそうです。
仕事であるからこそ、慣れてはいけない。
慣れは怠慢につながります。
常に緊張感を持って取り組むべきでしょう。
大雑把な言い方はビジネスに役立たない。
- だいたい
- とても
- 少し
- 多い
このような曖昧な表現はビジネスに不要だと渡邉美樹は語っています。
ビジネスでは「主語」「述語」「数字」の三つで語るべきなのです。
もし「お客様の来店状況は?」と聞かれたら「かなり多いです」ではなくて、「満席率で80%です」という答え方をしましょう。
人間は「善事を行なって損する」生き方を選んでいくといい。
渡邉美樹曰く「得な道」は大抵間違っている道だそうです。
なぜかといえば、自分が得をすると、どこかに必ず損した人がいるからです。
この損得は仕事にもつながっていきます。
つまり、このケースで損する人というのは「たくさん仕事をした人」だと思います。
そのような人は一見すると損しているように見えますが、長期的には得してしまうのです。
人よりもたくさん働いて、色々なことを経験すれば、そのぶん人間は成長します。
それであれば損する生き方の方が良いですよね。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」という格言は的確な表現だと思います。
サービスの原点とは、当たり前のことを当たり前にやっていくことである。
当たり前のことを当たり前にやりつつ、お客様のことを喜ばそうとすれば、必然的にサービスの質は磨かれていきます。
渡邉美樹はお客様のことだけを考えて、お客様が望むことはすべてやるのがサービスだと考えているそうです。
お客様の言うことには、全部「YES」なのだ。
お客様に喜んでいただくことが最優先なので、お店に誕生日ケーキを持ち込むのはOKだそうです。
個人的には損失につながることはNGだと思いますが、渡邉美樹社長は「それでもいい」と言っています。
お客様を無条件で信頼することが第一優先だと言うのです。
これはかなりブッ飛んでいますが、お客様の要望であれば全て受け入れる姿勢があるそうです。
やっぱり賢人の言うことはレベルが違いますね。
サービスには、仕事をする人間の、人間性そのものが現れる。
接客業には様々な要素が求められます。
- 礼儀正しさ
- 丁寧な言葉遣い
- 清潔な身だしなみ
このような基本ができていない人は、一流のサービスを提供することができません。
これは営業職にも通じる話なので心得ておきましょう!
仕事をする上で、いつも己の行動には責任を持たなければならない。
責任ある行動とは、全力を尽くすことである。
一度仕事を引き受けたら、必ずそれを達成させるつもりで臨むべきだと思います。
最初から誰かに助けてもらおうとか、甘い考え方をしているようでは『プロフェッショナル』と呼べません。
クレーム対応は作業ではない。
お客様の心のケアなのだ。
クレーム対応は難しいと思われていますが、コツを掴めば誰でも応対できます。
クレーム対応のやり方に自信がない人は下の記事をご覧ください。
「もし自分がお客様だったら…」という気持ちにならなければいけない。
サービス業はこのような気持ちになるべきだと、渡邉美樹は語っています。
常に顧客目線になりましょう!
仕事をする上で心得ておくべきことは、一にも準備、二にも準備、三にも準備。
これは準備することの大切さを語った名言です。
徹底した準備をすることとは、お客様のことを考えて、思いやることに繋がっていきます。
だから周到な準備が大切だと語っているのです。
一円でも多く売り上げるということは、一つでも多くのお客様の笑顔を勝ち取ったということになる。
接客業に近道はないので、一つずつ積み上げていくしかありません。
でもそれが接客業の醍醐味だと語っています。
365日、24時間、死ぬまで働け!
これはパワハラ発言ですが、もちろん言葉通りの意味ではありません。
そのような気持ちで働くべきだという格言なのです。
仕事は自分や家族、お客様などを幸せにするために行いますよね。
その効果を最大限追求するためには一生懸命働くしかありません。
そのような意気込みを強烈な言葉として表現したのです。
仕事は人に言われてやるべきものではなく、自分から主体的に取り組むべきことです。
優秀なビジネスパーソンであれば、きっとこの言葉の意味が理解できるはずです。
自分自身が相対的にではなく、絶対的に成長することが大切なのである。
周りと比較するのではなく、昨日の自分と比較するのです。
昨日よりも成長していればOKです。
毎日一歩ずつ前進していきましょう!
どんなに負けそうになっても、勝利を諦めず戦い続けていけば、いつかは必ず勝つことができるのだ。
勝負には勝者と敗者がいます。
その違いを分けるのは、途中で諦めるのか、続けるかだけなのです。
以前に「ワタミのサービスは異常だ」と言われたことがある。
そのとき私は誇りに思った。
ワタミグループでは、徹底した顧客目線を貫いています。
お客様のためであれば何でもやる気概があるのです。
たとえそれが会社にとって損(経済的損失含む)だったとしてもです。
それほどまで顧客第一主義を貫いているので、ほとんどが人からは「ワタミのサービスは異常だ」と言われるそうですが、それが渡邉美樹にとっては褒め言葉になっているのです。
ワタミグループは素晴らしい会社
ネット上で叩かれたり、悪口を言われることの多いワタミグループですが、個人的には素晴らしい会社だと思っています。
何よりも創業者である渡邉美樹社長は、とても立派な人格者で、高い志を持っている方です。
このような創業者がいる会社は、きっと社員を幸せにできるはずなので、今後もワタミグループは社会に貢献していくことでしょう。
他にも色々な経営者の名言を知りたい人は、ぜひ下の記事もご覧ください。