経営者や管理職の人は、マネジメントスキルを身につけなければいけません。
しかし、そのやり方を教えてくれる先輩社員は意外と少なく、ほぼ全てのビジネスパーソンが独学で学んだり、失敗を繰り返しながら身につけているのが現実だと思います。
そこで今回は、ビジネスする上で必須と言われている「マネジメント」について解説していきます。
これから独立起業を目指す人や、管理職を目指すビジネスパーソンはぜひご覧ください。
目次
マネジメントの役割&目的とは?
マネジメント経験が無い場合、管理職やリーダーに抜擢されるのが怖いですよね。
「自分は部下を扱うことができるのか?」と不安になるはずです。
そもそもマネージメントには二つの役割があると言われています。
- 業績を上げること
- 組織をコントロールすること
営利企業であれば「売上を増やす」のは絶対的な使命と言えるので、とてもわかりやすいですよね。
もうひとつの「組織をコントロールする」というのは、チームが故の課題感だと思います。
チームには複数の人が集まって共通の目的を達成するというミッションがあります。
なのでそこにいるメンバーが合理的に動いて、業績を上げるために貢献しなければいけないのです。
と言っても、個々人が好き勝手に動くようでは、チーム全体として非効率なやり方になってしまいます。
なので、メンバーの役割分担やルールの取り決めが必要になるのです。
これがマネージメントの役割であり目的と言えます。
マネジメント業務のやり方を伝授
ここから具体的なやり方について触れていきますが、まず押さえて欲しいのは「マネジメントとは仕組みを作ること」であることです。
ビジネスにおいての仕組みというのは「再現性」を意味しています。
つまり、たとえ今日入社した新入社員であっても、やり方さえ教えれば、あとはその業務フローに沿って仕事をするだけで効率的な業務ができる仕組みのことを言います。
このやり方はリーダー特有の業務フローではなく、汎用的な仕組みにしなければいけません。
つまりリーダーが持っている知識やスキルに依存してはいけないのです。
これを「脱属人化」と言います。
ある程度業務フローをパターン化すれば、部下はそれをルーティンとしてこなすだけです。
「いつでも誰でもできる」という再現性が、強いチームには不可欠なのです。
目標達成するための戦略を練る
「どうすれば目標達成できるか?」
これはシンプルな問いですが、ビジネスにおいては非常に難しい問いだと思います。
ビジネス環境は常に変化しているので、がむしゃらに頑張ったところで目標達成できる可能性は低く、無駄な努力に終わってしまうかもしれません。
なので、事前準備と言えるような「周到な戦略」を練る必要があるのです。
具体的には「どのような商材を、誰に対して、どんな方法で販売する」という戦術レベルまで落とし込んでいきます。
一つ一つのオペレーションまでイメージできれば、きっと必要な業務フローもあぶり出されるはずです。
例えば広告商材だった場合、その広告枠を法人に対してアウトバウンド営業で販売すると仮定します。
すると現場オペレーションは以下のようになると思います。
広告枠の仕入れ
↓
広告在庫の管理
↓
リスト作成
↓
アウトバウンド営業
↓
申込書(又は契約書)回収
↓
顧客のフォローアップ
自分がメディアを持っていれば広告枠の仕入れは必要ありませんが、どちらにしても在庫管理は必要になりますよね。
- どの広告枠が空いているのか?
- 広告掲載料金はいくらなのか?
この条件を知らなければお客様に提案することができません。
なので、それらを営業メンバーがリアルタイムに確認できる仕組み作りが必要でしょう。
そしてリスト作成に関しても、チーム内で共有できる仕組みにしなければいけません。
営業マンがノートやエクセルなどを使ってリスト管理すると、バッティング(営業マン同士の重複アタック)する可能性が出てくるので、それがクレームに繋がったりもします。
同じところに何度もアタックするのは、決して効率的な営業活動と言えないので、CRMやSFAを導入する必要もあるでしょう。
もしそのようなツールを導入した経験がなければ、下の記事をご覧ください。
そしてアウトバウンド営業を開始した場合、見込顧客を管理する仕組みも必要だと思います。
例えば以下のようなルールを決めておきましょう。
- 最終アタック日を入力する
- 見込みランクを入力する
- コンタクト履歴を残す etc.
最終アタック日が1ヶ月前で、見込みランクも低い場合、それは誰でもアタックできる「フリー案件」と定義することもできます。
逆に1ヶ月以内にアタック履歴があれば、その案件には「他の営業マンはタッチできない」というルールも必要だと思います。
そして無事に受注案件が出た場合、それを管理する仕組みも必要となります。
顧客の広告予算を管理したり、複数広告出稿する場合を想定したり、広告の掲載日や終了日を管理するのです。
それらのデータがきちんと整理整頓できていれば、顧客のフォローアップも容易になるでしょう。
ビジョンを掲げる
何か物事を達成しようとした場合、ビジョンを掲げる必要があります。
【ビジョンとは?】
ビジョンというのは、5年先、10年先の未来ですが、できる限り具体的に共有しなければいけません。
まるで10年先へ行って、その目で実際に見たように語れれば、チームメンバーに明確なビジョンが共有されることでしょう。
営業シークの記事:人を動かすやり方とは?チームリーダーに求められるスキルを解説
これがなければチームメンバーは目指すべきゴールがわからないので、「何を理想とすればいいのか?」が曖昧になってしまいます。
このビジョンを掲げるというのは、チームリーダーにしかできない役割となります。
なので「何を成したいのか?」「どんな世界を創りたいのか?」「何を理想とするのか?」を自分の口で語れるようにしましょう。
この時に注意すべきことは「絶対に嘘をつかないこと」です。
ここで言う「嘘」とは、自分に対する嘘のことを言います。
例えば心の中では全く思っていないのに「世界から貧困をなくしたい!」とか「地方創生に貢献したい!」とか言っても、全体ストーリーから外れてしまった場合、いづれ部下にバレる羽目になります。
そうなると上司への信頼感は一気に崩壊していきます。
そうなってからでは遅いので、嘘をつかないように注意しましょう。
フック商材やクロスセル商材を用意する
いざ営業が始まった場合、自分たちのメイン商材を売りに行くと思いますが、なかなか新規開拓営業がはかどらないケースや、売り上げの目標金額に足りなかった場合の対策を事前にしておきましょう。
フック商材とは、新規開拓営業で使えるアカウント開拓商材になります。
例えば無料で使える商材やコスト削減商材などがフック商材に当たると思います。
フック商材については下の記事をご覧ください。
そしてクロスセル商材とは、メイン商材とは違った商材をお客様に提案することで、顧客単価をアップさせる営業施策です。
クロスセル商材については下の記事をご覧ください。
クロスセールスは一度の営業工数でも売上金額が増えるので、効率的なセールスが実現するはずです。
マネージャーの仕事には商材戦略(商材仕入れなど)を考えることも含まれます。
これらの仕入れに役立つサイトも存在するので、もし商材仕入れを検討している場合には、一度使ってみるのが良いでしょう。
チームメンバーに役割と責任を与える
チームマネジメントする場合、人(=メンバー)を動かせなければ意味がありませんよね。
そのためにやるべきことは、各人ごとに役割と責任を与えることです。
- 誰が
- 何を
- いつまでに
- どのように
このような具体的なタスクを決めることで、各人ごとの動きが明確になっていきます。
また業務の優先順位を決めることも大切だと思います。
役割だけを決めて、「具体的な業務については各人に任せる」というやり方もありますが、そのやり方を採用するとみんな簡単な業務から手を付け始めてしまいます。
そして最後の方に難しい業務が残り、時間切れになって納品するという事態に陥るのです。
このようなチームには余裕がないので、もっと計画的な業務遂行を目指すべきだと思います。
そのためには各業務の優先順位をチームメンバーと一緒に決めるのが良いと思います。
それをすることでチームメンバーは「自分で考える」という癖も付くので一石二鳥ですよね。
そして一週間ごとにスケジュールを管理し、結果報告だけでなく途中の進捗状況まで全て報告させるのです。
これがチーム運営する上で非常に重要なポイントとなります。
途中の進捗状況を報告させるということは、具体的な日付を明示して、その日に進捗状況を報告させることを意味しています。
この時に報告させる項目は以下の通りです。
- 現在の業務の進捗状況
- 業務の終了予定日
- 業務遂行においての課題や問題点
例えば4/20に着手して、4/30が完了予定日だった場合、4/25に途中報告を受けた方が良いと思います。
単純計算すると進捗率50%でなければおかしいですが、もしそれに満たなかった場合、原因を徹底的にヒヤリングして、きちんと業務終了できるのかを判断するのです。
ただし、部下が正確な報告ができないような威圧感を与えてはいけません。
良い仕事をするためには適度な緊張感が必要ですが、本音が聞けなければ本当のマネジメントは実現できないのです。
なので「進捗状況を聞くのはチームとして業務を達成するためだ。だから何も隠し事をせずに、安心して報告してほしい。」と部下に伝えるのもおすすめです。
管理の甘い組織や、緩いチームでは良い結果を出すことができません。
徹底監視とまでは言いませんが、チームメンバー同士がお互い牽制するぐらいの緊張感は必要だと思います。
PDCAサイクルを回す
ここまで読み進めた人は、なんとなく「マネジメントは流動的なものだ」と理解できたはずです。
一番最初に戦略を考えて目標達成するための絵を描くのですが、実はその通りに行くケースはほとんどなく、イレギュラーが発生したり、ミスが起こったりするのが当然なのです。
そう考えた場合、評価(反省)することがたくさんあり、常に改善を求められることになります。
よって、マネージャーはPDCAサイクルをずっと回し続けることが必要なのです。
このようになる理由は、ビジネス環境特有の状況にあります。
ビジネスにおいては、良くも悪くも周り(=環境)が進化してしまうのです。
- ITツールによって業務効率化した
- 競合他社が台頭してきた
- 補助金や助成金が出始めた
様々な要因でビジネス環境は変化していきます。
なので、たとえその時は完璧な仕組みだったとしても、常に修正が求められるのです。
リーダーになる人はこのような背景を理解しておかなければ、いづれ衰退していく憂き目に遭うことでしょう。
後輩指導もマネジメントの一環
ここまでチームマネジメントするコツについて解説してきましたが、言葉で説明できるほど簡単な話ではないのがマネジメントです。
結局は「人(リーダー)対人(メンバー)」になるので、お互いコミュニケーションを取ったり、細かい意思疎通も求められるのです。
それをやるのはもちろんですが、人材育成という側面も忘れてはいけません。
チームマネジメントする目的の中には、「自分のような人材(=次期リーダー)を育成する」ということも含まれています。
いつまでも自分がマネージャーとして活躍できれば良いですが、現実問題としては無理ですよね。
なので、自分がチームを巣立つためにも、後輩指導が必要不可欠なのです。
もし人を育てるマネジメントがわからなければ、下の記事を参考にしてみてください。