
キラーフレーズ(殺し文句)を上手に活用すると、トップ営業マンとして活躍することもできます。
つまりトップセールスを目指す為には、営業テクニックやコツを理解する必要があるということです。
そこで今回は、セールスパーソンが身に付けるべき”キラーワード”について解説していきたいと思います。
目次
キラーフレーズ(殺し文句)の意味とは?
キラーフレーズとは、その名の通り「殺し文句」として使われている言葉を指します。
営業やセールスの現場では、迷っているお客様や不安に思っている顧客の背中を押す「最後の一手」になり得るので、キラーフレーズは契約数を伸ばす為にぜひ有効活用したいテクニックだといえます。
例えば、あなたがハウスメーカー(住宅販売)の営業マンで、お客様と契約の最終打ち合わせをしているとします。
最終打ち合わせという局面なので、そろそろ正式な契約を取り交わすタイミングになってきました。
しかし、この時に「この家を建てたいけれど本当にここで決めて良いのだろうか…?」と迷っている顧客がいた場合、営業マンはそのお客様に決断を迫らなければいけませんよね。
迷っているということはあと一押しで契約してくれる状態なので、もしあなたが優秀なセールスパーソンであるならこんな絶好機を見逃す訳にいきませんよね。
ここでしっかりとお客さんの心を掴んで、特大ホームランを打ち込みましょう。
その為に活用できるのがキラーフレーズなのです。
このようなシチュエーションの場合には、以下のように伝えるのがテンプレ回答になります。
「とても素敵な家になりそうですね。正直、私は絶対に喜んでもらえる自信があります。ぜひご家族の夢を一緒に叶えましょう!」
まさにテンプレ的なキラーフレーズですが、かなり効果が期待できるはずです。
この営業トークは適当に言っているように見えるかも知れませんが、実はロジカル&巧妙に仕組まれたキラーフレーズなのです。
キラーワードを丁寧に解説するので、ここでセールストークの構築ロジックを理解してください。
お客様に刺さるロジックを解説!
先ほどテンプレ的なキラーフレーズとして以下の回答をお伝えしました。
「とても素敵な家になりそうですね。正直、私は絶対に喜んでもらえる自信があります。ぜひご家族の夢を一緒に叶えましょう!」
この回答の中にはいくつかのキラーワードが仕込まれているので、一つづつ解説していきたいと思います。
- 素敵な家
- 絶対に
- ご家族の夢
まずは「素敵な家」というキーワードについてです。
お客様が迷っている理由が、「本当にここで決めて良いのだろうか…?」という”漠然とした不安感”であれば、会社や営業マンに対して不安感を抱いていることになります。
このようなお客様を前進させる為には、「自分の判断は間違ってないんだ!」と認識させることが大事となります。
その為に活用するキラーワードが「素敵な家」になります。
この「素敵な家」というキーワードには、お客様に同調する意味合いが込められています。
つまり「お客様と同じように、私も素敵な家だと思っていますよ」というニュアンスを伝えるキラーワードなのです。
このようなキラーワードは、製品サービスに納得感のあるお客様であれば、背中を押すことになり得ます。
そして次に不安感を払しょくする「絶対に」というキラーワードを出していきます。
先ほどの「素敵な家」というキーワードでお客様に同調しておけば、きっと仲間意識ができるはずなので、このタイミングで会社や営業マンに対しての不安感を払拭する「絶対に」というキラーワードを使いましょう。
失敗しないことをコミットメントするキーワードは、営業現場で絶大な効果を発揮します。
そして最後にお客様をワクワクさせる「ご家族の夢」というキラーワードになります。
どんな商材を販売する場合でも、お客様がワクワクしなければ購買には結びつきません。
このようにホップ、ステップ、ジャンプのような営業トークはお客様に響きやすいですし、使いどころによってはその名の通り“キラーフレーズ”になり得ます。
このような営業トークのテクニックを知りたい人は、ぜひ下の記事もご覧ください。
ここまでの解説を聞いて、営業職についてのイメージが変わったかも知れませんね。
世の中のトップセールスと呼ばれている人達は、お客様の状況や返答に応じて、即座に全体ストーリーを組み立てています。
そして、最短距離で受注できるようなシナリオに沿った質問や回答を展開するのです。
なので、トップセールスが質問する内容や、回答する内容には全て意味があって、基本的に無駄なやり取りは一切ありません。
このようなロジカルな職業が”営業職”という仕事なのです。
営業職の役割は、第一に契約獲得(受注)になりますが、その仕事効率を最大化させるための1つがキラーフレーズの活用です。
キラーワードをしっかり組み立てできれば、結果として重要な局面でお客様を逃すことがなくなります。
そのため、キラーフレーズは全てのビジネスマンが身に付けておくべき説得話法だといえます。
キラーフレーズの使い方とは?
キラーフレーズを使う場合は、少なからず“説得”の要素があることを理解しておくべきです。
なので、使うタイミングが非常に重要になってきます。
例えば、過去に営業マンから契約をしつこく迫られたり、嫌悪感を抱いた経験のある人は多いと思います。
あまりにグイグイこられると、人は逃げたくなってしまいますよね。
そのような強引な営業マンからキラーフレーズ(殺し文句)を言われたところで、お客様には全く響かないどころか、むしろ怒りを買ってしまう可能性すらあります。
そこで押さえておきたい営業テクニックが、プル型のキラーフレーズです。
キラーフレーズというのはクロージングトークの一環ともいえるものなのでプッシュ型で活用されることが多いですよね。
しかしその逆の”プル型活用”する方法もあるのです。
例えば、決断力が無さそうなお客様が相手だった場合、このようなプル型営業は効果的かも知れません。
というのも、決断力が無さそうなお客様の場合、多くの営業マンはプッシュ型のセールスを展開していきます。
そのようなプッシュ型営業ばかりをされているお客様の場合、プル型営業を新鮮に感じてくれるかも知れません。
またストレスを感じることもないので、きちんと誠実に対応してくれたり、接しやすいと思ってくれる可能性もあります。
このプル型セールスを成功させる為には、「決め切れないなら、今は契約しない方が良いと思いますよ」と一旦引くことも大切です。
その時の内心は「今は失注(返答待ち)してOK」という心構えでいることです。
実際にペンディング案件になるかも知れませんが、このような対応をした案件は高確率で受注に至ります。
その理由はお客様目線になった場合、理解できると思います。
顧客目線で考える
お客様は「決め切れないなら、今は契約しない方が良いと思いますよ」と言ってくれる営業マンのことを「余裕があるなぁ…」と感じるはずです。
人はこの”余裕の真相”を知りたがる生き物なのです。
余裕のある営業マンを、お客様は下のように考えています。
- 売れまくっているので余裕がある
- 本当に自分のことを考えてくれている
- 売る気がない
3については、話していれば売る気がないかどうか理解できるはずですし、売る気がない営業マンなんてほぼいません。
なので、1か2の可能性になりますが、この二つはお客様にとってメリットしかないことに気付くでしょうか。
2についてはその通りなので説明不要だと思いますが、1のパターンはトップセールスだということを意味しています。
一流の営業パーソンは提案力だけでなく、サービス内容も一流なので、誰でも取引したいと思うものです。
このような前提に立った場合、プル型営業は自分を権威付けすることにも役立つのです。
使ってはいけないキラーフレーズ
ここまでキラーフレーズの使い方やテクニックについて解説してきましたが、絶対に使ってはいけないやり方もありますので、ここで解説しておきたいと思います。
絶対に使ってはいけないキラーフレーズとは、曖昧なキーワードです。
例えば「~だと思います」という言葉が代表的な曖昧ワードになります。
このような曖昧な言葉を聞くと、お客様は「本当に大丈夫か?」と不安になってしまうものです。
なので、「絶対に喜んでいただける自信があるので、一回ご利用くださいませんか?」というような強気のクロージングを心掛けましょう。
キラーフレーズを効果的に使おう!
営業テクニックを駆使すると、キラーフレーズの効果も抜群に上がっていきます。
例えば結婚式の見積もり依頼を出すと、想定よりも予算額が大きくなってしまうケースがほとんどですよね。
そんな時にはあらかじめ予算額の目安を聞いたり、伝えておくことが重要だと思います。
これはアンカーリング効果と言われる営業テクニックで、予算が曖昧な商材ほど効果的になります。
結婚式というイベントは、ほとんどのケースで一生に一度の買い物となります。
なので、その予算感について分からない人が多いのです。
よって、予算感を聞かずにいきなり「合計300万円です」「合計500万円です」と言えば、お客様は引いてしまうかも知れません。
このような高額商材の見積依頼を受けた際には、事前に予算感を聞いてみたり、「ほとんどのお客様は300万円~400万円くらいに収まっていますよ。」と一言添えるだけでアンカーリング効果が働くので、心の準備が違ってきます。
その上で少し高めの予算を提示するのです。
ここがセールスのポイントです。
「ほとんどのお客様は300万円~400万円くらいに収まっていますよ。」とアンカーリングした上で400万円の予算を提示すれば、「お客様は少し高い…」と感じるはずです。
ここですかさず「この金額はMAXの金額なので、ここからいらないのを削っていきましょう!」と提案するのです。
まさにこれがキラーフレーズになります。
お客様はアンカーリングによって300万円~400万円になっているので、基本的には自分にとって都合の良い300万円という数字を頭の中でインプットします。
その上で400万円の予算を提示されれば、高いと思うのは当然ですよね。
しかし、そこから予算を削っていくことを明言すれば、最終的な着地金額は350万円ほどになるはずです。
このような営業シナリオ(ストーリー)を組み立てた上で、「おふたりの幸せな未来のために、ぜひお手伝いさせてください!」と伝えましょう。
ここでのキラーワードは「おふたりの幸せ」です。
結婚式という一人では決断しにくいイベントの特性を活かして、「おふたりの幸せ」というキーワードをチョイスするのです。
このような仕掛けによって、有利にセールスすることができるはずです。
キラーフレーズはプレゼンでも使える
キラーフレーズは社内会議ではもちろん、クライアント向けのプレゼンテーションでも使うことができます。
自分の話に聞き手が興味を持ってくれるか否かは、冒頭のたった5秒で決まると言われてます。
具体的なプレゼンノウハウが知りたい人は下の記事をご覧ください。
スピーチで思うように聞き手を引き込めないと悩んでいる人は、もしかしたらプレゼンの冒頭で失敗しているかもしれません。
それでは、プレゼンの冒頭部分はどのように始めればいいのでしょうか?
つかみのキラーフレーズとしては、「は・ほ・ふ」の3つの始まりを覚えておくと便利です。
1つ目の「は」は、ハッとさせるという意味です。
つまり、聞き手を驚かせるようなつかみで始めることを言います。
例えば、「私は入社してからずっとこの会社が嫌いでした…」などと最初に言えばインパクトが大きいですよね?
人は思いがけない言葉を耳にすると「えッ!?」と驚くものです。
大切なのは、早々と結論を伝えてしまわないこと。
あえて先延ばしにすることで、期待感をもって傾聴してくれるようになります。
2つ目の「ほ」は、ホッとさせることです。
この場合、思わず聞き手がにっこりするようなつかみで始めます。
例えば、「今すぐ3歳の子が待つ自宅へ逃げ帰りたいほど緊張しています!」などと最初に言ってみましょう。
人前に立って緊張しないという人は少ないですし、そんな時は思い切って言葉にすると逆に落ち着くケースもあります。
これは人によっては精神安定剤の効果をもたらしますので、オススメできます。
3つ目の「ふ」は、ふと考えさせることです。
この場合、聞き手が一瞬考えるようなつかみで始めます。
例えば、「一人だけ夢を叶えてあげられるとしたら、誰の夢を叶えたいですか?」などと最初に問いかけてみます。
すると、聞き手はあなたと一緒になって答えを考え始めます。
このような質問形式にすることで、相手は考えながらあなたの話を聞いてくれることでしょう。
キラーフレーズの「具体例」を紹介!
ここでは、仕事でも営業でも実践的に使えるキラーフレーズの具体例を4つご紹介します。
1つ目は「私にお任せください」です。
お客様にとっては「契約(購買)したから終わり」という訳では無くて、契約後のアフターフォローやサポートを期待されるケースが少なくありません。
特にBtoB(法人向け)商材であればその傾向は顕著になります。
この言葉はそういった不安感を抱えている人への後押しになり得ます。
2つ目は「高品質な商品なので、他社製品と比較してみてください。」です。
日本人は特に品質を重視する傾向があります。
そのため、迷っている人にこの言葉を伝えると、「自社製品に自信を持っているんだな」と思ってもらえるでしょう。
3つ目は「迅速に対応いたします!」です。
すぐに対応できるということは、仕事を早く遂行する力を持っているということです。
そのため、仕事の進捗具合を心配している人に信頼してもらえるでしょう。
4つ目は「必ずご期待に添えると確信しています!」です。
提供されるサービスや商品がコストに見合うかは重要な点です。
この言葉で、コスパを重視する人に自信を伝えることができます。
まとめ
キラーフレーズをどう使うかは現場の営業マン次第だと思いますが、都合よく利用しようとして「誇大表現」したり、「嘘や偽り」を伝えることは絶対にやめましょう。
営業活動とは、お客様との信頼関係で成り立っているものです。
この信頼関係を壊す言動や行動を絶対にやってはいけません。
キラーフレーズといっても“自分ができる範囲の最大限の誠実さ”を提案するようにしましょう。
この記事でご紹介したキラーフレーズは営業テクニックの一つですが、このような営業テクニックを知りたい人は下の記事もご覧ください。