
営業職として働いている人の中には、「もう営業なんてやりたくない…」と考えている人は多いはずです。
そのような苦手意識を持ってしまった場合、果たしてどうすればいいのでしょうか?
そこで今回は『営業嫌いの治療方法』について解説したいと思います。
セールスすることに対して罪悪感を持っていたり、苦手意識を持っている人はぜひご覧ください!
目次
なぜ『営業嫌い』になるの?
営業職として入社したのに、なぜみんな『営業嫌い』になってしまうのでしょうか?
まずはこの部分を理解しなければ”苦手意識”を克服することはできないでしょう。
その理由を端的にまとめてしまうと、お客様から怒られたり、人から嫌われる可能性があるからだと思います。
それを「恐怖」に感じて、本能的に避けてしまうのが『営業嫌い』の正体となります。
例えば営業をしていれば、誰でも下のような経験をしたことがありますよね。
- テレアポをしたら相手にガチャ切りされた。
- 飛び込み営業をしたら、相手に怒鳴られた。
- メリットのある提案をしたのに、相手からウザがられた。
これらは”営業あるある”なのですが、どれも心が折れるような経験であることには間違いありません。
このような経験を一度でも知ってしまうと、「また前回のように…」と記憶がフラッシュバックするので、だんだん行動することが怖くなってしまうだけでなく、「私は営業に向いていない…」とネガティブ思考になったり、「セールスがしんどい…」と感じるようになります。
まずは”ポジティブ思考”にすることが大切!
先ほど『営業嫌い』になる理由を解説しましたが、これを克服するためには、まず自分自身をポジティブ思考にしなければいけません。
つまり営業に苦手意識を持つということは、「ネガティブ思考になっていることが原因」だと言っても過言ではないでしょう。
なので、まずは思考を前向きにして、考え方を180度改めることから始めなければいけません。
そもそも、人から嫌われたり怒られたりすることを楽しんでる営業マンなんて一人もいないので、「新規開拓のテレアポをするのが怖い」というのは当たり前の感覚だと考えましょう。
「怖い」という感覚は当たり前だとしても、そこで止まってしまってはいわゆる「ダメ営業マン」のままです。
トップセールスになれる人たちというのは、その恐怖心を克服するためにとにかく動き続けます。
つまり恐怖心で動けなくなる前に、それを忘れるくらい自ら動いていくのです。
これは営業活動の格言として覚えておいて欲しいのですが、営業は数をこなすことで必ず”メンタル”が楽になります。
なぜかといえば、たくさんの数をこなすと、たくさん失敗するので、たくさん経験することができるからです。
その経験をもとに、たくさん改善していくと、当たり前の話ですが『営業の質(クオリティ)』が上がっていきます。
そのようなことを愚直に繰り返していると、あっという間にトップセールスになってしまうのです。
これは実体験としても経験あるのですが、「営業の真理」だと言えるので覚えておきましょう!
失敗できるのは”最初だけ”と割り切る
一流になるためには、とにかく行動して失敗することが重要だとお伝えしましたが、そもそも「失敗できるのは若いうちだけ」と考えておいた方が無難だと思います。
例えばイメージして欲しいのですが、40歳にもなってテレアポを怖がっていたり、ずっと失敗し続けているベテラン営業マンは、見ていて痛々しいですよね。
数多くの失敗を経験しなかった人は、自分の営業スタイルを確立することができず、質の低いセールスをいつまでも繰り返すハメになります。
このような姿はみっともないですし、優秀な新入社員はどんどん下に入ってくるので、これでは肩身が狭くなる一方ですよね。
そうなった場合、「将来どうなりたいのか?」というキャリアプランも絶望的で、もはや取り返しがつかない状況になってしまいます。
そうなってからでは遅いので、若いうちから失敗することを怖がらず、「失敗できるのは若いうちだけ!」と割り切って、どんどんチャレンジしましょう!
そもそも失うモノなどない
次に私が若い頃実践していた思考方法をご紹介したいと思います。
営業嫌いになってしまう原因は『恐怖心』だと考えていますが、そもそもこの恐怖心とは『失う怖さ』と関係しています。
先ほどご紹介した”営業あるある”を覚えているでしょうか。
- テレアポをした時、お客様からガチャ切りされた。
- 飛び込み営業をしたら、相手に怒鳴られた。
- メリットのある提案をしたのに、相手からウザがられた。
これらはどれも「お客様からの信頼を失うこと」、「新規のアタックリストを失うこと」などに紐付きますよね。
それらに恐怖を感じて、営業マンは無意識のうちに「やりたくない」と感じてしまうのです。
しかし若い頃の私は「そもそも全員に好かれるのは無理ではないか?」という前提に立って営業していました。
つまり断られたり、ガチャ切りされたりすることが当たり前だと受け入れたのです。
一般的な営業マンは、テレコールをすると『お客様と話せるのが当たり前』という思考になっていますが、私の場合は『99%の確率でガチャ切りされる』という真逆の思考になっていたため、100回のうち99回ガチャ切りされても全く苦ではありませんでした。
さらに「私が営業しなくても、ライバルや競合他社にどうせ開拓される」という思考をプラスして、「それであれば私が先に開拓したい!」という動機付けも行いました。
このような行動思考は臆病になっている背中を強烈にプッシュしてくれるので、当たり前の話ですが、それが成果へと繋がっていきます。
営業活動とは「無から有(顧客ニーズ)を生み出すクリエイティブな活動」だと思っていますが、そう考えた場合、そもそも最初が”無”なので、「どう転んだとしても”失うモノ”なんてない」と考えましょう。
勝手な”思い込み”は捨て去る
ここまで読み進めても、「まだ営業の苦手意識や恐怖心が克服できない…」という人がいるかもしれません。
そのような人たちは、「自分は単なる思い込みをしているだけ」だと考えましょう。
例えば、もしあなたの友人が「明日地球に隕石が衝突して、大津波が起きたらどうしよう…」と悩んでいた場合、あなたは何と伝えるでしょうか?
おそらく「そんなの妄想だよ」とか「そんなこと気にしてどうするの?」と言いますよね。
結論から言ってしまうと、「営業するのが怖い」というのはこの状態と同じです。
つまり、まだ起こってさえいない未来に対して勝手に恐怖心を覚えて、行動ができなくなっているのです。
地球に隕石が落ちるかどうかは分かりませんし、そのことをいくら考えても仕方ありません。
なぜかといえばその未来を変えることは難しいですし、そもそも予知することができないからです。
現状できることは、ただその時に備えて、できる限りの準備をするということだけです。
アメリカの有名な格言には下のような言葉があるので、ここでご紹介しておきます。
未来について心配するのは、雨が降っていないのに傘をさすようなものだ。
Worrying about the future is like holding an umbrella up even when it's not raining.
雨が降っていないのに傘をさすなんてバカみたいですよね。
雨が降ったらその時に傘をさせば良いだけです。
不明確な未来について心配するということは、それと同じくらい愚かな事なのです。
アメリカの金言集を知りたい人は下の記事をご覧ください。
良い成功イメージを持つ
先ほどから解説している通り、「恐怖心」は営業マンにとっての天敵だと言えます。
その天敵を倒す方法はいくつもありますが、その中の1つが「良い成功イメージを持つ」ということです。
これは私も実践していたやり方なのですが、テレアポする前に「話がトントン拍子に進んでいくイメージ」を自分の頭の中で考えるのです。
そうすると、お客様が電話へ出た時に明るく流暢な話し声でセールストークが展開できますし、もしすぐに断られたとしても、「99%は断られるから当たり前!」という考え方で受け入れることができます。
これと同じように訪問商談する時、必ずその旅路で商談のイメージトレーニングをしていました。
それは頭の中でシミュレーションロールプレイングをするやり方なのですが、これをしておけばFAQ(想定問答)にもなるので、とても重宝しますよ。
お客様によってニーズやシチュエーションは変化するので、定型的なFAQでは全て網羅することができません。
なので、事前にイメージトレーニングして、お客様ごとのFAQ として頭の中を整理整頓するのです。
これは実践的な営業テクニックなので、ぜひ覚えておきましょう!
良い成功イメージを実現する方法
良い成功イメージを描いたとしても、それが実現できなければ意味がありません。
例えば「新規テレコールをしてアポイントを獲る」というのをゴールに設定した場合、下のABではどちらのセールストークが優秀でしょうか?


この2つは一見するとありきたりなセールストークなのですが、実は営業マンAがNGトークを展開していることに気づくでしょうか?
新規開拓営業というのは”緊張感”のある状態なので、相手が答えやすい質問を投げかけなければいけません。
そう考えた場合、営業マンAの質問は「拡大質問」になっているので、その返答が「Yes」か「No」で答えられない質問となっているのです。
それに比べて営業マンBの質問は「限定質問」なので、「Yes」か「No」で答えられますよね。
一番最初にやるべき質問とは「限定質問」なので、その辺りを考慮しなければせっかくのテレアポ営業が無駄になってしまいます。
イメージ通りの営業活動を行うためには、このような細かいセールステクニックを身につけておくべきだと思うので、まだその知識がない人は下の記事を参考にしてください。
お客様の態度やニーズは必ず変化する
もし頑張って良い提案をしたのに、「お客様から断られてしまう」なんてこともありますよね。
そんな時には落ち込むかもしれませんが、全く気にする必要などありません。
なぜかといえば、時間の経過とともにお客様の態度やニーズは変化していくからです。
これは自分に置き換えてみればわかると思いますが、1年前と全く同じ状況&考え方ということはありませんよね。
人間は日々情報を取り入れながらアップデートしているので、価値観は常に変化していきます。
もちろん外部環境も変化しているので、1年前と全く同じ状態という人間はいないはずです。
これはもちろん1年後じゃなくて、1ヶ月後でも十分あり得る話です。
実際に私が新人営業マンだった頃、ある大口のお客様へアプローチを開始したのですが、その時は全く刺さらず、ずっと暖簾に腕押し…という状態でした。
しかし私は「お客様の態度やニーズは必ず変化する」という確信を持っていたので、そこで諦めずに3年もの間、定期的にアプローチをし続けていったのです。
すると、ある時にお客様の方から呼び出しがかかり、結果的に取引を開始してもらうことができました。
これはまさに「お客様の態度やニーズは必ず変化した瞬間」だったと、今振り返っても思います。
この新規開拓によって私は月間賞を受賞することができたのですが、このような実体験からも「お客様の態度やニーズは必ず変化する」という証明ができたので、お客様から断られても落ち込む必要などないと考えています。
とりあえずやってみる!
これは行動できない人の特徴なのですが、何かにつけてとにかく”言い訳”をしたがります。
色々言いたいことはあるのかもしれませんが、それを言ったところで何も始まりません。
なので基本思考としては、「リスクがなければ、とりあえずやってみる!」というのが正しいと思います。
例えば「A4サイズのチラシを印刷して、それを100件ポストインしたら受注が取れるか?」という仮説があった場合、これを実行するリスクには以下のようなものが挙げられます。
- チラシを印刷するコスト
- ポストインしたことによるクレーム
このようにまとめてみると、どちらも大したリスクじゃないことが分かりますよね。
それであれば、とりあえずやってみるのが正解です。
営業という仕事は自分一人の頭で考えてPDCAを回せるクリエイティブな仕事です。
デザイナーやマーケターはクリエイティブな仕事なのでカッコ良く見えますが、実は営業職も全く同じなのです。
まとめ
ここまで営業嫌いを克服する方法について解説してきました。
セールスに対する苦手意識を克服するためには、とにかくメンタルを改善して、行動量を増やさなければいけません。
それをすれば”恐怖心”は消え去り、自ずと成果はついてくるのですが、これだけでは”トップセールス”になるまでには至りません。
なぜかといえば、マーケティングに関する考え方が抜け落ちているからです。
この記事で解説したのは「セールス」に関する話だけなので、トップセールスになる為にはもう一つ「マーケティング」という要素が必要不可欠となります。
トップセールスになるためには「セールス×マーケティング」という両方の要素が必要になるので、この2つを持ち合わせていなければ、たとえ一時的なトップ営業マンになれたとしても、常にトップセールスを維持することは不可能でしょう。
マーケティングを学ぶには”名著”を読むのが近道だと思うので、まずはそれらの本を読んで基礎知識を身につけましょう!
その上でマーケティングを実践できる”ソーシャルセリング”などのやり方を身につけてください。
トップセールスへの道は一朝一夕ではありません。
日々努力して精進しましょう!